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夜空さくら from fanbox
夜空さくら

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×××シスターが生まれた時⑥

■ とある世界の、とあるシスターが生まれた時のお話。強大な力を得て好き勝手振舞う人類の敵――淫魔に対抗するために人類が試行錯誤するお話です0w0クワッ!

■ 二週間も間が空いてしまってすみませんでした! ようやくこの瞬間を書けました。次回の更新がエピローグとなり、こちらの作品は終了予定ですーw-ペコリ

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 淫魔は勝利を確信していた――というより、もはや勝利したと考えていた。

 聖女・ヴィクトリカの左右を固める護衛を倒し、片方は屈服させ、三人に同行していた少女も捕らえた。

 捕らえた聖女をアジトに運び、聖女をひたすらに苛め抜いた。

 いかに多くの悪魔を浄化して来た聖女といえど、聖女の術が使えなければ、少し魔力が強いだけのただの女だ。

 性的に体を弄び、全身をきっちり拘束し、疲弊して抵抗することが出来なくなるまで苛め抜いたのだ。

 精神が屈服していないのが不満ではあったが――それも時間をかければ容易に実現可能であると考えていた。

 淫魔に対して最も相性がいいと呼ばれる聖女すら討ち取った淫魔に、もはや世界に敵はいない。

 ありとあらゆる人間を魅了し、支配し、性のエネルギーを全て献上させる。

 そうすることで、淫魔はいまだかつてない領域に達することが出来るだろう。

 同行していた少女を聖女の前に連れていったのは、勝利を決定づけるための余興のようなものだった。

 少女が何の力も持たない、ただの人間であることはわかっていたから、聖女を助けられるわけもない。

 聖女を敬愛する彼女に最後のトドメを刺させて、聖女が堕ちて行く様を見せつけて、絶望を与えてやろうと。

 そしてその上で快楽を覚え込ませて、愛玩動物にでもしてやろうと、淫魔はその程度に考えていた。

 淫魔の目論見は順調だった。少女の手で聖女の処女膜を破らせて、最後の守りを失わせた。

 性的刺激を扱いこなす淫魔にしてみれば、体の奥まで弄れるようになった以上、聖女を堕とすことなど容易いことだ。

 完全なる勝利を、淫魔は収めた――はずだった。

 処女膜の破れた聖女の膣から、真っ黒な『何か』が溢れ出す。

 それを見た淫魔は、目を瞬かせた。

(なに? こんなの、知らない……)

 聖女の体を包み込んでいるものは、淫魔が自分の力で作り出したものだ。

 聖女を辱め、甚振るための装置であり、淫魔が少し力を加えれば自在に形を変え、外見は何も変化していなくとも、中でひたすら刺激され続ける――ということも可能だ。

(黒いのが広がって……何か、まずい気がするわね)

 淫魔はそう思いつつ、即座に判断を下した。

 爪を鋭く伸ばし、瞬く間に聖女との距離を詰める。

 そして躊躇なくその爪を聖女の首目掛けて振るった。

 淫魔は戦闘に向いた種族ではない。とはいえ、有り余るほどの精力を得て、強大になった魔力を込めるだけで、山を裂くほどの威力を発揮することは出来る。

 全身縛り付けられて動けない聖女の首を飛ばすことくらい、赤子の手を捻るより簡単なことだ。

 危険を感じ、即座に聖女を殺しにかかった淫魔の判断は、決して遅くはなかった。むしろ最速の判断だったといえる。

 しかし、淫魔の振るった爪は、聖女の首を斬り裂けなかった。

 その部分を覆っている黒い『何か』が淫魔の爪を受け止めてしまったからだ。

 しかもただ受け止めただけではない。

 その黒い『何か』は衝撃などを全て吸収してしまい、淫魔の手はぴたりと止まってしまったのだ。

「な――っ」

 まるで自分が無意識に止めてしまったと感じるくらいに、手応えを感じなかった。

 呆気に取られた淫魔だったが、すぐに気を取り直して腕に力を込める。

 勢いはなくとも、爪の鋭さによって首に爪が食い込むくらいには力を込めた。

 だがしかし。

 やはり淫魔の爪は数ミリも聖女の首に食い込まなかった。

「こんな……っ、バカな……ッ!」

 歯を食い縛り、さらなる力を込める淫魔。

 それでも聖女の首はびくともしない。

 異様な状況に焦る淫魔だったが、不意にその爪がずぶりと『何か』に減り込んだ。

 爪が立ったと感じ、淫魔は喜びを感じる。

 しかし淫魔はすぐにおかしなことに気付いた。

 聖女の首に爪が食い込んだというより、爪が呑み込まれたという方が正しいことに気付いたからだ。

 そしてそれは、じわじわと浸食するように進んでいた。

「な……っ!? うそ……っ!」

 淫魔の爪がズブズブと聖女の首の中に減り込み、固定されてしまう。

 いや、正確には聖女の全身を覆っている『何か』が膨らみ、爪が触れている部分を特別厚くすることで、淫魔の爪を呑み込んでいるのだ。

 淫魔は爪が全く動かせないことに気付き、冷や汗を流す。

(ほんとに、なんなのこれ!? スライム……? 私の力が抑え込まれるなんてことあり得ない!)

