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アヤワスカ

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ジャスティアン・ゼロ~始まりの青い鳥~ 第7話 『絶望の訪れ』

 私のカラダがもう限界なのは分かっていた。


「ゲラゲラゲラゲラ!!!苦しめぇーーー!!!」


 ドラゴン怪人の毒ブレスに責められて・・・


「イヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・く・・・苦しめ・・・ヒヒ・・・」


 幽霊怪人の呪いのオーラに嬲られる。


 毒も、呪いも、私のカラダに蓄積されて・・・あぁぁ・・・もう二度と癒えることなく、これからずっと私を苦しめ続けることになるの・・・


「うあぁぁああ・・・あぁぁあああああああ!!!」


 今までの戦いで、私は幾度となく責められ嬲られ弄ばれ、いたぶられぬいてきた。表面上では傷は治るけれど・・・でも蓄積されてきたダメージがあまりにも多すぎて・・・あぁぁ・・・私は・・・ボロボロになってしまった・・・


「イヒ・・・イヒヒヒヒ・・・その胸・・・たっぷり味わってやる・・・」


 後ろから幽霊怪人が私の胸を掴んで・・・呪いの籠った手がプロテクターをすり抜けて、直接・・・直に胸を・・・


「あぁぁぁん・・・うあぁぁあああ・・・」


 胸から私を苦しめるために練られた呪いが・・・あぁぁぁ・・・染み込んでくる・・・侵されていく・・・


 ・・・私はボロボロになっていくのに、バベルの怪人達は戦えば戦う程に私の弱点を暴き尽くし、責めが次第に的確になっていく・・・私を苦しめるために計算し尽くされた責めに襲われて・・・あぁぁああ・・・


 苦しみ仰け反った首筋に、ドラゴンの長い舌が這う。


「いぁ・・・あぁぁぁ・・・」


 毒ブレスの原液でもある唾液が塗り込められているのに・・・私はもう、抵抗することも出来ない・・・


 辺りはどっぷりとした粘性のある霧に満たされていて、何をされなくてもここにいるだけで私は苦しんでしまう。


 この空間自体が、私を苦しめるために作られた、私の為の空間。


 ここには誰も入れない。助けは絶対に入らない。私は・・・私の力で・・・怪人を倒して・・・ここを出ないといけない・・・のに・・・


 ザリ!


 ドラゴンの爪が、プロテクターごと胸を引き裂いて・・・


「っぁぁああああああああ!!!」


 幽霊の手は、爪の影響を受けずに私の胸を責め続ける・・・呪われながら・・・爪で・・・胸がズタズタにされていく・・・


「あぐっ・・・はぁぁ・・・うあぁぁぁああああ・・・!!!」


「イヒヒヒヒヒヒ・・・その胸を・・・たっぷりじっくり可愛がってあげる・・・」


 幽霊怪人の言葉通り・・・私は胸を・・・二体の怪人に挟まれながら責められて・・・責められ続けて・・・あ・・・あぁぁぁああ・・・


 もう・・・こんなの・・・奇跡でも起きない限り・・・もう・・・あぁぁぁ・・・


 それから奇跡が起こったので、私は無事二体の怪人を倒すことが出来たの。


 やったぁ!って思ったわ。


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


 十字架にかけられた聖人の像。その上部のステンドグラスから日差しが差し込んで、床に綺麗な模様を描いている。

 粘性の霧に満ちた空間が掻き消えて、私は自分が元居た教会に戻ってきた。


「リザさん!」


「リザ!!」


 シラサギ君やアオシギ君、何人もの仲間達が集まってくる。


「リザさん、大丈夫ですか?」


 心配し過ぎて顔色がすっかり悪くなったシラサギ君が聞いてくる。


 正直、何一つ大丈夫じゃない・・・毒や呪いに犯されたカラダは熱を帯びて今も私を苦しめ続け、怪人達に嬲られに嬲られた痕が今でもズクズクと疼き続けている。


 でも、私はスーパーミラクル美少女戦士。何事もなかったかのように笑顔を作ってこう答えたわ。


「当たり前でしょう?私を誰だと思ってるの。私はスーパーミラクル美少女ヒロイン・ジャスティアンなのよ!」


 百点満点の最高の笑顔を振りまいた。


 何はともあれ今日は終わったの。いつものように戦って、いつものように苦しめられ・・・


 幾度となく繰り返されてきた日々。その内の一つが今無事に終った。


 そう、


 終わったと、思っていたのに・・・


 パチパチパチパチ


 教会の中に、拍手の音が響いた。


 ネットリとした瘴気が辺りを包んだ。


 私はこの感じを知っている・・・これは・・・


「いやぁ、これはいいモノを見させてもらった。」


 声に振り向けば、聖人の像の下、ロ―ヴを着た何者かが立っていた。


 ジャァーーーーーン!!!


