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広域はんい from fanbox
広域はんい

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②縮小〇〇日記 15話外伝 追記の章 ~招かれモノ~ 

「お、なんだ、やっと呼吸が落ち着いてきたじゃないか太野」

「ええ、もう大丈夫っすけど……まだ足がいたくって……」

「柳生さん、俺もだ……。 座って休んでいると余計にきつくなってくる」

「ははは、歳だな俺達も……ならさっそく女将のおすすめの温泉にでも入りにいくか。 脚の痛みにも効くらしいからな。 女将、温泉はどこに?」

「温泉は一階の奥にございます。 柳生様――男性の方は “白魚(しらうお)の湯” となりますのでどうぞごゆるりと温泉を堪能してくださいませ」

「白魚の湯だな、分かった」

「それと柳生様、ご夕食のお時間は夕方にこられるお客様のご都合上――お早めの17時となりますので、それまでにお部屋にお戻りになられるよう宜しくお願いします」

「えらく早いな……。 まあ、人手が足りないのだから仕方がないか」


 ――それから俺達はぞろぞろと皆で温泉へと向かった。


「うわー真っ白な湯っすね!」

「なんだこのすっごく甘ったるい匂は……」

「うわ、湯を触ってみろよ! とろみがやべぇ」


 こいつらが言っている通り、確かに変わった温泉であった。

 湯のとろみもさる事ながら、温泉特有のあの匂いではなく、フルーツ系に似た香りが温泉内に嗅ぐわっていたので。


 だけども女将が自慢するだけあってか、とても気持ち良かった。

 全身に纏わりつくとろみ。 これが疲労した身体に良く効いたからだ。

 あれほど疼いていた脚の痛みも気にならなくなるほどに。


 少し不快に感じていた匂いもそう。 嗅ぎなれてくると、とてもリラックスできる良い匂いとなっていた。 この温泉になくてはならないと思うほどに。


 そのような温泉を存分に堪能した俺達は、17時になると旅館の料理を大いに楽しんだ。


「いやぁ美味かった!」

「そうですね、刺身や天ぷらもそうでしたが、添えつけの薬味が絶品でしたよ。 こんなの生まれてこの方食べたことがありませんでした」

「ああ、俺もそうだ。 これまで薬味なんて気にした事がなかったがハマってしまいそうだ。 だが太野からすれば魚介類ばかりのコースだったから物足りなかっただろう」

「はい……どれも美味しかったんっすけど、正直言うとお肉がなくて物足りないっす」

「ハハ、だろうな。 まあ、明日の帰りに美味い肉の店に連れて行ってやるよ。 この旅行の礼もあるし、締めにな」

「おーマジっすか! 自分、めっちゃ楽しみにしてるっす!」

「柳生さん、こいつめっちゃ食うの知ってますよね? いいんですか?」

「ああ、構わない。 あの仕事も終わったし、ありがたい事に臨時収入も入ったからな」

「まあ、そうですね。 というか俺達にもボーナスはくださいよね」

「もちろんだ、期待しておけ」

「うっす!」


 飯が終わり、俺は部下たちと他愛もない話をしてまったりとした時間を過ごしていた。 

 共に旅行に来たっていう事もあってか、普段はしないプライベートの話をしたりして。


 そんな話をしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか……。


「ハァハァ……なんか身体が妙にだるいな。 頭もぼんやりとするしよ……ふあ~ぁ……眠くもなってきやがった」

「結構歩きましたから疲れたんでしょうかね、俺も身体がだるくて眠いですよ」


 美味い食事も終えてだらけていたせいなのか、眠気が急にきた。

 普段ならこの眠気のままに俺は寝ていただろう。 だが身体が変に高揚しているために寝るに寝られなかった。


「うわっ……え? 何でだ」


 声を出して慌てて股を閉じる部下の一人。 その理由は分かっているので誰もが指摘をしない。

 先ほどから身体の一部分である男根が疼き、見事に勃起してしまっていたからだ。


「これって、さっき食べた料理のせいでか?」

「ハァハァ……全員がそうって事は……多分そうじゃないですかね」

「な、なんてことだ……」


 ズクズクと疼く股間。 この原因は薬味? ふとそのような勘が働く。

 思えばあの薬味は美味かったのは確かだったが、これまで食したことのない不思議な味をしていたからだ。

 

