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土装番 from fanbox
土装番

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機械の侵食 3話 変化は知らないうちに 4/4

「ああ、お疲れ……なんでここにいるの? 私オーナーに呼ばれたんだけど」 「はい! そうですよ! オーナーが柚希さんを呼んだんです!」  柚希はちょっとした話の噛み合わなさにもやもやしたが、とりあえず話を合わせることにした。 「じゃあ、あんたもオーナーに?」 「いいえ、私はオーナーからの命令で柚希さんを待ってたんです!」  予想外の返答に、少しだけ演算を行う柚希。  呼び出したのは自分だけじゃなかったのか。だとしたらどのような用件なのだろうか。  そもそも、機械化したからこそ呼ばれたのだと柚希は解釈していたが、もしかしたら違うのだろうか。  そう思考した直後、まりんは突如、身につけていた衣服を笑顔のまま脱ぎ始めた。 「柚希さん、奈穂さんに機械化して頂いたんですよね? 今日機械化したばかりだから、機械の身体だからこその快楽も知らないでしょう?」 「えっ…………それじゃ、まりんも?」 「はい! 私は以前までオーナーでしたが、現オーナーに女性型へと機械化された後、新たにまりんとして稼働するためのファイルをインストールされました!」 「…………えっ!? じゃあ、まりんって……前のオーナー!? 面影なんにもないじゃない!?」  まりんの口から告げられた衝撃的な真実に、思わず声のボリュームが一気に上昇した。  髪や顔の造形、女体、どこを見ても前オーナーだとわかる要素はどこにもない。  容姿の年齢も本来のそれとは全く合っておらず、嘘をついてるんじゃないかと思える程に何もかもが違っていた。 「はい! だから、私はマスターに何もかも生まれ変わらせてもらえたんです! 女性の身体ってこんなに気持ちいいんだって、機械の身体であることはこんなに気持ちいいんだって、身を以て実感したんです! だから……」  まりんはゆっくりと柚希の側まで近づき、身につけている衣服に手を伸ばす。  するすると、とても慣れたような手付きで脱がせ始め、自分と同様に産毛やシミ、無駄毛一つすらない完璧な素肌を晒した。  本来の、あの頃のオーナーにこんなことされたならば、徹底的に叩き伏せていたところだが、まりんはどこからどう見ても同一人物とは思えず、可愛い女性にされてるとしか感じなかった。  だからこそ、柚希はやんわりとその行為を受け入れたのだった。 「柚希さんにも教えてあげますよ……機械だからこそ感じられる気持ちよさを。これはマスターからの命令でもあるんですから……」 「き、機械だからこそ気持ちよさって……一体何よそれ……」  「それはですね……まずはこういうことです」  押せ押せな態度に流され、されるがままに動かされている柚希。  抵抗もできないまま、まりんにこめかみを押さえられ、左方向へと力を入れられる。  すると、柚希の頭部は90度以降までスムーズに回転し、抵抗もなく真後ろの180度まで回された。   「えっ、待って待って!? こんなことも出来ちゃうの!?」 「痛くないでしょ!? それでね、こうやって外せるんですよ!!」  人間として驚愕するのも当然な事態に戸惑うも、行き着く暇も与えずに今度はそこから頭部を持ち上げて身体と頭部を離してしまった。 「嘘!? えっ、私の身体と頭が……離れて……なのに感覚も変わらなくて、全然痛くない……!」  明らかに異様に離れた高さから自分の身体が見えているのに、それまでとなんら変わった感覚が無いことに、とにかく驚くことしかできない柚希。  