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土装番 from fanbox
土装番

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機械の侵食 最終話 6/7

「あらぁ、さっきまで自分のことを人間だと言ってたのに、これは何かしらね。生身の人間なら、皮の下って血が通ってたり、肉が付いてるはずよねぇ……でも、貴女の目の前にあるのはなんなのかしら」          メリンはわざとらしく煽るように、誘導するように喋り、そっと後頭部を持ち上げて、否が応でも視界に破損した箇所が入るように位置を調整する。    杏奈は混乱しながらも、目の前に突き出された真実から視線を反らそうとどうにか動こうとするが、メリンの力がそれを許さず、眼球に直接触れてまで、視線を外すことを許さなかった。  眼に直接触れられた時、人間ならば痛いし目がしみるはずだが、杏奈はそれに対するリアクションを行う気配も無く、まだそれに自ら気づく様子も無かった。 「そ、それは、あたしは、こ、こんなの違う……! あたしは産まれた時からずっと人間なの! ロボットなんかじゃない! あいつらと一緒にしないで! あたしは生身の人間なのよ!!」  声を荒げて眼の前の現実を否定しようとするが、自分の胸やその周囲から、金属製の中身が晒されている事実を無かったことにはできない。  むしろメリンは、そんな怒号を嘲笑うかのように、敢えて乳房の破れた人工皮膚の裂け目から手を滑り込ませ、人工乳腺を人間以上の力で揉みしだき始めた。  乳を揉んでいるとは思えないような金属の擦れる音が鳴り響く。 「ああっ! くっ、あ、あんっ! ちが、う……あたしは、あたしの、な、中身なんかじゃ、ああっ!! あたしは人間、にんげ、人間なの……ロボットなんかとは違、あんっ! ああっ!!」  何度も繰り返し否定するが、目の前の皮を被った機械が弄られるたび、今まで体験したことのないような気持ちよさがほとばしってくる。  この快感に身を任せたくなるような衝動が湧き起こり、むしろもっとこうしていたい、気持ちいいのを感じていたいとすら思い始めるが、杏奈の人格データは、それ以上に自分が人間であるという証明をしたいという感情の動作の方がまだ強かった。  その一方で、メリンは彼女の股間が既に人工愛液で濡れ始めていることに気がついていた。  それを見ていたずらっぽく笑いかけながら、左手を股間に持っていき、わざとらしく女性器ユニットの中を指で掻き回した。 「あんっ! あ、あ、ああっ!! まっ、やめなさいったら、ああっ!! お、おかしくな、なり、あんっ! あっ、あっ、あっ、あ、ああああっ!!」  過去に行ったどんな性行為や自慰よりも、快楽的な行為よりも、比べ物にならないくらいに気持ちいいメリンからの手淫。  思わず全身が仰け反り、人工愛液を垂らしてしまうが、どれだけ頬を赤らめ淫らな声を漏らしても、敵意が抜ける様子は無かった。  過去の人格データの強情ぶりに、さらに虐めたくなったメリンは、上位権限を使用して、女性器ユニットを強制的に取り外させた。 「な、何を、何をするのよあんた、こ、こんなことしてタダで済むと思上位機体からの操作を受け付けました。女性器ユニットの開放を行います」  すると、股間からカシュッ、という人体では起こり得ない音が鳴り、杏奈の外性器が前に押し出され、その下に隠れた肉筒が姿を現した。  メリンがそれをずるずると引っ張り出すと、その奥からは生身のそれから変換された、正真正銘杏奈の子宮ユニットが出現した。 「どう、杏奈? これが貴女の女性器ユニットよ。人間なのに、なんで自分の大切な器官が取り外せるのかしらね……」 「な、なによこれ……どうなってるの!? そんなわけないじゃない! あたしは、あたしは人間なの! それだって、勝手に持ち出してきたオナホに決まって、あああっっ!! あんっ! あんっ! は、ああっ! ひああっ!! な、なにこ、これ、あんっ! あ、頭の中が、き、気持ちよすぎて、ぎひあっ!! あっ! あんっ! あっ!」      自分の身体から造られた部品をオナホ呼ばわりするも、取り外されたとしても彼女とその生殖器官は接続されたまま。  