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広域はんい from fanbox
広域はんい

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①縮小奴隷日記外伝 ~生か死か~ 前編


『それでは、エロステについての長いお話はこれまでにして、次は自慰用性具――素敵な玩具君に、実際私達に使われている感想を聴きに行きますね♪』


 ここはエロステ内にあるシアタールーム。

 その中で、巨大スクリーンに映る『奥村 香』がこちらに向けてにこやかに話していた。


『りょーかいデス』


 こちらというのは、香の姿をカメラで撮っている『マリア・ホーキンス』と、この映像を観ている人間に向けて。


 実際、シアタールームには映像を観ているお客様がいる。

 この広い室内の中、前席から高低差を作り並べられた椅子に座る、綺麗なドレスを着飾った淑女の方々が。


 さながら映画館のようであるのだが、人の数はポツリポツリと少ない。 片手の指で数えられる程度で閑古鳥が鳴いているように思える。

 されど人気がない訳ではなく、これはニ十四時間上映しっぱなしで、いつでも観られる映像であるためだ。

 今宵のパーティー内であればいつでも……。


 ――そう、今宵はパーティーの日であり、時刻はニ十一時過ぎ。

 開催されてから食事を終えて落ち着き出した頃合いのため、淑女達は思い思いにエロステを堪能しようと行動に移していた。


 自慰用性具を使って体内に溜まった淫欲を落とそうとする淑女。

 縮小奴隷浴場に行き、身体を洗う淑女。

 エステへと行き、身体を綺麗に整える淑女。

 はたまたマイクロモルモットを堪能をしたりと。


 内、何人かの淑女はここ、シアタールームに来ていた。

 各々理由は様々だが、多くは腹ごなしの休憩のために。

 何故ならどの淑女も皆、パーティーで出された食事を食べて、お腹がでっぷりと膨らんでしまっているのだから……。


 ――して、かようなシアタールームの前席に、『葉山 美奈子』の姿があった。

 同じくお腹を膨らませ、なんとも優雅に寛ぎみせた彼女の姿が。


「けぷっ!」

 ……キュルルル


 微かなゲップの後、小さくお腹が鳴る。 どちらも意識せずの生理現象。

 どうやら美奈子の腹の中で消化活動が始まってしまっているようだ。

 現に胃の中は活発に動き、食べた物が執拗にこねくり回されている。

 野菜やパスタ、魚の身や肉などが。


 これらは口内に入れられた際、歯で嚙み砕かれて原型なぞ留めていない。

 一緒くたに口の中でミンチとされ、唾液と共に喉奥へと流し込まれた咀嚼物。


 それとは別に、原型を留めて動いている物もちらほらある。

 いいや、物ではなく “者” 。 元々美奈子と同じ人間であった男達だ。


 彼らは美奈子に丸呑みをされて食べられた者達。

 腹の中で動く感触を愉しむためだけに、あえて噛まずに生きたまま胃の中へ送られた男達だ。


 そんな男達は唾液が混じった泥状となった咀嚼物と共に、活発に動く胃液の海にたゆたんでいた。 泳ぎ、胃液の海をバチャバチャと暴れて。

 彼らは消化活動が始まった胃の動きにどうする事も出来ず、ジュウジュウと消化による白いガスを噴き出した胃液の海で、溶かされていたのだった。


「けぷッ! や、やだわ……さっきからゲップが」


 すなわち先ほどから美奈子が口から出しているゲップは、残酷にも人を食い溶かす最中の、口内から吐き出される死のガスであった。

 また先ほど鳴った腹の音は、確実に消化しているという証の音色なのだ……。 


「飲み物を飲んだらおさまるかしら……」


 美奈子は座席傍に自分が置いていた、赤黒い液体が入ったワイングラスを手にとる。


「ひぃぃ……」


 生きた一人の男が浸されている、 “小人酒” を。


「んっく……んっく……」


 男が入っているというのに一切目もくれずグラスを傾け、構わず淵に口を付けて飲み始める。

 グラスが傾けられた事によって、男は波にさらわれるように赤黒い液体と共に美奈子の口元にまで流されてしまう。


「ゴブゥッ! ブハァッ!」


 大量にある液体が、真っ暗な口内の奥深くの穴に向け、急流の勢いで。


 ゴクンッ……ゴクンッ……


 男の下方にある喉からは、悍ましい音を立てながら何度も隆起している。

 食用小人となった男達をすり潰した生命の水を、美奈子が容赦なく飲んでいるためだ。