自身の首の断面部は、表皮の色とは全く違う冷たい金属の色をしており、改めて自分が人間ではなく機械に生まれ変わったことを認識させられた。  まりんは、首なしの柚希の身体の後ろに回り、肩を叩いてぺたんと座らせる。  そして、彼女の頭部を太ももの間へ持っていき、視界を自身の女性器ユニットで埋めた。 「すごいわ……私のあそこが目の前にあるなんて。それに、人間だった頃に見たときとはもう全然違う……私の女性器ユニットとても綺麗でいやらしいわ……」  まるで他人のモノを見ているような感覚だが、それは紛れもなく自身の生殖器。  自分が動かせば、目の前の割れ目も動く。ひくひくと蠢く秘肉とクリトリスがとてもいやらしく見える。  柚希は我慢できずに舌を伸ばし、ぺろぺろとピンク色の樹脂肉を舐め始めた。 「ああ……あっ……あんっ……きもち……い……人間だった頃より感じる……んん……まさか……自分のを……なめられるなんてぇ……あんっ…………」  痛みや不快感も無く、快楽信号を中心に様々な信号が無線を通して電子頭脳に伝わる。  人工唾液で濡れた舌で刺激する度に人工愛液が滲み出し、より舌が触れる箇所の滑りを良くしていく。  挙動のいやらしさは、舐めるごとに増していき、自分で動かしているにも関わらず、柚希の淫欲はさらなる高まりを見せていた。 「あっ……あっ……こんなの……他の人達の前じゃ出来ないわね……あんっ……あら……ぁ……?」  胴体がぴくぴくと、痺れるように小さく震え始めた頃、柚希は側にいるであろうまりんに向けるような言葉を発した。  だが返事はなく、ふと意識を行為の外へ向けると、自分以外に誰もいないようだった。 「あら……まりんがいないわ……もう、私呼ばれたのにぃ……まあいっか……はあ……っ……んん…………」  ちょっとだけ不満を抱いたが、今この瞬間の非人間的な自慰行為が気持ちよく、どうでもいいと感じた。  いずれまた戻ってくるだろうと思考しながら、柚希は女性器弄りを優先した。  それから数分経過した頃に、いつの間にかいなくなっていたまりんが戻ってきた。  彼女の視界からは何を持っているのかわからないが、歩行音が聞こえるのと同時に、かちかちとなにか硬質的な物がぶつかっている音が聞こえていた。 「お待たせしました柚希さん! これからもっと、機械にしか味わえない快感を体感してもらいたいと思って、アイテムを用意してきたんです!」 「はぁ……ああ……あんっ……アイテム……ぅ……?」  ディルドや媚薬のような補助的アイテムだろうか。そういう機械用の道具があるのだろうか。  まだまだ生まれ変わったばかりの柚希には想像できない。  直後、まりんは柚希の首無しボディの背後に回り、楽しそうな笑みを浮かべながら、胸部とほぼ同じ位置の背中に手を伸ばした。 「柚希さんはまだ、人間だった時と同じ肉体的快楽しか味わってないですよね? でも私達は、それとは違う新しい快楽を得られるんですよ! こんな風に!」  そう言った直後、まりんは背中の人工皮膚に思いっきり指を突き入れ、穴を開けた。  それに連動し、柚希の全身に脳天まで突き抜けるような気持ちよさが噴き出した。 「ふああ……あっ……ああんっ……なにこれ……ぇ……今、何したのぉ……?」 「背中の皮膚に穴を開けたんですよ!」 「あ、穴を……を……? ああっ……ぁぁ……そんな……ことでこんな……あんっ!」 「信じられないですよね? 私達は破損することで、より強い快感を得られるんですよ! 壊れれば壊れる程、とっても気持ちよくなれるんです!」  人の形をしたモノを傷つけているとは思えない程に、無邪気で明るい声と笑顔を見せるまりん。  人工皮膚に空いた穴はどんどん穿られ、ぶちぶちと拡がっていき、二つの小さな穴が大きくなり繋がった。  そこから露わになった、柚希の内部機構。