「そ、そんな……お姉さんが……武史を食べた……」
唾液が混じった咀嚼音が僕の耳にまで聞こえる。
口をモグモグと動かし、さっきまで普通に会話をしていた武史を、食べ物のように美味しそうに頬張っている音が。
「いや、啓介見てください、武史はまだ食べられていなく無事なようです!」
「え?」
お姉さんの口元をよく見ると、唇から武史が泣きながら顔を出していた。
唇を手で掴み、必死に外へ逃れようとして。
「いやだぁっ! 食べないでぇ! たすけっ――」
そんな武史をお姉さんはちゅぽんっと口の中へ吸い込んでしまい、また口を動かす。
武史の泣き叫ぶ悲鳴ごと味わうかのように、卑しくモグモグと……。
「ぅぁぁ……武史がまた……食べられて……」
今度こそ食べられてしまったと思った。
お姉さんの口の動きは、上下運動に変化もしていたから。
だけど、
ドチャッ!
武史は噛み潰されていたわけではなく、口の中からガムみたく僕らのいるベッドの上へ吐き出されたのだった。
「「武史っ!」」
「……ヒック……ヒック……うあぁぁんぅぅ!」
急いで吐き出された武史の元まで駆け寄ると、武史はベッタリと唾液をつけた身体で幼い子供みたいに泣いていた。
泣いた事があまりない武史がここまでなるなんて信じられない。 いったいあの口の中はどれほどの惨状が繰り広げられていたのだろうか。
ああ、でも想像は出来る。 きっと物凄い恐怖だったのだろうって。
だって口の中にいた武史は、人間に食べ物として味わわれていたのだから。
これまでお姉さんに食べられてきた、本物の食材と同じようにたっぷり唾液を体中につけられて。
また、身体の至る所に大きな歯型もついていた。
これを見るに、本当に涼子お姉さんに口の中で噛まれていたんだ。
本気じゃないにしても、何度も噛まれる恐怖を武史に味わわせて……。
「このまま食べてしまおうと思ったのだけど、一度だけは許してあげる。 だけど二度目はないわよ? もしお姉さんの “言う事や約束事” を守れなければ、もう先はないと思いなさい。 食べ物として人間に食べられるか、それとも女性の役立つ別の物にしちゃうから。 例えばディルドに埋め込んだ、あれのように」
そう言ってお姉さんは僕らの家の方を見る。
いや、正しくは家の横に置かれた、おじさんを埋め込んだエッチな棒を。
「さあ、どうするの? お姉さんは早くオナニーの続きを始めたいのだけど」
「先にいくぞ!」「わ、悪い!」「すまん!」
「え? ちょっ!」
お姉さんの言葉を聞いて、我先に走り出した別の施設から来た奴ら。
「あっ……❤ ちょっと、そこは女の子のデリケートな場所なのだから、もう少し優しく入ってきなさい」
そいつらは、僕と晋が武史を介抱しているのをいいことに、おまんこの膣の穴の中へ入ろうとしている。
お尻の中へ入ってウンチという扱いをされるのが嫌だからだ。
「ヒックヒック……ぅぅ……ご、ごめんな……俺のせいで……」
「良いんですよ別に、そんなに気にしないでください武史。 どうせいつかはあいつらも肛門の穴に入れられる日が来るはずですから。 遅いか早いか、それだけの違いでしょう」
「うん、そうだよ。 ほら、立てる? まあ三人でがんばって耐えていこうよ」
「あ、ああ……ありがとう……啓介、晋……ほんとうに……」
「いいって、それよりも早く行かないと。 膣の穴には既に三人は入ったみたいだし、待たせてしまうとお姉さんが怒るよ」
「ですね!」
二人で武史に肩を貸して急いで移動する。
しばらく歩くと目の前には、僕らを待ち構えるかのように肛門が泰然自若(たいぜんじじゃく)としてそこにあった。
一筋一筋の肛門のシワすら僕らに見られているというのに、優雅に穴をヒクヒクさせて。
