エナドリ配りのキャンペーンロボットたち 1話先行公開版 1/2(文字数制限に引っかかったらしいので分割)
Added 2024-09-19 10:11:21 +0000 UTC現代よりもやや離れた未来の時代。機械工学や人工知能など、様々なテクノロジー分野は未来の時代へ進むごとに飛躍的な進歩を遂げ、より人類の世界はさらなる利便性と新たな幸福をもたらしつつあった。 だが、未だ世間一般にはアンドロイドやロボットが普及しているような様子はなく、それらが世に出るのはまだ先であると噂されている。 と同時に、新たなテクノロジーが生まれ、旧来の技術がより進化しさらなる発展を遂げていても、人々が労働から解放されることはまだなかった。 むしろ新たな仕事が生まれ、より専門性の必要な業種やデスクワークに傾く労働者も増加し、人々の手足、頭を動かす時間は増えていったといっても過言ではなかった。 そんな頭と身体を働かせる人々にとって、長年の間推進剤として親しまれてきたのがエナジードリンクである。 糖分とカフェイン、ビタミンやアルギニン、生薬由来の有効成分などを一つの飲料にまとめ、炭酸の爽やかな口当たりと共に流し込んで一時的に眠気や疲れを吹き飛ばし、より仕事や遊びに己を傾けられるようにする、いわば人体のブーストのような存在。 それを作る企業は複数存在するが、その中でも一際存在感を放つある企業が存在した。 これは、そんな企業が大々的に実行しているキャンペーンの一環の裏にある秘密にまつわる話である。 * * * ある島国の首都、その中のとある主要駅の駅周辺から少しだけ離れた場所にて、思わず目を引く小さな催しが行われていた。 「現在ブルーバードの配布を行っていまーす! こんな時だからこそ、元気の出るブルーバードいかがですか!」 「ありがとうございます。これからもブルーバードをよろしくお願いします」 程よく人通りのある道の中で、ロゴ入りの衣服を着た二人の美女が、巨大な缶型のクーラーボックスと共に道行く人々に声をかけ、キンキンに冷えたエナジードリンクを配布していたのだった。 彼女達が宣伝しているそのドリンクの名前は「ブルーバード」。現在エナジードリンク業界にてほぼ独走状態と言っても良いほどのシェアを確保している大企業、そしてその名前を冠したドリンクの名称である。 エナジードリンクといえば、と聞かれればほぼ確実に挙がるであろうブルーバードは世界中で人気であり、ドリンク以外にもスポーツや娯楽施設など、宣伝目的で様々な事業に手を出している。 比較的新興企業でありながらも、現在資金は非常に潤沢であり、まさに王者と言っても過言ではない存在であった。 そんな企業が、ある種の草の根活動とも言えるような宣伝を街なかで不定期にかつ頻繁に行っていた。それが、ドリンクの無料配布キャンペーンである。 誰もが思わず視線を移してしまうような、非常に整った美しく扇情的なスタイルと、それぞれの個性を持ちつつ一目惚れしてしまうような美貌を持った女性二人組が、クーラーボックスと共に通行人へ250ミリリットルの缶を配布する。 女性は常に笑顔を振り撒き、手渡しで冷えた缶をプレゼントしてくれる。 それぞれの女性で身に着けている衣服はやや変わってくるが、そのどれもが共通して活発的な印象を抱かせるような、かつボディラインはハッキリと出るファッションとなっている。 時には腕や脚を露出して素肌が晒されていたり、巨乳ぶりから渡すときに谷間が現れたりと、情欲をそそるような仕草も、渡す人物によっては表出していた。 その宣伝効果は大きく、彼女達の存在が購買意欲にも繋がっており、キャンペーンが行われた場所ではブルーバードの売上が上昇している調査データも確認されている。 彼女達もまた、ブルーバードというエナジードリンクブランドを象徴する存在となっているのであった。 「すみません、一本頂いてもいいですか?」 「もちろんです! ブルーバードを選んでいただきありがとうございます!」 そんな街なかで、現在屈託のない笑顔で通行人の一人に冷えた缶を渡している女性の名前はリンカ。 ブラウンのショートヘアーで、可愛らしさの中に美しさもどこか宿っているような綺麗な顔立ちの女性。 見た目の年齢は20代前半頃で、全体的に元気な雰囲気や活発的な印象を、その声や容姿、表情から抱かせる。 胸は平均よりも明らかに大きく、正面に突き出すほどにハリがあり、ドリンクを両手で手渡し、缶の蓋を開けてあげる度に衣服に谷間のシワが出現する。 彼女はいつも、両腕両足の素肌を晒す衣服を身に着けているが、そんな姿がとても映えるスタイルの良さと、女性の平均よりも高い身長を持っており、まさにモデルをしていてもおかしくないような、完璧な容姿を抱いていた。 「あの、一本もらってもいいですか?」 「もちろん、構いませんよ。どうぞ、これからもブルーバードをよろしくお願いします」 一方で、明るい振る舞いのリンカとは対照的に、やや落ち着いた雰囲気でお淑やかな微笑みを見せ、丁寧な所作でドリンクを渡している女性の名前はカオリ。 ほんのりとブラウン気味の色を含んだ黒髪かつ額を晒したセミロングヘアーで、リンカよりも大人びているスッキリとして非常に整った、美しさと女性的魅力が強く宿っている顔立ち。 容姿年齢は20代中頃で、丁寧な接客的態度と落ち着いた対応を常にどんな時も行っている、まさしく経験豊富そうな雰囲気に満ちていた。 胸のサイズは、元々ボリュームのあるサイズをしているリンカよりも明らかに大きく、リンカがハリのある主張した乳房ならば、カオリは突き出しながらも柔らかさを感じさせるような乳であり、それぞれまた違った乳の魅力に溢れていた。 