つい数時間前までは人間だったはずなのに、その奥には人類の現在のテクノロジーでは構成不可能な内部機構が組み込まれ、血の一滴も存在していなかった。   「ほら、今の柚希さんの中身、見せてあげますよ! どうですか? 肉体を捨てたって実感を得た気持ちは」  まりんは親切心から、ずっと舌で性器を刺激し続けていた柚希の頭部を持ち上げ、背面へと部へと移動させてあげた。  己の中身をまじまじと見せられた彼女の表情は、心臓の高鳴りにも似たバッテリーの発熱と連動した。 「すごい……本当に私、肉が無くなってる……あんっ……直接背中を見るなんて……あっ……これが……新しい私なんだ……」  人間だった頃ならば、こんな機械の塊を見たらグロテスクに思えたり、気味が悪い、気色悪いなどと感じていただろう。  だが今は、自分の身体だという相乗効果もあるのか、とても淫靡に思えて仕方がない。  そんな彼女の染まっていく姿を嬉しそうに眺めつつ、まりんは左腕に柚希の頭部を抱えたまま、右手を露出した機械群へと伸ばした。 「じゃあ、お試しではありますけど、本番行きますね……柚希さんの中身をこうやって……!」  金属骨格と機構の隙間を縫って、胸部側へと手を滑らせるまりん。  そして、胸部の人工乳腺を軽く指でつついた後、彼女を構成する部品群の中でわきわきと手を動かし始めた。 「ふぁぁぁ……あ、あ、あは、あああっ!! あは、え、えへへ、ううう、私の、私のかか、身体の中ぁぁぁ……内部機構が、が、壊れ、れれてるううう……」  人体からは到底鳴りえない、かちゃかちゃと金属同士が触れ合う音がこぼれだす。  その度、エラーが生じるがそれらが全て快楽信号へと変換された。  身体の中を弄られてるのに、肉をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられるのと同じようなことされてるのに、痛くないどころか気持ちよくて仕方ない。  なんなら、より性感が引き上がったセックスの何倍も快楽信号が発信されている。  柚希は音声にわずかな誤作動をおこしながら、甘く解れるように蕩けた声を漏らした。 「どうですか? とっても気持ちいいですよね! 肉体的行為よりもすごく!!」 「私、今なにさ、されれ、れれてるの、身体の中を観測が観測が、あ、あ、あ、エラー、筐体内に破損を確認。おかしくくく、くなっちゃいいそう!! 私どうしちちゃってってってるの……ああんっ!!」 「原理はまだ理解できなくてもいいよ。今はこうして快感を理解してほしいから!」  乳房内に押し寄せる内側からの快感が、固くなった先端から乳液を噴出させる。  まりんの手という異物が体内で動く度に破損した部品が生まれ、ぽろぽろと一部がこぼれ落ちる。  柚希の頭部は、白眼を剥きかけながら震え、首無しの身体は両腕をわずかに浮かせながら、非人間的な痙攣を起こしつつ背中を仰け反らせた。  床には、女性器ユニットから垂れ流しとスプレーのような噴き出し方がランダムで入れ代わり放出された人工愛液の水溜りが生まれている。  扇情的な挙動と色っぽさに満ちた姿を晒す柚希。  あまりの気持ちよさに正常な思考が出来なくなり始めているところで、まりんは右手を抜いた後、ラストスパートとばかりに持ち出した道具を手に取った。  それは、店舗で使用しているアイスピックだった。 「ちょっと……なな、なんでやめ、やめるのよぉ……壊れて気持ちいいのがいっぱいほし、欲しいの、欲しいのに……ぃ……まだ壊してよぉ……」 「大丈夫ですよ柚希さん! 今からいっぱい壊れますから。修理完了するまで動作に大きく影響するか機能停止するので待っててくださいね!」 「そんな、そんなにすごいことすすすすsss⬛⬛$@0#$!!??」  口内の残存した人工唾液が糸を作りながら、もっと壊してほしいと懇願する柚希。  