 想定もしていなかった状況に、強い焦りを滲ませる淫魔。

 その時の淫魔は本当に冷静ではなかった。

 状況を把握するのに必死になっていたがために、爪を覆って抑え込んでいる『何か』が他の場所からも染み出していることに気付くのが遅れた。

 淫魔の足元に伸びて来たそれがつま先に触れた時、淫魔は失敗を悟る。

 『何か』に抑えられていた爪を縮め、拘束を振り切って離れようとする。

 そんな淫魔の全身に、別の場所から伸びた『何か』が絡みついていく。

「ぐっ! このっ!」

 とっさに手を振るって振り払おうとした淫魔だったが、その手も『何か』によって絡め取られる。

 両手、肩、腰、足。

 アメーバのように伸びたその『何か』は淫魔の体に絡みつき、逃げられないように張り付いていく。

「うっ……! あっ……!」

 どんどん全身を『何か』によって包まれていく淫魔。

 必死に抵抗するが、その『何か』が浸食してくる力は想像以上に強く、淫魔の抵抗を許さない。

「い、淫魔さまっ」

 この場に連れて来ていた、聖女に同行していた少女がそう叫び、慌てて取りすがって来た。

 聖女を追い詰める最後の一押しに使う際に、精神を乱して自分に従うように誘導したが、その余韻がまだ続いている様子だった。

(あなた程度じゃ……何の意味も……! あ、でも、人間なら外せる可能性も……!)

 魔物に特化した道具の中には、その特定の魔物にしか効果を発揮しないものもある。

 聖女から滲み出した『何か』もその類であるとすれば、人間である少女が外せるかもしれない。

 そう淡い期待を抱いた淫魔だったが、淫魔に取りすがった彼女の両腕にも、聖女から発生した『何か』は絡みつく。

「ひゃああっ!?」

 少女は驚きの声をあげ、どうにかその『何か』を振り払おうとしたが、全く無意味だった。

 ぶんぶんと勢いよく腕を振るっても、離れるどころがむしろがっちり張り付いてしまっている。

「いやあああああっ、あああっ! んっ――うっ、ぅうっ!?」

 そしてそのまま、少女の身体を包んだ『何か』は、後ずさった少女をその場に転倒させる。

 まるで全身をロープでぐるぐる巻きにするが如く、少女の体は徹底的に『何か』によって拘束される。

「ンーっ! んんっ!」

 地面を転がって、じたばたと藻掻く少女。

 少女が役に立たなかったことを忌々しく思う淫魔の体は、どんどん聖女から発生した『何か』に包み込まれていく。

「ぐっ……! うぅう……!」

 必死に抗うものの、ドロドロした液体の中に捉えられるようなもので、うまく体を動かすことも難しい。

 手足に絡みついた『何か』が、勢いよく動き出し、淫魔の体を包み込んでいく。

「うぐっ!?」

 『何か』は一瞬で淫魔の全身を包み込んだ。

 反射的に魔法を振るって蹴散らそうとした淫魔だったが、その魔法すらも抑え込まれてしまう。

「うぐぐ……ッ、ぐぅう……!」

 目の前にいる聖女と同様、淫魔の全身も黒い『何か』で覆われてしまう。

 小さいとはいえ、翼や尻尾がある分、淫魔の方のシルエットの方が若干膨らんでいたが、全身が黒くなったことに変わりはなく、輪郭だけが不気味に浮かび上がっている。

「んうっ……! んぅうっ!?」

 全身を這い回るそれが、とうとう淫魔の体の中にまで入り込み始める。

 自身が聖女にそうしたように――膣の中や口の中、耳の穴や鼻の穴にまでその『何か』は侵入してくる。

「あぐっ……!」

 両手両足をピンとまっすぐ伸ばした立ち姿勢。

 全身を覆うものは、淫魔が体を捩る度にギシギシと音を立て、彼女の体をきっちり抑え込んでいた。

「んぅ……っ! フーっ……フーっ……!」

 淫魔は一瞬呼吸が出来なくなっていたが、その鼻の穴に入り込んだものに穴が開き、空気を取り込むことが出来るようになる。

 穴を空気が抜ける奇妙な音を立てながら、淫魔は必死に呼吸を繰り返していた。

(何も……見えない……っ、体が……動かせない……!)

