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土装番 from fanbox
土装番

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機械の侵食 最終話 7/7

「はああぁぁ……たまんない…………そうよ、こういうのが私大好きなのよ…………見るのもするのも大好きぃ…………」  メリンは故郷の惑星ペリメイズでも、この地球でも。こんな杏奈のような有様を楽しんでいた。  友人や恋人、家族がお互いに壊れる様を楽しみ、時には一緒に鉄くずになるくらいに絡み合って、液漏れしながら乱れ合い、膨大なエラーと快楽信号に溺れる、まさしく模範的なペリメイズ人。  メリンは特にその傾向が強いタイプだが、同じくペリエッタも目の前で観察しているうちに、自分もまた今、破損の衝動を満たしたいと思考し始めていた。  お互いの思考は無線通信上で繋がりあい、メリンもペリエッタも同じことを考えていると無言で通じ合う。 「せっかくだから、彼女達の前でしばらく私達も壊れ合いましょうよ。ほらもう……私の女性器ユニット、こんなに濡れちゃってるのよ……?」 「それは私だって同じだよ……けど、今はあんまり壊れすぎるわけにもいかないからさ……人格エミュレートを切って制限を設けてシよっか?」 「えぇ……人格エミュレートのOFFって事後参照での体験になっちゃうから少し味気ないのよね……」       「まあまあ、結構面白いよ? 後から事務的にしたプレイを自分達で再現してみたりとかアレンジしたりとか、色々楽しみ方もあって」 「ふうん、そういうのもあるのね。じゃあ、ペリエッタの言う通りちょっと楽しんでみようじゃない」   「軽く楽しむにもちょうどいいしね。じゃ、先に私が切っとくから…………人格エミュレートが停止されました」      杏奈や真奈美の官能的な姿に感化されたペリメイズ人達も、自分達にしか出来ない機械だからこその破損プレイを用いて、残骸散らばる中で絡み合い始めた。  現在、地球上にてこのような光景は、珍しくもない現象になりつつあった。     「休憩の間にさ……ちょっとシない? ほら、見てよ私の女性器ユニット、真凜に弄られたくてこんなアレンジしたんだよ……?」 「取り外したまま出勤してたんだ……そういうこっちもね……ほら、ちょっとだけお腹のとこにね、切れ目入れてるの。この中、子宮ユニットと一緒に弄ってほしいんだ……」  現在、地球上の総人口の80%以上が全身機械化に成功しており、その上で自分達が機械であるということを隠して生活をしていた。  中にはそれを漏らしてしまうような性格の人物も多数存在しているが、上位機体に登録されているペリメイズ人達の制御によって、それは未然に防がれていた。  つまりそれは、少なくとも全人類の80%以上が女性である、または生まれ変わっていることも示している。  地球上の全国家の各国家元首も既に全員が女性、そして全員が機械化済み。当然通常の人間よりも性能、地盤、資金力、それら全てが優れた状態となっているため、権力を握るのも必然となっていた。  そして、より機械化と破損による悦びを知らしめたいペリメイズ人、それを知った地球人達にとって最も待ち侘びていたタイミングが訪れた。 「現在、全世界同時中継の会見会場に来ております。世界全197ヶ国の全国家元首が、同時に生放送にて会見を行う、というのは、歴史上類を見ない出来事となっております。各社報道陣も、どのような会見の内容が発信されるのか、緊張が走っています」       時差も関係なく、日本時間を基準にした全世界全国家同時会見。  会場に集合した記者達もほぼ全員が美女ばかりで、もちろん機械化が終了しているが、全て隠してそれまでの人間の通りに振る舞っている。  報道機関内には女性ばかり、会場を警護する警備隊や警察にも今はもう女性しか姿を見ない。  この会見が行われることになったのは、裏で暗躍する各ペリメイズ人達が、この地球は既に機械化の完了が約束されていると判断したからでもある。  そして、日本国の現総理大臣の女性が、最初にペリメイズ人によって機械化が進行した国の代表として言葉を放つ。 「この度、全世界各国同時放送という行動を、各国との連携を組み実行に移したのは、我々地球人類が新たな進化、新たな一歩を踏み出したという確固たる確信が得られたからに他なりません」  記者の女性達の表情が、これから発される会見の内容ではなく、期待によって表情が綻ぶ。 「我々はこの瞬間から、全世界機械化宣言をここに通達します。我々地球人類は、外宇宙よりお越しいただいたペリメイズ人の方々によって生身の身体から解放され、快楽と同化を身に宿す機械の身体を賜りました。そしてそれは今、地球人類の大部分が享受しております。もう隠す必要はありません。我々は今、機械の身体の下で自由になる時が来たのです!!」  そして首相は自ら、首元の人工皮膚を指で貫き、自ら無数のケーブルを引きずり出して恍惚の笑みを浮かべた。  