それを叶えるかの如く、まりんは彼女の右耳にアイスピックを突き立て、一切の容赦なくそれを奥まで付き入れていった。  集音ユニットを貫き、奥まで貫通し電子頭脳まで到達する。  そこでまりんは、ぐりぐりとそれを豪快に回し、頭部内で掻き回した。  その瞬間、柚希の眼球は上下ばらばらの方向を向いてひん剥き、全身が座り込んだままがくんがくんと震えだした。   「あああががががが、私私私私ですの頭部頭の中にににいいい、警告、電子頭脳に損傷損傷ううううう⬛$*@$こんなこんなこここ快楽信号認識ですが、私をますから言語中枢私快楽をしマした、あ、あ、あ、あ、あ、あ、うううう」  支離滅裂でまともに意味の通じない言動が、ノイズだらけの雑音と共にその口から発される。  あまりに気持ちよすぎるのか、柚希の身体は何度も誤作動によって跳ねながら、充填されている液をそこらじゅうに撒き散らし、両腕を振るように暴れさせた。  口の動きと声も全くあっておらず、いつのまにか喋りの途中で口が固まり、声を出しているのに動かなくなってしまった。  しかし、わずかに彼女の頭部に送られていた人工涙液が眼から溢れ、ぽろぽろと水滴を作っていた。 「これはそろそろですね。じゃあ、最後の一発を与えてあげますね」  今にも壊れてしまいそうな姿を見ても、まりんは笑顔を絶やさず楽しそうな無邪気な声を崩さなかった。  まりんはアイスピックを握っている右手の人差しを開放し、軽く電撃を走らせる。  そして、しっかりと放電されている事を確認すると、それをアイスピックの金属部分に一気に流し込んだ。 「⬛=#&ひいい@&$!? 0エラー⬛errorrrrrラララ⬛⬛人格ええエミュれ、レレ1#快楽信号快楽信号、$気持ちよ9%すぎ@@イっち⬛@0変換@0ゃうう#&$0$⬛!!!??」  音声ファイルにも影響が及んだのか、殆ど電子音にしか聞こえず、ところどころに柚希らしい声が垣間見える雑音が、彼女の口から流された。  表情は完全に停止し、両眼はそれぞれ別の方向を向いた状態で固まっている。  口角は上がり、気持ちよさが止まらないまま動かなくなってしまったことを明示していた。  表情では見えない彼女の感じていること。それは、無線で繋がっている身体が教えてくれた。  電子頭脳に直接攻撃が加えられた結果が、ぺたんと座っていた身体はとうとうバランスを崩し、前のめりにぐらりと倒れ込んでしまった。  床にぶつかり押し潰される乳房。そのひしゃげた形がさらなる淫猥さをもたらす。  全身がねずみ花火のように暴れだし、両腕も両足も秩序なくばたばたと踊り狂う。  その間も、乳液と人工愛液の放出は止まらず、狂ったような快感が与えられていることを如実に表していた。 「壊rrちゃいら⬛っし@%0%ゃいまセもう待っ$29$900てた酔っ払っち⬛@@92参照デきmaせんふァイルが破損10001@@#エラーきももち⬛1010いい快楽sss信号がががが⬛⬛@0$0#!!!???」  今にも爆発してしまいそうな程の狂いっぷり。しかしまりんは、それでも電流を送ることをやめなかった。  柚希の過去の言動がランダムな音声として混ざりながら、壊れた音を漏らし続ける。  そんな状態が続いていたその時、柚希は絶頂に達したような酷い雑音を発した。  その音の直後、身体は大きく海老反りになり、ぷしゅっと勢いの強いアルコールスプレーのような潮が噴いた。  しかしその後、柚希はうんともすんとも言わなくなり、彼女の身体もぴくっ、ぴくっ、と規則的な痙攣を起こす以外はまともに動かなくなってしまった。 「あー、機能停止に達しちゃいましたか。けど、それだけの破損ぶりを起こしたなら、とても気持ちよくなれましたね! おめでとうございます柚希さん! 機械の世界へようこそ!!」  柚希が壊れたことを確認したまりんは、心配するような表情もなく、とても嬉しそうな声で彼女を歓迎した。  