それでいてボディラインは同じくかなり整っており、ファッションモデルのようなラインに、スラっとした長い脚。容姿のイメージに合った、凛としていて落ち着いていながらも透き通るような耳心地良い大人の女性の声。 肌の露出は腕だけながらも、セクシーという言葉をまさに体現しているような魅力的な女性である。 そんな二人の美女がエナジードリンクを配る姿は、男女問わず目を引き、最低でもちらっと視線を移すことになっていた。 男性の殆どは眼福という他ないような二人の立ち姿や振る舞いに釘付けになり、女性もファッションモデルがリアルに飛び出し目の前にいるかのような姿に、思わず感心していた。 キンキンに冷えたブルーバードは、次々とクーラーボックスの中から取り出されては手渡されていく。 リンカとカオリが直接取り出し、自ら目の前で蓋を開けて手渡してあげることで、すぐに飲んでもらう効果を伴いつつ、美女に思わず触れられそうな直接的なやり取りを行う接触効果も生まれて胸を昂ぶらせる。 様々な思惑が渦巻く彼女達の宣伝活動は、見事なまでに効果を発揮し、ボックス内の在庫はどんどん消費されていった。 そして、ブルーバードの配布を行っている美女はリンカとカオリだけでなく、ゲリラ的に行われる各所の商品配布のどれもが、彼女達に勝るとも劣らないような美女や美少女ばかりだった。 それらもまた、この突発的イベントが人気である理由のひとつでもあった。 「こんにちは! 現在ブルーバードの配布を行っています! 一本いかがですか!」 「おうあんた、めっちゃくちゃエロいなぁおい……なあ、それもらってやってもいいからさ、ちょっと胸とか腕とか顔とか触らせてくれよ」 だが、そんな魅力溢れる彼女達でも、人通りのある程度多い街なかに出てくる以上、トラブルが生じないわけではない。むしろ、より引き起こされやすくなる。 人々が道の途中でふらっと引き寄せられたり、思わず意識が反れてブルーバードに吸い寄せられる中、一人の男性が、直接彼女達目当てであることを隠さずに近づき、リンカに向かって露骨なセクハラ的言動をぶつけながら、舐め回すように顔や胸、腹部や腰へと視線を移した。 「ごめんなさい、私はそういうのやってないんです。なので、その代わりにブルーバードはいかがですか? 今なら無料で一本お渡ししますよ!」 だが、リンカはまるで聞いていないような突き返す反応を向け、そのまま流れるように缶を一本持って手渡そうとする。 しかし、男は眉を潜めながらそれを叩き落とした。 リンカの視線はじっと男性の方を見つめ、手は缶を乗せた時の形を保ち続けていた。 「わかんねえ奴だな。マニュアル通りの対応ですってか? そういうの求めてねえんだよ俺は。そんなエロい身体しててよお、勿体ねえだろ。ほらここで踊るとか露出とかしてみろよほら」 男性がたて続けに自身の情欲を剥き出しにした暴言をぶつけている最中、リンカの視線は男性の方から、落下し中身が飛び出た缶の方へと一瞬移る。 そして、前に出した手を崩した次の瞬間、リンカは男性の腕を強く握り、関節技を極めた。 「いでででででで!! や、やめろ! いでえ!! 何すんだこの女!!!」 「私達の商品を破損させて、その上私達への危害を加えようとしましたよね? そんな相手には容赦しませんよ。勿体ないことまでして、ただで済むと思ってるんですか!」 男性はなんとか抵抗しようとするも、細身の女性とは思えないような力で制圧され、抜け出そうにも抜け出せず、ひたすら声を上げることしかできなかった。 一方、その間にカオリは、まるで我関せずというような雰囲気で、地面に落とされ破損した缶を回収し、中身をクーラーボックスの脇に備わっている廃液入れに流し込み、その隣の空き缶入れに捨てた。 そうして、もう耐えられないとギブアップした男性は、全身を使って振り解こうとする動きで抵抗する。それを察したリンカは、自ら手を離してあげた。 「チッ、ふざけてんじゃねえぞこのクソ女ども!!」 男性は最後に、地面にツバを吐きつつ捨て台詞をぶつけ、怒りを抱いたままその場を去っていった。 だがその頃には、リンカとカオリの意識は、すぐ側でその現場を目撃していた通行人の方へと向いていた。 「お騒がせしてすみません。でも、心配なさらなくても大丈夫ですよ。あたし達はこういう状況にも対応できるようにしてますので」 「騒がしくしちゃってすみません。でも、もう大丈夫ですよ! さて、ブルーバードを飲んでみたい方はいらっしゃいますか!?」 二人の見事かつ鮮やかな立ち回りを見た通行人は、思わず彼女達に賛辞の拍手を贈った。 それから、先程まで飲もうと思っていなかった人々が一人、二人と、次々に缶を手に取っていった。 こうして、リンカとカオリは、クーラーボックス内に保管されている缶を見事、全て捌き切り、この場での配布作業を終えたのであった。 今回の指定場所での配布作業を終え、クーラーボックスと共に移動を始めるカオリとリンカ。 共に歩く姿は非常に綺麗で、一歩一歩が美しく殆どブレを感じられない。 「さっきは大変だったわね。ああいうこともあるとはいえ」 「そんなこともありますよね。他の方々からもああいう話はあるみたいですし。そういえばカオリさん、あれ観ましたか? この前言ってたドラマの最新話!」 「そういえばまだ観てなかったわ……更新日の時疲れててそのままベッドで寝ちゃってたもの」 お互いの顔の方に視線を向けつつ、彼女達の足は真っ直ぐ左右にブレることなく歩き続けている。 まるで歩き慣れた道であるかのように、曲がり角では正確なタイミングで方向転換を行い、会話が中断されることなく一定間隔の歩幅を保って移動を続ける。 