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夜空さくら

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箱詰倶楽部の社長の秘話 その2

■ 箱詰倶楽部の社長は、如何にして箱詰倶楽部の社長になると至ったのか。頑なに本名を明かさない訳とは。かつての恋人とはどうなったのか。いま、彼女の秘密のベールが脱がされ――るわけではないかもしれません。彼女が箱詰倶楽部を立ち上げたのは、大体皆さんが想像している通りだと思いますーw-ウム

■ 毎回のプレイの差別化という意味もあって、つい何かと責め具を追加してしまいますが、シンプルな箱詰めプレイにはそれだけにしかない魅力があると思います0w0クワッ


■ 今回、実験的に文章の書き方というか、行間の取り方を普段とは変えてみてます。「読みやすい」か「読みにくい」かご意見いただけたら幸いです。コメントでも色々ご指摘いただけると嬉しいですーw-ペコリ

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 ユイが持ってきたスーツケースの中から出て来たのは、やたらと大量の拘束具の数々だった。

 私には使用方法がよくわからないものも結構ある。

 そのアイテムの数々を使うと考えると、自然と胸がドキドキして来た。

 そんな私の期待と不安を知ってか知らずか、ユイは笑顔を浮かべる。


「とりあえず……まずはどんな感じか、何も着けずに裸で入ってみよっか?」

「え、ええ……そうね」


 ごくりと喉を鳴らしつつ、私はいったんシャワーを浴びさせてもらうことにした。

 そのままの方がいいんじゃないかとも言われたけれど、やっぱり臭いとか汚れは気になるし、最初は箱詰めの要素だけを純粋に楽しみたい。

 私は手早く汗を流し、濡れた体を必要以上に拭いてから、ユイの待つ部屋へと向かう。

 ユイはやたらと楽しそうな様子で道具を一つ一つチェックしている。


「そういえば、なんでこんなにたくさん道具を持ってるの? そういうの、したことないけど……」


 もしかして私より前に付き合った相手と、そういうことをしていたんだろうか。

 胸にもやもやしたものを感じていると、ユイは苦笑気味に答える。


「……実は、いつかはあなたとこういうことしたいなぁ、と思ってて……道具を揃えるだけ揃えてはいたのよね。言い出せなかったけど」

「そうだったの? ……言ってくれればよかったのに」

「ごめんなさい。でもほら、私たちって、どっちがどっちってわけでもなかったじゃない」


 どっち、とはおそらく攻めか受けかの話だ。

 確かに、ユイとはお互いに攻め合う仲であり、どっちかが必ず受け身になる、というわけじゃなかった。

 その時の流れや勢いで受け攻めは決まっていたし、そもそもどっちが攻めるとかいう感覚よりは、お互いに気持ちよくなろうという感覚の方が強かった気がする。

 そんな関係だったからこそ、私がカミングアウトするまで、受け攻めを固定するようなプレイはし辛かったのだろう。


「なるほどね……にしても、ほんと本格的……」

「使うあてもないのに、見てると欲しくなっちゃって……」


 私はそう呟きながら、ユイの用意した道具のうちの一つを手に取る。

 それは妙に持ち手の部分が短く平たいバイブだった。いや、そもそも持ち手ではないのかもしれない。

 挿入した後、その平たい部分はたぶん股間に蓋をするような形になる。

 そうすることでバイブを挿入しながら、外に飛び出している部分がほとんどなくなるようになっているのだ。

 それはつまり、その上から何かしら装着できるようになるということだ。


(外に突き出す部分が少なくなる分、箱詰めはしやすくなりそうね……)


