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戦闘用アンドロイド小説_3話(初版)

この小説は現在イラスト制作と並行してシリーズ物で執筆しているものです。

ヒロインは青髪お団子ヘアーのロボ娘のスミレちゃんが担当しています。



完結後ピクシブに小説として投稿する予定です。

整合性などを取るために、投稿時はこの記事と内容がやや変化する可能性があります。


拙い文章ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。


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【前回のあらすじ】

戦闘用アンドロイドであるスミレの入隊試験のため彼女の性能を確認したアイト。

射撃が得意な彼女だったが、スペック表の通り彼女の性能は低くハンデを抱えていた。

もし試験に合格しなければ戦闘用アンドロイドの職を剥奪されてしまい、

スミレにどのような処遇が下されるのかわからない。

アイトは亡き妹の生き写しのような姿をしたスミレを存続させるため

入隊試験の対策を入念に練り試験当日に臨むのだった。


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【3話】 孤独のアンドロイド エレア


◼️人機解放軍基地(アイト個室)◼️


入隊試験当日、

アイトとスミレとナビの三人は朝の食卓を囲っていた。

とはいってもその中で食事をしているのは

ロボットのマスターで生物であるアイトだけだ。


「いただきます」

アイトは感謝を示して食事を口に運ぶ。

こうして食堂ではなくゆったりと自室で食事ができるのも

料理ができるサポートロボットのナビのおかげだ。


「今日の食事も美味いよナビ」

『光栄ですマスター』

彼女は軍から配給される質素な食材を調味料を駆使して巧みに調理することができる。

人の形をしたロボットではないにも関わらず、

球体の胴体から伸びるアームを駆使してこのような器用な作業も得意なのだ。


アイトに褒められるナビを見て

彼の戦闘用アンドロイドであるスミレも咄嗟にマスターに声をかける。

「マスター!このコーヒーは私が作りました」

見ると並々とコーヒーが盛られたカップがあった。

表面張力でかろうじてこぼれずに済んでいるようだ。

「い、良い色だね。ありがとういただくよ」

アンドロイドのスミレもマスターのために朝ごはんを作ろうとしたが、

あえなく失敗し彼女は食材が勿体無いとナビからインスタントコーヒーの係を命じられていた。

生まれながらの機体性能と関係しているのだろうか、スミレには料理に関するプログラムが入っていない。

今日の入隊試験に合格したら料理を教えてもらうことをナビと約束しているらしい。


「(じー....)」

スミレがじっとアイトが食べている食事を観察している。

「...どうしたんだ?」

「その...人間が感じる"美味しい"とはどういうものなのでしょうか」

そう言えばスミレを迎え入れてから、彼女に飲食物を口にさせたことがなかった。

「たしか人間の野営サポートのために毒味機能があった気がするが...少し食べてみるか?」

アンドロイドは食事を取る必要がないため、

当然人間のような消化器官存在せず排泄も行えない。

そのためボディに有機物が入った場合は機体内で菌が繁殖しないように

ゴミ箱を司る機械器官で燃焼、圧縮され格納されるらしい。

アンドロイドも人間の排泄穴と同じ位置に同様の穴があるが、

これはメンテナンスで使用する用途の穴となっている。


「これくらいでどうかな」

スプーンで食事をすくいスミレの口に向けた。

「では一口だけ...」

彼女は小さい口を開け、スプーンを頬張った。

「(〜〜〜〜!)」

スミレは初めての食事に頬を手で押さえながら満足そうな表情をしていた。

その姿は非常に愛らしくまるで無垢な少女のようだった。

「(微笑ましいな)」

すると急にナビがスミレに当たりが強い言葉を投げた。

『S-30、あなたは専用アンドロイドである自覚はあるのですか?』

「ご、ごめんなさい...」

しょんぼりしたスミレの姿を見てアイトは可哀想になり仲裁に入る

「まぁまぁ、部屋にいる時は戦闘しないから...」

『マスターもまだ戦場にすら出ていないロボットを甘やかさないように』

「はい...」

二人揃ってサポートロボットからお叱りを受けてしまった。


「....そうだ!今日の試験についておさらいをしよう」

アイトがテーブルの上でタプレット端末を開く。

画面上部のレンズから街の全体図のような立体映像が空中で青白い光で出力された

「これが今日の試験会場のステージだ」

「これは...どこかの街ですか?」

スミレが出力された3Dのビル群の映像に顔を近づける。

それらのビルは半壊状態で、今にも崩れ落ちそうな様子の風景だった。


「昔アビスに侵攻された街が試験会場になっているんだ。試験内容についてもおさらいしよう」

会場では空間に投影された3Dモデルのアビスが用意されており、

エリアに入った受験者に襲いかかるシステムとなっている。

人間とアンドロイドが協力しながらそれらのアビスモデルを撃破し

内容に応じてポイントが獲得できる。一定以上のポイントを満たせば合格となる。


「俺が標的をスミレの射程が届く開けたエリアに誘き出す。

 流石にこの街は障害物が多すぎてスミレの狙撃も難しいだろうからね」

アイトがタブレットの画面を触ると、標的となるアビスの姿が映された。

人型からトレーラー以上の大きさがある四足歩行の形態まで種類は様々だ。


「アビスは基本的に生き物を優先して追う習性があるから、

 用意されるアビスモデルも同じ規則性で設定しているだろう。」

「でもこの作戦だとマスター1人を危険に晒すことになってしまいます」

「あぁ、それでスミレには安全な退避ルートのガイドもお願いしたい。

 試験で用意される装備の中にアンドロイドが扱える小型の偵察装置があるはずだ。

 それを使って俺を安全なルートで射程に案内してくれ」

「....あ!あの昨日の帰り道に遊んだドローンですね!」


昨日アイトはスミレのバッテリーについて節約術ができないか

屋外訓練場の帰り道にいろいろと寄り道をしていた。

他のアンドロイドや倉庫の備品など彼女をおぶりながら見て回っていた。

その中でドローンを見つけ操作方法などの確認を二人でしていたのだが

どうやら本人はただ遊びに連れられてると思っていたようだ...