 だが飲んでいるのは赤黒い液体だけ。

 グラスの中にいる男は美奈子のすぼめられた唇の前で、幸いにも飲み込まれずにつっかえていた。

 口の奥へ吸い込まれていく水の勢いで、顔を唇に押しつけられた状態で。


「――んむぅぅッ! むぅぅぅぅッ!」


 その姿は、まるでキスをしているかのようだ。


「んっ……ぷはぁ~」


 ひとしきり飲んで満足したのか、美奈子はまたグラスを座席の脇に置く。

 男が立ち泳ぎ出来るぐらいなみなみグラスに注がれていたはずなのに、今は男の腰ほどにしかない。


 飲んでしまったのだ。

 男からすれば風呂以上にあった水を、唇をグラスに一口付けただけの――この一瞬で。


「っふぅ~美味しいわぁこのお酒。 いくらでも飲めちゃいそう」


 どっかり椅子の背もたれに身体を預けて、映像を鑑賞しながら膨らんだお腹をさする美奈子。

 小人酒で濡れた唇を舌でペロリと舐るその姿は、誰が見ても大いに満足したのだろうと思わせるぐらい優美であった。


 これなら酒にされた男達も浮かばれるであろう……。

 彼らは美奈子の舌を悦ばせ、そして女体の美のために役立てるのだから。

 彼らの命はしっかりと活用される。 美奈子の栄養として…………。


 そんな美奈子が優美に生きた男を消化している時間、ちょうど映像では、香がドアを開けてとある一室に入った所であった。


『さて、こちらが自慰用性具を置いてあるお部屋になります。 実はエロステではここの他に、マッサージに使う玩具はカフェテリアにもあるんですよ。 ね、マリア』

『ハイ! カフェテリアにはお客様がお食事を終えた後に、すぐご使用できるように置いてあるんデス』

『食用小人を食べた後はしたくなっちゃいますからね~』


 マリアの言葉に、香はうんうんと頷く。


『さて、まずはどの子にお話を聞こうかな~』


 映像には高級そうなアンティークらしき机の上に、たくさんのグラスが並べらた様子が映っている。

 空になっているグラスや、数は少ないが男が中に入ったグラス等が。


 二人が撮影している時刻は深夜を回った時間帯。

 未だグラスに残っている男は、きっとお客様に選ばれずに売れ残ってしまった者なのだろう。


『う~ん、あの子にしようか。 マリア、こっち』

『リョーカイデス』


 机に向かって歩く香の後ろ姿を捉えたまま、映像も続くように動きだす。

 遠目からだったのが、みるみる近づく並べられたグラスの光景。

 さらには一つのグラスの中に入っている男に向けて、画面は絞られアップにされていった。


「きゃぁ❤」

「まぁ❤」

「やだぁ❤ もう……」


 鑑賞している淑女から黄色い歓声がたちまち上がる。


 何故なのかと言うと、男の性器がバッチリとカメラに捉えられていたからだ。

 体が中指程度の大きさゆえに、いつもは対して気にはしていなかった性器が、巨大なスクリーンにでかでかと、ましてや男の表情が分かるぐらい映像が拡大されているせいで。


 こうして観ると、人間の男性と何も変わらない。

 本当に普通の男性として、鑑賞している淑女達には見えていたのだ。


 なので何人かの淑女は両手で顔を覆って恥ずかしそうにしていた。

 美奈子も同様に顔を覆っている。


 まあ、バッチリ指の隙間から覗いてはいるのだが。


『こんばんわ~! 玩具君』

『ひぃッ!』


 行き成り話しかけられ、怯える男。

 無理もない。

 彼からすれば、自分を小さくした原因である職員の女に喋りかけられたのだから。


 散々と見てきたのだ。

 こうやって話しかけられ、連れ去られて二度と戻ってくる事はなかった、同じ小さくされた仲間を。

 もしかすると、彼はとうとう自分の番がやってきたのかと思ったのかもしれない。


 処分される順番を……。


 だからだろう、男は神に祈る姿勢で必死に香に向けて懇願していた。

 頑張って淑女様がご満足いただける性具になるから、赦して下さいと。


『んふふ♪ あー違いますよ、君に話しかけたのは処分するためじゃないですから。 ちょっと君に質問があったからなんです』

『し、質問……ですか?』


 処分するために自分の傍に来たのではないのだと分かって、男の表情はみるからに安堵していた。


『はい、ちょっとした質問なんですよ、それに答えてくれればいいので。 あ、でも玩具として役に立たない小人は処分しますので、それだけは心に刻んでこれからも頑張ってくださいね』

