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機械の侵食 5話 快適な空の旅と拡散準備 3/3

 現社長である原田直美は、自分を機械化してくれたペリメイズ人への感謝を常に抱きながら、さらなるスカイパルの躍進の為に粉骨砕身していた。 「指定された顧客の搭乗、全員完了しました。間もなく出発する深夜便にて、それぞれの国へ移動します」 「ありがとう。これで、より機械であることの素晴らしさを広められるわね。貴女もこの時間までお疲れ様。今日はもう退社して大丈夫よ」  ある日の深夜前。女性社員の一人が社長室にいる直美へ、重要な内容の報告を行っていた。  社長室の椅子に座り、机の上に設置している端末を確認しつつ、女性社員にも顔を向ける直美。  艷やかなブラウンの髪は、額を出すようにしてまとめられており、社長に就任したばかりだというのに、顔つきは女優を感じさせるように非常に美しいながらもそれを相応しいような威厳を帯びている。  生地の厚めなスーツの下からでも主張している、年齢を一切感じさせないハリの乳房に、机の下に隠れている綺麗なボディラインと人工皮膚のツヤツヤした肌、肉感を残しながらも理想的な細さを帯びている脚は、まさに非の打ち所がない完璧美人社長という姿を体現していた。  大多数の生身の人間は、彼女のことを羨望の目で見るであろうことは間違いないほどに。 「わかりました。お疲れ様です、社長」    女性社員がとても綺麗な姿勢と所作で一礼をすると、ドアを締めて社長室から離れていった。  彼女はそのまま指示に従い、退勤の準備をしてオフィスから離れていった。  これで、スカイパル本社オフィス内には、原田直美以外の所属している人物は誰もいない。  全社員には、彼女は納得の行く仕事が終わるまで社内に残り、詰めて仕事を続けているという認識が広まっている。  それほどのハードワーカーであり、全力でこの会社の為に働いているという姿を形にすることで、彼女はより、社員たちからの信頼を獲得していた。  だが、それはあくまで表の姿。社内に誰もいなくなったことを確認すると、直美は背筋を伸ばし、椅子に座ったまま机から離れていった。  直後、社長室に備わっている木目調のロッカーが横へスライドし、隠し通路が現れた。  その中から、社長室にはとても似つかわしくないような露出度の高い薄着の格好をした、まったく違いのわからない瓜二つの女性二人が姿を現した。 「今日もお疲れ様、直美」 「これでまた、少しずつこの星の全人類機械化に近づいたわね」 「はい、ありがとうございますマリス様、マリス2様」  姿を現したのは、ペリメイズ人のマリス=ユーリア。  セミロング程の長さを持つブラウンの髪を後ろにまとめており、直美よりも少々歳下という感じを漂わせる雰囲気と非常に整った綺麗な顔立ち。  身長も直美と同程度だが、胸がそれよりも大きく、歩く度に露出した谷間と一緒に波打ち揺れている。  体型もまさしくデザインされたと言わんばかりに無駄な肉部分が無く、女性的な線の魅力がこれでもかと言わんばかりに強調された身体をしていた。  そんな美女が、全く同じ声、同じ姿で二人存在している。  これは、マリスが自身のデータを丸々コピーし、複製体として自分の同一体を造ったものである。  マリスは便宜上、マリス=ユーリア2、またはマリス2と呼んでいる。  そんな二人に、直美はまるで秘書になったかのような丁寧な言葉遣いで、従順な姿勢を見せた。 「私達のおかげでここまで大きくなって、しかもどんどん同じ機械の仲間が増えていってる」 「どう?」私達に全てを任せて正解だったでしょ? 「はい。全てマリス様お二人のおかげです。感謝してもしきれません」  直美は元々、スカイパル社内の美人社員ではあったが、際立って仕事ぶりが良いというわけでもなく、いち優秀な社員という立ち位置だった。  だがそこで、マリス二人が彼女の全身を機械化した上で、送信された命令通りに動く傀儡になるように指令。  直美はそれを受け入れ、マリス二人が仕掛けた様々な根回しや、他のペリメイズ人との協力、さらには既に機械化して仲間となった地球人との連携を重ね、ついに彼女を社長にまで昇進させたのだった。  若きカリスマ女性社長に仕立て上げられながらも、実際は異星人の命令を処理しその通りに動く演算装置でしかない。  何よりそれは、今の直美自身が受け入れ、望んでいることでもあったのだ。 「よくわかってるわね。貴女を選んでよかったわ」 「一番ちょうどいい素材だったものね。