 誰も触ってないのに、傍らにポツンと置かれたオルガンが荘厳な音を奏でた。


「その顔は覚えてくれているようだな。このガガデウスを・・・嬉しい限りだ。」


 当り前よ・・・忘れるわけがない。一回あったきりで・・・何があったというわけじゃないけれど・・・この禍々しい瘴気は忘れたくても忘れられない。


「ヒぃ・・・ムカデの化け物だ!」


 怪人慣れしてるはずの、組織の仲間が怯えた声を出した。


「何を言ってるんだ。どこからどう見てもゾンビじゃないか。」


「はぁ?髑髏の死神だろうが・・・」


 仲間達が混乱したように口にするけど、私には彼らが何を言っているのか分からない。


 このロ―ヴに包まれたのは、どこからどうみても・・・


「アーハハハハハハハハ!!混乱するのも無理もない。このガガデウス、諸君らの最も恐れる姿で現れるのだからな。」


「くっ・・・なによソレ・・・ただ見た目が少し怖いだけじゃない・・・」


 今にもうずくまってしまいそうなカラダを必死に奮い起こし、私はガガデウスの前で構えをとる。


「もちろん、見た目だけでは無いから安心したまえ!」


 ロ―ヴを被った異形が腕を伸ばしてきた。


「なっ・・・なんなの・・・」


 その腕は、巨大なムカデであり、ドロドロに腐ったゾンビであり、怖ろしい骸骨の腕であり・・・巨大な筋肉の塊・棘だらけの蔦・鋭い爪の猛獣の腕・・・ここにいる人の数だけ、恐怖の数だけ、腕は様々な姿が同時に存在している。それらは一つに定まることなく、全ての可能性が同時にそこにあって・・・


 シュルシュルシュルシュル・・・


 巨大なムカデが私に巻き付き、ギリギリと締め上げる・・・


「あぁぁああああっっ!!」


 それは私に触れた瞬間、私が攻撃を受けた瞬間に定まってしまう。いくつもの可能性の中から、私を苦しめるのに最も適した形で・・・


「見た目だけではないのだよ。君の未来の旦那様は、ちゃんと実力も兼ね備えているのだよ。」


「う・・・未来の・・・なんだって・・・うあぁぁああ・・・」


 巨大ムカデが首元に噛みついて、私は無様に苦悶の声を上げてしまう。


「アーハハハハハハハハ!!!このガガデウスとあろうものが、つい先走ってしまったよ。今日はこのガガデウス、君にプロポーズしに来たのだ。」


「な・・・だれが・・・アンタなんかと・・・」


 悪夢のような異形の言葉に、目の前が真っ暗になってしまう。


 こんな奴の花嫁になってしまうだなんて・・・でも・・・私には・・・この得体の知れない恐怖の塊に・・・抗うだけの力が・・・


「リザさんを放せ!!」


 シラサギ君が、丸々肥った体を揺らしながらドスドスと足音を立てて突っ込んできた!


「ダメ!シラサギ君・・・逃げ・・・」


 ガッ!


 私が叫ぶ間もなく、シラサギ君は骸骨の手に捕まってしまった。


「う・・・うっ・・・」


 うめき声をあげ、シラサギ君は意識を失ってしまった。


「彼に何したの?今すぐ放しなさい!放して!お願い!私のことは好きにしていいから!!」


「まだ何もしてはいない。勝手に気絶しただけだ。だがこのガガデウス、こう見えても嫉妬深くてね。君がそこまで大事にする男ならば、なおさら始末せねばなるまい。」


 ガガデウスが、骸骨の腕に力を込める。

 シラサギ君が死んじゃう・・・


 そう思った時、私の中に溢れたのは


「放しなさいって、言ってるでしょうがぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!」


 純粋な怒りだった!!