「では僕から先に入りますから、啓介と武史は後に続いてきてください」
柔らかいお尻を登り、ヒクつく肛門の穴に顔を押し込んで頭から入っていく晋。
「うぐぐっ……ぐぅ……」
肛門を押し広げてしまったせいなのか、中からガスというオナラが噴き出してきたけど、晋や僕らは我慢をして涼子お姉さんのお尻の中へ全員が入っていく。
身体を捩らせたりして工夫をしながら。
「ハァ……ハァ……アハァ❤ ダメ……これまでになくすっごく興奮しちゃう。 まだ子供と言ってもいい男の子を、自分の胎内の中に閉じ込めてするオナニー。 中にいる子はどんな気持ちなのかしら……。 きっと痛くって辛いわよね? 快楽を感じるたびに膣をギュッギュッって締め付けているのだし、ん――っあはぁん❤」
外から聞こえるお姉さんの気持ちよさそうな声。
どうやらオナニーがまた再開したようだ。
《ぐぎゃぁぁッ!》《ぐ、ぐるじぃぃ……》
「な、なに? この声」
「これは……き、きっと膣の中へ入ったあいつらの声でしょうね」
お姉さんが大きく喘ぐと同時にグラグラと揺れるお尻の内部。
また、上部の方から三人の悲鳴のような声がこっちにまで聞こえていた。
「う、上で何が起きているんだよ……」
「分からないです……だけどもあの悲鳴を聞く限り、僕達は肛門を選んで正解だったのかもしれませんね」
あの三人がどんな目に合ってるのかさっぱり分からない。 でもこれだけは分かる。 相当な苦痛を与えられているのだろうと。
ああ、晋のいう通りお尻の穴を選んでよかったよ。
お尻の中は臭くて満足に呼吸は出来ないけど、でもそれさえ我慢してればここはグラグラと揺れるだけでそれ以上は何もないんだから。
だけどその考えは間違いだった。 ここはまだマシで楽だと思っていたのに、僕らは長い間の時間、外に出してもらえる事はなかったのだから。
涼子お姉さんのオナニーが終わっても、スヤスヤとそのまま寝てしまって。
そんな僕らがやっと外へ解放されたのは、翌朝の事だった。
「っふぅ~♪ あら? 無事にみんな外に出られたようね。 どうかしら、人間が出すウンチになった気分は。 ふふ、いい経験ができたわね」
「あぅぅ……ぅぅ……」
確かにすごい経験だった。 お尻の奥深くから土砂のように迫りくるウンチの光景は。
涼子お姉さんはただ息んでいただけだろうに、何も出来なかった。 ――抗えもしなかった。
自分がお姉さんのウンチとして、洋式便器の中へ出されてしまう事に……なにも……。
「はぁ……まだ出そうだわ。 悪いけどお姉さんがウンチし終えるまでそこで待っていてくれるかしら? 君たちを浣腸代わりに使ったおかげで腸が活発になってるの。 ふふ、せっかくだから便器の中で人間の女性がウンチを出す所を見てなさい。 君たちのような小人が食べられたらどうやって出てくるのかを……んっ」
洋式便器の便座の上に座ったお尻。 僕らから見ると天を覆ったとてつもなく大きなお尻が揺れ動いていた。
僕らを見下ろすために開けていた股が、閉じようと動きだしたからだ。
と、お尻のその重さで軋みをあげさせて。
「う、嘘でしょう? 涼子お姉さんはそのまま出すつもりなの⁉ や、やめてっ! せめて僕らを便器の外に出してからしてよっ!」
「ははは……何を言ってももう無駄みたいですよ……啓介。 どっちみち排泄物で身体が汚れてしまっているんです……。 お姉さんにとって、これ以上僕達が汚れても一緒なんでしょうね……」
「ひでぇよ……何だよそれ……。 同じ人間のする仕打ちじゃねぇよ……」
パックリと広がった肛門の穴が猛りをあげる。
その直後、股間の小さな穴から放水のように流れ出たオシッコは、白い陶器にビチャビチャと叩きつけて、僕らのいる便器の底にまで流れてくる。
川の流れのように勢いよく。