当然、動かなくなった柚希がそれに応えることなどできるわけもなく、耳や目から上がる煙は、まるで性行為後の息遣いのようだった。  壊した機械は当然直さなければならない。まりんは柚希の頭部と身体を台車に乗せ、これまでウェパルで使われることのなかった倉庫室。現在は壊れた機体を置く機体待機室となった部屋へ運んでいった。   「さて、もちろん壊したままにはしませんよ柚希さん。マスターからの命令ですから、ちゃんと直しますからね」  その声はもう、物言わぬ機械人形となった柚希にはもう届かなかった  こうして、機械となった柚希の長い夜は終わりを告げたのだった。 * * *  次の日の昼過ぎ。修復された柚希が再起動され、人格エミュレートが再開される。 「人格エミュレートを実行します…………あっ、私……機能停止してたんだ……」 「おはようございます柚希さん! 初めての機械としての絶頂、おめでとうございます!」 「それ目の前で言うことないでしょ……あれ、まだ直接繋がってないんだ。それにここは……倉庫室?」 「はい! 元々使ってなかった倉庫室ですが、オーナーの手で再構築され、私達専用の機体待機室になったんですよ!」 「そうだったんだ……」  柚希の人格が復帰し、いきなり目の前にいたまりんとの会話が始まる、  そこから少し落ち着いたところで、自分の身体が椅子の上で複数のコードに繋げられ、自分の頭部が何かの台の上に置かれていることに気づいた。  首筋にはコンセントから伸びるケーブルが繋がれており、これによって改めて自分が機械になっているのだと悟った。 「はああ……でも、とっても気持ちよかったなぁ……ううん、気持ちよかったって言葉じゃ足りないくらいだった……あんなの体験したら、もう人間になんて戻れないじゃない……!」 「でしょ!? やっぱり機械の身体でいるなが一番ですよ!!」 「……けど気になったんだけど、私って、電子頭脳に直接攻撃されて壊れたのよね? ログを確認してもファイル破損したって報告があるし。けど、今はそのファイルも残ってるし……どうなってるの?」 「ああそれはですね、バックアップを使用したんですよ」 「バックアップ? でも、私って昨日機械化したばっかりで……」 「それがですね……私達はここで、常にバックアップデータを取得してるんですよ!」  そう言ってまりんは、自ら人差し指をへその奥まで突き入れ、元男とは思えないやや色っぽい声を出して捻った。  すると、周囲の人工皮膚に切れ目が生じると同時に、かしゅっ、と前面にへそがせり出してきた。  そこから出てきたのは、先端部に接続端子がついているスティック状の記憶媒体だった。 「私達はですね、機能停止の瞬間までここにバックアップが自動保存されてるんですよ! なので、どれだけ電子頭脳内のデータが壊れて読み込めなくなっても、ここから引き出せるんです! まあ、復帰させるまでは失ったままなんですけど!」 「そうだったんだ……つくづく便利な身体ね」  機械の身体の機能を知る度に、肉の身体を持っていた自分がことごとくバカバカしくなる。  柚希は、これからの人生がとても華々しくなっていく気しかしなかった。 「……ねえ、気になったんだけど……私をこういう風に壊してくれたってことは、奈穂にもそうやったのよね? それにしてはまだセックスしたいみたいなんだけど」  「奈穂さんは同じように気持ちよくなってましたけど、やっぱりセックスの方が大好きらしいです! そっちの方が人間だった頃からの好きな感覚がより鋭く感じられるからとのことです!」  ああ、筋金入りだからなのか……と、納得した柚希。  だが、彼女にとってはやはり、破損することの方が快楽の度合いが段違い。  今すぐにでもまた壊れてみたい。そう思考する程に、柚希はもう機械に染まっていた。 