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土装番 from fanbox
土装番

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機械の侵食 最終話 5/?

 メリンはじっくりと、やってきた杏奈を品定めするように足先から髪の毛まで凝視する。 「うーん、これは遊び甲斐がありそうね。なんだか、嗜虐心をくすぐるかも……けど、どういう娘なの?」 「あーそういえば、元々どういう人間だったかを知ったほうが一番楽しめるかもね。今からデータ送るからそれ読み込んで」  ペリエッタは無線通信を利用して、メリンに関する記憶データを送信。これまでに杏奈がこき使っていたメイドやアンドロイドから読み込んだデータが読み込まれていった。 「ふんふん…………ふふ、あははは! なるほどね! そういうタイプの娘なのね! よくわかったわ。私がなんか壊して気持ちよくしてあげたいって思考しちゃうのかわかったかも」 「でしょ? さっきの真奈美と違って、純粋に酷い人間だったからね。どれだけ遊んでもらっても構わないよ。家でももう、杏奈は他のメイド達に遊ばれるための玩具だから」  杏奈が立ち尽くす前で、集音ユニットに入らないようにしながら話しつつ、遊ぶ前により理解を進めていくメリン。  会話の内容が聞こえていない杏奈は、マスターが話している内容に対して興味を持っているが、マスターの手を煩わせないようにと、その場で待機し続けていた。  一通りの情報共有が終わったところで、メリンは早速杏奈の前に立ち、頬を優しく撫でていく。 「はじめまして。あなたがペリエッタに使われてる杏奈ね、私はメリン=リュミエール。よろしくね」 「はい、よろしくお願いしますメリン様。あたしは九条杏奈と言います」  丁寧な言葉遣いだが、情報を得たあとだと、思わず笑みが溢れてしまいそうになる。  これが、ペリエッタが手を出し、かつて見下し乱暴に扱いこき使っていたメイドやアンドロイド達に矯正された結果だと考えると、より愛おしさが増してくる。 「ねえ杏奈、あなたは今、自分が生身の人間だと思ってる?」 「いいえ、あたしの身体には今、生身の部分はありませんマリア様のおかげで肉体が変換され、これまでの無礼を働き続けていた人格データを調整していただきました」 「いいわねそういうの……なんだかこのまま、玩具にしちゃいたいかも……!」  質問に答えている間、杏奈はじっとメリンの顔を見つめ、視線を反らすことなくまっすぐ喋り続けていた。  徹底的に調整を加えられた、人間だった頃の面影が見当たらないような人格で稼働する姿に揺り動かされ、べたべたと身体中を触れ始めた。  自分達と同じ人工皮膚の感触が伝わり、響いてくる信号によって、ちょっとだけ身体が震えているのが伝わってくる。  アンドロイドと生身の人間、それぞれで原料は違うが、真奈美と杏奈の変わらない感触に、メリンはぞくぞくとしたものを感じた。 「ねえ、杏奈は今からでも人間に戻りたいと思う?」 「いいえ。あたしは現在のこの身体がとても素晴らしいものだと感じています。マリア様に人格データを調整していただき、あたしはこれまでの人間としての自分はなんと愚かだったのかと自覚しました。今のあたしは、マリア様やペリエッタ様に従属する機体として、過去の過ちを戒めるためにも使用していただきたいと考えています」  送信された記憶データにあるような、人間だった頃の彼女ならば絶対に言わないであろうセリフを、つらつらと人格データの底から発する杏奈。  どれだけの調整が重ねられたのだろうかという認識と、それ程までに改竄されたのなら、むしろとっても気持ちよくなったんだろうとも思考できた。 「なるほどね……杏奈が本当にそうしたいのはよくわかったわ。じゃあちょっと、色々シてあげる前に遊ばせてね」  おそらく彼女は、容姿以外は殆ど原型がないくらいに改造されているのだろう。  しかしそれもまた良し。より快楽信号を得られるようにする為ならば、さらなる機械化の素晴らしさを説くならば当然のこと。  だが、現在アクティブになっている人格データが矯正されたとしても、電子データとなった今はバックアップの存在がある。  ペリエッタからのデータを確認した時、メリンはあえて昔の人格を呼び起こしつつ自身の認識設定を人間に戻して、その上で破損させ快楽信号を発生させてあげようと思考していた。  だがその前の前戯として、今の従順な人格でどんな反応をするのかも見てみたくなった。