「遠隔操作の偵察機ならスミレのバッテリーも消耗せずに行動ができるからね、

 スミレはレールガンの動力にエネルギーを割いて欲しい」


打ち合わせも終わり、二人は試験会場に向かうことにした。

「今日はナビは留守番を頼むよ」

『わかりました。アイト様、入隊試験と言えど

 会場となる街は損傷が激しい区域ですのでくれぐれもお気をつけください』


アイトとスミレは基地の施設を出る。

送迎の装甲車に乗り込むと遠く離れた試験会場の街に向かった。


――――――――――

――――――――

――――――


◼️入隊試験会場(投棄されたビル街)◼️


装甲車で荒野を走ること3時間、ようやく試験会場となる街にたどり着いた。

装甲車を降りると警備用のガッチリとした二足歩行のヒューマノイドが出迎えてくれた。

『マスターはIDを見せろ』

アイトは胸元のIDカードを見せる

『....よし、会場はこっちだ』

「わかった、ありがとう」

巨体の守衛ロボットにも動じず速やかに移動するアイト、

一方でスミレはアイトの後ろに隠れ、警備ロボットの迫力に怯えビクビク怯えていた。

『おい早く歩け!戦いに来たんだろう!』

「ひっ...!」

守衛ロボットもそんな気弱なスミレの姿を見かねているようだった。

「怖がることはない、彼らも同じく人間を守るために作られた仲間だ」

「はい...」

マスターのアイトはそんなスミレを勇気づける。

スミレは恐る恐る警備ロボットの前を向き、一呼吸した。

「心配をおかけしました...わたし、頑張ります!」

すると警備ロボットは無言で頷き、二人の先を歩いていった。

どうやらスミレのことを少しは認めてくれたようだ。


二人は警備ロボットの案内で試験場の事務所に通された。

まずは会議室で施設の関係者の人間から試験の内容を説明される。

「〜ということで、試験の内容は理解できましたか?」

試験の内容はほとんど今朝スミレと部屋で話した通りだった。

「問題ない。」

「そうですか。それでは、隣の施設へどうぞ」


試験の説明を受けた後、受験するアンドロイドに対してマスターの登録状況の確認が行われる。

施設の壁際には発券機のような機械が備え付けられており、

機械から伸びたケーブルをアンドロイドに刺すと登録状況が確認できるようだ。

「マスター、私にケーブルを繋いでください」

スミレがうなじを指差す。

よく見ると蓋がついたコネクターが存在していた。

蓋を開けてケーブルをスミレに取り付ける。

『登録情報を読み込んでいます、しばらくお待ちください』

発券機の液晶画面が光り、機械音声が流れはじめた。

登録に問題がなければ、装備を整えるための控え室のカードキーが発行される仕組みだ。


「(彼女との行動に必要な書類は全て基地で提出してあるし問題ないだろう...)」

そう悠長に構えていると、途中で機械の液晶画面にびっくりマークが表示された。

『登録漏れの内容があります。アンドロイドは直ちにマスターに登録を申請してください』

「.....??.....あ....!」

スミレが小さく驚いた声を上げる

「何の登録が漏れているんだ?」

「生体認証....」

「指紋とかのこと?」

「いえ、それよりもはるかに濃密な情報量の物です」

よく見るとスミレは顔を赤らめていた

「まさか...」


――――――――――

――――――――

――――――


トラブルからだいぶ時間が経ってしまったが、

二人は再び発券機に戻ってきた

『全ての登録が確認できました、キーを発行します』

無事全ての登録が完了し、控え室のカードキーを発券することができた。

