10.サン・ラグーナ兵営舎―― 股間晒し(後編) どのくらい眠り続けたのだろうか。エリルが目を覚ますとさわやかな朝日が窓から差し込んでいる。ドレスを着たままで寝かせられていた。あのまま馬車の中で眠ってしまったらしい。 ―― もう、朝? ベッドから室内を見回すと、壁側にある椅子に座り寝ているテクレンスの姿が目に入る。 「テクレンス、さま・・・」 エリルの声を聴くと、テクレンスは目を開けベッドに駆け寄り、エリルの手をそっと握る。 「エリル様、お目覚めになられましたか。お加減はいかがですか?」 テクレンスは心配そうな面持ちで、エリルの具合を尋ねる。 「ええ、ご心配には及びませんわ。」 「御体調がすぐれないなか、御無理をさせてしまい申し訳ございませんでした。ここは兵営の医務室で、届きゆかぬところ多々ございますが、どうぞお体をお休めください」 テクレンスはエリルが体調不良のなかムリをしていたと勘違いしていた。きっと、オイリーがそう説明したのだろう。テクレンスの気遣いはとてもうれしかった。 「もう、朝ですのね」 「ええ、随分と御無理をされていたのでしょう。夕方からずっとお休みになられていました」 「そんなに眠っていたのですか」 テクレンスは黙って頷く。オイリーはエリルに睡眠薬を飲ませたのだから、当然だろう。身体には疲れはほとんどない。ただ、今日は帝都カールスクルーナに向けて発つ予定になっていた。 「それでは、すぐにでも帝都に向けて出発を・・・」 そう切り出すと、 「いえ、エリル様、今しばらくお身体をお安めする必要がござます。今日はこのサン・ラグーナにこのままご滞在いただき、明日に帝都に向けて出発したいと思います」 テクレンスは嗜めるようにエリルに語りかける。テクレンスなりにエリルのことを気遣い、導き出した答えなのだろう。その気持ちはなによりもありがたかった。エリルは少女のようにはにかみながら、黙って頷いた。 「それでお時間ができましたので、気分転換に市内巡幸をしてみてはいかがと思いますが、いかがでしょうか?」 「市内巡幸」 「ええ、このサン・ラグーナは城塞都市で治安がいいものですから、市内を観光してみてはどうかと思いまして、きっとご気分も優れることでしょう。私もご一緒いたします。」 テクレンスによると、帝都カールスクルーナへの出発は1日伸ばし、今日は半日ほどこのサン・ラグーナの街を観光で巡るという話だった。テクレンスと一緒に街中を楽しむなんて、まるでデートのようで考えるだけでうれしくなってきた。 「まぁ、テクレンス様、素敵なお誘いをありがとうござます。どんな街並みなのかとても楽しみですわ。」 「ここは、城塞都市ですから、これといった名所があるわけではないのですが、色々な都市から、様々なモノが集まってきています。一通りなんでも揃っているのが、この街の特色です。おいしいお菓子もありますから、お寛ぎいただけるとなによりです」 テクレンスはエリルの手を取ると、手の甲に軽く口づけする。 「これから、いろいろと手配しておきます。お昼少し前に出かけましょう」 そう言うとテクレンスは医務室から出ていった。テクレンスがいなくなるのを見計らうように、オイリーが医務室に入ってきた。その顔は陰険な薄ら笑いを浮かべている。 「姫様、大事に至らなくてなによりでございますです」 少しも悪びれる様子もなく、老いた魔女そのものといった不気味な雰囲気でエリルに近づいてくる。エリルはあまりのおぞましい気配で身がすくんだ。だが、エリルは今度こそは堪忍袋が切れる寸前になっていた。 「オイリー、もうこんなことはやめましょう。」 エリルは毅然とした表情でオイリーに言い聞かせる。 「おや、なんのことでございますですか?」 オイリーはエリルの言葉を聞き流そうととぼける。 