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misaki-syumi from fanbox
misaki-syumi

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元マドンナさんは気づかれない。

「ふぅ、ふぅ…待ってよ、もう」 彼女が棚の間で身体を斜めにし、横歩きのような不格好な姿勢でこっちにやってくる。腕の中には、我が子のように大事に抱えられたスナック菓子の袋がいくつも。 「先に行っててって言ったのはそっちでしょ?」 「ふぅぅ……そうだけどっ」 僕の買い物カゴに、スナック菓子をどさっと入れて、ふぅぅと大きく息を吐くと、そのままカートを押し始める。カートの横幅よりも太い彼女のウエストと尻が、ゆっさゆっさ揺れる。 「でも、ちょっとくらい、ふぅぅ……待ってくれてもいいじゃない」 「待とうかって聞いたら「すぐ行くから平気」って言ったじゃん……」 まさかスナック菓子の棚の前であんなに悩むとは思わなかった。ぶ厚い身体は、通路を7割以上埋めていて、さぞ通行の邪魔だっただろう。 「と言うか、そんなに何を悩んでたの?」 「えっ…?えっと……二個までって決めてたから、どれにしようかなって……」 彼女の視線が右往左往する。カートに入れられたスナック菓子の袋はどう少なく見積もっても片手では数えられない。 「……二個?」 「ち、違うの!ほら、これは今日の分だけじゃないから!……ね?」 スナック菓子は普通一日換算しないだろうけれど、それは黙っておく。 昔は知らなかったけれど、意外に彼女は子どもっぽいし、変につつくと拗ねる所がある。 「まあ、そっちがそれなら良いけど……」 「あ、何その顔。ふーん、どうせ自制心がないおデブちゃんですよーだ」 怒ったふりをしてカートを押しながら進む。だが、腹がカートを押しているせいで不格好だし、進みも遅い。 「んふっ、ふっ…」 息も荒い。 それでも、同窓会のあの頃よりは随分明るく……と言うかフランクになったのは喜ぶべきことだと思う。少なくとも、自嘲的な雰囲気は随分鳴りを潜めた。 「ままー?ままー?」 と、彼女に近寄ろうと脚を出しかけて止める。彼女が、僕と同じ声を聴いたのか首を少しこっちに向けた。……首がほとんど見えないけれど。 そのまま、後ろ歩きで戻ってくる。……カートを押す彼女が振り返るには、スーパーの通路は少々狭い。 「聞こえた?」 「うん。……あ、あの子じゃないかな?」 彼女がさっき出てきたお菓子の陳列棚の前で、きょろきょろと顔を振っている小さい女の子がいた。3歳か4歳かその辺。少なくとも未就学児だろう。 「……いない?」 彼女が少女の方を見ながら僕に尋ねる。あたりを軽く見まわすが、子どもを探していそうな人物はいない。 「うん……見当たらないね」 「一応、お店の人に伝えた方がいいよね?……うーん…いないわねぇ」 当たり前のようにあの少女を助ける方向に考えがシフトするのは、僕が好きになったあの頃の彼女と何も変わっていない。優しく、暖かいそんな人だ。 店員も、親も見当たらないな……と視線を彷徨わせていると、当の少女がこちらを認識したのか、キョトンとした顔をした。 その視線が僕の横で棚に半分隠れている巨体に注がれる。……きっと、人生で初めて見たのだろう、このサイズまで太った人間を。 「あら……」 そして、子どもの好奇心とは恐ろしい物で、物怖じせずこちらに近付いてくる。 軽く彼女と視線をかわし、僕は一歩……二歩下がった。一歩だけでは結局彼女の尻と腹が陳列棚に突っかかりそうだったので。 彼女が少し屈むように膝に両手をつき視線を下げる。大きなバレーボールのような胸がむにゅんっと潰れ、襟ぐりの深いワンピースから覗く。相手が少女でよかった……。 「どうかしたの?お母さんは?」 優しい声色で少女に尋ねる彼女。