「もしかして自分達が食べた薬味って、精力剤に使われる原材料とかだったんじゃないっすか?」


 太野が言った通り、きっとそうなのだろう。 現に、料理を食べた全員がこんな状態になってしまっているのだから。


「あ……ぐ……くそう……段々と体調が酷くなってきやがる」


 さっきよりもひどく、高熱に浮かされているみたいにぼんやりとしてくる頭。 だというのに身体の一部は元気で、痛いほどに勃起してしまっている。


「ハァハァ……ぐっ……」

「うぅ……ぅ」


 部下たち皆もそう。 現に苦しそうに呻いている。

 溜まった内部の膿を今すぐにでも出してしまいたくて。


「母様、もういいの?」

「ええ、もう十分に効いている頃合いよ。 念のために気絶させる道具はみんな持ってきてる?」

「あるよ」

「……うん、もってる」


 そんな苦しむ俺達がいる部屋の外から、女将と娘達の声が聞こえてきた。

 女将達はガチャリと鍵を外し、何故か部屋に入ってきたようだ。

 客である俺達に何の断りもなく、勝手に部屋の襖まで開けて。


「あら、うふふ❤ 皆さんすごくお元気で」

「……おおっ」


 部屋に入ってきて早々、嬉しそうに部屋を見回している女将。

 彼女の隣にいる三女のあられも、感心するかのように口をoにして俺達を見回している。


「みんな料理を食べてくれたのね。 見た感じ全員に効いている様子だわ。 うふふ、ならこれは必要ないから仕舞いましょう」


 女将は手に持っていたスタンガンらしき物騒な物を着物の中に仕舞う。

 倣って傍にいる三姉妹も同じく。


「お、おい……女将……こんな姿の俺達を見て、その態度は何だ……。 いったい俺達に何を食わせたんだ……」

「そ、そうっす……物騒な物を持ってるみたいっすけど、何がしたいんっすか。 これが世間に知れたら大事っすよ……」

「ああ、大丈夫ですよおじ様達。 世間に知られる事は絶対にありませんので」


 長女のきりえが自信ありげにピシャリと言い放つ。 


「ふふ、娘のいう通り絶対にありえません。 ですのでご心配には及びません。 それに何を食べさせたのかとおっしゃられていますが、お客様がお召しになられたのはただ身体の香りを良くするための香草でございますよ。 男性にはちょっと精力が高まるかもしれませんが、毒草とかといった類の物ではありませんので安心してくださいませ」

「……香草だと?」

「ええ、気付きませんか? この部屋の中に充満された良い香りに」


 言われて気付く。 温泉の時に香っていた甘ったるい匂いが、部屋中に立ち込めていると。


「これは温泉で皮膚の中で浸透させた香りを、香草によって浮きたたせたからなのです。 つまりは皆様の身体から出ている体臭の匂いとなります。 女性を魅了し、惹かれてしまう」

「そう、来た時とは違ってあんたらおっさん達から素敵な匂いがするようになってる」

「……うん、とっても良い匂い……ジュルル」

 女将が言ってる事は確かなようで、あれほど冷たい印象を受けていた次女のつゆりから熱の籠った瞳で見つめられている。

 それは三女のあられも一緒で、何故か涎を垂らして……。

 

「ちょ、ちょっとあられ! ヨダレヨダレっ!」

「わっぷっ!」


 ハンカチを出した長女が涎を垂らした三女の口元を拭っている光景を俺達はただ黙ってみているだけ。 誰も言葉を発しない。 いや、言葉にしようとしても頭が働かないために出来ない。


「柳生さん、まだ寝ないでくださいね? ただ今から “お客様” にあなた達をご紹介いたしますので」

「……しょうか……い?」

「ええそうですよ、柳生様方が新鮮であると証明するためにはとっても大事な事なのです。 さあ柳生様と皆様、私達の後についていらしてくださいませ」

「おじさん、こっちだよ?」

「……ぁ、ぁぁ……わか……た……」


 ぼんやりとする頭。 遠くの方で聞こえてくる女将と娘の声に従って俺達はフラフラと歩いていく。

 優しい声に導かれるように……身体が勝手に動いて。


「……う……ぇ?」


 そして気付けば俺達は、自分の部屋ではない――また違った部屋に立っていた。

 テーブルを囲んでまさに食事中である、年若い娘達の部屋に。


「お客様、お待たせいたしました。 こちらがメインとなります」

「あーやっときた! めっちゃ楽しみにしてたんだ♪」

「へ? メイン? え? ――えぇ⁉」


 大学生ぐらいか? いや、もっと若いのかもしれない。 ポニーテールの娘が目を輝かせながら俺達をみている。 また、テーブルを囲んで食事をしている残り五人の娘の様々な視線も。