談笑をしながらしばらく歩いた後、彼女達は人気の少ない駐車エリアに停められた、見た目かなり目立つ車両へとたどり着いた。 その車は四人乗りで、普通の四人乗り車両よりも少々後部座席やスペースが広めな印象を受ける。 車両全体には、ブルーバードのロゴと共に、ブランドのイメージカラーである青白の意匠が各部に満遍なく施されている。 さらに車両の背面部には、オブジェのような巨大なブルーバードの缶が大砲のように乗せられており、その下のスペースには、二人が運んでいたクーラーボックスを収納するスペースが備わっている。 まさに宣伝カーと呼ぶに相応しい外観と機能を有している車両となっていた。 そんなインパクトの強い車両に、他の何かに導線を傾けられることなく真っ直ぐ向かうリンカとカオリ。 すると、運転席に座っていた一人の女性が、外へ出て彼女達を迎えた。 「お疲れ様ですリンカさん! カオリさん!」 とても明るい雰囲気と声で手を振って二人に呼びかけてきたのは、現在運転手を務めているサキ。 二人と同じロゴ入りの衣服を身に着けており、容姿は全体的にだいたい二十歳程の印象。 二人よりもかなり少女性とはつらつとした雰囲気に満ちており、アイドル顔負けの可愛らしい顔立ちを持ち、それでいて負けず劣らずの魅力的かつ洗練された体つきをしていた。 言動は元気な後輩的で、美しい先輩二人を慕っているような気配がありありと感じられた。 「まだ予約してないのよね……そろそろ考えたほうが良さお待たせサキ。今日も運転手役ありがとね」 「こういうのってタイミングが測りづらくてむずかしお待たせサキちゃん! 今日は早めに捌けたよ!」 サキの声を耳にした二人は、不自然なタイミングで会話をぶつ切りにし、手を振って彼女への声掛けを優先した発言に切り替えた。 サキの方も、明らかに聞こえているにも関わらず、そのどこかおかしい言動に突っ込むことなく、クーラーボックスの格納の手伝いをしたりと、移動の準備を協力して進めていた。 「一旦在庫の補充をしてからまた移動でしょ?」 「そうですね! 今回は補充の後で次の移動場所が指定されるので、スムーズにいくと思いますよ」 「次はどこになるのかなー。できればトラブルが起きなくて、人通りのある場所だといいんだけどなー」 「えっ、お二人共何かあったんですか!?」 サキもまじえた談笑を繰り広げながら、まるで熟練した手付きな無駄のない手の動かし方で、クーラーボックスを格納していく三人。 そして、喋りながら車内へと足を踏み入れた瞬間、彼女達に異変が起きた。 「そうなのよ。さっきね、リンカが面倒な人に絡まれ…………」 「あれはちょっとビックリし…………」 リンカとカオリの喋りが、内容の途中にも関わらず音が消えたようにせき止められ、どこか瞳の奥に虚無を感じるような微笑みへと表情が変わった。 それから、無駄のない所作でシートベルトを着けた直後、彼女達は首筋に指を置き、爪を自分の皮膚に食い込ませた。 次の瞬間、皮膚がまるでカバーのように四角に外れ、その下から端末機器に組み込まれているような複数の接続口と、ボタンのような何かが姿を現した。 彼女達が座ろうとしている座席には、椅子の下から生えてきたような、長めの接続端子つきケーブルが飛び出している。 リンカとカオリは、それを自分の首へ躊躇なく差し込み、同じ角度、同じ姿勢で座り込んだ。接続の直後、彼女達の身体は一瞬、びくんっ、と震える。 それに倣うように、サキも楽しそうな笑顔を見せながら運転席に乗り込む。すると、彼女も同様に個性のない微笑みへと表情が切り替わり、それまで騒がしかったにも関わらず、すぐに静かになった。 首筋のカバーを開き、サキの場合はさらにもう一本、ケーブルを首筋に接続し、同じく斜め上の方に視線を向けて座り込む。 すると、未だエンジンをかけるような仕草をしていないにも関わらず、車両は突然唸りを上げた。 そして、サキの両手は膝の上に置かれているにも関わらず、ハンドルとアクセルが独りでに動き始め、車両は非常に丁寧な動作で駐車エリアを後にした。 「待機スポットからの命令を受信しました。在庫補充量の調整内容を確認しました」 たった今晒された挙動の通り、リンカやカオリ、サキ達をはじめとした、ブルーバードの街頭配布キャンペーンを行っている女性達の正体は、生身の人間ではなく全身が樹脂と金属で構成されたアンドロイドだった。 ブルーバード社は、世間一般には一切公表することなく、広大な土地の中に巨大なアンドロイド製造工場を設立。 そこから何年にも渡って女性型アンドロイドを製造し、自社の関連事業の中で稼働させ続けていた。 現在、ブルーバード社内には無数の美人女性社員が存在しているが、誰一人として生身の人間は存在せず、全員がそこで製造された機械人形である。 彼女達は、まるでそれぞれに自分の人生があるかのように振る舞い、話し、人間を演じて人々の前に現れる。 配布を終了して車両へ戻る最中のリンカとカオリが談笑していた内容も全て、彼女達に組み込まれた設定に基づいて自動生成され、その中で自然な会話になるようにリアルタイムで調整された言葉。彼女達がブルーバード内で稼働している間はプライベートなど存在せず、会社側から与えられた命令に従いながら人間女性のフリをしているだけである。 現在、サキが運転席に座っている専用車両も、ブルーバード内製の特別車両であり、サキが電子頭脳との接続を行い、操縦桿となって自動操縦を行う形で運転をしている。 つまり三体が乗り込んでいるこの車は、正真正銘の動く鉄の塊も同然なのだった。 「BBFA00010547より、ブルーバードスポットへトラブル情報の送信を実行。被害機体は同行したBBFA00034018。