 聞こえる音も、自分自身の鼓動や呼吸音といった音のみ。

 そして全身を包み込む『何か』が軋んで立てる、不気味な音。

 淫魔は捕らえていた聖女と同じように体の自由を奪われている状況になっていた。

 その足元では、淫魔と同様に『何か』によって全身を覆われ、芋虫のように藻掻いている少女がいたのだが、淫魔はそちらを気にしている余裕がなかった。

 『何か』は淫魔の体の動きを止めただけでは終わらず、まだ動き続けていたのだ。

 淫魔は全身に力がかかるのを感じ、内心悲鳴をあげた。



 その光景は、まるで悪夢のようだった。

 聖女の身体から染み出した黒いものが淫魔の体を包み込み、覆い尽くしている。

 さらに、その淫魔を包み込んでいるものは動きを強め、淫魔の体をゆっくりと押し潰していく。

「~~~~っ!?」

 まっすぐ直立した状態にあった淫魔の体が、折り畳まれるように小さく丸められていく。

 淫魔の体は人間のそれと関節の稼働域や柔らかさにおいて、そう違いはない。

 にも関わらず、淫魔の体は限界まで丸められ、どんどん小さく纏まっていった。

「ングッ、グゥウ……ッ!」

 必死に呻き、藻掻く淫魔だったが、彼女の体を包み込んでいるものの力は恐ろしく強い。

 ぎゅうぎゅうと肉団子のように丸められ、淫魔は限界を超えて小さく丸められていた。

「……ッ…………っ」

 呻き声すら上げられなくなる淫魔。

 その体がさらに小さく圧縮され、丸められていく。

 淫魔の体はもはや人が抱えられる程度の、球形に縮められた。

 普通の人間であれば、とうに体の内部で内臓が破裂し、折れ曲がった骨がいたるところから飛び出していただろう。

 だが人と同じ形をしているとはいえ、その実態は人間とは全く違う淫魔は、普通の人間なら死ぬレベルの圧縮されても生きていた。

 指先一つ動かせないほど、硬く丸められた状態ではあったが、それで淫魔は死ぬことはない。

 淫魔はピクピクと痙攣し、苦しんでいた。

 そんな彼女の体が、ゆっくりと聖女の身体へと近づけられていく。

 聖女の両足がはしたなくガニ股に開かれ、その中心にある股間を露わにする。

 その股間にある穴は、ぽっかりと穴が開いていた。先ほど処女を失ったばかりにも関わらず、かなり大きく広げられている。

 見えない拳を捻じ込まれているかのような状態で、聖女自身、非常に苦しがっていた。

 そんな彼女の開いた割れ目に、丸められた淫魔の体が引き寄せられる。

 そして、その穴の中に淫魔の体が呑み込まれ始めた。

「「~~~~~ッッ!!」」

 呑み込んでいく側と、飲み込まれていく側。

 どちらもキツいことに変わりはない。

 声もなく二人は揃って悲鳴をあげていた。

 いくら広げられているからといって、膣に大人と同等の体が入るわけもない。

 だが普通ではない状態になっている淫魔の体は、まるで飴細工のように異様に柔らかく形を変え、聖女の狭い膣の中に呑み込まれていく。

 聖女は聖女で、体が真っ二つに裂けてしまいそうな激痛に加え、体の中が広げられていく異常な感覚を覚えながらも、淫魔の体を受け入れていた。

 奥まで到達した淫魔の体は、聖女の子宮の中にまで入り込んでいく。

 そしてその中でまた丸く膨らんでいき、聖女の腹部を臨月のように膨らませた。

 ぼこっ、と勢いよく膨らんだ聖女の腹部は、普通なら破裂するところだったが、風船のように膨らんだだけで裂けずに耐える。

 淫魔の体が全てその腹の中に納まると、ずっしりとした重みが常に聖女の体にかかる。

 通常なら、苦痛極まりない状態だ。

 気が狂う激痛と、内臓が圧迫される苦しみ。

 それしか感じないはずだったが、聖女が感じているのは必ずしもそれだけではなかった。

「~~~~~ッ!♡」

 聖女の子宮の中で淫魔が暴れる度、苦痛と同時に異常なレベルの快感が聖女を襲う。

 それのおかげで――あるいはそのせいで――聖女は発狂することも出来ず、腹部に淫魔を受け入れた感触を覚えていた。

 聖女の子宮に閉じ込められた淫魔は、彼女でさえ経験したことのない未知の感覚で、思考を塗り潰されていた。

 足掻こうとすればするほど、全身から返って来る感触が強くなり、思考を乱される。

 名だたる英傑の力を吸収し、魔王と呼んでも差支えのない圧倒的な力を持っているはずの淫魔が――どうすることもできなかった。

 こうして、世界を手中に収めかけた淫魔は、聖女の中へと封印された。


 そしてそれが――この世界に『ラバーシスター』が生まれた瞬間だった。



つづく


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