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夜空さくら from fanbox
夜空さくら

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繰り返し転移する俺/私は成り上がりを夢見る プロローグ

■ 久々にTSものを書こうと思った結果、なんか私の趣味やら性癖やら全部乗せみたいな話になりました!0w0; 支援者様向けに更新することもあると思います。(初めて転移した時のお話とか、懐柔失敗ルートとか、奴隷商人売却ルートとか)

■ あらすじ:とある普通の男子高生・降永貴志は、夜寝る度に女性として異世界に転移していた。夢とも思えるその現象だったが、その世界で貴志は山賊を生業とする極悪人に見つかってしまっていた。人を犯すも殺すも躊躇わないその極悪人に、幾度となく犯され、殺されてしまう貴志。死ぬ度に同じところからやり直しになってしまう。最悪の状況から逃れるため、貴志はその男に『都合のいい女』として媚び、その世界での成り上がりを目指すのだった。

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「お前……なんか最近、いい匂いさせてない?」

 そう俺に言って来たのは、バスケ部のチームメイトである佐々岡だった。

 その佐々岡の言葉に、反対側のロッカーの前で着替えていた柊木がドン引きする。

「え……佐々岡、貴志の臭い嗅いでんのかよ……ホモか?」

 お調子者でもある柊木は、軽口交じりにそんな言葉を口にした。

 色々やばいし、怖気が走るからやめろ。

 俺はそんな風に思いつつ、あえて柊木の言葉を茶化すように口を開く。

「ちょっといい日焼け止めクリーム塗ってるだけだっつーの。最近の紫外線マジヤバいって動画で見たからな」

「確かに……でも汗で流れちゃわないか?」

「汗掻く度に塗り直せばいいんだよ」

「めんどくさくねー? 日に当たるのなんて、それこそ外走る時だけじゃん」

 俺たちはバスケ部だから、柊木の言わんとすることもわからないでもない。

 というか、俺も元々はそういう考え方だったから、ほんとなら柊木のいうようにしたいところだ。

「ふっ……その違いが、後々大きな差になってくるんだぜ」

 そう言いつつ、着替えを終えた俺は日焼け止めクリームを手早く手の甲や顔に塗る。

 一応目立たないように無香料のものを選んだつもりだったのだけど、独特の匂いがしたのだろう。佐々岡は鼻のいい奴だ。

「さっさと帰ろうぜ」

「駅前でハンバーガー食わねー? 腹減ったー」

「俺はパス。行くなら二人で行けよ」

 脂っこいバーガーなんて食べてはいけないものの筆頭だ。

 俺の返答に、柊木はますます顔を顰めた。

「またかよー。付き合いわりぃぞ、貴志ぃ」

 肩を組んで脇腹を突いてくる柊木。地味に痛いからやめろ。

「……降永。行かないのか?」

 佐々岡までそんな顔をしないで欲しい。

 部活で腹が減ってるのは確かだが、そう出来ない理由が色々あるのだ。

「悪いな、佐々岡。ちょっと面白いゲームに金使っちゃっててな……」

「課金したのかよぉ。まあ、確かにイベントもあったしなー」

 柊木もやってるソシャゲに金を使ったと思われているようだ。

 正しくはないが、その勘違いは都合がよかったので、俺はそれを否定しなかった。

 その後、二人と駅前で別れ、俺はすぐに家に戻る。

 きちんと栄養バランスの考えられた食事をきっちり取り、風呂にしっかり浸かった後、全身のストレッチを行った。

 毎日コツコツやっていたら、だいぶ体の柔軟性も上がったように思う。

 歯を磨いてスキンケアもし、髪の毛を梳かして丁寧にそちらのケアもする。

 親には色気づいていると言われてしまったが、各種ケアの重要性を説いたら納得してくれた。

 やれることはすべてやった俺は、自室のベッドの上に腰かける。

「さて……と」

 あとはもう寝るだけ――なのだが、俺にとってはそうではない。

 俺はベッドの下からダイヤルロック式の鍵がかかった箱を取り出した。

