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マルドゥック・アノニマス6 ネタバレ感想

 もう一巻が出て何年経っただろう、冒頭のガス室のシーンから何分経っただろう?くらいの物語の速度ではあるけども、ようやく一区切りがついた感じのする6巻だった。この先一年近く続巻は出ないだろうし、今回も「あ、忘れていた。そうか出てたのか」といった調子だったので記録のようなものを残す。  5巻では「ウフコックがガス室から脱出してからの戦闘」と「バロットが救出に至るまでの時間」が描かれた。6巻も同様に二つの時間軸を交互に行ったり来たりする。  現在(ガス室からの脱出)では「ガンズオブオウスとの戦闘が終了」まで、過去(救出作戦まで)は「バロットがウフコックが囚われた施設への侵入まで」書かれているのでちょうど5巻と合わせると時間がぴったり繋がる。  以下感想。  前巻での引きが「脱出は無事出来るのか?バロットはどう施設へたどり着いたのか?ハンターはなぜ眠ったのか?」であったと思う。  それぞれのオチは「ガンズオブオウスは撃退(撤退)させられたが、それを好機とみたウフコックはガンズの備品のひとつに変形し再び単独潜入を開始する」「バロットはハンターとの交渉で施設の目星をつける」「ハンターは自らがシザースであることを自覚し(クインテットもハンターの異常を全て解析する)、それを利用してスクリュウゼロを捕獲するが、シザース側の反撃として昏睡状態にされ精神世界のような場所に送られる」だった。  正直、五巻の時点で予想出来ていたことばかりに思う。でも読んでしまう。  物語上で緊張状態を維持するためにウフコックはバロットとすぐ離す必要があったのだろうと思うが、確かに正解に感じる。二人がいちゃいちゃ出来るのは最終巻までないかもしれない。  ハンターのシザース対策が一番楽しめた気がする。  「自分が無意識(シザースから指示を受けている)の時間がある認識を持つ」→「交渉時にバロットより【あなたは今おかしな時間があった】と指摘され、ある程度の確信をもつ」→「再びシザースへの接触を試み(必ず無意識にされる時間へ飛び込む)、シザースの干渉を自身の能力で迎え撃つ」という内容だった。  ホスピタル&ケイト(肉体管理と精神管理キャラ)の補佐を受けながら自身の「共感」能力を「共有」能力まで高め、「自身が五感で感じているシザースの姿や声を周囲の仲間にも認識させる」作戦。予想から外れていないオチ(昏睡の原因)とはいえ、その過程はきっちり段階を踏んでエンターテイメントしていた。前から色んなレビューで言われていた「主人公っぽい」部分が「仲間と協力して掴みどころのなかったシザースを一部飲み込む(居場所を特定できる)」という一連の行為で強化された。シンプルな強キャラとして扱われるバロットより主人公している。  次は七巻になるが、結構のんびりした内容になると予想する。  各々の状態として ・ウフコック→いったんガス室を出たものの、ハンターの居ないクインテット内に再び潜入(難度がガクンと下がっていて、演出としてはヒヤヒヤするような描写はあっても、決定的な危機に陥ると思えない)。 ・バロット→イースターズオフィス内に相変わらずいる。その他味方に欠員特になし。作中五巻で言及されていたが、ハンターがいないクインテットは今なら「都市に多少の混乱をもたらす」程度の被害で狩れてしまうのでやってしまったらいいのにと思う(後半あるいは終盤でより大きな混乱が都市にもたらされることの示唆に感じる)。 ・ハンター→シザース側の反撃(クリストファーの派遣)により精神世界へ。こっちがメインか。過去作で死んだシザースメインキャラが今回大体出てきたので「仲間にする」か「破壊する」でハンターは現世に出てくるだろう。スペシャルゲストと言えるクリストファーの登場にはテンションが上がったし、この世界でボイルドとナタリアは再会を果たしているのも過去作への救いに思えた。  クリストファーからの「起こしてすまなかったねボイルド」というセリフで救われるための巻だった。「ボイルドがシザースとなって精神世界で一番楽しんでるのは睡眠」というほっこりした情報だけど。


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