 興味ありげに見ている娘や、黙ってこちらを見ている目、そして驚いた目をした。

 その中でもまだ少女らしき娘が一番目を大きくして驚いているようだった。


「えっと、メインってどういう事……かな? 柏木さん」

「ん? そのまんまの意味だよ先生。 このおじ様達を含めたコース料理を頼んでいたの。 生で新鮮ってのもあってすっごく高いんだから」

「おじ様達を含めたって……そんな……」


 こちらを見る少女。 何故か少女は驚いた目から憐れむような目に代わり、俺達を見ていた。


「お客様、どうぞお好きな者をお選びください。 今は脳が半分寝ている状態で、自分が何をしているのかも分かっていませんから」


 俺の前に顔を見上げるようにして立つ娘。 三女だったと思うが何をしているのか? 俺の眼前で手をフリフリ振っている。


「このように娘が近づいても危害などは加えたりもしません。 安全ですのでどうぞこちらにいらしてくださっても大丈夫でございますよ」

「へえー、じゃあせっかくだから皆、近くに行って “自分の” を選ぼうよ。 ほら、先生も遠慮せずに」


 娘達は食事中だというのにぞろぞろと立ち上がってこちらに歩いてきた。


「何か罪悪感がすごいよ桜ちゃん……」

「いやー分かる。 こうしてあたしら人間を選んでるわけだからね」

「ふふ、他のお客様もよくおっしゃられていますが、こうしたサービスの贄になるモノは全てが “極悪人” となります。 ですのでそのようなご感情は無用ですよ」

「へえ……なら普段使っている小人と一緒なのですね。 小さくしているかしていないか、それだけの違いだけみたいです」


 長く綺麗な黒髪のした娘の言葉に、ギャルみたいな娘とサイドに髪を結んだ娘が頷く。


「確かにしおりんの言う通りかも。 そう考えたらさっきの罪悪感が綺麗になくなったし」

「うん、私も」

「ってかこいつら何? めっちゃチンコ大きくしてるじゃん! アハハッ」

「ほんとだ……やだもう……」


 キャッキャとはしゃぎ声を上げる娘達。 どうして部下を見ながらそんなに楽しそうにしているのか意味が分らない。

 そんな事をおぼろげに考えていると、ヌッと下から俺を覗き見る顔が現れたのだった。


「ぅ……ぁ……」


 黙って俺を見ている娘の目には色がない。 ましてや人に向ける目では決してなかった。 なんていうか……そう、まるで物を品定めするかの如く眺められているようだ。


「どう? 茉由、気に入ったのある?」

「ううん、まだどれにしようか悩んでるよ。 そういう明日香はもう決めたの?」

「うん、私は柔らかそうだしこれにしようかなって」

「大きいのにしたんだ。 確かに一番良い香りがしてるもんね」

「そそ、めっちゃ食欲をそそってくるよこれ」


 立ってる太野の頬をくすぐるかのように触り、卑しく舌なめずりをしているポニーテールの娘。

 この娘らが喋る言葉の意味は理解できないが、選ばれたら駄目だという事は何故か分かった。


「うふふ、じゃあ私はあなたにするね?」


 俺の前に立っていた娘が隣へと移動する。

 どうやらこの娘は俺ではなく、隣にいる部下の古橋(ふるはし)を選んだようだ。


「二人はもう決めたんだ。 ならあたしはこいつにしよっと」

「りんはこの人かなぁ」

「私はこれにします」


 古橋が選ばれたのを皮切りに、部下達が残った娘に続々と選ばれていく。

 ついには、この客の中で一番小さな少女だけが残った。


「先生はまだ迷っているん?」

「う、うん……ごめんね……」

「適当でいいと思うよ。 あたしもこの中で顔がタイプのを適当に選んだだけだし。 明日香なんて一番美味しそうだったから選んだだけっしょ、絶対」

「いいじゃん、私のおごりなんだから一番美味しそうなのを選んでも。 まあそんなのは置いといて、桜の言ってる通り適当で良いですよほんと」

「う、うん……分かった……。 じゃあ……先生はその人にする……ね」


 と言って指を刺す娘。 選ばれたのは俺ではなく一番ガタイの良い服部(ふくべ)だった。


「お決めになられたようですね。 残りの四匹はいかがいたしましょう?」

「んーとりあえず私達が選んだのと同じように置いててください。 誰も食べなければ夜の玩具にして使いますので」

「かしこまりました。 それではこれから小さくさせていきますね」


 真後ろから聞こえる何かを取り出している音。

 得体の知れないこの音に、強烈な不安が押し寄せる。


「おーっ! あたし生で小さくする所を見るの始めて」

「リンもだよ、何だかワクワクするね♪」


 何が面白いのか、俺らを見ながら楽し気に話している娘達。


「ねえ、わかる? あんたはこれからこん中に入んの」

「ぅ……ぁぁ……」

「もう明日香、お腹なんか出して何をしてるの……」

「いやー、せめて行きつく場所を見せてあげよっかなって」

「行きつく場所って、それだったらお尻だよ」

「あ、確かにそうだった!」


 突然首筋に痛みが走り、視界が暗く染まりだす。

 中心にかけてジワジワと、闇が押し寄せるかのように……。


 そんな俺の傍で呑気に娘が何やら会話をしているようだったが、相変わらず何を喋っているのか理解できなかった。

 まったく……これっぽっちも……。


 ………………

 …………

 ……

②縮小〇〇日記 15話外伝 追記の章 ~招かれモノ~ 

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