「あなた、自分のしていることがわかって? これは大きな外交問題になりますわ。今なら、まだ間に合います。もう、いたずらはやめてくださらない?」 エリルは、この件を不問にする条件をあげ、オイリーをあまり追い込まないように事を収めようとしていた。あまり追い詰めすぎれば、「窮鼠猫を噛む」というように、オイリーは何をしでかすかわからない。ここは冷静に徹せねばならない。 「姫様、またでござますか!」 オイリーは急に大きな金切り声を張り上げ、エリルを激しくなじりはじめた。癇癪(かんしゃく)を起こしたのだ。 「姫様はご淫乱な御身で常日頃から秘部を疼かせて、濡らしていなければ落ち着かないお身体でございますですのに。」 何を言い出すのかと思えば、勝手にエリルのことを淫乱と断じはじめ、いつも秘部を濡らさないと落ち着かない身体だと言いはじめた。これでは、エリルは変態で、色ごとに耽る淫女ではないか。オイリーの詭弁はさらに続く。 「夜な夜な御身の秘部をまさぐり、その物足りなさにご満足いただけない姫様を憐れに思いましてです、なんとかご悦楽にご満足いただけますようにでござますです、このオイリー尽くしてきたつもりでございますです。それを姫様は、『いたずらだ』とおっしゃるでござますですか?」 オイリー自らがエリルを貶めたにもかかわらず、エリルがもともと「色狂いの淫乱」であるかのような讒言で、さらにエルリを落とし込んでいく。 「それは、あなたが悪意を持ってお仕掛けになられたことではありませんか?」 エリルも一歩も引かず、邪悪なオイリーに強い意志で臨んでいく。 ―― ここで折れたら、ずっとつけ込まれてしまう。 相手は人の弱みに付け込んでくる卑劣な人間だ。ここは毅然とした態度で応じていくほかはない。 「ところで、姫様、そのお下着はどのようにお外しになられるつもりでございますですか?」 ―― ハッ この特殊下着は背後でバックルによってすべて固定されている。ひとりでは脱げないのだ。 「そうでございます。私がいなくなれば、ほかの誰かが外すことになりますです」 ここには、エリルの身世話をする女性はオイリーしかいない。オイリーがいなければ、その他に頼むしかいないのだが、すべて男なのだ。見知らずの他人にこの卑わいな下着を見せるわけにはいかない。もし、知られれば、エリルはオイリーが言うように「好色淫乱女」とレッテルを貼られてしまうだろう。エリルは沈黙する以外なかった。 「どうやら、おわかりいただけようでございますですね」 ニヤリと口元を緩めるオイリー 「姫様、それでは、ベッドの上に座るでごござますですよ」 仕方なく布団から起き上がると、ベッドの上に脚を横に崩して座る。女の子らしい、かわいらしい座り方だった。身体を動かすと股間の真珠の縄が擦れて、陰部に刺激を与えてくる。 「んん・・・」 「そこで股を開いてオマンコを見せるでござます」 ―― 股を開くって、えっ!? オマンコ、いま、オマンコって言った? エリルは言われたことがあまりも、常識はずれだったので、言われた意味を瞬時に理解することができないでいた。ショーツを着けているのでそのまま秘部を晒すわけではないのだが・・・。 「両脚をMの字のように開くでありますです」 「そ、そんな」 あまりにも厭らしい姿勢を求められて、エリルは恥ずかしさで戸惑う。股間を開き秘部を露にするなど、王女として絶対に許されない行為だったからだ。いや、王族でなくても普通の女ならこんなポーズはしないだろう。していたら痴女で変態だ。 「そ、そんな・・・」 そんな変態じみたポーズを取れるわけがなかった。 「姫様、まだ、わからないでございますですか?」 オイリーは子供を戒めるように厳しく嗜める。その顔はやや怒りを感じさせるものがあった。王族のエリルにとって、使用人の立場にもあるオイリー。