私達に近いくらいの綺麗な見た目で、年齢もこの計画には程良くて……」 「だから、私達は貴女の働きぶりにとっても感謝してるわ」 「じゃあ、今日のご褒美をあげるわね」 「ありがとうございます……マリス様、マリス2様」  褒美の宣言がされた瞬間、無表情に近かった直美の表情が少しだけ綻び、身体の力が少しだけ抜けていった。  すると、マリス二人は彼女が座っている椅子を回転させ、マリスが背後、マリス2は前方に立った。  それから、マリスは直美の頭部を両手で挟み、180度回転させてから取り外した。  頭部のなくなった身体を、今度はマリス2が椅子から引きずり降ろし、床に仰向けにしてスーツを脱がせ始めた。  スムーズな手付きで裸体がすぐさま露わになり、直美の極上の女体が空気に晒される。  マスターである二人からのご褒美がよほど嬉しいのか、首無しの女体は既に背中を左右に揺らし、腕や脚をくねらせてよがり、人工愛液をじわりと分泌し始めていた。  一方の頭部は、マリスと頭部だけで向き合わせられ、今にもキスが始まりそうな距離まで顔を近づけられている。 「さ、直美。貴女の後頭部カバーを開放して」 「は、はい……マリス様……」  直美は命令に従い、恍惚な顔で後頭部ハッチを開き、電子頭脳を開放した。  これから褒美をもらえるという悦びからか、彼女の機械の中枢部は既に熱くなっている。   「その従順な姿はいつ見ても綺麗よ……んん……む……んぅ……」  マリスは開かれた後頭部に右手を置き、左手を首の断面に置きつつ、ディープキスを開始した。  電子頭脳が物理的に刺激され、舌を絡めながら同一成分な人工唾液を混ぜ合わせながらのキスをしているうちに、断面の喉穴から互いのそれが混ざった液が降りてくる。  左手で、喉穴の樹脂肉を引っ掻いてあげ、頭部だけでも各部位からの刺激を与えてあげた。 「あっ……ぁ、あ、あ、あ、ぁぁ……きもちいいですマリス様……ありがとうごさいま、あ、あ、あ、がががが……」    絡み合う最中、直美の舌だけが震え、眼球ユニットが小刻みに震えだす。  一方的に中枢部が圧迫され、エラーや誤作動が生じ始め、それが快楽信号へと変換されていく。  彼女の後頭部から金属の軋む音が聞こえるごとに、表情や挙動が次々とおかしくなる。  それこそが、直美へ与えられる褒美だった。 「いつ遊んでも良いわね……直美の女性器ユニット。とっても快感の本能に忠実で、思った通りの動作をしてくれるもの……」    それと同時に、マリス2は直美の女性器ユニットを取り外し、うっとりと見つめながら子宮ユニットを揉みしだき、舌で膣内やクリトリスを刺激した。  生きているかのように、手の中で快楽のままに振動する生殖器官。  どこにも触られていないにも関わらず、直美の身体は全身に伝わる派手な快感を散らそうとしているのか、腰を上げたり背中を仰け反らせたりしながら、乳を揺らして気持ちよさそうにのたうち回っていた。  取り出される前に分泌された人工愛液を使って、マリス2は膣内を掻き回し、それを上回る量の人工唾液で蜜濡れにする。  しばらく刺激し続けると、マリス2は女性器ユニットを右手の中に置き、割れ目と子宮ユニットの間にある肉筒部分を握りながら爪を食い込ませた。 「あえ、ああ、あ゛ああ!! 現在じじ女性器ゆに、ユニットととへの損sss傷、ががが、マリスさマ、さまま、マリスさまままま、あっ、あっ、あっ、あっ、とてもきききもちきもちい快楽ししし信号信号ががががか」  ぽろぽろと後頭部から鉄くずがこぼれていく、直美の後頭部。  同時に、変形したマリスの指先から断続的に電流が流され、内部動作が狂わされている。  眼球はそれぞればらばらに動き、唇同士を重ね合う愛情行為は、丁寧かつじっくりと味わうような動作のマリスとは対照的に、舌や唇は震えるだけで、ただ与えられる刺激に反応して同じような動作を繰り返すだけのbotになり果てていた。  先程まで部下に対して丁寧かつ社長らしい応対と態度を見せていた女性社長の姿はそこにはなく、彼女は今、頭部と身体が離れ離れになり、ノイズ混じりの喘ぎ声と乱れた音声を叫ぶ、快楽信号を処理するだけの機械も同然だった。 「もうそろそろ機能停止しそうね……でも、もっとご褒美をあげるわ」  無線接続によって繋がっている女性器ユニットも、ひたすらぱくぱくと口を開きながら膣内に人工唾液の糸を作っており、もっと性感が欲しいと言うような挙動を見せている。  だが、ここでマリス2は、女性器ユニットへの刺激を増加させず、のたうち回っている股間に穴の空いた首無しの女体に身体を重ね、彼女の左乳房に手を付けた。  指で乳頭を穿り、液体の出る機構部分を拡げていく。  