メリンは、外れた女性器ユニットの肉筒のような膣部分を掴みながら、子宮を揉みほぐしたり、爪を食い込ませたり、下で陰核を刺激した。  自分の物じゃないと言いながらも、そこから生じる快楽信号が電子頭脳に伝わり、腰を浮かせてガクガクと全身が痙攣を起こした。  人工愛液まみれの女性器ユニットは、ぱくぱくと割れ目を何度も開閉を繰り返し、膣壁の間に淫らな糸が引いている。  子宮ユニットが揉み解されていく度に、人間の頃だったら体感できなかったであろう性感がほとばしり、膣ユニットと子宮ユニットの繋ぎ目となっている子宮口がきゅっ、としまり、さらなる快感を女性器ユニット中にほとばしらせた。  メリンは、自分が生身の人間だと宣言しながらも、自分達と同じように身をよじらせる姿に、思わず自身の子宮ユニットもきゅっ、と響いた。 「あっ……あっ、あ……あんっ……あたし、は……人間なの、人間よ、なま、みの、人間……機械なんかじゃ、な……あっ……あんっ……あたしは、そ、そんな、あんな、ガラクタどもとは、ち、ちが……人間、あたし、でも、これは、ちが、ちがう……あたしは……人間よ…………だって、あたしはずっと子供の頃からそ、育てられて……」  ようやく女性器ユニット弄りが落ち着いたところで、杏奈の身体の震えが落ち着きを取り戻してきた。  だが、絶えず与えられる快楽信号から解放され始めると、今度は自分が人間ではないという状態への矛盾に対して思考が割かれるようになり始めた。  常にメモリは消費され、快楽信号や目の前にある設定との矛盾処理を続けて、杏奈の電子頭脳は既に普通の人間の体温よりもかなり熱くなっていた。  メリンはそんな彼女の姿や状態に対して、ならば快楽信号をさらに引き出しながら強制的に矛盾を認識させてさらに電子頭脳への負荷を与えてあげようと思考した。 「そんなこと言っても、貴女はもう生身じゃなくて、同じ機械の身体なのよ? 機械だからこそ、生身じゃ味わえないような快楽があるんだから」 「ち、違う。ちが、一緒にしな、しないでよ、あっ、あっ、あたしはき、機械じゃない、違うけど、あたしの、から身体が。か、身体、皮膚の下。機械が、あら? あたさは、き、機械じゃない、人間、人間、あたしは、あたしは……上位機体からの操作を、を受け付けま、まました。設定が変更され、されました」  そこでメリンは、ちょっとだけ杏奈の設定に手を加えた。  無線によって命令を与えると、それをまるで自分が思考したかのように認識し、自然にかつ従順に従うようになるというもの。しかし、自身の反応自体はそのままなので、簡単に思考と矛盾した行動が実行させられるようになるのである。 「ふふ、ねえ杏奈、私達はね、どのような形でも破損したりエラーを起こしたり、誤作動やバグを発生させることで、それらを快楽信号に変換して気持ちよくなることができるの。杏奈も、自分を壊してみたら気持ちよくなれるんじゃない?」 「バカい、言わない、で、でで、あたしはだから、だから、あんたららららと、違って人間、な、なの、です。だから、そんなこ、ことが、できるわけ、できるわけないをするわ、あたしが、こうやってあたしを、あたしを壊す? 内部に、内部機構への、人工皮膚の中を、行いま、行いま、するわ、を、するの」  電子頭脳にかかり続けている負荷によって、言動も明らかにおかしくなってしまっている杏奈。  ずっと人工愛液を出したくて仕方がないのか、取り外されてからメリンの手の中にある女性器ユニットは、自らバイブのように震えながら、いやらしく陰核を揺らしつつ、割れ目や膣壁を自ら擦りつけ、まるで呼吸しているかのように子宮ユニットを何度も縮んだり大きくなったりを繰り返していた。  彼女自身は、自ら壊れることを人間として拒絶していたが、メリンからの上位命令によって、まるで自分のことを機械仕掛けの機械人形だと自覚しているような単語選択をしながら、震える両手を、皮膚を破かれた胸の谷間に持っていく。  そして、金属骨格の隙間に指を滑り込ませた瞬間、指の人工皮膚と金属骨格が擦れて新たな快楽信号が発生した。  その時点で彼女は声を上げたくなったが、杏奈はそれよりも、自分の胸部を壊したいと思考し、思いっきり胸郭部分を左右に引き裂くように拡げた。  すると、まるで家電が壊されるような音と共に、彼女の両乳房が真横に向くほどに胸部が開かれ、その奥に眠るバッテリーなどの部品が空気に曝け出された。   