控え室はアンドロイド用とマスター用それぞれが用意されている。


「支度ができたら試験会場で落ち合おう」

「わかりましたマスター!」


◼️入隊試験会場(アンドロイド控え室)◼️


控え室に入るスミレ。

そこにはさまざまな物資や武器武器がずらりと並んでいた。

他のロボットは見当たらず辺りはシンと静まり返っていた。


「もう皆さん試験を受けているのでしょうか...」

スミレはマスターに持たされたメモを見ながら目的の装備を探す。

(ガッ!)

「あ!」

スミレは床の段差に足を引っ掛け躓いてしまった。

すると突然人影が飛び出してきた

「危ない!」

誰かが転倒寸前のスミレの腕を掴んだ。

おかげでスミレは転倒を免れることができた。

「大丈夫?」

「あ、ありがとうございま...」

スミレがお辞儀をして顔を顔を上げると、

そこには自分のボディとは比較にならないほど

完璧なプロポーションのアンドロイドが立っていた。


「(す、すごい綺麗なお姉さんのロボットです...)」

「気にしないで!あなた名前は?」

「S-30です...マスターからはスミレという名前をもらいました」

「可愛い名前!よろしくねスミレちゃん!私はA-54、エレアって呼んでね」

エレアがスミレを抱きしめる。

「よ...よろしくおねがいしmす...」

がっしりとスミレの頭は彼女の大きな胸に埋められていた。

それに気づいたエレアははっと彼女を抱擁から解放した。

「あなたも今来たところ?」

「そうです、マスターに迷惑をかけてしまい遅れてしまいました」

スミレは恥ずかしそうに答えていた。

「私も今来たところなの。こんな広い控室で静かに準備するのも寂しいし一緒に装備を準備しましょう」

「は、はい!よろしくお願いしますエレアさん!」

スミレは初めて同じアンドロイドと知り合うことができた。


◼️入隊試験会場(マスター控え室)◼️

アイトはロッカーで戦闘服に着替える。

「(さて...俺も装備を整えるか)」

この控え室でもマスターの適正に合わせられるようさまざまな武器が揃えられている。

今回アイトはスミレを支援するために身軽な装備である必要があった。

比較的軽量なライトマシンガンを選び、念の為ハンドガンを入れたホルダーを腰につけた。

弾薬が入ったマガジンを探していると遠くから手ぶらで人影が近づいて来た

「おいアンタ、もしかして青いチビのアンドロイドのマスターか?」

「青い...?多分そうだ。何か用か?」

「どうしてあんな貧相なアンドロイドを選んだんだ?」

スミレの容姿、間接的に妹の容姿を馬鹿にされたようで少しムッとするアイト

「...特に話すことはない」

すると男はアイトにタブレット端末を近づけ、一人のアンドロイドの写真画像を見せた。

そのアンドロイドはスミレと同じ戦闘用アンドロイドだったが、

その容姿と機械部分の作り込みから一目で優秀な個性として開発された戦闘用のアンドロイドだとわかった。

「良い体つきのロボットだろ?俺のアンドロイドだ」

男が画面を横にスワイプしていく。

次々と同じアンドロイドがいろんな角度で写した写真を見せられた

「(なんなんだ一体...自慢か?)」

すると突然、肌色が多い写真が映った。

見るとアンドロイドがベットの上で服を脱がされ、

カメラに向かってM字開脚のまま性器を自ら開いて誘っている写真だった。

そのアンドロイドの顔はかなり恥ずかしがっている表情だった。

アイトは突然のことに戸惑った。

「オレのアンドロイド一晩貸すからお前のアンドロイドを味見させてくれよ」

その瞬間脳裏にスミレがこの男に犯されている瞬間が思い浮かんだ。

(バキッ!!)