加害者の顔データは当機体、及びBBFA00034018のストレージ内に映像データとして保存されています」 移動中の社内で、カオリは口だけを動かしてまるでアナウンスのような、抑揚のはっきりとしていながらも非常に淡々とした喋りで、車内空間に喋り始める。 彼女達は普段、それぞれに人間の女性らしい名前が設定されているが、それらは人間と対面することを想定されたことで与えられた記号であり、名字も存在せず、アンドロイド同士だけの空間内では、自分達のことは割り振られた製造番号で呼称している。 リンカはBBFA00034018。カオリはBBFA00010547。そしてサキはBBFA00076419。三体の中ではサキが最も新しく、カオリが最も古い機体となっている。 外部の人間が割り込まない空間で、彼女達は無線ネットワークを通じてブルーバード側が各所に設置し管理するサーバーへとアクセス。 街頭での配布サービスを行った際の配布状況や視覚映像、受け取った人々やその地域の通行人の年齢層や服装、眼球ユニットを通して得られた映像データと、耳の集音ユニットから得た音声データなど、全ての情報を送信。さらなるマーケティングの材料にする。 魅力的な女性でありながら優れた情報収集機器にもなりうる彼女達は、ブルーバードにとって非常に重要な存在となっていた。 そして、しばらくそのような調子で道路を走り続けた先にたどり着いたのは、通行人の多い通りからは大きく外れた場所にある、外見はまるで街工場のようにしか見えない無骨な雰囲気の場所だった。 入口周辺を無数の警備員が監視しているそこは、ブルーバードスポットと呼ばれる場所であり、工場から運搬されてきた大量のブルーバードの保管と、アンドロイド達の管理と格納を行っている。 当然警備員達もアンドロイドであり、女性の形をした動く監視カメラのような存在となっている。 サキの運転する車両がスポット内へ入っていると、まばらではありながらも、同じロゴ入りかつ巨大な缶を背負った車両がいくつも停められている駐車場へと向かい、非常に丁寧なハンドル捌きで駐車した。 サキはずっと真正面を向いているが、車両後部に取り付けられたカメラとも接続していることによって、後方の状況がはっきりと確認できている。 駐車が完了し、エンジンが止まった後、リンカとカオリは首筋のケーブルを取り外し、ほぼ同時にドアを開けて外に出た。 「…………から意外と距離あるんですよねー。私はそれくらいだったら大丈夫なんですけど、もう少しいい感じに店出来ないかなーって思っちゃうんです」 「…………いわよね……あたしも前にそういうとこ住んでたから気持ちわかるわ。引っ越すのが一番ではあるけど、そんなに気軽に出来るものじゃないしねぇ……」 すると、リンカとカオリはまるで車内でずっと雑談していたかのように、存在しない会話の途中から喋り始め、それぞれの擬似人格に応じた表情を取り戻しながら、車両後部から空っぽのクーラーボックスを取り出す作業に入った。 現在、彼女達がいるブルーバードスポットは、ある程度人通りの多い場所から距離を取っているといえども、人が必ずしも通らないわけではない。人間の気配が発生する可能性がある場所では、そこにアンドロイドではなく人間がいるという雰囲気を醸し出させるため、彼女達には会話をさせるようにしている。 二体は人間社会で生きている女性のような会話を繰り広げるが、車内で待機しているサキは、未だアルカイックスマイルを保ったまま、斜め上の方向をじっと見つめ続けていた。 それからリンカとカオリは敷地内の建物の中へ向かい、切らしたブルーバードの補充を行い、それが終了すれば改めて次の指定された配布場所へと移動する。 そんな行動を一日の中で繰り返しつつ、稼働時間が終わりに近づくと再びここへ戻ってくる。 これが彼女達の日常であり、製造元のブルーバードから与えられたプログラムである。 エナジードリンク販売と宣伝のために、生きた人間女性のフリをして稼働し、組み込まれた人格と認識に基づいて動き続ける。それが彼女達の存在意義であった。 しかし彼女達には、無料配布キャンペーン以外にも、様々な役目が与えられている。それは一般人の目には入ることなく、そして披露されることはないものであり、一部の人間しか知り得ない情報でもあった。 * * * 同日の午後の昼下がり。 空っぽになったクーラーボックスを満杯にし、改めて稼働の準備が整ったリンカとカオリは、先程まで配布していた場所とはまた別の場所へと移動し、再び声を出しアピールしながらの宣伝を再開していた。 「現在ブルーバード配布していまーす! 是非いかがですかー!」 「ありがとうございます。はい、どうぞ。これからもブルーバードをよろしくお願いしますね」 現在彼女達がいるのは、主要駅から少し外れていながらも、駅周辺がそれなりに充実している場所。 時間帯もあって、それまで配布をしていた場所に比べると人通りが少なく落ち着いているが、それでも彼女達は人気であり、少しずつながら改めて補充したブルーバードは次々と数を減らしていった。 リンカとカオリは、ずっと同じことをし続けているが一切退屈そうな表情も態度も見せず、常に笑顔と丁寧さを持って仕事に励んでいた。彼女達がそうプログラムされているからである。 ブルーバード製のアンドロイドの背中には、もしもの時の為にクーラーボックスまたは彼女達の電力を共有するための充電口が皮膚下に備わっている。 首筋にある接続口でもそれは可能だが、人々の目から隠しながら、何かしらの予期せぬ事態でどちらかのバッテリーが切れかけた時に使用されるものである。 しかし普段は、度々補給に向かうか、車内で電力供給されるため、滅多にそのようなことは起きない。 