「ふ……くっ……」
むわっと生温かな風が俺に吹きかかる。 これは白鳥の呼吸をしている鼻息だ。
ゆえに、俺のいる場はさっきから嗅ぐわっている。 クラスメイトの女子の、何ともいえない鼻息が……。
している所を虫みたく鑑賞され、鼻息を嗅がされている現状。
だというのに、俺は異様な興奮を覚えていた。
あの白鳥にこんな辱めを受けているというのに。
それは白鳥の匂い(鼻息)が漂う中、俺は彼女に優しく包まれている気がしていたからだ……。
鑑賞されている目でさえも、何故か俺を慈しんでくれているような気がしたからだ。
どうして自分はこんな気持ちを抱いているのか分からない。 だが、とてつもない安心感だった。 彼女に見守られ、優しく射精に向けて誘われているようなこの感じは。
「う……く……うぅ」
白鳥に安らぎを感じ、緊張がなくなったおかげか、急激にアソコから熱いものが込み上げてくるのを感じた。
アソコの内部からドクドクと波打ち、上に――上にへと。
「で、出る……。 も、もう――ッ」
そして俺は、甘えた情けない声で言われた通りにさっそく告げたのだった。
“見守って” くれていた白鳥が喜んでくれると思って。
……だがしかし、
「え? ――うわぁぁぁッ!」
出るという声を合図に、いきなり開けた手の平が眼前に迫ってきた。
そんな手の平は、俺を無造作に鷲掴んで持ち上げていく。
「うぉぉッッ!」
ものすごいスピードで上昇していく体。
視界に写る景色は高速に動き、さらには呼吸すら出来やしない。
だがその上昇は、下半身に受ける生温かな感触と共にピタリと止まったのだった。
「うぅ……と、止まった……ん? なっなんだこれ⁉」
止まった先――眼前には柔らかな肌色の壁があった。
訳がわからずとりあえずこの場から動こうとするのだけど、どうやら俺の体は上下のゴツゴツとした紅色の物体に、下半身からお腹の前面だけを挟まれているみたいで動けやしなかった。
さらには背中部分に大きな柱みたいな物で押されてもいて――尚の事。
「か、体がうごかせ……ない」
ここにある物、全てが気味が悪いため、かような箇所から頑張って抜け出そうとする。
自由な手で肌色の壁を押したり、ペチペチ叩いたりして必死に。
そんな抜け出そうとしている俺の体に、ブワッとした一段と強い突風が吹きかかったのだった。
「くぅ……いきなり凄い風が……。 あ、あれ……? この臭いは……あぁ……も、もしかしてここは――」
必死に首を右へと向けていく。 おそらくは、天井のある上であろう方向に。
そこで見える景色。 それは、二つの大きな穴が広がっている景色だった。
中に真っ黒な奇妙な草が生い茂っている、気色の悪い。
そんな穴から吹け付ける風の臭いを嗅いで、やっと俺はどこにいるのかを把握したのだった。
俺が見ているのは白鳥の鼻の穴で、自分は今――そんな彼女の唇に挟まれているのだと。
草笛を吹くみたく、俺の背中を一本の指で固定して。
そんな挟まれた体に、突然と吸引の力が加わりだしたのだった。
唇の上下の隙間から、物凄い力で。
「――うぐああぁぁぁッ!」
耐えがたい痛みに悲鳴を上げる。 体内に通う血が外に飛び出てしまうのかと思えるほどに激痛が走ったからだ。 パックリと咥えられているお腹から下半身にかけて。
ビュビュッ! ビュゥゥッッ‼
「がっあぁぁああッッ!」
暴発寸前だった自分のアソコから、勝手に精液が噴き出している。
我慢できなくて出ているのではない。 内部に溜まっていた物が無理やり体外に。
流石にもう、自分は何をされているのか分かってしまった。
白鳥が何をしているのかを。
俺は吸われているんだ。
花の蜜を飲むかの如く、体を唇に固定されて。
「あぐぅあぁ……」
俺は馬鹿な事を考えていた事を恥じる。