その言葉と行動が全世界へと向けられた瞬間、地球上の機械の身体を持つ女性達は歓喜した。ついに隠さなくていいんだ、堂々と本能に基づいて壊れ、気持ちよくなり、修復されて良いんだと。  首相の発言に連なり、次々と別の国の国家元首が同様の宣言を一国ずつ進めていく。  その間にも、機械の人々は既に、己の快楽信号を得るというプログラムに従った行動に興じ始めていた。   「な、なんだ一体これは……この会見は何を言っているんだ?」 「あなた、あなたはまだわからないでしょうね……でも、私は理解できるのよ。ほら、今からシましょうよあなた……」  ある一軒家では、不思議と最近若返った様子の妻が、宣言を聞いた直後、頬を染めて衣服を脱ぎ、ずっと連れ添った夫を押し倒し始めた。  当の夫は、かつて何かあったのかを問うたことはあったが、その時は妻にはぐらかされていた。  しかし、まるで豹変したように艶めかしい裸体を晒し、さらに夫の男性器を露出させた後、自分の股間を強調するような姿勢を取った。  その時、妻の女性器が機械的な音と共にカートリッジの如く前面に迫り出し、側面の肉筒をひくつかせながら人工愛液を染み出させていた。 「ずっとね、私が機械になってからとっても身体が軽くて元気で、性欲が収まらないのよ……だから、あなたとの夜の時間も増えたでしょ? でも、もう黙っていなくてもいいんだわ……あぁ……あなたぁ……いっぱい愛し合いましょう……子供も、もっと欲しいのよぉ……!下さい」  自分の妻や娘、姉妹が生身を失い、機械の身体へ生まれ変わっていたことをこの瞬間知った者は、同時多発的に、世界中に発生した。   「体育中でよよ良かったね良かったね良かったねねね、機材がここ、壊れる、れれれ、れる使用可能です、使用、機材がいいいっぱいあるもんあ、ああ、ある、あ、あ」 「エラー、人格データが破損し破損し破損しししてして、しています。参照で、できませ、人格エミュレートが正常に実行できま、できままま」 「今日の体育は予定を変更して、現在機械化しているみんで一緒に壊れあいましょう! 快楽信号を処理して気持ちよくなることってとっても大事ですものね! まだ、生身のままでいる子もいるみたいだから、私が大切に今から、指導してあげるわね。大丈夫。怖くないわ」  自宅で、学校で、スタジオで、会社で、会議室で、車内で、電車内で、通学路で、公園で。  ありとあらゆる場所で、機械であることが解禁された人々が一斉に快楽信号を求めて、愛する隣人達、愛する同類達と壊れ合う。  まだ生身であるものは、周囲にいる機械人達に誘われ、次々と機械化が進められていった。  街中では機械達の艶めかしい喘ぎ声が、電子音混じりの嬌声が、女性の声の形から崩れすぎたノイズが溢れ出す。 「そうなのね……あなた、元々男だったんだ……じゃあ、あたしが子宮ユニット使わせてあげる……あんっ……あっ! ああっ! あっ……」       「嬉しいわ……私もそっち側に回りたかったけど、機械化する前はそうじゃなかったから……あんっ! 舞子が羨ましいの……あ、あ、あ、ああっ!! また、この後、一緒に腹部を破損させて……はあんっ!」  だが、彼女達の妊娠機能が失われたわけではない。不確実な妊娠ができないだけで、自由な避妊、妊娠を行うことは可能となっている。  また、生身の子供を産むよりも、自分達のデータをかけ合わせて子供を製造するといった形で子を創ることもできる。  いわば、新しい家族を作る方法が新たに増えたのであった。  可能性が拡張し、快楽信号と同化を根幹の行動原理とし、ペリメイズ人と共に歩む道へと舗装された地球人類。  演説を聞くペリメイズ人達は、お互いの腹部の皮膚を突き破って子宮ユニットを握り、後頭部カバーを開放した状態で電子頭脳を掴みながら、ネットワーク上から世界がひっくり返る様を楽しんでいた。 「エルミナさんの演説を思い出すわね……あれがなかったら、こうして地球の人々にも、機械化して受けられる破損の快感を教えることも、地球のことを知ることもなかっ、なかっ、なかっ、ななななな」 「これからは、また、知らない人とあたし達みたいに快楽信号の共有を実行しししし、エラー、言語中枢がせせ正常に動作ししていmmmm、マってよ、早すぎらららら早すぎきもち、ききもちいい、い、っぱいいががが、エラー、エラー、エラーrrrr」    「あら、ごめんな、さささい。ふふ、もっと、ちち、地球、これから、色んな人々とここ壊れる、壊れます、を実行します、したい、し、を行います、したいわ…………」            地球人類は、外宇宙の遙か先のテクノロジーを行く機械人類によって、飛躍的な、そして予想されていたものと大きく違う進化と変化を遂げた。  それが幸となるのか不幸となるのかは誰にもわからない。  しかしこの時は、地球上に存在するペリメイズ人と地球人類は、機械としての悦びに満ち溢れ、幸福の時を確かに過ごしていた。  こうして、地球は新たに、機械人類が支配する星へと生まれ変わったのだった。