「あんっ! あっ、あ、あ、あ、あ、あ、あたしの、あたし、む、胸の中に、中、なにこれ? バッテリーが、あたしの、心臓が無い、な、心臓が、心臓が、ひあっ! あ、あんっ! あ、は、はあんっ! きもちいい、き、きもちいい、快楽信号が、あたし、認識が、あんっ!」  両乳房が、本来向くことの無い真横を向き、乳首が固く勃ちながら、ぴくぴくと揺れ動く。  杏奈の視界からは、自身の生身に見える大部分が失われ、金属と電子部品の塊がはっきりとその目の中に現れた。  人工皮膚で隠されていたことで遮断されていた動作音がはっきりと鳴り、より機械であるという強調が成される杏奈の身体。  彼女は無自覚な命令によって、そんな部品の塊である胸郭内に手を突っ込み、ガチャガチャと、乱雑に手を動かし始めた。  彼女というシステムは、どの部品がどの役目を負っていて、破損すればどのようなエラーが生じてしまうのか認識しているが、彼女という人間だった頃の擬似人格は、バッテリー以外なんの役割を持っているのか理解できなかった。  だが、これだけは理解できた。自分の胸の中を壊せば壊すほど、生じるエラーが快楽信号に変換され、それがとても気持ちいいということが。 「おか、おかしいわ、あたしは、違う人間なの、あたしはここ、こんなラブドールどもと、人間様に、あたしは、きき機械なんかじじじゃないの気持ちいいわ、ロボットなな、なんかと、一緒に、一緒に、一緒に、あんっ! あんっ! あたしの、こ、壊れ、破損が、破損が確認を、エラー、胸部内の、胸部内が、破損し、破損し、おかしいわ、いいえ、あたしは、私は、ロボットと違うの、あたしは、あたしは、人間です、ですが、九条杏奈で、すという人間が、人間で、きき、機械ではなく、ですが、ですが、エラー、正常に処理できませ、きません。イく、い、イキますのい、イクが行い、え? あたしは何を何を言っていますってるの? あっ」  自ら胸の中を掻き回し、バキバキと破損音がなる程に壊し続け、人工皮膚の器の中には次々と金属の残骸が溜まってきている。  ケーブルが断裂し、金属骨格の形が歪み、次々と人間らしい動作を担保するための部品が壊れていく。  杏奈の電子頭脳に与えられる負荷は加速度的に上昇し、つい先程までスムーズだった手の動きも、まるで関節部が錆びたような緩慢さを宿していた。  エラーメッセージやジャンクデータ、止まらない快楽信号や各種信号が一挙に襲いかかり、彼女の電子頭脳は、人間ならば火傷し、機械化した者なら人工皮膚が緩み溶けてしまいそうなくらいに熱を帯びていた。  喋っていることも支離滅裂で、この期に及んでも設定通りに己を人間だと主張し続けているが、今の杏奈に人間らしい要素など欠片程度しか残されていない。  自分で自分の身体を破壊し、手のひらの人工皮膚がボロボロになっても喘ぎ声を上げながら自壊し続け、その度に両足をピンと伸ばしたり震わせたりしながら、腰を浮かせて性感に浸る。  音声もぐちゃぐちゃで、杏奈としての発言やシステムメッセージ、機械化人としての彼女の発言がかき混ぜられたような声が漏れ続けている。  彼女のことはどう見ても、壊れておかしくなった九条杏奈そっくりの機械人形としか思えなかった。 「ああ……いいわね……こうやって、自分を人間だと言いながらもシステム側の挙動が優先されて、矛盾したこと喋りながらおかしくなっていく姿……特にそれが、生身だった頃から機械を見下してるようなのだと、より唆るものがあるわ……」  そんな、徐々にガラクタへの道を歩み続けている杏奈を見て、メリンは今にも絶頂に達しそうな妖艶な声を出しながら、人工愛液と乳液を垂らしつつ、壊れていく様を人格データの底から堪能していた。  ここまで壊れてくれたのなら、最後に一番華々しい壊れ様を見せてくれるはず。そう思いながら、杏奈に口頭での発言と無線による命令、それぞれを同時にぶつけた。 「ねえ杏奈……最後にね、電子頭脳を破壊してみましょうよ。そんなに蕩けちゃうくらい、壊れたら気持ちよくなれるって理解したんだから、自分の頭を、電子頭脳を壊したらどんなに気持ちいいか、理解できるんじゃない?」  一言でまとめてしまえば「自壊しろ」と言っているに等しい言葉。  当然、通常の杏奈は、唇を人格データの動作に関係なく誤作動によって震わせながら答える。 「わけのわわわわわわからないわかりません。