その方が、悪辣だった時の彼女とのギャップが楽しめるはず。  どこまでも快楽的な考えから、杏奈弄りの指針を決めたメリンは、まず今の状態で軽く壊しつつ、バックアップから昔の彼女の人格データを呼び起こすことにした。  頬を赤らめ、早く快楽信号を与えてあげたいというプログラムされた本能から、早速彼女を押し倒し、女性器ユニットに人差し指を突き立てる。 「まずは手始めに、ここから攻められたらどうなるのかしら」  あえて人工唾液などの潤滑液は含ませず、乾いて指の引っかかりが起きるような状態から、メリンは指の腹と爪の二重の刺激を膣肉に与え始めた。  膣内で指をかき回し、手軽な信号で様子を見る。 「あっ……ん……ぁ……は……あんっ…………メリンさま……ぁ……あんっ……気持ち……良いです…………ああっ……ぁ……ぁぁ…………」                    「前もこんな反応だったの?」 「これでも今の人格に合うようにしおらしい喘ぎ方の調整をしたんだよー。前はもっと激しくて……あ、でもこういうレベルの軽い刺激とかだと、意外とこういうかわいい反応してたわ」  身体を捩らせ、可愛らしい声で悶えるような顔を見せる杏奈。  涙目にも見えるような瞳は、どこか見た目よりも人格が退行させられているような印象を受けた。  じわじわと人工愛液が快楽信号に応じて染み出し、指にまとわりついてスムーズに膣壁を刺激できるようになる。  ついでに、胸を揉みしだいて乳首を摘み、人工皮膚の上から子宮ユニットをぐりぐりと攻撃してみると、杏奈は背中を仰け反らせて、ひくひくと小刻みに震え始めた。 「あっ……ぁ……あっ! メリンさま……ぁ……あんっ! とっても、き、きもちい、です……あっ! あ、あたしに、こんな快楽信号を、与えてくださり……あっ! ありがとうござ、あんっ、います……は……あっ……あっ!」  行動原理のままに、思わず快楽信号を与え続けていたが、これがあくまで前戯であるということをうっかり忘れそうになっていたメリン。  そろそろ電子頭脳や樹脂肉が解れてきたであろうところで、首筋からケーブルを引っ張り出し、杏奈の首を起こして接続した。 「あっ、あっ、ん! メリン様、ぁ……次は何をし…………外部機体との接続を確認しました。外部機体からの操作を受け付けました。機体名、メリン=リュミエールを上位機体として登録します…………」  どこか小動物さを感じさせるような反応ばかり見せていた杏奈。  快楽信号に身を任せ、次はどんな風に性感を与えてくれるのかと期待した瞬間、彼女の表情はシステムメッセージと共に消失し、無感情な声で喋り始めた。  ペリエッタと同じペリメイズ人ということで従順に従い続けていたが、まだシステム上ではどのような登録もされていない。  今の振る舞いならば今更手を出す心配もないのだろうが、一応の措置として、かつより簡易的に彼女の電子頭脳へアクセスできるように、強制的に上位機体として登録させた。  接続状態での操作はまだこれでは終わらない。  へそにあるバックアップストレージとは別に、電子頭脳内にある過去の人格データが存在していないかを覗き始める。 「うーん、やっぱり元人間となると、ファイルの数は多くなるわよね。真奈美の中身がどれだけあの頃軽かったのかよくわかるわ」  読み込まれる記憶媒体状態になり、無表情で動かなくなった杏奈。内部情報を読み込んでいる間、メリンは人形らしさが溢れる彼女の乳首や唇に指で触れてちょっかいを出すが、一切反応を返さなかった。  そういえば、読み込みの最中に破損させたこととかなかったなあと思考していると、ようやくお目当てのファイルを発見した。 「お、あったわ。日付的にもこれよね。きちんと別のファイル作ってるの偉いじゃない」 「でしょ? 実は私も、昔の人格で遊べるかなーと思ってコピー作っといたんだ。オリジナルは改竄しまくった今だけど、そっちはコピーだよ。ちなみに、私が来る前の段階になるように、その人格データだけ記憶データも途中から参照できないようにしてあるから」 「あはは、さすが準備いいわね。操作が楽になって助かるわ。あとで頭部破損プレイしてあげる」     快楽信号を処理するためならば、どんな発想も適用する。  そんなペリメイズ人、ひいてはそれ由来の機械化や改造が行われた者の思考が垣間見えるやり取りの後、メリンは早速、その人格データを起動した。  自身を人間だと認識する設定をおまけにつけて。 「上位機体からの操作を受け付けました。設定の変更が行われました。