「やだこの子……ずっと私の下着を覗いてるわ」
上を向いたまま固まっている男の子。
小さくて良く表情は見えないけど、さすがにどこを見ているのかは分かる。
すごく熱い視線をスカートの中身に向けているのが。
「エッチな子。 でも、こんなに見てくれてるなんて……」
ピンピンッてゴマ粒みたいな小さなオチンチンを、一生懸命に跳ねさせている男の子。
若い子にエッチな目で見られているようで、正直に言って嬉しい。
結婚をして子供を授かった身だけど、私は女を捨てた訳じゃないから。
「でも良かった、見られても良い下着を着けてきといて」
今日はするつもりで来ていたから、恥ずかしくないよう念のために新しく買った下着を着けてきた。
元々同じ人間だった男性に、少しでも私の事を良く見て興奮してもらうために。
恥ずかしいけど夫を食べて未亡人となってから、以前よりも性欲や恋に飢えてしまっているので。
もちろん心は真ちゃん一色なんだけど、でも……彼らを使ってエッチな行為をする時は、綺麗だよとか……可愛いって思ってもらいたいもの。
性具用品になった彼らだけど、元々これは人間の男性。
そんな彼らの口からでも褒められたら嬉しいし、自分に女としての自信が付くから。
「ふふ、まだ私の下着を見てるわこの子。 でも、そろそろどんな子なのか見たいわね。 私のオナニーに使われちゃう玩具の男の子を❤」
美奈子はその場で腰を下した。
小瓶の中に入っている男の子の顔を確認するため、床にペッタリお尻を付け、横座りをして。
「さぁて、どんな子かなぁ? うふふ♪ 今晩君を使って気持ちよくさせてもら……ん? ――へっ? 嘘っ⁉」
そんな男の子を見た美奈子は、言いかけていた言葉を驚いて途中で止める。
「……え? ――あっ‼」
同じく正司の方も、小瓶を覗く美奈子の顔を見て驚いていたのだった。
「な……葉山のおばさん?」
「もしかして……正司君?」
何故なら二人は、お互いが良く知っている人物であったため。
正司は今まで女性客が誰であるかを気付いてはいなかった。 いや、気付けなかったというべきか。
美奈子の身体に見惚れて圧倒されていたという理由もあるが、そもそもが体格差が違うゆえに、上から覗く顔があまりに人間だった頃と見え方が違っていたため。
声であっても、人間の頃とは違って声質が若干低く聞こえていたために。
美奈子の方もそう。
逆に正司が小さすぎて気付かなかった。
彼女から見る正司は近くで顔を見ない限り、誰かを判別できなかったゆえ。
そんな二人が今――お互いを認識したのだった。 ……誰であるかを。
「な、何で葉山のおばさんがここに……」
「何でって……私の方も聞きたいわ。 どうして正司君が小さくなってここにいるの? このお店にいる小さな子は、みんな犯罪を犯した子達って聞いていたのだけど……。 もしかして正司君は何かいけない事をしちゃったの?」
「――犯罪だって⁉ いや、俺はそんな事をしていませんよ!」
「え? だったらどうして小さな体になって私が泊まる部屋に……」
大きな瞳をパチパチさせて、不思議そうに俺を見つめるおばさん。
そんなの……こっちが聞きたいぐらいだ。
「もしかして誰かと間違えられて小さくされちゃったりとか……。 それだったらお店の人に伝えた方が……でも、うーんそんな間違いってあるのかしら……」
おばさんは一人で何やらブツブツ呟いて考えているようだった。
心配してくれてる? おばさんの様子を見てそう感じた俺は、どういった経緯で小さくされたのか、そして今までの事を話そうと決める。
並木に話した同じ内容を。
「――お、おばさん! 聞いてくれッ!」
あの時とは状況が違うのだ。
俺を人形だと思いきっていたために並木には信じてもらえなかったが、おばさんの方は俺の事をちゃんと岩田 正司本人だと認識してくれているみたいだから。
だから、この人なら俺を助けてくれると期待して。
「クラスの女子にいきなり注射みたいなのを刺され――それから俺は逃げて先生に助けてもらうために校舎の中に入って……」
おばさんは俺の話を真剣に聞いてくれているようだった。
時折、まあっ! 可哀想と、相槌をうってくれたりもしている。
だから俺は一生懸命に話していた。
並木のオナニーに使われた所は省いて簡潔に――ここに来るまで自分が経験をしてきた話を最後まで。
……しかし。
「大変だったのね……。 でも良かったわ、正司君は間違いで小さくされた訳じゃなさそうで」
「え?」
「だって明日香ちゃんに小さくされたのでしょう? お店の人が明日香ちゃんに頼んで新しい若い小人を仕入れたって話をしていたから」
「仕入れたって……そんな……」
俺をまるで物みたいに言うおばさん。
こうしてお互いに喋ってはいるけど、おばさんにとってはもう俺の事は人間として見てはいないのかもと不安がよぎる。