 バチン!


 私を締め上げていたムカデ腕がはじけ飛び、


「このぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 その勢いのまま、ロ―ヴを被った異形の顔面に思いっきりパンチ食らわせてやったの!!!


 ドゴォオオオオオオオ!!!!!


「うごぉおおおおおおおおおおおお!!!!」


 情けない悲鳴を上げながらガガデウスは吹っ飛び、


 ダーーーーーーーン!!!


 オルガンに叩きつけられた!


「シラサギ君!」


 ガガデウスの手から解放され、その場に落とされたシラサギ君の元へ駆け寄る。意識は無いけど無事みたい。


 ホッと安心した時、


「うぐぅ・・・痛い・・・痛い・・・そうか、これが痛みなのか・・・これが痛み・・・ア――――――――――――ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!これが痛みなのだなぁああああ!!!」


 ガガデウスの笑い声が響いた。


 バ――――――ン!!!


 オルガンが鳴って、


 ゴロゴロゴロゴロド―――――ン!!!


 すぐ近くで雷が鳴った。


 さっきまでお日様の光が入り込んでいたのに、外は大嵐になったみたいで激しい雨の音がする。教会のドアを破らんとばかりに風が吹き付ける。


「このガガデウス!痛みや苦しみは与える一方であったが、受けたのは初めてぞ!その深い愛に、全身全霊で応えてやろう!!」


 ガガデウスがふわりと宙に浮かんで、禍々しいオーラが辺りを包んだ。


「逃げるでないぞ。目をつむるでないぞ。畏れ恐怖し、このガガデウスの力となるがいい!!」


 その言葉は、組織の仲間達に向けてのモノだった。だが彼らは言うまでもなく、一人残らず恐怖に呑まれ、まるで金縛りにあったかのように得体のしれない脅威、ガガデウスを見つめていた。


「さぁ受け取れ!我が愛を!!!」


 ゴウ!


 炎のブレス・氷の息、硫酸の渦に毒粘液・・・それらすべての可能性が同時に存在するナニカが放たれた!


 避けなきゃ・・・でも避けたらシラサギ君に攻撃が当たっちゃう・・・


「くっ・・・!!!」


 私は両腕を前に突き出して光のバリアを張った。


 胸元のエナジーオーヴが激しく点滅をし出した。


 くぅ・・・分かってる・・・先の戦いでエナジーを散々吸われ・・・残り少ないエナジーをそれでも振り絞って戦ったんだもの・・・分かってる・・・分かってるの・・・でも・・・彼だけは・・・シラサギ君だけは守りたいの!!


 でも


 私の決意を嘲笑うかのように、


 チュン!


レーザー光線がバリアを貫通して、


 あぁぁ・・・


 今まさに悲鳴を上げているエナジーオーヴを直撃した!


「うあぁぁああああああああ!!!」


 ソレが最初からレーザーだったら・・・対処法はいくらでもあった・・・でも・・・あぁぁ・・・私が光のバリアを張ったから・・・攻撃がレーザーに『決定』した・・・


 こんな・・・こんなの・・・どうしようもない・・・じゃない・・・


 それでも・・・


「くっ・・・うぅぅぅ・・・このぉおおおお!!!!」


 私はバリアを張り続けた。エナジーオーヴをレーザーに責められながら。


 じゃないと・・・私がバリアを諦めた瞬間・・・炎か冷気か分からないけど・・・私ごとシラサギ君まで攻撃を受けてしまうから・・・


 私はどうなってもいいけど・・・シラサギ君だけは・・・守りたいから・・・


「アーーーーーハハハハハハハ!!!そんな醜く太った男のどこがいいのかね?それほどまでに守る価値があるとは思えないがね!!」


「くっ・・・アンタには・・・永遠に分かりっこないわ・・・アンタみたいな・・・壮絶不細工にはね・・・うぁぁぁあ・・・・」


 エナジーオーヴをレーザーで責められる・・・それはむき出しの魂がやすり掛けされているような苦痛・・・気が遠くなりそう・・・でも・・・でも・・・


「こ・・・ここは・・・ぜったい・・・ゆずれ・・・な・・・い!!!」


「ふむ。いい覚悟だ。美しい自己犠牲・・・何度も見てもよいものだな。そして、それを打ち砕くのも!」


 ドボォ!!!