『見守ってくれていた白鳥が喜んでくれる』のだと、甘い幻想を抱いていたのを。
そんな訳があるはずないのに。
考えれば分かる事。 白鳥は最初から言っていた。
俺のを飲むから自分でして出せと。
(いったい俺はどこから見守ってくれているだなんて勘違いをしていたんだ……)
分からない、分からないが……きっと白鳥の鼻息を嗅がされていた辺りからだろう。
多分その辺りで俺は……。
―これは、岩田 正司の精神が限界に近づいていたから起きた事である。
これまで彼は散々と辛い目に遭ってきた。 学校での事や『並木 りん』の事。 パーティーでの『葉山 美奈子』の事と、そして、『渚 涼子』によって徹底的に商品になるために性具として叩きこまれた事。
これらはまだ大人になりきれていない正司にとって、どれもが精神的に堪えてきた。
ましてやこれから自分を使おうとしている客は、自分が辛い思いをする羽目になった原因の女子であるため、尚更に精神的限界が。
ゆえに、限界が近かったからこそ正司は安らぎを求めてしまったのだ。
正司から見て詩織は絶対的な力の持ち主であるため、無意識に守ってもらえていると勘違いをしてしまって―。
「がっあぁぁああッッ!」
自分自身が馬鹿だったと後悔している中、いきなり断続的な吸引に変化した。
それに伴い、アソコからは激痛が走る。
一回の吸い込む力が、今まで以上に力強くなったからだ。
「うぐあぁ……やめて……くれ……も、もう……出ない……って……」
一回に出せる男の射精量はたかが知れているもの。
――だというのに、俺のアソコから次から次へと外に出ていく。
白鳥が一吸いするたびに、玉の中で生成された精液が無理やり棒の先にまで吸い取られてしまって。
俺の身体を咥えた口の中から、うっとりと喜んでいる声が聞こえる。
完全に精液を吸い込むためだけの――この口の動き。
きっと白鳥はこれまでに多くの人達のものを、こうやって飲んでいたのだろう……。
今の俺みたいに唇に人間の身体を挟んで、重点的にアソコを吸って。
「やめて……やめ……て…………」
激痛だけで一切気持ちよくないのに、無理やり出されて直接飲まれていく精液。
飛び出た精液は舌の上で少し舐め転がされ、ゴクリといった嚥下音と共に白鳥の喉を下っていく。
「がっ……あぁ……ぁ……」
やめてくれとペチペチ口元を叩いていた手は、いつの間にか動かなくなっていた。
手だけではない、全身がピンッと硬直してしまっていて、もはや自分の意思で動かせなくなっている。
そんな俺の身体は次第に硬直が解けていき、ガクンと力が抜け落ちてしまう。
マリオネットのように、手足をプラプラとさせて……。
「うぅ……ぅぁぁ…………」
遠のく意識。 俺はもうここで終わるんだと思った。
あの白鳥の口に精液を貪られて……俺は。
「ああ……目の前が暗く…………」
こうして俺の視界は闇に呑まれ、意識が落ちてゆく……のだが。
「え、寝ちゃってる……? もしかしてたったこれっぽちで限界を迎えたのですか? 他の小人ならもう少し出すのに。 はぁ……美味しかったからもっと堪能したかったのに」
白鳥の声と身体に感じる嫌に生温かな感触で、俺の意識は再度覚醒していくのだった。
「うぅ……ここは? ――あがぁッ!」
目覚めて早々、生臭いヌルヌルとした巨大な物が俺の身体を這っていた。
ベチャリと乗り……何というか、俺よりも大きなナメクジのような物が。
それの先端部がウネウネと動き、足先から頭にまでツツっと移動したりしている。
執拗に――俺の全身を。
「――ブハッ! な、なんだ? なんだよこれ――ウブッ‼」
上下に何度も往復し這い動く気持ち悪い物体。
粘つく大量の液体を、這うたびに顔や身体に付着させて。
「ゴボッ! ゴボボッ!」