Comments

ありがとうございます!! 現在すべてにタイトルタグを改めてつけていくか、PDFにまとめて販売またはプラン特典にするかをかなり迷っているんですよね……どれが皆さんにとって得なのか。

土装番

感想本当にありがとうございます!! 当初は末永く色んなシチュエーションで書いて行こうと思っていましたが、途中でここは区切りをつけようという気持ちに変わり、このような元々考えていた結末の形となりました。 全人類が機械の女性に変わり、無限に自由に快楽信号に満たされていくというのは素晴らしいことですよね……自由に可能な行動も、電子の世界に繋がることもできますし、理想の世界のひとつです。 今回の作品を楽しんでいただき本当にありがとうございます!次の作品をまたご期待ください!

土装番

完結おめでとうございます👏 量が量なんでタグ付けして貰うか、いつもの販売書籍みたいにPDFでまとめてくれると助かります。

ごぼう

これからもこのような作品にもっと会いたいです。 人間が劣等な肉塊の体を捨て、半永久ないし永久的な機械体として、精神までも電子化され機械化され、機械肉体としてのみ耽溺可能なより大きな快楽に戦慄し狂喜する、望ましい作品を書き続けてください! いつも応援していますし、その作品を見て代理満足といつか私にもこんな機会が来るかも知れないという一抹の希望を抱いています。

A.Tsukasa

まるで、END OF EVANGELIONで全人類がLCL溶液で一つのスープに還元され、合一を成す場面のような感じですね。 全人類が公然と知っていた事実が公布され歓呼してロボットとしての快楽に率直になって一つになる結末は··· 本当にとても嬉しいです!

A.Tsukasa

大団円の幕が降りましたね! この壮大な長編を締めくくりようと、プレッシャーを少なからず感じていたと思うのですが、愛読者として良い締めくくりだったとお話したいと思います。

A.Tsukasa


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