今回のタスクでも、全うにドリンク配布を進めながら、それぞれの器官から情報収集をしつつデータを保管し笑顔と好意的な態度を振りまいていたその時、一人の男性がカオリの方へ近づいてきた。 「こんにちは、現在ブルーバードの無料配布イベントを行っています。一本いかがですか? とっても冷えていますよ」 カオリはプログラム通りの宣伝セリフを吐きながらいつも通りに対応する。 「ああ頼むよ。ブルーバードのことはいつも応援してるよ」 男性は返事のような言葉を彼女の目を見て口にしながら、差し出された缶を取りつつ手元の携帯端末の画面をタップした。 その時、カオリはすぐに返答せず、2秒程固まったように男性の顔を見つめ続けた。瞳のレンズの奥では、絞りが一瞬拡縮を行う。 「…………ありがとうございます。これからもブルーバードをよろしくおねがいしますね。では、指定場所でお待ち下さい」 普段のそれとは明らかに違う返答をして、再び本来の配布作業へ戻るカオリ。 まるで何事もなかったかのような雰囲気だが、男は携帯端末の画面を眺めながら、その場からすぐに離れていった。 リンカとカオリはその後も、平常通りにドリンク配布を続け、少しずつクーラーボックスの中身を減らしていく。 「リンカ、そろそろ行きましょうか」 「そうですね、行きましょうか!」 そして、謎の男性との会話を行ってからちょうど10分が経った頃、カオリは未だ缶の在庫がわずかに残っているにも関わらず、配布を打ち切ることにした。 リンカもその判断に何の疑問を抱くことなく彼女の言葉を受け入れた。 「ごめんなさい、今回の配布は終了してしまったんです。またいつか機会があったら、その時はよろしくお願いしますね!」 離れようとした直前に、通りすがりの男性がリンカに缶が余っているかどうか質問したが、彼女は在庫があるにも関わらず、垂れた眉と謝罪の表情と共にお断りの言葉を申し訳無さそうに入れて、そのままクーラーボックスを動かし去っていった。 いつもの如く、二体で隣り合いつつサキと車両が待機している駐車エリアへと歩いて向かう二体。 しかし今回は、お互い微笑みの表情を浮かべながらも一言も喋る様子はなく、いつもより少し早く不自然な範囲ではない歩行速度で移動している。 この時、彼女達の電子頭脳内では、無線ネットワークを通じてあるデータのやり取りが行われており、そちらにリソースを割かれていることで人間らしさを演出するカモフラージュとなる会話を削っていた。 それからずっと無言のまま移動を続け、駐車エリアへ戻ってくると、宣伝カーにある異変が起きていた。 外観には大まかな変化は無いものの、窓から外の様子が見えなくなっている。 運転席にいるはずのサキの姿も見えないが、二体は何も気にすることはなく、クーラーボックスを収納スペースに格納。 そして、そのままいつもの流れで後部座席のドアを開ける。 「おお、待ちくたびれたぞお前ら。早く入ってこいよ」 するとその中には、本来ならば誰もいないはずなのに、先程カオリが対応した男性がまるで知り合いや友達かのような態度で居座っていた。 後部座席はシートが前に倒されており、広々とした空間が既に確保されており、ひとつの小さな部屋のようになっていた。 リンカもカオリも、配布中に出会った数々の男性の一人がいきなり専用車両の中に居座っていることに驚愕するかと思いきや、彼女達はまるでそれを最初から知っていたかのようにたじろぐこともなく、平然とした態度でかつ微笑みを保ったまま車内へ入り、ドアを閉じて鍵をかけた。 「お待たせしました小林智也様。本日はあたし達が招待会員てある貴方様に奉仕をさせていただきますね」 「待たせてごめんね智也様! 私達の身体、いっぱい自由に使っていいからね!」 外界から隔絶された瞬間、リンカとカオリは自ら身に着けている衣服を脱ぎ始め、樹脂と金属で形作られた極上の女体を曝け出した。 それまで喋っていなかった彼女達は、まるで制限が解かれたように話し始めるが、今日初めて出会ったばかりの男に対して様付けで名前を呼びながら、嬉しそうな表情で奉仕の宣言を告げた。 「はは、今回のは結構好みだな……あそこで見たときから思ってたけどかなりいい感じじゃねえか」 「ありがとうございます、智也様。あたし達の身体を褒めていただき光栄です」 「ありがとう! 嬉しいよ智也様! 私達の身体はお客様に使ってもらうためにあるからね!」 ブルーバードが提供している、世間一般には一切公表していないシークレットサービス。それは、自社製造の女性型アンドロイドを使用した性奉仕及び利用サービスだった。 ブルーバードでは本来、ホームページやSNSなどの様々な媒体で無料会員や有料会員といった系統のサービスは行っておらず、そのようなことを行う入会ページも存在していない。 しかし、一切開示されていないとある条件を満たすことでブルーバード側からの接触が行われ、招待会員としていくつもの極秘サービスを受けることができるようになる。 そのひとつが、現在リンカとカオリが行おうとしているサービスとなっている。 日によって変わる特定のワードを街なかで配布中のアンドロイドに向けて喋りながら缶を受け取り、同時に招待会員のみに提供されているアプリの操作を行うことで準備は完了する。 あとは宣伝カーの中で待機し、車内でするかブルーバード側が提供している場所に移動し彼女達を使うか選ぶことができる。 智也は今日それを利用し、リンカとカオリを使って性欲を発散しようと実行に移したのだった。 二体は身に着けている下着まで全て脱ぎ捨てて女性器ユニットを晒し、完全に一糸まとわぬ裸体となった。 両者の豊かな胸が、隣り合うことでくっつきあって潰れ、より官能的な光景を作り出す。 