 手早くダイヤルを合わせて鍵を開け、その箱の蓋を開いて中身を確認する。

 その中には、いわゆる『大人のおもちゃ』と呼ばれる道具類が大量に入っていた。

 買い食いするお金がないのは、これが大きな原因だ。

 ただし、これらの道具は『俺』がオナニーをするためのものではない。

「今日は、これとこれ……あと、こいつも試してみるか……」

 道具の中からいくつかの道具を取り出し、それを枕の下へと押し込む。

 残りの道具は箱の中にしまい、再びベッドの下に隠す。

 電気を消し、ベッドの上に寝転がる。枕の下にごつごつしたものを感じて寝づらいが、我慢して目を閉じた。


 そうして『俺』は眠りにつき――『私』は目を覚ます。


 目を開けると、石で出来た冷え冷えとした天井がまず見えた。

 それを照らすのはゆらゆら揺れる光源であり、電灯の明るさとは比べ物にならない。

 しかし目が慣れているのかなんなのか、視界に不便はなかった。

 深く息を吸い込むと、冷えているうえにじめじめしたカビっぽい臭いが肺に入り込んで来る。長く吸い込んでいたら病気になりそうだ。

 少し視線を巡らせると、想像通りの、いかにも独房といった様子の小さな部屋の光景が目に飛び込んでくる。

 入り口は小窓のついた鉄の扉が一つ、窓は高いところにしかない。そもそも窓には鉄格子が嵌っていて、脱出なんて出来そうもない。

 今回も変わらずここで目覚めてしまったことに、俺は深々とため息を吐いた。

 体を起こすと、それに伴って色々なものが揺れた。

 まず髪。バスケ部である俺は、野球部程ではないにせよ、結構短めに整えている。

 それが、ちょっと顔を俯けるだけで、サラサラの前髪が視界の端に映り、再度の髪が垂れて視界を遮ってくる。

 艶のあるサラサラの髪を、俺は手で後ろに払った。けれど、さらさらすぎてあまり意味はなく、すぐ戻って来てしまう。

 そして服。極普通の寝巻を着ていたはずなのに、いまの俺の体にはいかにもお嬢様然とした、ネグリジェのようなものが着せられていた。

 フリルが使われていて、少し体を揺らすだけでかなり揺れる。

 そこそこ質はいいようで、肌触りはいいが通気性がよすぎて体が冷えてしまっていた。

 最後に、胸。

 当たり前だが、男である俺に揺れる胸なんて本来存在しない。

 鍛えているとはいっても、そんな大きな胸筋があるわけでもなく、普通の男の体つきの範疇だ。

 しかし今俺が目線を下にずらしてみると――そこには割と立派なたわわなものがぶら下がっている。

 ネグリジェという物がどうなっていれば正解なのか俺にはよくわからないけれど、胸の揺れを抑えるという意味ではそれが役に立っているという様子はなく、俺の胸はぶるんぶるんとよく揺れるのだった。

 体つきは本来の俺より全体的に一回り小さく、手首も足首も折れそうなくらい細い。

 腰の括れは見事の一言だし、お尻の張りも結構いいのではないだろうか。

 この部屋に鏡はないため、自分の顔がどんな風かはわからないが、見える範囲だけでいえば、深窓の令嬢というか、すごく立派な雰囲気は感じる。

 俺は体を起こしてベッドに横向きに座り直し、自分の体を改めて見下ろし、プリンみたいにプルプル震える自分の胸を両手で掴んだ。

 触れた胸はふわっと柔らかく弾力があって、ネグリジェの手触りの良さもあって、それが自分自身でなければ、きっと興奮していただろう。

 自分がそうなってしまっているので、興奮よりも困惑と戸惑いの方が強い。

「はぁ……いつまで続くんだ……この夢は……」

 俺は溜息と共に、そうぼやかざるを得なかった。


 俺は毎日眠りにつく度に――女性に変身した夢を見てしまっていた。


 ただ、状況的に夢と考えてはいるものの、この夢の感覚はとても夢とは思えないものだ。

 意識もしっかりしているし、寒いという感覚も、物に触れている感覚もちゃんとある。

 そもそもいま胸に触れてその柔らかさを堪能しているわけだけど、実際の俺はおっぱいを揉むどころか、彼女すらいない童貞だ。

 当然、ろくに女子の体に触れたことすらなく、夢で見るには経験値がなさすぎる。

(…………全部妄想……だったらよかったんだけどなぁ)