そう言えば、昔も文化祭で似たような事があったっけ。 たしか、うちのクラスにいるお姉さんを尋ねて来た子どもを相手していて……そうだ、あの時は痩せていたから、膝を曲げてもっと視線を下ろしていた。少女と対等の高さになるようにしゃがんでいた制服の彼女が、ありありと思い出せる。 今は……スタンスは変わらないが、僕の方に大きな大きな尻を突き出すように身をかがめている。 ……しゃがんだら転んで危ないしね……。 「ままね、おかいものしてるの。だからちーちゃんまってるの」 「そう、偉いわね。ママはここで待っててって言ったの?」 「うん。おかしいっこかっていいって!おねえちゃんもおかしかうの?」 「え……う、ううん。お姉ちゃんはもう買ったの」 「ふーん。……おねえちゃんは、おすもうさんのひと?」 「う……ち、違うわよ?ふつうのお姉ちゃんなの」 耐えろ、笑うな僕。今笑ったら後が怖い。 子どもって言うのは、実に無邪気に攻撃してくるんだな……。 「じゃあ、おかしいっぱいたべちゃったの?ままいってたよ、おかしたべすぎると、ふとっちょになるって」 「っ……そ、そうかな?ちょっとだけ、ちょーっとだけね?」 子どもにそんな意地張らなくても……。 少し前かがみの姿勢がしんどいのか、彼女の身体が微かに震え、ワンピースの背中にじんわり汗をかいてきた。 「ちーちゃん?誰とお話してるの?」 「まま!あのね!おねえちゃんおかしいっぱいたべたんだって!」 「ん~?」 少女に気を取られていたら、向こうから女性が歩いてきた。明るめの髪とやや露出の多い格好は、若いママさんと言った感じだ。同い年くらいだろうか。 彼女が身体を起こしこちらの方に少し寄る。なんだか、棚と僕に隠れようとしているみたいだ。 母親は僕らに視線をやると一瞬目を大きく見開き、そのあと軽く笑って会釈をした。 「すみません、うちの子が~。ほらちーちゃん、お菓子決まっ…………あれ?」 「ん?」 少女に視線を移そうとした女性が、しかし僕の顔に視線を注ぎ止まる。 どこかで会ったっけ…………確かに見覚えがあるような……。 「えーっと……待って、なんだっけ……ほら、高校の時同じクラスだった!あー、名前出てこないんだけど~!」 「え……?」 僕もあまりピンと来ていない。しかし、その辺りこちらの元クラス委員は反応が早かった。 「春奈、…前川さんじゃない?」 彼女が僕に耳打ちをする。しかも名前ではどうせ通じないだろうと名字に言い換えて。それで思い出した。 クラスの、特に派手なグループにいた一人と、そう言えば雰囲気がよく似ている。多少顔が変わっているのはメイクだろうか。しかし、同一人物と言われれば納得できる。 「ああ、思い出した。久しぶり」 「ね!卒業ぶりじゃない?あたしこないだの同窓会行けなくてさー」 ああ、この喋り方。クラスの真ん中の方で聞いた記憶がある。 「そうだったんだ」 「そう!まあこの子もいたしさ。ママは大変って言うか?」 「だれ?」 「ああ、えっとね、ママの昔のお友達。ちーちゃん、お菓子選んでていいよー。今日は特別に二個!」 「ほんと!?えっとね、えっとね!」 母親……前川さんがお菓子の棚を眺める娘の背中を見ながら、懐かしむような口調になる。 「みんな元気だった?」 「うん、元気だったよ。あんまり変わって…………なかったかな」 何となく彼女の方から圧のようなものを感じた。と言うか、僕は気付かれたのに彼女の方には全然気づいていないようだ。……それもそうか。当時から優に倍は体重が増えてるのだから、流石に少し雰囲気が変わったでは済まない。 「そっちは奥さんと買い物?どうもー、あたし高校の頃のクラスメイトでー」 「あ、えっと、どうもー」 まるで初対面のようにやり過ごそうとする彼女。同窓会に来ていなかったと言う事は、前川さんは彼女が激太りしたと知らないのだろう。 「まだ奥さんじゃないけど……まあ、そんな所かな」 彼女に合わせないといけない。