「ゴプッ! 啓介、武史、オシッコが流れてくる勢いが想像以上に強いので気を付けてください。 最悪ですが、お姉さんの出したこのウンチに掴まって耐えないと、沈んで溺れてしまいますよ」
「うわっぷっ! う、うんっ!」
「おえっ! ちくしょう、人間の出したウンチに掴まって耐えろって……こんなの俺達ってハエみたいじゃないか」
涼子お姉さんがオシッコをしているだけだというのに、僕らは便器の中で慌てふためく。
そんな僕らを嘲笑うかのようにお姉さんの肛門の穴は、新しく産み出してくるウンチによってありえないほどに大きく広げられていた。
「ひっいぃ……」「ぁぁ……」「や、やばい……」
ゴツゴツとしてそうな岩みたいな固形物の塊。
僕らなんて圧し潰してしまえるほどに大きなウンチが、お姉さんの肛門の穴から顔を出してぶら下がっている。
「やめ……やめてぇ」
「お願いです、たすけてください」
「やめろよぉ……何でこんな酷い事が出来るんだよぉ」
臭いガスが充満する中、まだ出したばかりの温かいウンチにしがみついて懇願する。
もはやそれぐらいしか僕らには出来る事がなかったからだ。
それなのに、
ガスが噴き出す音が鳴ったと同時に視界は一瞬にて暗転をした。
肛門の穴にぶら下がっていたウンチが、僕らの頭上に落とされてしまって。
そのような真っ暗な視界の中。 僕の耳にはお姉さんが気持ちよさそうに息んでいる声を聞かされていたのだった。
便器の水面の底で、涼子お姉さんのウンチに埋もれた状態で……。
「おい、いたぞこっちだ!」
「うぅぅ……」
「可哀想に……こんな子供にまでこれほどの仕打ちを……。 待ってろ、今助けてやるからな」
ウンチに埋もれた後、僕らは大人の男の人達に助けられた。 大人と言っても僕らみたいに小さくされた人達だけども。
どうやら涼子お姉さんは汚いからという理由で、この人達を便器の中に入れて僕らを探させたらしい。
そんなお姉さんはもういない。 出す物を出した後はこの人達に任せてトイレから退室していったようだ。
「ほら、しっかり俺に掴まってろよ。 ――いいぞ、上げてくれ!」
「了解だ!」
片手でロープ? を掴んだおじさんは、便器の縁で同じくロープを掴んでいる人に合図を送る。
それからグングンと上昇していく僕の身体。
おじさんが僕を抱いたまま、一緒にロープで持ち上げていってくれてるからだ。
「ね、ねえ! 皆は? 晋と武史はどうなったの?」
「仲間が助けているから大丈夫だ。 ほら、無事なようだぞ」
見ると、二人は泥の中からおじさん達に掬い上げられている所だった。
悪臭を放つ長細い茶色い塊が浮かぶその隣で、ゲホゲホと口の中に入ったものを吐き出して。
「良かった……でも……僕はこの中にいたんだ……」
「ああ、大変だったろ、よく頑張ったな」
ロープに上げられている最中に見下ろした、便器の中の惨状に僕の身体が震える。
透明な水の中にいたはずなのに、僕の見ているこの景色は泥みたいなウンチに塗れていたのだから。
至る所全て、茶色く濁して。
その中に沈んでいる長細い固形のウンチの数々。 そのちぎれた断面にはお姉さんに食べられた残骸であるほうれん草みたいな野菜が見え、そこから白い湯気を出していた。
ホカホカと、まだ出されたばかりの真新しいウンチだとわかるぐらい。
このようなウンチの中で、晋や武史、そして大人たちは一生懸命になって動いていた。
この中から皆で助かろうと頑張って。
僕からみれば、一種の災害みたいな光景だ。
これほどの惨状を、お姉さんは一人でやってのけたんだ。
ただ涼子お姉さんはウンチをしただけだというのに……。
これが差。
普通の人間と僕らとの差なんだ。
だって、お姉さんの出すウンチでさえ僕じゃ敵わないんだから。