機械化した後の乳房は、生殖器官と同様にセンサーの密集地帯となり、さらに乳首のような箇所は特に快楽信号を感じられるように作り変えられているため、無理やり穴を拡げるようなやり方は、あまりにも刺激的になる。  自ら折ってしまいそうな程に脚をばたばたさせていても、マリス2はその手を緩めず、拡がった乳首に舌を入れ、乳内を舐め回し性感帯の塊を刺激した。 「■■000きも1@$ちい#0!!? ■■えラー0133errrr011□!!?」  オーバーヒート寸前な程に、全身が熱くなり始める直美。  本来なら人工涙液を垂れ流し、唾液も溢れるほどの感覚信号の洪水だが、それを行う体液タンクと切り離されている為、直美の顔からは涙の一滴も唾液も流れず、大企業の社長とは思えない程に淫らでだらしなく、人間らしさの失った蕩けた表情を晒していた。  音声の大部分がノイズになり始める。その節々に彼女本来の声や、システムメッセージが混ざっている。  隙間なく性感を浴びせ続け、同時に電子頭脳をフレーバーとして壊していくうちに、直美の頭部は人間ではありえないような熱を帯び、動作もだんだん緩慢になっていった。  もう間もなく、彼女が動かなくなる時も近づいている。  これからも彼女にはスカイパルの社長として稼働してもらう。その為の英気を養うという意味も込めて、二人は最後に、それぞれの部位に決定打となるような一撃を加えた。 「まあ、どうせ朝までには直るし、最後にこれあげるわ」 「今日までの働きに免じてね、一番の快楽信号をあげるわ」    マリスは、キスを継続したまま直美の電子頭脳に、これまでで一番強い電撃を加え、後頭部から火花を散らさせた。  同時に、マリス2は股間に空いた穴に右手を突っ込み、その中で同様に電撃を走らせて内部機構を焼いた。  「##@%■□001■aaa@@&#aa■!!!?」  もはや嬌声もシステムメッセージも形を成していない、人間が聞けばただただ耳障りな電子音の絶頂声を叫び、直美は致命的な損傷を負った。  電撃の瞬間、彼女の表情は引き攣るように酷く痙攣し、下半身はガタガタと上下に振動した後、一瞬硬直してから崩れ落ちた。  後頭部から、不規則なスパークを起こしながら煙を噴き出し、生気を失った瞳で虚空を見つめる直美。  首無しの身体は、個性のなく規則的なタイミングで震えており、人間的な雰囲気はとっくに失われていた。  機械化した身としては極上の光景に、二人のマリスはうっとりと直美のそれぞれを見つめた。 「ふふ、直美ったらとっても気持ちよさそうね。どれだけデータ破損してるのかしら」 「でも、それだけのことをしてくれたんだから、これからも彼女には頑張ってもらわないとね」  電池が切れかけの玩具のように、思い出したように時折動くだけの人形と化した直美。  一度別室に連れていくために、女性器ユニットや頭部を元に戻してあげた瞬間、直美の背中が大きくえびぞりになり、思い出したかのように人工涙液が両目から違う分量で垂れ流されながら、人工愛液が潮を噴きつつどろどろと壊れた電化製品のように漏れ出した。 「やっぱり元気ね。機能停止までは行かなかったのが良かったのかしら」 「じゃ、明日までに直してあげて……ねえマリス、修理が終わったら私達もこれくらいシない?」 「いいわね。私もそんな気分だったの。私のことは私が一番わかってるから、どんな風に壊されたいか理解してるものね」 「だって、そうじゃなきゃこうして提案しないもの。じゃ、決まりね……ふふ、楽しみ。あっ、その前に私達の仲間にも連絡しておかないと。もうすぐだって」  それぞれで両腕を掴んで、全裸姿で痙攣する直美を床に引きずりながら、既に股間を濡らしている二人は隠し部屋へと消えていった。  これだけ壊れてしまっても、二人の手によって次の日には何事もなかったかのように、人間のカリスマ女性社長として復帰する。  時が来るまで、彼女はこうして壊されたり、玩具にされたりしながら、傀儡の日々を満喫するのであった。  そして、その間にも、無数の旅客機を通じて、世界各国へと分散していく機械化した元人間達。  それは、自国だけでなく、世界中の人々に機械になる喜び、壊れて快楽信号を得る悦楽と多幸感を与えるために。  人間の乗客に混じり、自分達が金属と樹脂の塊であることも通り抜け、様々な土地に進んでいく。  同時に、ペリメイズ人達の協力も加速し、地球人の機械化は一気に進行することになる。  派手に侵食が進められるのではなく、少しずつ、少しずつ、小さなところから。  やがて人間の大部分が機械で埋め尽くされるまで、快楽信号に身を任せながら水面下で動き始めるのであった。


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