 うぁ・・・両わき腹にナニカ突き刺さった・・・床を突き破って生えてきた角のようなモノが・・・


「うがぁ・・・あぁぁあああっっ!!!」


「ジャスティアン、ゲームをしよう。君がバリアを張り続ける限り、一分経つごとに責めを一つづつ追加していく。このガガデウスが飽きるまでバリアを張り続けたら君の勝ちだ。その男は助けてやろう。その男だけじゃない。ここにいる全ての者達を解放してやることを約束する。」


 ガガデウスが飽きるまで・・・私が負けるまでずっと続けることも出来る・・・あまりにも分が悪すぎる最悪のゲーム・・・でも・・・


「くふっ・・・んぁっ・・・な・・・舐めないで・・・私は・・・負け・・・な・・・い・・・」


「アーーーハハハハハハハハ!!!何度聞いてもいいなぁその言葉。何度見てもいいなぁその顔。このガガデウス、数え切れぬほどの世界で数え切れぬほどの正義のヒロインを蹂躙し、嬲り、破壊しつくしてきたが、その、まさに決定的な敗北の前の虚勢、意地、それらが花開くこの瞬間がたまらないのだよ!!」


 ズクンズクン・・・


 脇腹に刺さった角が脈をうちはじめ・・・血を・・・吸われて・・・あぁぁぁ・・・


「んくっ・・・ぁぁぁあああああ・・・ま・・・まだ一分も・・・経って・・・うあぁぁ・・・」


「そうであったか。なぁに。どうせ君は我が妻となり永遠の凌辱に晒され続けるのだ。永遠の前に、一分なんてちっぽけな時を気にしてどうするというのだね。」


「んくぁぁあ・・・そ・・・そんな・・・ぅぁぁ・・・」


「ふむ・・・不満か。仕方ない。それでは時間はきっちり守るとしよう。」


 その言葉と共に、


 ずおぉぉぉぉぉおお・・・


 背後にゾンビが突然現れて・・・背後から胸を掴んで・・・ううん、ギリギリ触れない位置で・・私の胸の前に手を・・・


「なっ・・・んくっ・・・話が・・・ちが・・・」


「まだ何もしてないではないか。そいつはこれから六十分後に君を襲うようになっている。それまで自分からは指一本ふれはしない。ルールは何一つ破ってはおらぬではないか。」


「んくぁ・・・そ・・・そんなこと・・・言われても・・・」


 フーフーと息が耳に吹きかかる・・・あぁぁ・・・耐えがたい腐臭に抱かれているみたいで・・・苦しくてクラクラする・・・


 いっそ一思いに責めてしまって欲しい・・・こんな・・・焦らされるみたいなやり方で・・・あぁぁ・・・六十分も・・・


 んはぁぁ・・・ということは・・・この悪趣味なゲームが・・・少なくとも一時間以上続くってことね・・・オッケー・・・理解したわ・・・要は最悪だってことでしょ・・・つまり・・・いつも通りってことね・・・


 ジュワァ!!!


 レーザーが熱をもって・・・オーヴを内側から焼かれて・・・


「くぁぁぁああ・・・」


 身を捩らせた拍子で、胸が少しゾンビに触れてしまう。


 ぬちゃぁ・・・


 プロテクター越しに少し触れられただけで、


「んくあぁぁぁぁあああ・・・」


 胸が汚され犯される感覚に苦しめられてしまう。


 うそでしょ・・・こんな少し触れただけで・・・


 あぁぁぁ・・・これから一時間・・・どんなに責められても身じろいだり悶えたりしちゃダメなんだ・・・あぁぁ・・・ジッと堪えて・・・苦しさを逃すことも出来ずに・・・責めを・・・受け続けるのね・・・