保存後、指定された人格データを起動します…………」  機械らしい言葉をつぶやき、掘り出された人格データの読み込みが終了すると、杏奈の表情にゆっくりと柔軟さが戻ってくる。  しかし、先程までの柔和な雰囲気はなく、額にシワが寄り、目つきが鋭くなり、口元は常に不満を抱いているような、反感的な感情に満ちた表情へと変わっていった。 「……は? なによこれ。なんであたし、裸に……ていうか、あんたら誰よ!? なんであたしの家にいるの!?」  声を張り上げ、開口一番に威嚇するような声を出して吠える杏奈。  つい先程までの彼女とは180度どころではない変貌ぶりに、どれだけ杏奈という人格に手を加えられ調整されたたがよく理解できる。  杏奈はすぐに立ち上がった直後、首に妙な違和感を覚える。 「何これ、充電コードかなにか? 意味分かんないことしないで外部機体との接続が切断されました……よ鬱陶しい……」  手に取ったコードが首から抜けると、人格データの動作にシステムメッセージが割り込み、途端に無表情になってから、改めての不満を漏らして、コードをメリンに投げつけた。  己の人間として不自然な振る舞いに気づいている様子はなく、メリンはその一連の流れに、思わずほくそ笑んだ。 「何笑ってんの? 何かおかしいことでもある? 文句があるなら今ここで言ってみなさいよ」 「ふふ、別に何もおかしいことはないわ。ただ面白いって思っただけ。あなたの姿や振る舞いに関してね」  杏奈は、明らかに挑発的な知らない女の言動と表情に、一瞬で感情値が沸点に達した。  メリンの首根っこを押さえ、思いっきり力を入れて圧力をかけようとする。 「ふざけたこと言ってんじゃないわ。あたしを誰だと思ってんのよ。いきなりうちの中へ入って、あたしをこんな裸にして、何企んでるわけ? 答えによっては、あんたを痛い目に合わせて二度と日の光を浴びれないように根回ししてやるわ」  だが、思いっきり力を入れて攻撃しているはずなのに、知らない女はびくともせず怯える様子もなかった。  権力も臭わせているのに、それを鼻で笑う程の余裕も見せている。  気に入らない。気に食わない。自分の思い通りにビビってくれない目の前の女が疎ましい。  こうなったら押し倒して殴りつけてやる。そう思考し飛びかかろうとしたが、逆に簡単に首根っこを掴まれ、またもや床に倒され組み伏せられてしまった。 「きゃあっ! な、何をする気!? あたしは、ナインズグループの……」 「そんな称号、今は関係ないわ……まあ本当ならとっても効果あるんだけど、それはこの星の社会での話だものね」  まさに、機械化される以前の反応を完璧にエミュレートしている、過去の人格データ。  自分の持つ権力や威光が通じず、さらには力負けしてしまうと鳴ると、どうすればいいのかと一気に行き詰まり始めた。  そんな強気の姿勢から全ての手札を潰され、反抗的ながらも弱々しくなっていった杏奈を見て、ゾクゾクとした人格データの反応を見せるメリン。  そして、ここからがプレイの本番。仰向けになった彼女の腰に跨り、胸元に指を置いて爪を立てる。 「ねえ杏奈、あなたって、自分が今人間だと思ってる?」 「はあ? 何当たり前のこと言ってんのよ。あたしは人間に決まってるじゃないバカじゃないの? オカルトとか陰謀論とかそういうの信じるタイプ?」 「まあ、そういう反応になるわよね……じゃあ、これ見ても自分が人間だって言える?」                いたずらっぽく、煽るような口上を並べ立て、胸元の人工皮膚に思いっきり指を突き刺した。 「ひっ!? な、なにして、あたしの、あたしの胸にあ、穴が……」 「あら、痛くないの? じゃあ、ここまでやってもいいでしょ……?」  わざと煽って注目させるように手首を回し、視線をそこへと向けていく。  そして、破れた人工皮膚を摘んで一気に引き破ると、持って生まれたはずの美しい柔肌の下からは、血の通っていない金属骨格と、脂肪の存在すら見当たらない、膨らんだ乳房の形を形成する人工乳腺が空気に曝け出された。   「え……あ……な、なによ……これ……あたし、これ……中身……機械……?」  その光景は、杏奈という人間だったもののアイデンティティを突き崩すには充分過ぎる代物だった。  人間だった頃の記憶は確かに保存されており、いつでも思い出せる。間違いなく九条家の人間として生きてきたはず。  だが、生身の人間だと考えるでもなかった常識が目の前で崩され、杏奈のカメラアイは何度も拡縮を繰り返していた。


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