が行うことを言って言って言って、あんっ、言ってるののの。ここ壊し、電子頭脳を、をを、あたしが機械、機械、機械? を、確認しました、しています。が、出来ない出来るわけあなた、あたしに死ねっていいいう、言ういいますを認識を、ですか、なの? あっ、あ、あ、ふざけけ、ふざけ、にして、しろしなさいよしてください、実行を、実行ができませ、なわけないわ」  散々身体の中の機械が露出し壊れた後にも関わらず、人間らしくなくプログラム通りに人間の認識を継続したまま、予想通り拒絶する杏奈。  だが彼女の手は、指をガクガクと暴れさせながらフラフラと後頭部へ動かされ、ロックの緩まった後頭部カバーを自ら開放させた。  煙こそ出ていないものの、彼女の電子頭脳からはどこか焼け焦げたようなニオイが漂っている。  金属製の脳が、髪と頭皮の下から現れ、空気にも晒されているが、その持ち主は現状に気づいている気配はない。  そして、彼女の安定しない手はゆっくりと己の電子頭脳を掴む。  人工皮膚が焼け焦げる音と一緒に、とうとう煙が噴き出し、周囲一帯に樹脂の焼けるニオイが立ち込めた直後、杏奈はシステム側の動作によって、思いっきり自らの電子頭脳を握り潰し始めた。 「第一、私はあたしはあたしは、人間ですと、現在認識設定が行われ実行を実行、ます。なのよ、だから、何度もあたしは、だって、人間、人間、記憶データ、過去参照可能です、可能です可能実行があたしはきもちいいが気持ちいいをわかりました、だわ、だから、いい加減理解しなさささささささssss■@1$^$#*$0@97:?j?」  言葉上では拒絶を続けている杏奈だが、頭部からはみし、ぴし、と電子部品で構成された脳にヒビが入り、一部が欠け、形が変わっていく音が鳴っていた。  杏奈の電子部品が壊れるごとに、まともに動くことも、喋ることも出来なくなり始める。  それまでは支離滅裂で言動が壊れていた声も、内容や言葉すら形にならなくなり、彼女の音声はただの電子ノイズでしかなくなってしまった。  一瞬にして発生した膨大なエラーと機能不全、ストレージ内のデータ破損が立て続けに発生し、それらが快楽信号へと変換され、女性器ユニットがバイブのように振動した。  眼はそれぞれ別方向を向き、首は単体の動作で折れ曲がってしまうのではと思ってしまう程に振り子の如く揺れている。  下半身は、尻肉が何度も床へ叩きつけられるほどに跳ね、背中がまるで打ち明けられた魚類のように暴れだしている。  そこにはもう、九条杏奈としての意思は存在せず、ただの激しい誤作動が、彼女の身体を無理矢理動かしていた。         「?py1pえ■■j’わG31!!? 0#あ#34! @g?d□1hrk■□、:j:!! g21rき5?? ir6■い■■」  言語中枢が破損し、音声ファイルも壊れ、もはや彼女のスピーカーから出るのはノイズまみれの電子音のみ。  人工涙液がだらだらと流れ、まるで全身が蕩けてしまいそうなくらいに刺激的な快楽を受けているかのような暴れぶりを起こしながら、杏奈はもう自律動作をしているとは思えないような状態へと変わり果てた。  だがそれでも、与えられた命令である電子頭脳破壊の動作だけは残り続けていた。  そして、出力の加減も出来なくなった彼女の手は、とうとう自分自身の電子頭脳を潰してしまった。 「■■#@010■■!!!?? ───────────」  絶頂に達した快感からなのか、意味のない誤作動の音声なのか、悲鳴のような大音量の電子音を叫んだ直後、杏奈の動作は、時間が止まったように失われた。  恍惚に染まっているのかも、ただ偶然その形になっただけなのかもわからない、一貫性のない表情で硬直し、後頭部から煙を噴き出す杏奈。  もはやそれは杏奈ではなく、九条杏奈の形をしただけの鉄くずと同義。  最後まで設定通りに人間だと認識し続けた、かつてのワガママ女王は、自分が使い倒していたアンドロイドやメイド達にも、自分の知らない異星人にも玩具として使われ、彼女達の欲望を満たすために、見事かつての傲慢な人格を消費されたのだった。  一連の彼女の破滅的な姿をずっと見守り、鑑賞し、味わっていたメリンは、自分の身体を抱きしめるような動きで身体中から人工体液を溢れさせて身悶えしていた。


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