『ウブウゥッ!』『ゴバアァッ!』
湯の中に沈んだ男達のすぐ傍に、大きな “柱” が次から次へと落ちてくる。
二本、三本どころではない、十二本もの数々の柱が。
無論これら柱は茉由たち “六人の娘の脚”。
単に入浴しようと娘らが湯の中へ入れた脚だ。
――だというのに、湯の中は “また” とてつもない流れを生んでしまう。
とっくに成人したいい大人達を簡単に翻弄してしまうほどの急流を。
『ゴボボボッ!』『ゴヴゥゥッ!』
六人の娘の足下で、ただ流れに翻弄されている男。
茉由の陰毛から落ちた三人の男も同様に、身体の自由が効かなく流れのまま湯の中で漂っている。
小さくされた男達にとっては、それほどの急流なのである。
娘がただ脚を湯に入れただけで、ここまでの……。
――更には、
『ウブウゥゥッ‼』『ウボオォ⁉』
流れが止まぬ間にも、今度は脚だけではない、娘の発達したお尻が湯の中へ落ちてきたのだった。
湯面にとてつもない爆発音を奏でて。
『ブッベェッ⁉』
(やべぇっ)
『ブベベブベェェェ‼』
(やめてくれぇぇぇ)
詩織の足下で流れに翻弄されている四人の男。
真上からは湯の中へ入ってきた巨大なお尻が隕石のように降ってきているというのに、彼らは逃げれやしない。
このままでは詩織のお尻の下敷きにされてしまうというのに、ただただ彼女の足下で流水に呑まれながら、このお尻に潰されているのを待っているしかないのだ。
詩織がただ湯舟に浸かろうとするこの行為。
しかしこれが、彼らにどれほどの惨状を与えている事か分かりもしないだろう。
自分よりも何百、何千、何万倍もの質量のある娘のお尻が、自分を目掛けて迫ってきているこの光景は、娘には分かりようもないのだから。
また、このままお尻に下敷きされたらどれほどの苦しみなのかを経験しているので、この四人は恐ろしさに拍車がかかっている。
気付かれずに座られたら最後。 身体を圧し潰され、最悪……女性が満足して湯から上がるまでずっと座られたままであるから。
死にもできない男は呼吸が出来ない苦しみの中、身体が潰されている激痛に耐え、意識を失ってもすぐに回復を繰り返すという拷問が待っているからだ。
これが洗浄小人とされた男達にとっての、一番の地獄。
だから恐ろしかった。
またあの苦しみを味わわされるのだと思って。
『ゴボボボッ!』『ゴブブブッ!』
……だけど彼ら四人は、浴槽の中に勢いよく座ったお尻の流れに飲まれていたおかげで、運良く下敷きにはならずに済んだのだった。
ある男はお尻の谷間の間から流れ、そしてある男は逆側である股間部の方に流れたりと。
今の彼らはただ水の勢いに呑まれ、詩織の腹部辺りでゆらゆら漂っている状態だった。
人は違えど茉由や明日香、そしてこの中で一番幼い体系をしている樹乃の腹部にも何人か。
例え樹乃の幼い体系といえども、男達からすれば街中に聳えるビルよりも遥かに巨体であるために……。
『ウブブ……ヴ…………』
(うわぁ……ぁ…………)
一人離れた場所にまで流され、娘たちが入浴してくる一部始終を見ていた男は思わず声に出して嘆嗟(たんさ)していた。
たんに娘たちが浴槽に座った――この行為であっても、 “自分と同じ人間” が為す術なく暴流に飲み込まれていく様をまざまざと見せつけられてしまっていたので。
ああ、圧倒的な暴力だった。
どれだけ身体を鍛えても無意味であると思い知らされるほど。
どれだけ泳ぎが上手くなっても関係がないと思わされるほど。
『ヴ……ウウゥ』
彼は泳ぐのを止め、湯の奥深くに沈みながら畏怖して涙を流す。
湯に浸かる娘たちの裸体は悔しくも神々しく見え、もはや同じ人間だとは到底思えなくて。
また同じ人間だったはずの何十歳もの年下である娘に、そういった感情を抱かされてしまうほど――自分は地の底まで落ちぶれてしまったのだと再認識してしまって……。
事実、これから自分は娘に浴用品として使われようとしている。
そう改めて自分の立場を思い出すと、あまりに惨めすぎるため……。