その最下層の目下にあられもない姿を無理矢理強いられなど、屈辱以外の何物でもなかった。特殊下着はオイリーに手を貸してもらわないと絶対に脱げない。エリルは観念して少しづつ両脚を開いてゆく。45°位まではなんとか股を広げることができた。 ―― み、惨めすぎる あまりにも、はしたないことをしなければいけない惨めさに、王女としての尊厳が奪われていくのを感じた。どんな卑しい人間でも目下の前で大股を開くことはしないだろう。思い切って大きく脚を広げようとするが、あまりの異常な行為に身体が言うことを聞かないでいる。息がはぁはぁと荒くなってきた。なぜか身体全体が火照る。秘口がじゅくじゅくと疼いてくる。なんか身体が変だ。オイリーは黙ったままじっとエリルの股間を見つめている。その視線は熱線のようにエリルの秘部を焦がす。オイリーは、命令で脚を開かせるのではなく、自ずから大股開きの姿勢をとるように仕向けている。従って、命令は必要最低限にする必要があった。 エリルは大きく息を吸って吐く。 「ふう」 大きく息を吸って心を落ち着かせようとしているだろうか。まだ、45°に開かれた脚はそのままだ。股間の純白のデルタ。そこに縦に割れ目に食い込む黒革ベルトの秘口部分、つまり股布はもう濡れているのがわかる。女が感じているのがわかる。肩が呼吸とともに大きく揺れる。同じく腹筋部分も呼吸で出たり引いたりしてる。全身に緊張が漲っている。 決心ができたのだろう。深呼吸が終わると、ようやくじりじりと太ももをはじめ、膝、脚の脛が徐々にオイリーの目の前で開いていく。透き通るような白い柔肌がとても美しい。中心のデルタがはっきりと顔を見せていく。じわじわと開いていく股間。普通の女ならば頼まれても絶対にしないポーズだ。 「両手は、両わきに揃えて降ろしてベッドの上に着くでござますです」 オイリーはまるで馬を調教するように女を躾けていく。 エリルは両手を両脇にそろえると、腰の両側に置く。もう両手で股間を隠すこともできない。エリルは恥ずかしさでお顔を上げられず、深く俯く。脚は70°程度まで開いた。純白のデルタが顔を覗かせている。こんな屈辱的なポーズをしたことがないエリルにとって、これでも心の中では羞恥に悶えているはずだ。その証拠に身体はワナワナ震えているのがわかる。オイリーはさらにエリルを追い込んでいく。 「姫様、わたくしはM字とお申し上げましたでございますです」 ―― ああ、もうやめて エリルは観念すると。さらに大きく股間を開いていく。恥ずかしさの限界のなかで、両足を両わきの位置まで必死に広げていく。エリルは閉じよとする足に力を入れて無理に開く。羞恥刑とも呼べる責めだった。 ―― こんな姿を人前に晒すなら死んだほうがマシ ―― ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ・・・ ヤダを何度も心の中で叫び続け、脚を開いていく。股間がスウスウする。両脚が両わきの位置まで開き、股間が完全に開いた完全M字開脚の姿勢になった。オイリーの前であまりにも変態すぎる姿になって、すでに泣き叫びたいくらいだった。逆に肉体は意志に反する反応を見せはじめる。秘孔からはどろどろの淫液が滴りはじめているのだ。大股開きで股間を晒すエリルは、時折ピクピクと全身を震わせている。肉体が奥底から疼きはじめているのだろう。 「うっ、うっ」 小さな喘ぎ声が口から洩れている。 オイリーはもがく獲物を捕獲した満足感に酔いしれ、勝ち誇ったようにエリルを蔑む。無抵抗になったエリルの身体に、特殊下着のベルトを再び目一杯引き絞り、エリルの肉体に激痛という名の拷問を施した。再びエリルの乳房と股間にベルトが激しく食い込み、歯ぎしりするような痛みが打ち込まれた。