『は、はいッ! 矮小な身でありますが誠心誠意、人間様のお役に立てる物として努めさせて頂きますッ!』

『うんうん♪ 良い心がけですよ~。 お客様の人気が出れば、一つ自慰用性具としての位を上げるための試験を私がしてあげますからね~』


 自慰用性具の “位” というのは、淑女のオナニーの道具としての地位が一つ上がるという事。

 下から順に “蕾” (つぼみ) “菊“ (きく) “華” (はな)、そして『神谷 優斗』『葉山 真一』が席する、 “大華” (おおか)と分けられていた。


 自慰用性具にとってこの位には特別な意味がある。

 それは華にまで上がれば高級品の性具として扱われ、処分される心配はなくなるからだ。


 いわば位は、お客様に提供される値段に直結するのである。

 低い者はお手頃に使いやすい値段であるし、位が高い者は値段も相応に上がっていくのだ。


 ゆえに蕾と菊の男達がよく使われ、そしてお客様である淑女の気分で食用に落とされて食べられたりしていた。

 お客様の “指名” により食用にされる際の値段は、蕾である者は中古車並みの値段であり、菊である者は新車の軽自動車ほどの値段であるため。


 ここエロステに来る者は大半が裕福な淑女達。 そんな淑女達でも高額な金額として代わりはないが、それでも手が出せない金額ではないゆえ。


 して、この位は最初に小さくされたばかりの調教の一ヵ月の内に、『渚 涼子』達職員の使い心地の評価によって付けられる。

 優斗と真一はこれまでになかった若い高校生の小人であり、また涼子を満足する事が出来たため、特例で始めは華にされてはいた。

 まあ優斗に至っては『天上院 茉由』『白銀 いちび』の約束があったため、そもそもが麗華という例外を除いてだが処分される心配はなかったのだが。


 だがもし一ヵ月の間に満足させられていなければ、いくら若い小人であろうとどうなっていたのか分からない。

 優斗はないだろうが、もしかすれば真一に至っては処分されていたのかもしれない。


 涼子達職員は皆、使えない物は不要であると本気でそう考えているため。


 ちなみにだが、優斗は麗華に性玩具として認められた際に大華に上がっている。

 真一の方は性具の他にも便秘解消に大変役立つため、香が大華にまで上げた。


 ゆえに二人はエロステ内であっても、処分される心配はもうない。

 “最高級品の性具” として、涼子達から認められているために。

 

『ふむふむ、君は『ポンチ』って名前を付けてもらえているんですね』

『は、はい! 貴女様と同じスーツをお召しになられた『梨沙』様に名付けてもらいました。 位は菊です』


 ペットのような名前を付けられているというのに、誇らしそうにしている男。

 これは位が菊になると始めて付けられる新しい名前で、自慰用性具にとってとても名誉であるがゆえ。

 それはすなわち人間から個として認識され、使い心地の良い性具として気に入られているという証でもあるからだ。


 しかしそれとは別の理由で、位が蕾であるのにも関わらず名前を付けてもらえた自慰用性具もいた。

 それは『葉山 真矢』だったり、『篠崎 海斗』であったり。


 理由は彼らには付加価値があったからだ。

 真矢は淑女達から人気である、まだ学生の真一の父親という価値。

 海斗は峯藤家の使用人という価値が。


 実際、真矢は多くのお客様から大層喜ばれた。

 父と息子共々、自分の性処理の道具として使うという行為は、お客様からすればなんとも背徳的で興奮を煽られるため。


 ……まあ、海斗に至っては肝心のご奉仕が余りに下手くそであるから、店頭に並べられる事なく縮小奴隷浴場行きにされてしまい、あげくには下着にされるという処分をされてしまったのだが……。


『偉いですね~名前があるって事は頑張ってる証拠です♪ じゃあ、さっそく質問させてもらいますよ、ポンチ君』

『はい!』


 元気に返事をするポンチと名付けられた男。

 気に入られ、そして生きるためには、例え自分よりも年下の小娘であろうが媚びへつらわなければならないと理解してるがゆえ。


『えっと、君はこれまでずっと女性のマッサージに使われちゃっていますが、それについてポンチ君はどういった気持ちを抱いていますか? ずばり言葉を濁さずに言いますが、元々同じ人間であったはずの異性に、自慰の道具として扱われている――そのお気持ちは』

『き、きもち……? ――あっ! も、もちろん嬉しいです! 矮小な自分を御使用下さって性欲を発散して頂けるなんて、これ以上幸せな事なんてないです!』


 困惑して俯くポンチ。 だがすぐに顔を上げ、笑顔を浮かべて質問に答えた。


『さっきも言いましたけど、ポンチ君も人間だったんですよね? なのに嬉しいんですか? 女性から一切同じ人として見られず、自慰の道具として使用されているのに』


 香の言葉に一瞬苦虫を嚙み潰したような表情になるポンチだが、しかしまたすぐに笑顔を作り答える。


『い、いえ、人間様から人して見られないのは……う、受け入れております。 人として生きていたのは昔の事。 今の自分はお客様に気持ち良くなって頂くだけの……ど、道具でしかないのですから……』


 ポンチが話すこの言葉は、香やマリア、そして鑑賞している淑女達全員が、本心から言っているわけではないとすぐに気付いた。

 一見ポンチは笑顔で答えているが、その表情は見るからに引きつっていたからだ。


 ……だけどそれでいい。

 実際に嘘だと分かっていても、香はポンチに怒っていない。

 本心から自分が性具であると認められるよりも、人間としてのプライドを残した性具の方が愉しめるし、格別な愉悦感と、なんともいえない興奮に包まれるからだ。


「……ふふっ❤」

「うふふっ❤」


 ほら、鑑賞している淑女の含み笑いが聞こえてきた。

 とてもイヤらしい下卑た笑い声がちらほらと……広い室内に。

①縮小奴隷日記外伝 ~生か死か~ 前編

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