「ねえ、この店には私達と同じ機械化した娘はどれくらいいるの?」 「私達と、オーナーと奈穂さんで四人ですね! これからまだまだ増やす予定です!」 「そうよね。やっぱり、増やさない理由が無いもの。生身なんてみんな捨てちゃえば、絶対幸せじゃない……!」  奈穂はそれを聞いた瞬間、とても嬉しかった。  奈穂やまりん、マスター以外にもこれから仲間が増えていくことに。  もっとこの身体のことを知らないと。そして、もっと壊れあってみんなで気持ちよく愛し合わないと。  情欲が溢れ出す奈穂は、これからの稼働する日々を、また壊れる日を待ち望むようになったのだった。  そしてその日の夜。柚希と奈穂は、前日に断裂や破損が発生したとは思えない程に正常な姿で、いつも通りにキャストとして復帰していた。 「そうなの本当に! もうすっごくわかってるじゃない!」  人間だった頃よりも知識を引き出し、人間だった頃よりも色気を帯び、人間だった頃よりも人間に喜ばれる振る舞いをする。  彼女達にとって機械へ生まれ変わったことは、天啓以外の何物でもなかった。  登録されたマスターへの服従を人格に宿しながら、今まで通り人間らしく稼働をする。  だがその中で、機械としての快楽を求めながら、同じ機械になってほしい相手への誘惑も実行する。  確実に人間の頃から変容を起こした彼女達の感情。  それらも自分達の望んだこととして、これからも機械である悦びを噛み締めつつ、快楽を求めて稼働するのだった。 「ねえ裕美子さん、ちょっといいかしら……?」 「ねえねえ花蓮さん、少しいいですか?」 * * * 「いいねいいねえ、どんどんあたし達の文化が根付いてる。やっぱりこの星の住人も、生身より機械になった方が幸せなんだな」  前オーナーを機械化性転換し、ウェパルを乗っ取ったペリメイズ人。その名前はファリエ=ティスキン。  彼女は地球に到着した後、真っ先に原住民の女性が集まる場所を探し、そこを根城にしようと思考していた。  結果、彼女が見つけたのがここ、ウェパルだった。  今はオーナー室でじっとしながら、監視カメラをハッキングして彼女達の様子を眺めては、どんな壊れあいをしようかなどと妄想していた。  少しずつ所属するキャストを変換していき、最後にはハーレムを作り出して機械の花園を作り出す。  それが、ファリエの抱いた計画だった。 「あたし達の仲間増やせるし、結構可愛いこの星の女も侍らせられるし、そしたらずっと壊れられるしで、あーいいこと考えたなあたし! そんでそっから計画も進めて……あー後のことを考えたらワクワクしてくるなー!」  ボーイッシュ気味の彼女は、椅子の上でばたばたと可愛らしく足をばたつかせながら、唐突に机の中にあったボールペンを取り出し、耳の奥まで挿入。  ぐりぐりと回しながら、言葉に色気を加えて計画を思案し続けた。 「ああぁ、ぁぁ……きもちいい……もっと、もっと機械化させなきゃな……ああっ……あんっ……もっと、もっと一緒の機械になって……気持ちよくなるんだ…………」  一人淫乱な姿を曝け出すファリエ。  だが、確実に地球への機械侵食は始まっている。  地球上のテクノロジーから大きくかけ離れた機械人形達は、着実に数を増やしていっている。  それを人類が気づくのはいつなのか、それとも永遠に気づかないまま染められるのか。それは誰にもわからないのであった。

Comments

他の色々な作品の進捗にもよりますが、基本的には月の後半になりますのでもうしばしお待ちください!

土装番

次回はいつ出ますか? 早く地球の残った人間たちがすべてセクスロイドに変換され、お互いを破壊して幸せを分かち合うエヴァンゲリオン的な終末に会いたいです。

Y.Ginko


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