「どうしたその顔は?もう負けてしまうのかね?」


「じょ・・・冗談・・・いわないで・・・」


「ならばよい。救いたければせいぜい頑張りたまえ!アーーーーハハハハハハハハハハハハハハ!!!」


 それから私は・・・あぁぁ・・・一分ごとに激しさを増す責め苦を受けながら・・・ただただ苦しみ喘ぎ続けた・・・


 気の遠くなるほどの時間・・・


 あぁぁぁ・・・


 もう・・・こんなの・・・奇跡でも起きない限り・・・もう・・・あぁぁぁ・・・


 もちろんそれから、


奇跡はもう


 起きなかった・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


 ヌチャ・・・クチャ・・・ジュチュ・・・


ゾンビに後ろから胸を弄られて・・・


「はぁん・・・んぁぁ・・・はぁう・・・んぁっ・・・あぁぁん・・・」


 私は仲間の皆の前で、イヤらしく身をくねらせている。


 プロテクターはゾンビ液ですでに腐れ落ち、丸出しになった胸を・・・責められ続けて・・・


「はぁっ・・・んあ・・・あぁぁぁああああ・・・!!!」


 ウネウネとカラダを震わせているの・・・


「アーーーーハハハハハハハハ!!!また気をやったか!責められて絶頂して、とんだ被虐趣味の女だな。」


 私はもう・・・何度も何度も絶頂を繰りえしている・・・数えきれないくらい・・・何度も・・・何度も・・・


 私を責めるのはゾンビだけじゃない・・・両わき腹に刺さった角から、血やエナジーを吸われて・・・様々な毒を注がれて・・・胸元のオーヴを熱レーザーと冷気レーザーで交合に甚振られ、電撃を受けて・・・苦しむ様子を、沢山の目で見られて・・・あぁぁ・・・視線で・・・責められて・・・カラダ中に虫が集って・・・耳の中で常に私を貶める声が聞こえて・・・全身をくまなく・・・絶えず様々な責めで・・・苦しめられて・・・


「んはぁっ・・・あぁぁああ・・・んくあぁぁぁああん・・・」


 私に出来る事は・・・もう・・・なにも・・・なくて・・・


「それでもバリアを張るのをやめないのか・・・それほどまでにその男を・・・なるほどな。」


「うくっ・・・ま・・・まけ・・・な・・・負けるわけには・・・いかない・・・の・・・」


 必死に虚勢をはることだけで・・・もう・・・精一杯だった・・・


「良かろう。ゲームは君の勝ちだ。」


 パチン!


 ガガデウスが指を鳴らすと、私を責めていた全てが消え去った。


「んあぁぁぁっっ・・・」


 へたり込んでしまった私に、ガガデウスが言葉をかける。


「君はなんて素晴らしいんだ。とても美しく、勇敢で、決して折れない・・・こんな君の素晴らしさは、世界中にあまねく伝えなければな。」


 カッ!


 フードの奥、ガガデウスの瞳が妖しく光って・・・次の瞬間、


『ひぃっ!化け物だ!』


『なんだこれ・・・何を見せられてるんだ?』


『あれ?この子ジャスティアンじゃないか?』

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

 無数の声が聞こえてきた。


「初めまして諸君。この世界に生としいける全てのモノよ。バベルの怪人の全ての王にして、この世界の支配者となる存在。ガガデウスだ。今、諸君らの意識に直接干渉し、この映像を送っている。目を閉じようが意識を失おうが、魂のある者ならこの映像から逃れることは出来ない。分かるかね?このガガデウスはそれほどの力を持っているのだよ。」


 ガガデウスが、何もない虚空に向かって語り掛ける。その言葉通り、全世界の魂のある全てのモノに対して・・・


『なんだよソレ!?』

『夢でも見てるのか?』

『分けわからねぇよ!!』


 世界中からの声が豪雨のように降り注いで、思わず耳を塞ぎたくなる。


「さぁ少女戦士ジャスティアン、ラストバトルだ。この世界の全てが見守る前で、このガガデウスを打倒し、世界を救うのだ。君の手にこの世界の運命がかかっているのだよ!!」