そんな惨めな気持ちを抱く男の上。 顔がぼやけて見える湯面の向こう側の世界から、なんとも心地よさそうな声が湯に沈んでいる男の耳にまで聞こえてくるのだった。
彼らとは違って、大いに温泉の湯を堪能している若い娘たちの声が。
「ハアァ~❤ 気持ち良い。 極楽です」
「あーほんと最高だわー。 生き返る~❤」
詩織ちゃんと桜ちゃんの大きな声が場内に響く。
思わず二人が口に出した言葉だろうけど、私や皆もコクリと頷き同意をする。
確かに二人がいう通りに気持ち良かったから。
「わぁ見てよ茉由、肌がもうヌルヌルしてる」
隣に座っている明日香が湯から出した腕を触ったりして眺めている。
私も自分の腕を触ってみると、入ったばかりだというのにもうヌルヌルとした湯触りがしていた。
「ほんとうだね。 それぐらいこの温泉はお肌に与える効能がすごいんだね」
「だねー。 古い角質と皮脂を溶かす美容の効能だっけ? ここまで分かりやすく身体が反応するなんて……。 家にあるお風呂と全然違うし……すごっ」
「この旅館に来る前にこの温泉の事を調べていたのですけど、おそらくですが明日香さんの家にあるお風呂との大きな違いは、自慰用性具の小人を何匹か湯の中に溶かし入れているからじゃないですか?」
「あーこの温泉って溶かした小人を入れてるんだ。 なるほど通りで」
「そうなんだ……温泉の中に溶かした小人を……て――ええっ⁉ し、白鳥さん、ほ、本当なの?」
驚いた先生は、座っていた腰を浮かす。
「はい、そうみたいですよ先生」
「じゃ、じゃあ……私達は今、男の人を溶かした温泉に入ってるんだ……」
小人の扱いをあまり知らない先生は、罪悪感に苛まれてしまったみたいで表情が曇りだす。
「まあ、小人を溶かしたと言っても、元は死刑を待つだけの極悪人だと思うのでそこまで気にすることは」
「そうそう、人間の私達の役に立ってるんだから彼らも本望だってきっと。 だから彼らの命を無駄にしないためにも、私達は温泉をとことんまで堪能し尽くそうよ先生」
「……柏木さんの言う通り確かに無駄になってしまうもんね。 う、うん……せっかく頂いた命なんだもの、可哀想だけど……分かった……」
渋々といった感じで先生は浮かしていた腰を再度また湯の中へと落としていく。
どうやら男性が湯に混じっている事に少しの抵抗を感じているみたい……だけども、ポツリと呟いた可哀想という言葉とは裏腹に、先生の乳首はしっかりと大きく膨らませていた。
おそらくは先生の可哀想という言葉は本音だったと思う。
でも同時に、湯に溶かされた男性を哀れに思えば思うほど嗜虐心を生み、性的な興奮にもなってしまっているのだろう。
だって私の考えを裏付けるように……ほら、先生は頬を赤く染めて色気のある表情をしているのだから。 とても溶かした男性を可哀想だと思っているようには思えない表情を……。
「せ、先生……顔! 顔! 何だかすごくエッチな顔をしてるよ」
「へっ? やだ嘘っ⁉」
りんちゃんも気付いたみたいで、彼女の指摘に先生は慌てて自分の顔をペタペタ触る。
「ち、違うのこれは……。 えっと……そ、そう! 温泉が気持ち良かったからで……」
恥ずかしそうに先ほどよりも顔を真っ赤にして言い訳をしている先生。
だけどもその言い訳の通り、本当にこの温泉は気持ちが良いの。
「……はぁ❤」
ほんの少し粘り気のある温泉の湯が、お肌に薄い膜を張って纏わりつく。
膜を張った身体に、先ほどからくすぐったくもある極々微小な刺激を先ほどから感じていた。
これが溶かした小人の効果。 家で使ってるエロステの石鹸とまではいかないけど、この微小な刺激はきっと彼らの持つ再生の力を肌が吸収している反応だろう。
そんな刺激を身体に受け、それからしばらく温泉を堪能していた私達。
すると、湯の中でたくさんの影がわらわらと動きだしたのだった。
「ん? おお、ねえ見てよ茉由、こいつらめっちゃ泳いでる♪」
「あ、ほんとだ」
「ってか泳ぎ上手すぎっ! 魚じゃん、もう」