そう思いながら適当にやり過ごす。 「あ、そうなん?へー…………んー?……なんか、あたしたちどっかで会った?」 前川さんがマジマジと彼女の方を見る。会ってますとも、とは言えず、彼女は「い、いえ~……」などと逃げようとしている。 「そっかー。……んー…………?いや、んー?……委員長じゃない?」 「えっ……」 「あー……」 僕と違って、前川さんは10年以上経っていてもクラスメイトの顔をしっかり覚えていたようだ。 「やっぱ……そう、じゃない?んー……?いやー、でも……?」 しかし、流石に体重が当時の倍どころか、そろそろ3倍になりそうな彼女に、未だ半信半疑のようだ。 彼女が救いを求めるような目で僕の方を見て、服の袖を少し引っ張る。逃げようと言う合図だろう。 「あー……うん、ごめんね。合ってるよ」 「ちょ、ちょっと…!」 「やっぱり!?へー……そっかー……委員長がねー……」 僕の言葉で確信したのか、彼女の陳列棚に挟まりそうな特大の腹肉や、前から見てもはみ出た尻、丸太のような脚に首のなくなった顔までをもう一度しっかり眺める。 「えー、言ってくれたらいいのに」 「だ、だって……その、恥ずかしいじゃない…!」 「あー、まぁ……ねー?……いやでも、ほら、そういう事もあるんじゃん?……ね?」 明らかに気を使っている前川さんの発言が、彼女をグサグサ刺している。 「でもそっかー。え、っていうか付き合ってるのはマジ?」 「う、うん……そっちは本当」 「へー、意外~!え、いつからいつから?」 「同窓会の時から……」 さて、彼女の正体がバレてしまった以上会話の中心が二人になるのは当然だ。僕と前川さんは学生時代だってほとんど交流なかったし。 「そっか~……へぇ~……あの委員長がねー……いやー、へぇー……」 大っぴらに何か言うのは憚られるが、それでもこの特大の肥満体型を前になにか漏らさずにはいられない。そんな前川さんの心情がありありと伝わってくる。 「ままー!」 「あ、やば。はいはーい、今行く~!あ、委員長。これ連絡先。近所住んでるなら今度また会おうよ」 「え、ええ。もちろん」 スマホでささっと連絡先の交換をすると、退屈し始めてしまった娘の方へと前川さんがカートを押しだす。 「じゃ、またね~!」 「ええ、またね」 彼女がふるふると腕を振る。二つお菓子を抱えた娘を抱きあげた前川さんが、何やら話している。しかし、それなりに距離があって聞き取れなかった。 「……もうっ」 「いたっ……仕方ないって」 振っていた手でそのまま軽く叩かれた。体重が乗っているから痛い。 「黙っててくれたって良いじゃない……」 「気づかれてたでしょ。……それに、昔の知り合いに会うのは嬉しいんじゃないの?」 「それは、嬉しいけど……あー、せめてもうちょっとお洒落してればよかった。メイクも薄いし、服もこれだし」 ゆったりとした特大のワンピース。ひざ下まで隠してくれるそれをすっぽり被っただけのような格好は、確かにラフだ。 「良いでしょ、可愛いよ」 「……もうっ」 「痛いって……!」 しっかりもう一度僕の事を叩いた彼女は、けれどやっぱり少し嬉しそうだった。 「……何してるの?」 「ふぅ……っふぅぅ……うんっ、どうっ……少しでも、痩せなきゃだから……っふぅぅ……」 夕飯前のリビングで、床に仰向けに寝転がって身体を持ち上げようとしている彼女。 しかし、重たすぎる身体は全然持ち上がらず、腹筋と言うよりも、もがいているみたいだった。 「……今更?」 「んふ、それっでも……だって、おすもうさんとか、ふぅぅ……言われたのよ?」 「あー…………」 昼間、前川さんの娘に言われたワードがしっかりとダメージになっていたようだ。……それならお菓子とか買わなきゃいいのに。 「はぁ…ふぅぅ……んふ、ふぅぅ……」 数度、ほとんど持ち上がらない腹筋を終え、彼女はどすんっと倒れ込みはぁはぁと息を荒くさせた。ワンピースにはぐっしょりと汗の染みが浮かび上がっている。 