アイトは反射的に男を殴っていた。

「ぐっ!!」

男が顔を押さえて悶絶する、

アイトは怒りのあまり男の頭に銃を向けかけたが、すぐに冷静になり銃を下ろした。

「ちっ!どうせお前のは余物のロボットだろ、別にいいじゃねぇか!」

男は走り去っていった。

組織の中にモラルがない人間は一定数存在する。

特にアンドロイドの使い手となるとこういうことは当然あるだろう。

アイトは怒りを抑えながらそう自分に言い聞かせた。

「....さて、会場に向かうか」


◼️入隊試験会場(試験会場ステージ)◼️


控え室から会場の街までは直通通路で繋がっていた。

会場に出ると、そこは大きな廃駅ビルの前だった。

「あ、マスター!」

スミレは昨日と同様のレールガンと

カメラがついた球体の無人偵察機を2機従えていた。

そして何やら彼女はご機嫌なように見える。

「なんとか試験に間に合ったな」

するとスミレの後ろにもう一人人影が見えた。

「ん?」

露出の多い服装からして戦闘用アンドロイドだろう。

「スミレ、そっちのアンドロイドは...」

「初めまして、A-54と言います。エレアと呼んでください」

アイトはその姿をみてドキッとした。

「あ、あぁ...初めまして、俺は藍斗だ。....君のマスターも今からここにくるのか?」

「いえマスターは用事ができたそうなので、私一人で受験します」

「一人で受験なんてできるのか?」

「はい、特にマスターの同伴は義務付けられていません」

「なるほど...だが、この試験でポイントが発生するのは人間との連携性能だ。どうやって点を取るんだ?」

「それは...」

エレアを見るとそこまで考えていなかったという顔だった。

「また今度受ければいいんじゃないか?」

「ダメです、マスターはいつも試験の時に限って用事が入ってしまうんです!

 今日が試験を受けられる最終のチャンスなんです!」

彼女は訳ありのようだ。

「.....マスター、私たちと一緒に試験を受けたらダメですか?」

その言葉にエレアは驚いた表情を見せた。

「少しスペックを見せてくれ」

アイトはエレアのボディスーツに刻印されたバーコードを読み取り、

仕様書を確認した。

どうやら近接戦闘を得意とするアンドロイドのようだ

その証拠に腰に2振りのブレードを携えている。

「...まぁ、こっちとしても手伝ってくれると助かるな。

 スミレの射程に敵を誘き出す役目を手伝ってもらおう。

 俺が敵に囲まれるリスクも減るしA-54...エレアさんにも点が入るはずだ。」

エレアにスミレとアイトの作戦を話し、

作戦のサポートを手伝ってくれることを条件に部隊を決定することを提案した。

彼女はこれをすぐさま快諾した。


「ありがとうございます!アイト様!」

彼女がアイトの手をぎゅっと両手で握った。

無意識なのか手を体に引き寄せているせいで、彼女の胸がアイトの手にしっかりと当たっている。

「むぅ...マスターの心拍数が上がっています」

スミレが頬を膨らませながらアイトを見る。

「....は!すみません、つい感謝のあまり...」

エレアが急いでアイトから離れる。

「(彼女も随分人間味のあるロボットだな)」

「私のことはエレア、と呼び捨てで構いません。よろしくお願いしますアイト様!」

「あぁ、よろしくエレア」


A-54、彼女の姿には見覚えがあった。

彼女は控え室の男の画面に写っていた辱めを受けていたアンドロイドだった。

「(あの男、こんな良いアンドロイドをなんだと思っているんだ)」

アイトはエレアの抱える闇を知ってしまい、

彼女を救うために何かできることはないか考えるのだった。


(4話に続く)



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