明日香のいう通り、まるで小魚みたいに泳ぐ小人達。
気付けば私の前、明日香の前、先生やりんちゃんの前へと、それぞれ四匹に分かれて小人が湯面から顔を出していた。
「え、えっと……この人達は何をしているの?」
先生は自分の前でこちらを見つめ、お辞儀をしたりしている小人に戸惑っている。
この行動の意味が分らないと困惑した様子で、私たちに助けて欲しそうな目をして顔を向ける。
「私も温泉の中で洗浄小人を使うのは始めてだから合ってるのか分からないですけど、多分これは挨拶をしているんですよ」
「あたしもそう思うかな。 こうしてお辞儀をしているんだし、宜しくお願いしますって言ってるんじゃない?」
「宜しくって……この人達はいったい何を……」
詩織ちゃんと桜ちゃんの考えは当たっていると思う。
わざわざ四匹に分かれて私たちの前に泳いできたって事は、自分が担当しますとお辞儀をして示しているのだろう。
彼らなりに人間に向け、最大限に敬意をこめて。
そんな彼らに私は皆を代表して、「始めなさい」と許可をする。
挨拶はもういいから早くこっちへ来てと。
すると意味がちゃんと伝わったようで、一斉に彼らは私たちの身体を目指して泳いできた。
「おお、きたきた♪」
身体の前にまで泳いできた小人は、胸を登って鎖骨の方にまで上がってくる。
そこからうなじの方へと移動し、器用に痛みを感じないように髪を掴んでおでこの方にまで登ってきた。
「ふぇ⁉ や、やだ……何でこの子達は顔に登ってくるの」
「あー先生、まずは顔を洗ってくれるみたいなので、小人が洗いやすいように上を向いてあげた方がいいですよ。 どんくさい小人は顔から落ちたりするんで」
エロステで洗浄小人を使っている先生以外の私達は、既に顔を上に向けている。
勝手に洗ってくれると言っても、人間がこうして補助をしてあげた方が彼らにとっても動きやすく、より綺麗に洗えるので。
「うぅぅ……分かった……。 こ、こうかな……」
私達の真似をして顔を上に向ける先生。
そのおかげで先生の顔に張り付いていた小人は動きやすくなったようで、悠々とおでこの方にまで移動していった。
「はぁ~こうして温泉にゆったり浸かりながらの洗浄小人はほんとう格別ですね❤ ふふふっ」
「ああ、しおりんのそれわかるわー。 楽すぎて駄目になっちゃいそう」
顔を上に向け、目を閉じて大いに寛ぎながら会話をしている詩織ちゃんと桜ちゃん。
私も二人と同じ体勢で心の中で同意をする。
だって、こうして寛いでいるだけで人間には気付かない細かな汚れを洗浄小人が落としてくれて便利なのだから。
「……ふぅ♪」
おでこに小さな舌が這うこの感触。
チロチロ……チロチロと、くすぐったくもあるけど不快にならない刺激で、大変気持ちが良い。
そのような感触は徐々に下へと降りていき、私の眉毛やこめかみの方にまで伝ってきた。
どうやら小人は効率よく顔を綺麗に舐めるために、それぞれの顔の部位に向けて別れたみたい。
「……ハァ」
両方の眉毛に伝わる感触。 こめかみからほっぺの方にまで舌が伝っていく感触。
私の顔の左右に二匹ずつ別れた洗浄小人の舐める刺激は、また下へと向かい舐られていった。
今度は私の瞼(まぶた)や、首のうなじにへと――。
『ひぁ……ぁぁ……』
一方、茉由の両の瞼を舐めて綺麗にしていた二人の男は、目の下である目袋の元で狼狽えていた。
舐め終わり、次はまつ毛を綺麗にしようと動き始めた時、瞑られた瞼は突然と開かれたからだ。
『ぁ……ぁぁ』
開かれた目玉に身体を震わす二人の男。 何故なら明らかに二人をジッと捉えていたので。
――吸い込まれてしまいそうなほどに美しく、そして気味の悪い瞳で。
美しければ美しいほど、それがよりいっそう不気味さに拍車がかかっている。
小さな男が間近で見る、人間の瞳というのは……。
『な、何だよ……何で何も言わずにずっと俺を見てるんだよ……』
見られている意味が分からなかった。 どこかに痛みを与えてしまい、怒られるのかと思った。