呼吸が出来なくなって焦る。
顔に覆った謎の液体のせいで溺れてしまって。
ゆえに暴れて逃れようとするのだけど、俺の身体の上に未だ気持ち悪い物体が乗っているため動かせないでいた。
持ち上げられないほどに重すぎて。
「んーッ! んーッ!」
自分ではどうしようもない状況。 ただ苦しみ悶えているしかない。
しかしそんな状況から、突然と解放されたのだった。
気持ちの悪い物体が離れてすぐに俺の身体に付着していた液体を、上下に開かれた穴が吸い取ったため。
「――プハァッ! ゲホッ! ゲホッ! ハァ……ハァ…………」
液体を吸い取った物は、轟々と唸りを上げて天へと昇っていく。 遥か高く、俺の手が絶対に届かない所にまで。
そして巨大なナメクジみたいな物は、悠々と開かれた穴の中に入っていったのだった。
まるでそこが自分の住処だと言わんばかりに。
「そ、そうか……さっきから俺の身体の上で這っていた物は……」
ぼんやりとその光景を見て、俺は自分が面している今の状況を把握する。
俺は白鳥の手の平の上に乗せられているんだと。
そしてこの巨大なナメクジみたいだと思っていた物は人間の舌であり、自分は未だ彼女の唇に囚われたままなんだと。
「し……しらとり……」
か細い声で彼女の名前を呼ぶ俺の元に唇が迫りくる。
形を変え、唇を突き出して。
そんな唇は、静かにそっと身体に触れてくるのだった。
卑猥な音を鳴らして、唇が身体に吸い付いて。
身体や脚、そして唇で手を挟み咥えたりして。
「……ぁぁ」
俺はキスをされているのだと――そう思った。
きっとこの考えは正しい。
これはキスだ。 あの白鳥にキスをされているのだ……俺は。
そんなキスをするための唇は、何度も何度も俺に向けて落ちてくる。
まったく抵抗できない俺に向けて執拗に。
「うぷッ!」
それは容赦なく俺の顔にまでにも落ちてくる。
俺の頭よりも遥かに大きい唇が……。
「ぐあぁぁッ!」
白鳥の唇が子気味良く俺の身体から離れる音。
たったそれだけだというのに、顔や身体に激痛が走りだす。
何故なら白鳥はキスをしながら吸っているからだ。
「あぐぁ……ぁぁ」
ジンジンと痛む身体を堪え、何度も落ちてくるキスを受け入れているしかない正司。
そうした事により、もはや正司の身体は真っ赤に腫れあがってしまっている。
詩織の大きな唇💋の形で。
「ぅぁぁ……ぁぁッ!」
そう、これはキスマーク。
しかしキスマークと言えどもこれは、甘いキスなのではない。
互いを想い、愛する行為などでは断じてない。
正司はただただ、クラスメイトだった女子の一方的なキスを味わわされるだけ。
口づけの跡を、その身体に刻み込まれて。
所有物であるという――唇の証を。
「ふぅ……さて、身体が火照りだしてきましたし、そろそろしようかな」
しばらくキスを堪能したのち、椅子から立ち上がってプチプチと制服のカッターシャツのボタンを外していく詩織。 そして露わになるフリルのついたブラジャー。 机の上に置かれた正司は、ぼんやりと詩織が制服を脱いでいく姿を見ていた。
キスによる責め苦でゼェゼェと呼吸をしながら、黙って。
正司を今まさに使おうとしている詩織。
そしてそんな彼女に使われようとしている正司。
正司が商品となって詩織に買われた一日目は、こうして始まった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
ペッティーの時もそうでしたが、目の前で “ジュースとして” 飲まれるというのは悲しいですね。
だってこの行為はいわば、同じ人間として扱われていないのですから……。
それをクラスの女子にされていたのですから、正司からすればなおその思いは強かったでしょうね……('ω')