 どうしても箱詰めに絡めて考えてしまう私の前に、ユイが中身が空になったスーツケースを差し出してくる。


「さ、入りやすいように改造してあるから……どうぞ」


 彼女がそう言った通り、スーツケースは内側に本来あるべき仕切りや荷物を抑えるベルトなどがすべて外されていた。

 ケースの内側は柔らかいフェルトみたいな材質のもので覆われているので、触れても冷たい感じはせず、滑らかな感触が素肌に当たってとても心地よかった。

 いよいよ、ここに入るのだ。


「ん……それじゃあ……えっと、お邪魔します?」

「ふふ……っ。なにそれ」


 緊張と興奮でよくわからないことを口走ってしまい、ユイに笑われながら、私はスーツケースの中に足を踏み入れた。

 スーツケースはさほど深くないので、まだ箱詰めされる感覚はほとんどない。

 それでも、たったそれだけのことで、すごく興奮する。


「よい、しょ……っ」


 スーツケースの中に両足を入れて立ち、そこでしゃがんで膝を抱える。

 やっぱり大きさ的には結構余裕がある。三角座りが普通に出来た。

 私はそのまま体を横に倒して、スーツケースの中に寝転がる。

 頭が縁にはみ出してしまっていた。


「もうちょっと体を下に……お尻側を端に着くようにずらして」

「えっと……こう?」


 ずりずりと体をずらして、足の裏とお尻がスーツケースの底に着くようにする。

 そうすると頭の方が下がり、頭を俯ける形にすればスーツケースの枠の中に納まりそうだった。


「こ、これでどう、かしら」

「ええ。いい感じで収まってるわ。指とか挟まないように気を付けて。蓋を閉めるわね」

「え、ええ……!」


 いよいよスーツケースの蓋が閉められていく。

 蝶番は私の背中側にあるので、ゆっくりと蓋が持ち上げられ、ゆっくりと視界が閉じていった。

 私は閉じていく蓋に、内側から手をやって支え、勢いよく蓋が閉じないようにする。

 ゆっくり、ゆっくり、蓋が降りて来て、どんどん視界が狭くなっていった。


「……っ」

「閉めるわよー」


 ユイの声かけと同時に、スーツケースの蓋が完全に閉められた。

 光がほとんど入って来なくなり、私は暗闇に包まれる。

 でも、完全な暗闇というわけではなく、スーツケースの合わせ目が微妙に開いていて、そこからわずかに光が漏れ入って来ていた。

 ふーっ、ふーっ、と自分の荒い呼吸音が反響して返って来る。

 完全な密閉空間というわけではなかったけれど、確かに全方位を囲まれている圧迫感がある。閉所恐怖症の人なら数分と持たないに違いない。

 私の鼓動が早くなっているのは、恐怖や緊張が起因するものではなく、単に興奮しているからだ。


「ちゃんと呼吸穴もあけてるから、息が苦しいとかそういうことはないと思うけれど……大丈夫?」

「だ、大丈夫……っ。全然、平気……!」


 ユイの問いかけにそう応える私。

 隙間があるからか、案外お互いに声が聞こえているみたいだ。

 私の返答を確認したユイが、楽しそうに弾ませた声で続ける。


「それじゃあ、いよいよ鍵を閉めちゃうわね」

「……! お、おねがい……!」


 ここまでなら、自分一人でも出来た。

 自分が入れる程度の箱に入るだけなら一人でも出来るからだ。

 実際、そうやって箱に入ってみたことはある。

 だけど外から鍵をかけられるというのは、協力者がいないと成り立たない。

 だからここからは、本当に未知の世界。

 私は息を呑むのも忘れて、ただその時を待った。


――カチャッ。


 それは想像以上に、とても軽い音だった。

 静かに金属が擦れる音。

 たったそれだけことで、私は箱の中に閉じ込められたのだ。

 恐る恐る、すぐ傍にあるスーツケースの蓋を内側から押し上げてみる。

 押してすぐに、ガッ、という強い抵抗を感じ、いくら力を入れて押し上げても、蓋はびくともしなかった。

 本当に箱の中に閉じ込められた。外のユイが鍵を開けてくれるまで、私はこの狭いスーツケースの中に閉じ込められ続ける。


「くぅう……っ! ふっ、うぅ……っ!」

「はい、これで完成……っと。初めて箱の中に閉じ込められた気分はどう?」


 ギシッ、と大きくスーツケースが軋む音がした。

 私には伝わってこなかったけれど、声が聞こえて来た位置からして、どうやらユイが私が箱詰めされているスーツケースの上に腰かけたみたいだ。

 人が腰かけている箱の中に、いま自分は閉じ込められている。

 そのことは私を無性に興奮させ、さらに呼吸を荒くさせた。


「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!♡」

「……なんだか息苦しそうね。楽しんでくれているようで何よりだわ」


 ユイに私の荒い呼吸音が聞こえてしまっているようだった。

 とても楽し気に、私を煽るような言葉をかけてくる。

 そうしているうちに、私はスーツケースの中の温度がどんどん上がっているように感じた。

 全身から汗が滲み出して、呼吸しても胸が苦しい。

 空気穴が空いているとはいえ、スーツケース内の空気は限られている。

 そこで激しく荒い呼吸を繰り返せば、その空気がどんどん薄くなるのは必然だった。


「んんっ……! ふっ、うぅ……っ!」


 体をくねらせて、スーツケースの中で藻掻く。

 決して自由とは言えなかったけれど、スーツケースのサイズ的にぎゅうぎゅう詰めになっているわけじゃない。

 藻掻いた拍子に、足や手がスーツケースの内側に当たってしまった。

 スーツケース内の空気が湿り気を帯び、蒸れ始める。


(ああ……! 想像していた以上に、これは……!)