 ガガデウスはそう言って、剣を一振り放り投げた。この剣で戦えって言うのね・・・


「はぁ・・・はぁ・・・一騎打ちってことね・・・分かりやすくていいじゃない・・・」


 胸元のエナジーオーヴが力なく点滅を繰り返している・・・もうエナジーはほとんどゼロに等しい・・・立っているだけで精一杯・・・でも・・・戦わなきゃ・・・


 私は剣を取り、ガガデウスと対峙した。


 私は・・・ジャスティアンは思いを力に変える・・・だから・・・今・・・世界中の人々の・・・願いを・・・力に出来れば・・・


『あんな弱そうなのに世界の運命が!?』

『やだ・・・おっぱい丸見えじゃない・・・』

『すでに負けそうなんですけど・・・』


 あぁぁ・・・声のほとんどが・・・思いのほぼすべてが・・・私の敗北を予感している・・・敗北を望まれすらしている・・・


「んぁぁあああああああっっ・・・」


『何もされてないのに苦しんでるじゃない・・・』

『どうせ無理なんだよ。』

『あんな女、犯されて終いだよ。』


 次々と負の思いが流れ込んでくる。


 一方のガガデウスは・・・


「アーーーーハハハハハハハハハハハ!!!力が・・・力が漲ってくるぞ!!!世界中の恐怖と絶望で、無限の力が湧いてくる!!!」


 瘴気もオーラも濃くなって・・・あぁぁ・・・どんどん強くなっているのが分かる。


 時間をかけるのは不利ね。


「たぁ!!!」


 全ての力を足に込める。そして


 カッ!


光の速さでガガデウスの懐に飛び込みながら、思いっきり斬りつけた!正真正銘全てをかけたありったけの一発!!!


「喰らえ!フォトンソーーーーード!!!!」


 ドン!!!


 次の瞬間・・・ガガデウスの手にした剣が・・・禍々しい剣が・・・・私のお腹を貫いていた・・・


「あがっ・・・が・・・ぁ・・・ぁ・・・あぁ・・・」


 カランカラン・・・剣が手からこぼれ落ちて・・・私の敗北を演出したその時、落胆、絶望、失望、怒り・・・世界中からありとあらゆる負の感情が・・・私の注ぎ込まれてきた・・・


「ぁ・・・あ・・・あぁぁ・・・ぅあ・・・あ・・・ああぁぁぁあああああああああああ!!!!」

 

 エナジーが尽きて空っぽになったカラダが・・・負の感情で・・・エナジーで満ちていく・・・


「ぅぁ・・・これは・・・だめ・・・だめ・・・あぁぁあああああああああああ!!!!」


 いつだったか・・・霧の怪人に敗れた時に陥ってしまった・・・スレイブモード・・・その時と全く同じ状況になって・・・


「あぁぁあああああああああっっっ・・・」


 むき出しになった胸に・・・スク水インナーに包まれたお尻に・・・世界中の欲望が注がれて・・・漠然とした、でもあまりにも濃く激しい性感と、痛みと、苦しみが・・・襲って・・・


「はぐ・・・うぁ・・・あぁぁぁあああああああ!!!!」


 剣に貫かれたカラダを、弓なりにして悶えた。


「アーーーハハハハハハハハハハハ!!!思った通りだ!!!計算通りだ!!!ジャスティアン、君は今、君がそんなにボロボロになってまで救おうとした世界に、世界そのものに犯されているのだよ・・・アーーーハハハハハハハハ!!!分かるかい?これが正義のヒロインの末路だ!!!」