「ふぅ……それに、気づかれないのは、結構ショックだったし……」 「……まあ、仕方ないよ」 「それでも、傷つくのは、ふぅ…傷つくの……んっ……んーっ……っふぅ、ふぅ……起こして……?」 「ああ、うん」 腕を伸ばし、プルプルと震える彼女に近付く。動いた後だからかびっしょりと汗をかき、むっとするような汗の臭いがする。 「よいっ…しょ」 「っふぅぅぅ……はぁ、ふぅ、ありがと……」 彼女のぶ厚くぶよぶよした身体に抱きついて、後ろに倒れ込むように身体を倒しながら起こす。重たい身体が、彼女と僕の二人分の力で漸く起き上がる。 「ごめん、ね……ふぅ、汗、くさいでしょ……?んふ、シャワー浴びなきゃ……」 「いや、良いよ。慣れてるしさ」 「それは、それで……なんか、ふぅ、いや」 「そう言われてもなあ……」 立ちあがろうとする彼女を、今度は引っ張り上げるようにして手伝う。ローテーブルと僕の手を掴んで、彼女が重たい身体をゆっくりと持ち上げ、ふぅぅぅ……と荒い息を吐いた。 「ふぅ、ちょっとは、減ってるかしら……体重……」 「いや、流石にこれくらいじゃ変わらないんじゃないかな……」 運動をしたと言えるかどうかも怪しい。ほとんどもがいていただけだし。 「む……もう、ふぅ……んしょ、そうやって、恋人の、やる気をそがないでよ」 「ははは、ごめんね」 よろよろと脱衣所まで向かう彼女の、汗で濡れたワンピース越しに背中を押す。背中まで贅肉が溢れて、むにゅんっと手のひらが沈む。 「でも、そこまで気にしなくてもいいんじゃない?」 「気にするのっ……ふぅ、だって、あなたより仲良かったのに、全然気づかれなかったし」 「あはは……でも、その割には誤魔化そうとしてたじゃん」 「そ、それはそうだけど……だって、恥ずかしいじゃない。『うわ、マジ?めっちゃデブってんじゃん……』みたいに思われるの」 絶妙に似ていないモノマネを披露しながら、彼女は唇を尖らせた。思いの外見栄っ張りで、案外気にしいな彼女。それなら痩せたらいいのに……と思うけれど、食欲には勝てないようだ。 現に、さっきも買ってきたスナック菓子を一袋、ほとんど無意識に平らげていたし。 「ん、っふぅ……はぁ、すずしい……」 脱衣所でワンピースをがばっと脱ぐ。お腹がつっかえて、裾を掴もうとした手が何度か空を切った。 大きな胸が少しだけおばさんくさいブラに包まれている。下腹が、同じようにおばさんくさいショーツに詰め込まれていた。たっぷり贅肉を蓄えたお腹は、ショーツをぱんぱんに張り詰めていて、ゴムの上にまで脂肪が溢れている。 「……もう、あんまりジロジロみないの」 「あ、ああ。ごめん」 「いいけど……恥ずかしいんだから。下着とか、可愛くないし…」 「あー…………」 「否定してったらっ……」 確かに、可愛いと言うよりもセクシーというか……エロいなと思ってしまう。 彼女が拗ねた顔をしながら、いつものように体重計に乗る。お腹で足元が見えないはずだけれど、僕が見ようとすると更に拗ねるので、僕は大人しく脱衣所の入り口で服を脱ぎながら待っている。 彼女が、体重計からどすッと足音を鳴らしており、少し屈んで数字を見る。 「ひっ……!」 「…………何キロだったの?」 悲鳴を飲み込んだ彼女に、後ろから声をかける。振り返った彼女は若干青い顔をして首を横に振った。 「言わない……ぜったい言わないっ…!」 「……そこまで固辞しなくても……」 というか、僕としては死活問題なので教えて欲しい所ではある。……流石に最近、上に乗られると命の危機を感じるのだ。 「やっぱり、絶対痩せるんだからっ!」 「じゃあ、今日の夕飯は少なめにしようか」 「…………明日から、明日からにしましょう。今日はもう、お買い物もしちゃったし」 「まあ、君がそれで良いならいいけど……」 学生時代、クラスメイトに課題を早く出すようにせっついていた彼女は、今ではすっかり問題を先送りにするようになっていた。