 箱の中に入ってみたことはあった。その時の箱はいまのスーツケースよりずっと機密性が強くて、箱詰めされている感は強かったと思う。

 けれど、酸欠になって意識を失ったら死ぬ、と思うと、そんなにその感覚を味わっていられなかった。

 早々に手で蓋を押し開けて、新鮮な空気を吸わざるを得なかった。

 でもいまは、自分の意志では決して箱の中から出られない。

 いくら暴れても、蓋はびくともせず、箱詰めの状態は終わらない。

 その状況に、とても興奮した。


「はぁ……はぁ……はぁ……っ♡」

「そろそろ開けるわね」

「あ……っ」


 まだ開けないで欲しい。

 そう思ったけれど、向こうからすればこっちがどんな状況なのかわからないのだし、仕方のないことだ。

 カチャカチャと閉じられた鍵が開く音がして、スーツケースの蓋が開いていく。

 時間にすればほんの数分くらいだったと思うけれど、暗闇に慣れ始めていた目に光が飛びこんで来て、思わず顔を顰めてしまう。

 蒸した空気が一気に広がって新しい空気を入れ替わり、私は火照った体が急速に冷やされるのを感じた。


「はふっ、ふぅうう……っ♡」

「どうだった? ……って、聞くまでもないかぁ」


 私が快感の余韻に浸っているのを見たのだろう。

 ユイは苦笑気味にそう口にした。


「すごく……よかった……♡」

「でしょうね。顔が真っ赤よ。……よっぽど気持ちよかったのね」


 ユイがそういうのを聞いて、私はふと、自分の体の一部が無性に疼いているのを自覚した。

 慌てて手をそこにやると、覆った掌にくちゅりと湿った感触が走る。

 私はちょっと箱詰めにされただけで――あそこから愛液を滴らせてしまっていたのだ。

 こんなに濡れたのは、ユイと激しく交わった時ぶりかもしれない。


「わ、あ……っ、ご、ごめんなさい……っ、濡らしちゃって……!」

「ああ、それは気にしなくていいわよ。汚れるのはわかってたし……そのつもりで来てるから」


 おおらかにそういいながら、ユイは私を起こしにかかった。

 彼女に手を貸してもらい、私はスーツケースの中で体を起こす。

 体を起こしてみると、改めて自分がかなり汗ばんでいるのがわかった。

 結構余裕があるように感じていたけれど、スーツケースに詰められるのはそれだけで相当苦しいみたいだ。


「ふぅ……ふっ……んっ……っ♡」

「かなり敏感になっちゃってるわねぇ。乳首もすごいビンビンじゃない♡」

「い、いわないでよ……っ」


 乳首がじんじんするくらい硬くなっているのは自覚していた。

 あんまり刺激していないのに、それだけ固くなっているのは、それだけ興奮しているという証のようなものだ。

 恥ずかしく感じて俯く私を、ユイは揶揄うように笑う。


「さて……それじゃあ、軽い箱詰めを体験出来たところで……」

「ええ……わかってるわ」


 ユイが並べた道具を見て、私はごくりと息を呑む。

 ただ箱詰めされただけでもかなり興奮してしまった。

 そこに、様々な拘束具や責め具を追加されたらどうなってしまうのか。


 私はとんでもないことになりそうな予感に震えながらも――期待が高まっているのを感じていた。



つづく


Comments

そのシーン、私もとても気に入っています! ある意味ではポゼッションプレイの醍醐味的なシチュエーションですしね^w^ この時は数分座られていただけだったのが、様々な人の協力を得て、やがては何時間、何日となっていくのです……ーw-フフフ……

夜空さくら

社長が裸でスーツケースの中に入っていてユイさんはその上で腰をかけている状況すごくいいですね

まい


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