 同じような夢を見るだけなら、あるいは自分の妄想が爆発した結果、と考えられなくもない。

 そうでないと俺が思っているのには、いくつか理由がある。

 ひとつ目の理由は、あまりにも感覚がリアルすぎるということ。

 想像力で補うにしても、明らかにそれでは説明のつかないようなことがハッキリと存在している。

 なにせ死ぬほどの苦しみや痛みといったものも、この夢では感じるのだ。

 本当に勘弁してほしい。幸い、向こうでの俺の身体には影響がなかったものの、これが本当の悪夢だったとしたら、漏らしたり吐いたりで悲惨なことになっていたはずだ。

 ふたつ目の理由は、この夢だけが何度も執拗に繰り返されるということ。

 何度もこの夢を見ているが、寝るか気を失うまで元の世界には戻れない。

 こちらの世界で意識が途切れると元の世界に戻り、またその日の夜寝るとその続きからこちらの世界は始まる。

 そしてこちらの世界で死ぬと元の世界に戻るのだけど、その後もう一度眠ると、またこの部屋から始まるのだ。

 何度か繰り返す中で、それなりに長い時間をこっちの世界で過ごしたこともあり、単なる夢というにはあまりに常軌を逸している。

 そしてこれが夢ではないと俺が思う、三つ目の理由。

 俺は自分が寝ていたベッドの枕に手を伸ばす。

 元の世界で使っているより遥かに雑な作りの枕だ。あんまり寝心地はよくない。

 それを退けると、その下からアダルトグッズが転がり出てくる。

 それは、元の世界で練る前に枕の下に仕込んだものだった。

 どういう理屈なのかは知らないが、枕の下においたものをこちらの世界に持ち込むことが出来るのである。

 着ている物も同様っぽいのだが、それに関してはこちらの世界の基準と、『女である』という事実に合わせてある程度変化するようになっている。

 だから向こうの世界で着ている普通の寝巻が、いかにもお嬢様に合うような寝巻、ネグリジェになっているということだった。

 ちなみに試しに制服で寝てみたら、いかにも育ちが良さそうなお嬢様が通う学校で着るような女子の制服に変わった。

 こちらの世界にも一応そういう学校はあるらしい。確かめられたことがないからよくわからないが。

 持ち込みの法則はよくわからないが、もう一つ関わってくるのが、俺自身の体の状態だ。

 適当にしていた頃は、なんだか微妙な感じになっていた。長くなった髪もパサついていて、肌も荒れ気味だった。

 それが色々と注意しているうちに、目覚めた段階でかなり見違えるようになったように思う。

 ある事情から、身綺麗にしておく必要があるので、普段の『俺』の時から手入れをしっかりしているのである。

「ふぅ……やるか……」

 俺は枕の下から取り出したものを見つめながら、もう一度深く溜息を吐く。

 女子になってしまうというのは、最初の頃こそ焦ったし驚いたけれど、もうそれに構っている余裕はない。

 何度も繰り返しているうちに、俺はこの世界でどうすればいいのか、大体理解してしまっているのだ。

 嫌だけど。

 まず、着ているネグリジェを脱いで裸になる。

 でっかいおっぱいがむき出しになってブルンブルンと震える。ちょっと痛い。

 それを我慢しつつ、俺は持ち込んだアダルトグッズの内、足枷を手にする。

 足首に巻き付ける形で枷を固定し、左右のそれらを鎖で繋ぐ形だ。

 ジャラジャラと音がなって、ある程度の幅より足が広げられなくなる。

 次に手にするのは、口を塞ぐ、いわゆるボールギャグというものだ。

 それを口に咥えて、髪の毛を巻き込まないように注意しながらしっかりとベルトを締める。

「んっ……」

 開きっぱなしになった口から早速涎が零れ落ちそうになるが、それをなんとか垂れないようにしつつ、最後に手枷を後ろ手にかける。

 それだけだとやろうと思えば拘束を解くことは出来なくもないのだが、これはあくまで『拘束されている』ように見せるためのもの。

 捕らわれの哀れな令嬢を演出するための道具である。

「んぅ……っ」

 体をくねらせながら、ベッドの上に横向きに倒れる。

 これで演出は完璧だ。あとは待つだけ。

「ふーっ……ふーっ……」

(さて……今回はどうなるか……)

 そんなことを考えながら、部屋の寒さに体を震わせること暫く。

 部屋の外が騒がしくなる。

 鉄製の扉に取り付けられていた小窓が開かれ、そこからぎょろついた目が部屋の中を覗き込んで来た。

 目が合ってしまい、俺は思わずびくりと体を震わせる。

 何度繰り返しても、この瞬間は慣れない。

「おい、マジか! 女がいるぞ!」

 荒っぽい声をあげながら、ガチャガチャと大きな金属音を立てて、扉が開いていく。

 部屋に入って来たのは、やたらと体のデカい、山賊風の男だ。

 臭くないのが不思議な、不摂生そうな成りをしていた。髪も髭も伸び放題で、浮浪者といい勝負だ。

 こちらの世界では浄化の魔法というのが気軽に使えるらしく、不快な臭いなどがほとんどしないのはそれが原因だという。何度目かに聞いた。

 男は大股で部屋の中に入ってくると、至近距離から俺を見つめてくる。

 ジロジロと頭のてっぺんから足先にかけてを視線で嘗め回される。

「んぅ……っ!」

 俺は半分本気で恥じらいつつ、自分で拘束した体をくねらせる。

 いくら本当は男とはいえ、体をジロジロ見られて恥ずかしいと感じてしまうのは仕方ないだろう。

「ほーぅ……こいつは……思いがけねえ収穫だなぁ」

 ニタニタと笑う男。

 その目は完全に俺のことを雌としか見ていない。

 その手が伸びて来て、胸を鷲掴みにしてきた。

「んぅうっ!」

 男の手つきはかなり乱暴で、おっぱいがもぎ取られるかと思った。

 暴れたくなるけれど、手枷や足枷があるおかげで暴れられない。

 ボールギャグのおかげで、汚い言葉も口に出せない。

 欲望を向けてくる男の視線に怖気を走らせながら、俺は必死に耐えていた。

 何度繰り返しても、この部屋でこいつに見つけられるところからスタートすることは変わらない。


 だから『私』は、こいつに気に入られて――この世界で成りあがっていく道を探さなければならなかった。



つづく


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