「へへ……やっぱこういう光景っていつ見てもたまんねえよなあ……」 「そう言っていただけて嬉しいです、智也様。さあ、どのようにあたし達を使いますか? 何なりとご命令してくださいね」 「私達の整備は万全だから、どんな風に扱っても構わないよ! 乱暴してもいいし、どんな要望も受け付けてるからね! だって、私達智也様のことが大好きだし……」 リンカとカオリは、智也とは初対面であるにも関わらず、まるで心の底から惚れた恋人であるかのように視線を釘付けにし、全てを捧げるような言葉を躊躇わず口にする。 彼女達は、招待会員から特定の操作を受けると、ブルーバード側のサーバーとアプリ側から会員情報を取得し、それをもとにして名前や顔を知る。 そして、最初から好感度を最大まで設定され、招待会員が行うことは規約違反にならない限りはどんなことでも受け入れるようにプログラムされているため、初めて会った相手にもこのような突然惚れたような発言や非常に従順な態度を取っているのであった。 「すぐにヤりたいとこだが、ちょっと気合は入れときたいからなぁ」 智也は、設定された通りに媚びた振る舞いをする彼女達の姿を目で堪能しつつ、まずは何をしようかと考える。 性行為を始める前に気持ちを昂ぶらせたいという結論に至った智也は、まずカオリの方に顔を向け、豊かな乳房へ視線を差す。 左手を右乳の下に置き、右手で揉みしだき始めると、カオリは柔らかく形を歪める乳房に合わせて頬を赤らめ表情を崩し始めた。 「あっ……ぁ……あんっ! 智也様……あっ…………とっても……ん……気持ちいいです……あんっ!」 嬌声を上げて小さく身体を震わせるカオリの姿に、リンカは少し羨ましそうな表情で両者の行為を見つめる。 カオリの胸を弄り続けていくうちに乳首が固くなり始め、乳頭の先が目立つようになっていく。 二本指を固くなった乳首へと持っていき、捏ねくり回すように刺激し続けていくと、リンカの喘ぎ声はさらに激しくなっていく。 「あっ! あっ、あっ、あっ、あんっ! 智也様……ぁ……とっても……あんっ! あたしの胸が、あっ、いっぱい刺激されて……はあんっ! 幸せです……ぁ……ああっ!」 まるで本当に生きているかのような、艶かしく生々しいリンカの反応に、智也の性欲はさらに煽られていく。 そして、しばらく彼女の乳を弄り続けていたその時、リンカの左乳の先から、母乳ではない鮮やかな黄色の液体が噴き出し始めた。 「あっ! あんっ! あ、あ、あああっ!!」 それに連動して、快楽信号が一気に増大し、リンカは乳の位置を保つように上半身の動作を調整しながら背中を仰け反らせた。 たった今リンカの胸から噴き出した液体。それは、ブルーバードの中身だった。 智也は、乳から溢れ出したそれを、乳首を咥えて噛みながら吸い込み、一気に飲み込んでいく。 乳から吸われる度、乳首に固い刺激が与えられるごとに、貫くような快感が電子頭脳に与えられ、表情を蕩けさせた。 「やっぱ、こいつらの身体から飲むエナドリは倍増しで美味いな」 樹脂と金属で構成された彼女達の身体から出るエナジードリンクは、本質的にはドリンクサーバーとなんら変わりはなく、それがただ魅力的な女性の形をしているだけ。 だがその一点が、人間にとっては最高の娯楽であり性欲を煽り立てるたまらない存在となる。 快楽信号を処理し続け、まるで果てているようにドアに寄りかかりながら、両乳首の先からぽたぽたと中身を垂らし続けるカオリ。 一旦彼女のことは置いておき、今度はリンカの方へと意識を向けた。 「おい、お前リンカって言ったっけな。お前は俺の前にアソコを突き出せ」 「一度セックスに用いると、私の中に入ってる残りのブルーバードは衛生的問題で飲めなくなりますけど、大丈夫ですか?」 「構わねえよ。まだカオリの方が残ってるんだからな」 「わかりました智也様! 私の女性器ユニット、ご自由に使ってくださいね!」 早く使ってほしそうに両者の情事を見つめていたリンカは、自分の番が来た瞬間に嬉しそうな表情を作り出し、命令に従って喜んで己の股間を突き出した。 一切の無駄毛やシミのない、つやつやとした新品のようで本物と一切遜色のないどころかそれ以上の官能的な質感のある女性器ユニット。 智也の性欲をさらに煽り立てようとしているのか、彼女の秘部は時折ひくっ、と動いている。 「俺がやるよりも、まずお前が自分で弄るとこが見たいな。それで出してくれよ」 「わかりました智也様……あ、あ、あっ! あんっ! あぁぁ……智也様……ど、どうですか……あんっ!」 リンカは全てをさらけ出す様なセリフを口にしたが、智也は敢えて自慰を行わせ、彼女の痴態を眺めることにした。 リンカは命令に従い、乾いた性器を指で扱い始めた。 愛液などの類いは一切出ておらず、時折ひっかかるような指の動きを起こしているが、樹脂製の秘肉と皮膚は官能的な動きを起こし、卑猥な様をまざまざと晒した。 カオリのそれとはまた違う、活発な女性が見せるギャップを体現したかのような喘ぎ声を出して快感に震える。 女性器ユニットは、性器としての役目をきちんと果たすために乳房よりもセンサーが密集しており、さらに感じやすくなるように作られている。 それを証明するように、リンカはカオリの乳房が弄られた時よりもさらに早い段階で達したような震えを起こし、蜜を溢れさせ始めた。 だが、彼女の女性器ユニットから噴き出したのは、とろんとした愛液ではなく、カオリの胸から出たそれと同じブルーバードの中身だった。 智也や、彼女の割れ目に口を近づけ、思いっきり舌で突くように刺激しながら、それを飲み込んでいった。 「ああっ! あ、あ、あっ! ど、どうですか……ぁ……智也様……あっ! は……ぁぁ…………」 「……ふぅ、人間じゃこんなことできるわけねえからな。