……だから、だから聞いた。 率直におばさんに向けて。
「お、おばさん……俺の事をどう思ってます? ……に、人間として見てくれてますよね?」
「へ? おかしな事を聞くのね正司君は。 うふふ♪」
何を馬鹿な質問をするのだと、クスクス笑っているおばさん。
その様子を見て、良かった、おばさんは俺を人間として見てくれていると胸をなでおろすのだが、しかしどうやらそういう訳じゃなかったらしく……。
「こんなに小さいのに、私と同じ人間な訳ないでしょう?」
おばさんはいきなり人差し指で小瓶をチョンと小突いた。
「え? ――おわぁぁッ!」
それだけで俺が入っている小瓶は勢いよく倒れてしまい、俺は瓶の口から外に放り出されてしまう。
「くっ……うぅ……お、おばさん何をするんだよ」
「ご、ごめんなさい。 こんなに簡単に小瓶が倒れちゃうなんて思わなくって。 ……でも分かったでしょう? 正司君は私の指一本にも敵わない、ちっぽけな存在なんだって。 あなたはね、もう人間じゃなくなってしまったの。 私達女性に使われちゃう玩具になってしまったのよ?」
「女性に使われる玩具……だって?」
「そう玩具。 うーんと、あっそっか! 調教はしていないってお店の人が話していたから、正司君は何も知らないのよね。 ちょっと待っててね」
そう言っておばさんは立ち上がって、机の方まで歩いていく。 そして、何やら机の上にある物を手の平に乗せて、また俺の所に戻ってきた。
「オナニーって分るでしょう? ここはね、この子達みたいな玩具を使って私達が気持ちよくなるお店なの」
また俺の目の前に座ったおばさんは、両の手の平に乗せていた物を、ゆっくりとした動作で俺の隣に置く。
見ると、おばさんがこの子達と言って置いた物は、まさしく自分と同じ小さくされた五人の人間の男だった。
「すっごく気持ち良いのよ? 元々人間だったこの子達をオナニーに使うのって。 市販の玩具なんて比べ物にならないの。 うふふ❤」
「う……ぁぁ」
薄々は気付いていた。 自分はどういった存在になり、そしてここで何に使われるのかを。
なぜなら昨日の夜、並木がオナニーの人形として俺を使ったから。
さも当たり前に、こういう用途で使うのだと知っているみたく。
だけど信じたくなかった。 ――ずっと考えないようにしていたのだ。
自分が女性のそういった類に使われる物にされたってだけは。
――女性の快楽のためだけに使われる存在……。
それはまぎれもなく異性として、人間として見られる事のない、あまりにも惨めな存在だから…………。
「だからね? 正司君はこの子達と同じ物になっちゃたの。 私のオナニーに使う素敵な玩具に❤」
そんな信じたくない現実を、おばさんは突きつけてくる。
俺は……おばさんのオナニーに使われてしまう物なんだと……。
「そ、そんな……」
隠すことのない性的な目で、俺を見つめるおばさん。
ショックだった。
葉山の家に遊びに行った時に、とても優しくしてくれたあのおばさんが、今は俺を性具として見ている事に。
これから人間としてではなく、一生、おばさんからは性具として見られるんだと思って。
だけど、ふと俺は思い出す。
おばさんにはまだ大切な話をしていない事を。
「いや待ってくれおばさん! 小さくされているのは俺だけじゃないんだ。 多分だけど、葉山も……真一も柏木達に小さくされているんだ!」
そう、おばさんの息子の葉山 真一。
おばさんが玩具として使おうとしている物に、葉山もなっていることだ。
自分の息子が俺と同じ物にされているのなら、いくら何でも俺をそういう目では見られなくなると思って。
……だけど、おばさんから返ってきた言葉は、俺を驚かせる内容だった。
「知っているわよ? 私が小さくすると決めて、このお店に売ったのだもの。 真ちゃんが人間だったら、私とエッチな事なんて出来ないでしょう? だから……気兼ねなく真ちゃんを使えるように小さくしてもらったの❤」
「は? おばさんが売った? それに葉山を使えるようにって……」
「うふふ、そう。 それだったら真ちゃんを親である私が使っても、世間からじゃ別におかしな事じゃないからね。 私は真ちゃん……ううん、ポチという玩具を使ってるだけなんだもの。 あぁ……あの時は気持ちよくて幸せだったわぁ❤」
「――なッ⁉」
最後におばさんがポツリと呟いた言葉を聞いて、察する。
既におばさんは葉山を使っているのだと……。
ゆえに自分はもう何を伝えようと――しようとも、おばさんに使われてしまう運命から逃れられないのだと悟った。
また自分はここにいる限り、女性の玩具として生きていかなければならない事も。
「さて、じゃあお話はこれぐらいにして、そろそろ私、オナニーを始めちゃうわね?」
おもむろに立ち上がるおばさん。
そして俺や他の五人の男が見ている目の前で、着ているドレスを脱いでいくのだった。