……いや、これは単純に食欲に勝てないだけかもしれないけれど。 「はぁ……っていうか、君と一緒に住んでから余計に太った気がするんだけど……」 両手を背中に回し、なんとかブラのホックを外しながら彼女が僕を睨む。 「そ、そうかな……」 自覚はないのだけれど。 「絶対そう!だって、大学入ってから10年で90kgなのに、君と一緒になってから1年で15kgも増えてるんだもの!」 「……10kgかぁ」 10年で80kgと言うのも衝撃的だけれど、1年で15kgも相当だ。同じペースで太ってしまえば、10年後には150kgも増える計算になる。……流石に、それはないと思うけれど。 「……なんでちょっと嬉しそうなの」 「え、ああ、いや……昔と違って油断してるところが見れて、可愛いなって」 「っ、褒めても何もあげないからねっ……もうっ」 汗で湿った大きなショーツに手をかけ、身体をくの字に曲げながらお尻の贅肉を削ぐようにショーツを下ろしていく。ツンっとする汗の臭いが濃くなった。 彼女のアソコが凄い臭いなのは、今に始まった事じゃない。やっぱり、太り過ぎてうまく洗えていないんだろう。手伝おうか?と聞くと、決まって「平気だからっ……!」と言われてしまうので、僕は何も出来てないし。 「んふっ、っふぅ、っしょ……」 洗面台に手をついて、片足を上げてぶんぶんッと振る。全身の贅肉がぶよんっと波打って、ショーツが床に落ちる。少し粗雑な動きは、昔の彼女とは比べ物にならない。 「ふぅ…んーっ……っふぅ、ふぅ…」 床に落ちたショーツを取ろうと彼女が身体を折り曲げるが、お腹の肉がつっかえて屈めていない。しかし、しゃがめないのは自分が一番わかっているのか、諦めたように僕を見た。 ショーツに手を伸ばす。やっぱりじっとりと湿っていて、強い臭いがする。 「だめっ、ふぅぅ……嗅がないの…」 「あー、ごめん。……でも、嫌じゃないよ?」 「だから、恥ずかしいの……ふぅ、それに、あなたに甘えて、嫌じゃないから平気って思っちゃったら、もっとひどくなりそうだもの……」 唇を尖らせ、眉根を寄せる彼女。たとえ学生時代から100kg以上増量し、旧友に気づいてもらえないほどぶくぶく太り、今でもまだ太り続けているとしても、この可愛らしさには敵わない。 「……15kgも太ったって事は、今200kgくらい?」 僕は、あえてひどい事を言って揶揄う。そうでもしないと、こっちが冷静でいられない。 「っ、ひっどーい!まだ150kg!……あ」 「ははは……」 彼女が顔を赤くする。案外子どもっぽくて、意外とひっかかりやすい。 「むー…………」 「ごめんごめん。さ、シャワー浴びようよ」 「ふん、一緒に入ってあげないんだから」 「えー……、っていうか、一人で洗えないって言ったの君の方でしょ」 「それはそうだけど、それとこれとは別ですー!」 そう言いながらも、彼女の背中を押して浴室に入っていく。 さらに一段と丸く、太く、ぶ厚くなった彼女の身体。浴室の鏡からはみ出す横幅と、前に垂れたお腹の脂肪。 その全部が僕には愛おしかった。 「……お相撲さんかぁ…」 お腹の贅肉をむぎゅっと両手で掴み、軽く揺らす彼女。鏡にはその様子がばっちり映る。 「…………今はダメだからね?」 「……ごめん」 僕のが彼女の尻をぐにぐにと押していた。軽くたしなめられてしまう。 ……やっぱり、彼女が太り続けてるのは僕のせいかもしれない。何故なら、これだけ太っても魅力的なのだ、痩せてもらいたい理由がない。 ぐぅぅぅ……彼女の腹が大きく鳴る。 顔を赤くした彼女が僕の方を振り返る。 「……明日からね、わかってる」 「まだ何も言ってないのに……」 「ははは……」 シャワーを出しながら、彼女がむくれた。それすらも、愛おしかった。

元マドンナさんは気づかれない。

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