こういうのがいいんだわ」 彼女達ブルーバード製のアンドロイドには、それぞれ胸部タンクと体液タンクが実装されて、体液タンクに補充されている液体を変えることで、女性器ユニットや口から出る液を自由に調節できるようになっている。 普段稼働している彼女達には、常にブルーバードの中身が補充されており、招待会員が使用する際のお遊びとして、その女体からあらかじめドリンクが出るように準備されていた。 タンクの中身を変えれば、なんでも胸や股間から出せる為、人間のそれと見た目変わらないような体液を排出させて、セクサロイドのように扱うことも可能となっている。 だが彼女達はあくまで、ブルーバードを宣伝するアンドロイドであり、全てはブルーバードの利益の為。その身体に流れている液も、まさに彼女達を造りだした会社の商品なのであった。 「そろそろ気分良くなってきたな……本番に入るか。おいリンカ、お前はアソコを使わせろ。カオリは乳を使わせろ」 「わかりました智也様……あっ……」 「かしこまりました智也様……あんっ……ぁ…………」 美女二体の乱れる様とカフェインによって、熱くなったように心臓が高鳴る。 二体は、ユーザーから与えられた快楽信号を処理しながら、それに基づく挙動を起こしていたが、新たに与えられた命令を優先的に実行するため、リンカは仰向けになった智也の腰の上に跨り、カオリは膝枕をして彼の顔の上に乳房を置いた。 その後、車両後部の位置に座ることになったカオリは、すぐ側の車内ポケットに置かれていた透明のボトルを手に取り、それをリンカに手渡した。 ボトルの中身は、体液タンク内に注入されるために作られた、無色透明かつ粘性のある人工体液。それをローションとして使うためのものだった。 リンカは、両足を拡げて膝立ちの姿勢になり、それを入れればより人間らしい体液の分泌が行われるであろうローションを出し、エナジードリンクで濡れた女性器ユニットに塗りたくった。 オナホールに対して行うのと同じように、二本指で膣内まで挿入し、小さく喘ぎ声を上げながら内壁に潤いと滑らかな感触を持たせていく。 くちゅ、くちゅ、と生の音が鳴り、車内はより淫らな雰囲気に溢れ始める。 「それじゃあ智也様、始めますね……あ、あ、あ、あっ! あんっ! あ、ああっ!!」 膣内の準備が整ったリンカは、じっと智也のいきり立った肉棒を見つめながら腰を浮き上がらせ、宣言の後に何の躊躇も無く深々と奥までそれを受け入れたり 直後、彼女はとても小さな動きで全身を上下させながら、腰の中から小さなモーター音のような機械音を鳴らした。 リンカの挙動はそこまで大きくはないが、まるで激しく動いているかのような嬌声を上げた。 見た目は静かだが、膣内では彼女の膣肉が智也の男性器をしっかりと締め付けつつ、女性器ユニットが独自にピストン運動を行い、擬似的な上下運動を生み出していた。 偽物の肉と生きた肉が擦れ合い、彼に極上の性体験を提供していく。 「あんっ! あっ、あ、ああっ! 智也様……ま、まだ残量はありますから……あんっ! 好きなだけ吸ってくださ……ああんっ!」 同時に、智也はカオリの乳房を片手で鷲掴みにして揉みしだきながら、乳首からさらに追加のエナジードリンクを吸い始めた。 二体の性感に満ちた喘ぎ声が響き、室内を淫靡な雰囲気で埋め尽くしていった。 本来ならば、リンカが上下に腰を身体ごと動かしてより激しい性行為を行うことができるが、現在の車内ではそこまで上方向のスペースが無く、全身を思いっきり動かすことができない。 それにより、アンドロイド達には女性器ユニット単体で動かし様々なセックスに対応できるように設計されていた。 並びに、宣伝カーの車内は強固な防音効果が施されており、完全に密閉されていれば、先程から彼女達が発しているような喘ぎ声が外に漏れることはほぼ無い。 しかし、腰を振ったり全身を揺らすような激しい性行為になると、車体が揺らぎまた別の騒音が生まれてしまう。 その為、車内で彼女達を使用する場合は行動の制限があらかじめ設けられていた。 「智也様っ! 智也様っ! ど、どうですか、あっ! あんっ! 私の女性器ユニットは……ああっ! 私の機能で、満足してくれていますか……あんっ! あ、あ、あ、ああっ!」 「あんっ! あ、ああっ! あ、ぁぁ……智也様……あたしの胸、気に入っていただけましたか……あんっ! どうぞこ、これからも……ブルーバードをよろしくお願いしま……ああっ! します……」 肉欲を貪るような激しさは見えないが、性の快感を徹底的に絞り尽くすような空気が溢れている車内。 情欲にほだされ、快楽信号でいっぱいになった表情や身体の動きを見せながらも、二体の電子頭脳は冷静に信号を処理しながら、智也が最も好むであろう行動をリアルタイムで観測し、動作に調整を加えていく。 人間のようにしか見えないアンドロイドとしても、セクサロイドとしても素晴らしい品質を持っている二体に攻められ続け、同時に乳房を弄り攻め続け、悦楽の時を堪能していた。 そして、リンカの膣肉は、彼の肉棒の状態変化をセンサーで検知し、ラストスパートとして膣内の挙動を加速させていった。 「智也様っ! あ、あんっ! 私も、もうすぐイっちゃいそ、そうなの! あんっ! 私、わ、私、ああっ! 智也様の、こと大好きなの! あんっ! だから、いっぱい私の中に、な、なかに、ああっ!」 同時に、自分もそれに合わせて反応を変化させた。 リンカの発信され続けた快楽信号は、既に絶頂反応を起こすために設定された基準値を超えており、いつでも達することができる。 