肩にかけていた紐を下げ、そのまま床にドレスを落として。
「ぉぉ……」
「今回のお客様は……またすごい」
自分の横にいる男達から感慨の声や、小さくポソリと感想を漏らす声が聞こえる。
きっと、思わず口に出してしまった言葉なのだろう。
でも、その気持ちは俺にも良くわかる。
だっておばさんの下着姿は、男を魅了させるには十分なほど酷く煽情的であったから。
「ほ、本当にすごすぎる……」
黒い透けたブラジャーと、黒い布が薄いパンツを穿いたおばさんのこの姿。
言ったら悪いけど、並木にはない大人の色香があった。
また、おばさんの人よりもすごい豊満な肉体に合わさって、とてつもないイヤラシさもある。
この人は友達の母親。
ゆえに興奮してはいけないと思うのに、どうしても目が離せない。 釘付けになってしまう。
それほどおばさんは魅力的であった。
俺からみてもそこいらじゃお目にかかれない、かなりの美人な人であった。
「ふふ❤」
笑い声で正気に戻り見上げると、こちらをジッと見つめているおばさんと目があった。
優しく微笑んでいるおばさんの目と、俺の目が。
「あ……」
途端に恥ずかしくなる。 どうやら俺がおばさんをジッと見ていたのを気付いているみたいだったから。
おばさんの身体に見惚れていたのを……。
だけど、そんな俺の不躾な目を特に気にした様子もなく、ブラジャーまでをも外していく。
視線はそのままに、まるで俺に見せつけるように。
「ぅぅわぁ…………」
ブラジャーを完全に外した事によって、おばさんの尋常じゃない大きな胸がたゆたう。
窮屈なブラジャーの中におさめられていたからか、解放された事に喜ぶかの如く二つのおっぱいが踊るように弾み揺れ……。
「す、すごい……。 服の上からでも大きいなと思っていたけど、まさかここまでだなんて」
始めて見た生の爆乳に、俺はそう感想を漏らすしかなかった。
馬鹿みたいに口をあんぐりと開け、呆気にとられて。
「んっ……しょ」
続けておばさんは、パンツまでをも脱ぎだし始めていく。
パンツの両端に指をかけて、ゆっくり……マン汁の透明な糸を引き伸ばして。
「こ、これがおばさんの大事な……」
露わになる股間部。
陰毛という茂みが生え覆い、その濃さで大人の女性なんだという事を強く俺に主張してくる。
何百? 何千? 何万本? 密集された陰毛の一本一本が、一つの密林を作っているほど生えている。
かといって、見窄らしくは見えない。
形は整えられており、おばさんの陰毛は綺麗な逆三角形をしていた。
だからだろうか、またそれがおばさんの魅力を大いに引き出している。
どんなに肌が露出したドレスや下着を身に着けようとも、この陰毛を股間に纏った姿だけで男を虜にしてしまうような……。
「ふぅ~裸になると涼しいわ♪」
正司やその他の男の前で、すっかり全裸になってしまった美奈子。
涼しいといっているのは本心なようで、身体は大量の汗でテカり輝いていた。
食用にされた人間を食べて、身体の代謝が良くなったために。
《おお……》
《美しいです……》
そんな生まれたままの姿をさらけだした美奈子に向け、正司以外の男達は全員膝をついて祈りだす。
神に……女神に祈るが如く、褒め称えて。
「ふふ、ありがとう♪ 今から私のこの身体で、たっぷりあなた達を堪能させてもらうわね。 嬉しい?」
《も、もちろん嬉しいです!》
《美しいあなた様に使って頂けるなんて、光栄ですッ!》
「そう、喜んでくれて良かったわ♪」
この場にいる誰もが美奈子を美人だと思っているが、使われる事だけは無論本心で喜んでいる訳ではない。
巨人の女のオナニーに使われるというのは、小さな男達にとって酷く苦痛を伴うものだから。
ゆえに、こうした行為は『渚 涼子』達によって調教され、強制されてやらされていた。
自分を使って頂く女性を敬い、褒め称えろと徹底的に教え込まされてきたので。
現に、こうした行為をお客様に見せ聞かせる事には効果があるのだ。
低姿勢での卑屈な姿、そして褒める事によって、お客様である淑女は気分良く性具となった男達を使用できるゆえに。
悪い気はしない。
例え性具となった男に褒められても嬉しいものなのだ。
それは美奈子であっても同様に。
「じゃあ、準備が出来たから行きましょうか。 いらっしゃい、私の玩具達」
そんな気分良くなった美奈子は、一人一人大切に男を手で掴み、ベッドの上へと向かうのであった。
男達とのセックスではない、玩具を使って性欲を満たす――オナニー行為をしに。
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読んでいただき、ありがとうございます!
そして申し訳ございません。
前編のあとがきで次回は結果だと書いておりましたが、中編になってしまいまして……。
引き続き、美奈子さんのお話を楽しんでもらえたら嬉しいです。