だけどそういう訳ではなく、ただ自分を見ているだけ。
『怒っていない……のか? な、なら始めてもいいんだよな……』
とりあえずはこの娘の不評を買ったわけではないと感じた男は『失礼します』と言葉に、下の目袋から上まつ毛まで身体を跨いで綺麗にしようと行動を起こしだす。
サボっていると思われてしまうと、ここの女将や従業員の娘に処分されてしまうので。
だけど、娘の目を跨いだと同時に動いた目玉を見て、二人の男は見られていた意味に気付いたのだった。
これまで数々の女性からも同じように目を開けて見られていたけども、まさかこれほどの若い娘からも、自分は “視姦” されているのではないのかと……。
――男が考えるその通りに、まさしく茉由は自分の目を覆い被さっている男の身体を視姦していたのだった。
「本当にすごい身体……。 胸板も……腹筋もあんなに割れて」
使ってきたおじ様の小人や、優君や葉山君とは全然違う身体に改めて驚く。
脚に至るまでの鍛え抜かれた身体が逞しすぎて。
こんなに小さいのに男という異性を感じさせるぐらい。
それほど魅力的に映ってしまっている。 男性のもつ、身体の引き締まりが物珍しくて。
「すっご……❤」
「わぁ……ぁぁ❤」
両隣にいる明日香と先生の声。
どうやらそう思っているのは私だけではなく二人も同じなようで、先生は目を大きく見開いて凝視していた。
目を跨いでいる小人の身体を一点に、離すまいと。
明日香に至っては使いたくなったのか、小人の身体を見ながら舌なめずりまでしちゃってる始末。
……まあ、分からなくもないけど。
だって小人が目を覆ってまつ毛を舐めているため、私の両目の前には逞しい身体があるのだから。
甘い蜜が出る小っちゃなオチンチンをプラプラさせて、私を誘うかのように。
こんなのを見せられると味見をしたくなっちゃう。
浴用品ではなく自慰用性具として使うと、どれだけ気持ち良いのかを試してみたくなっちゃう。
でも別の用途で使うわけにはいかずに私はぐっと我慢をする。
明日香もそれを理解しているのか、手を出していない。
だって浴用品である彼らを使ってしまうと、身体が洗えなくなってしまうのだから。
この後は優君と会うのに、汚れた身体のままでは会いたくはないから。
かような考えに耽っていると、いつの間にか小人はまつ毛を綺麗にし終わったらしく、また次の場所へ向かおうと動き始めていた。
正直に言えばもっと眺めていたかったのだけど、まあ仕方がない。
「……んっ」
恐る恐ると私の顔を這う感触。 コチョコチョと動くその感触は、また私の顔の上で別れ出した。
私の鼻と――唇とに。
「ん……ふぅ」
鼻の穴を出来る限り広げて小人に内部を見てもらう。
はしたない顔をしているのだと自覚しているけど、もし中に鼻垢がこびり付いていて、そのまま優君に見られでもなんてしたら、恥ずかしくて死んでしまいそうだから。
だから鼻の奥の方にまでチェックしてもらうように。
チロ……チロ……
「ふ……んぅ」
唇の方では、既にひんやりとした感触がしていた。
鼻とは違って着いて早々に舐め始めたようだ。
鼻の穴を広げるにつれて半開きになった唇を、私の顎から身を乗り出して。
以前の私なら、唇には絶対に触れさせはしなかった。 舐めさせるのは以ての外、ありえない。
だって、私の唇に触れていいのは優君だけだったのだから。
例外があるとすれば、死にゆく運命にある小人だけ。
私に食べられる食用小人と、食用小人にする前に玩具として使っていた小人だけだった。
でも、目的を果たしてからは普通に触らせている。
優君との夢だったファーストキスを終わらせてからは。
だからもういいの。
――まさかそのような理由があるなんて知らない男は、これまでやってきた他の女性客と同様、無遠慮に舌を這わしていたのだった。
唇の細かな一本一本の縦ジワの中に舌を入れ、舐め上げて。
これまでこの唇に触れてきた者達を、全て食べ殺してきた唇に……。