それまでそのような反応を起こさなかったのは、ユーザーのペースに合わせることで、より満足してもらうためだった。そう彼女達はプログラムされている。 「きもちいいの! 智也さまっ! 私、今とっても幸せだよ! あんっ! あっ、あ、あ! あ、ああああああああっっ!!」 そして、智也が腰を浮かせて思いっきり奥まで肉棒を押し付けながら震えだした後、彼は絶頂に達し、膣奥とその先にある精液タンクである子宮ユニットに精液を欲望のままに注ぎ込んだ。 それを認識したリンカは、射精に合わせて自身も絶頂の反応を起こし、これまでで一番快楽と幸福に染まったような表情を見せながら、胸からエナジードリンクを垂らしつつ甘味な感覚に満たされた声を上げた。 女性器ユニットからは、愛液による潮ではなく、エナジードリンクの潮が噴き、彼の男性器と繋がった境目を黄色の炭酸液で濡らした。 「はぁ……はぁ……あっ…………智也様……ぁ……とっても気持ちよかったよ……智也様のこと……あっ……は……ぁ……私、大好きぃ…………」 呼吸を必要としないアンドロイドである彼女達は、喉奥に備わったスピーカーで喋り、呼吸音を再現して人間らしさを演出している。 恍惚に染まったような表情と喋りで、指定された会員に対して心まで一色になったような言動を見せながら、裏ではDNA情報の解析結果や性交相手の反応などを保存し、ブルーバード側のサーバーへと送信する準備を整えていた。 一方の智也は、人間では得られないような膣肉の動作による快感を存分に愉しみ、一度目の射精を終えた後で満足した気分になりながらも、もっと楽しみたいという雰囲気を見せていた。 「はぁ……はぁ…………何回使っても最高だなお前ら……いいセクサロイドだよ。次、確かカオリだったか。お前を使わせろよ」 「かしこまりました、智也様。あたしの女性器ユニットで、いっぱい気持ちよくなってくださいね」 ずっと胸を弄くられ続け、手垢がつく程に揉みしだかれ、胸からエナジードリンクを放出し続けていたカオリも、同じく女性器ユニットを使用してもらうために、彼の腰に移動する。 智也の男性器は未だに元気を保っており、早くカオリの膣内を味わいたいと言わんばかりに揺れている。 そんな挙動に応えるために、カオリは先程リンカが使用したものと同じローションを塗りたくり、同じように膣内にその肉棒を深々と受け入れていった。 「あんっ! あっ! あ、あ、ああっ! 智也様の……とっても、大きくて、気持ちいいです……あんっ!」 アンドロイド達の女性器ユニットの内壁は、それぞれの機体ごとに個性をつけるためにランダム生成されているが、性行為プログラムそのものは共通の規格で作られており、同じような動作を行う。 膣内を単体で動かし、車内であることを配慮して激しい動きはせず、対象の肉棒を搾り取っていく。 そこに外見と膣内構造の個性の違いがあれば、また違うもののように感じるのである。 「おいカオリ、お前せっかくだから胸も揺らしてやれよ」 「かしこまりました……あんっ! あっ! い、いかがですか智也様ぁ……あたしの胸も、女性器ユニットも、楽しんでいただけていますか……あああっ!」 カオリは命令に従い、最小限の動きで身体を上下に動かしつつ、乳房の揺れが最大限になるように挙動を調節し、豊かで柔らかな人工の乳房を揺らした。 乳頭から染み出したエナジードリンクが、乳の揺れに連動して、周囲に水滴を飛び散らす。 より扇情的な挙動で性欲を煽り、同時に乳を弄られていたことで蓄積した快楽信号は、既に絶頂の基準値に達している。 だが彼女は、智也が射精するまでその反応は保持し続けている。その分、電子頭脳には大きな負荷がかかるが、機体の安全よりも招待会員が喜ぶことの方を優先し、男性器の状態変化を検知するまで反応を次の段階へと移行させなかった。 「はあっ! あっ、あ、あ、あんっ! 智也様っ! あ、あたしも、もうすぐイキそうです! あんっ! あ、はあんっ! あたしの、な、中にも、遠慮なく出してくださ、あ、あああっ! あ、あ、ああああああっっ!!!」 そして間もなく、カオリは射精の兆候を検知すると同時に反応を変化させ、腰の動きと膣内の挙動をより早くする。 次々とフィニッシュに持っていくための調整が行われ、子宮口を拡げて受け止める準備を進める。 それから長い時間も経たず、智也はカオリの蜜壺の中にも容赦なく射精し、それに連動させてカオリも色気に溢れた彼女の擬似人格らしい絶頂の声を上げた。 成分一切変わらない、炭酸混じりな黄色の甘い愛液をリンカと同じように噴き出す。 大人びた身体付きと顔立ちから来る、より扇情的な表情と動作でぐったりとしながら、快楽信号を処理することで彼女は果てた反応を見せた。 「ふう…………こんな早く二回も出しちまったか……さすがお前ら、どれも名機だな」 「はぁ……はぁ……あんっ……ありが、とう……ございます智也様ぁ…………」 「ありがとう智也様…………私、とっても嬉しい…………」 「けど、まだまだお前らを使わせてもらうからな。まだシたりねえんだよ。こんな良いラブドール、とっと使わなきゃ損だろ」 それからしばらく、智也はリンカとカオリを己の欲望をいっぱいに満たすまで、徹底的に使い続けた。 二体もそれを全て受け入れ、その人工の女体で溢れ出る肉欲を受け止めていった。 こうして彼女達は、配布スタッフとはまた別の、元々与えられていた役目を全うし、ブルーバードにとっての上客となる会員を、自身の身体全てを使って満悦の気分に浸らせたのであった。 そして、ずっと運転席にいたサキは、同僚である二体がどんなに淫らな声をあげて佳がり続けていても、ずっと同じ方向を向いたまま微笑みを保ち、じっと自分の役目を行うときが訪れるまで一切動くことはなかった。