「うぐ・・・ぅぁ・・・しょうがないじゃない・・・私は・・・セクシーすぎるんだもん・・・これくらい・・・セクシー税ってやつよ・・・」


 必死に強がりを言うけれど・・・


「はぅっ!?・・・あぁぁぁあああああああああああああああ!!!!」


 鞭、斧、槍、銃、弓矢・・・ありとあらゆる武器で胸を攻撃されたみたいな衝撃を受けて・・・私は情けない声を上げてしまった。


 もう今の私になんら手を下す必要がない・・・ただ『苦しめ』と思うだけ・・・それだけで・・・私は・・・激しい責め苦を受けてしまう・・・


「あぐっ・・・ぁぁ・・・ぅぁ・・・あぁぁああああああああ!!!」


 世界の思いの全てが・・・私を襲い苦しめる・・・


 こんなの・・・こわれ・・・こわれちゃう・・・あ・・・ぅぁああああ・・・


「ふむ・・・ここで壊してしまってはもったいない。君は私の大事な花嫁なのだからね。」


 そう言ってガガデウスは、私のお腹から剣を抜いた。


「あぅ・・・うぁ・・・あぁぁ・・・あぁぁああああああっっ!!!」


 倒れ伏した私に、容赦なく世界中の欲望が襲う。


「ひぁぁあ・・・うぁ・・・あぁあああああああっっ!!!」


「さて、君はゲームには勝ったのだ。約束通り、ここにいる全てのモノを解放することにしよう。むろんジャスティアン。君も含めてね。」


「な・・・ぁぁあああ・・・何を・・・企んで・・・いるの?」


「企む?人聞きの悪い。結婚式の計画をね、立てているんだよ。そうだな。ちょうど来週の今日にしよう。場所もここでいいか。だが、もう少しにぎやかにしようかな・・・」


 ガガデウスがそう言って腕を振るうと、


 ドクン・・・ドクン・・・教会の壁や床が脈をうち始めた。それは赤黒く変色し、まるで生きた肉に囲まれたみたいだった。

 十字にかけられた聖職者の像も変化し・・・あぁぁ・・・私の姿に・・・十字架にかけられて・・・悪魔に集られて責められて・・・カラダを突っ張らせて苦しむ私の姿になった。

 首筋に噛みつかれ、胸に爪を食い込まされ、太ももに舌を巻きつけられて苦しむ私の姿に・・・


「はぅっ・・・ぁぁあああ・・・あぁぁああああああああ!!!」


 見てるだけで・・・ううん、見てなくても・・・像の受けている責めを・・・感じてしまう・・・悪魔の吐息や唾液の匂いまで・・・鮮明に・・・あぁぁぁっっ・・・


「もちろん、今と同じ様に世界中の人に見られながらだ。楽しみにしてくれたまえ。」


「そんな・・・あぁぁ・・・」


「そうだジャスティアン・・・君に挨拶をしたいという奴らがいるのだ。少し付き合ってもらうよ。」


「ぅああああ・・・」


 私のカラダが、ふわりと宙に浮いた。


「リザ様!!」


「リザちゃん!!!」


 仲間達が・・・私を呼ぶ声が聞こえる・・・


「心配しなくても今晩中には君たちの元へ送り届けるさ。なぁに。ほんの数時間さ。もっとも、『あっち』では何年かかるか分からないがね・・・」


 うぁ・・・耳もあまり聞こえなくなって・・・目も・・・見えなくなって・・・意識が・・・あ・・・あぁぁ・・・何かヌルリとした感触に包まれて・・・あぁぁ・・・


「げっげっげっげ・・・久しぶりだなぁ~~~~ジャスティアン!」


 急に意識が鮮明になった私の前に、巨大なイボガエルの怪人が現われた。


 と同時に、


「あぁぁあああああああああ・・・」


 胸の中でオタマジャクシが暴れる感触にうずくまってしまった。


「俺様のこと、まさか忘れたわけじゃないだろうなぁ~~~」


 こいつはカエル怪人・・・どうして・・・倒した・・・ハズなのに・・・


「キキキキキ・・・オレ達・・・ずっと・・・まってた・・・お前の・・・こと・・・」


 背後から猿怪人に抱き上げられ・・・あぁぁ・・・胸を泥で汚されて・・・泥を・・・塗り込まれて・・・


「ひぅ・・・んくぅ・・・はぅ・・・んぁぁ・・・」


 他にも巨大ワームに・・・霧の怪人・・・


「うふふふふふ・・・貴女がガガデウス様の花嫁になるなんてね・・・」


 あぁぁ・・・花怪人に・・・首筋を・・・弄ばれて・・・


「ボク勉強したんだよ・・・こんな時はお祝いしなくちゃね。結婚の前祝いだ~~~!!」


 あぁぁ・・・毛虫怪人まで・・・


 今まで私が倒した怪人が全員・・・全員私を取り囲んで・・・


「げっげっげっげ・・・」


「キキキキキ・・・」


「フハハハハハハハハ!!!」


「どゅふふふふふふふ・・・」


「うふふふふふふ・・・」


「ケヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・」

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・

    ・


 哂って・・・


 あぁぁぁ・・・数えきれないほどの怪人が・・・私の苦しみを望んでいる・・・


「あぁぁあああん・・・んはぁぁぁああ・・・」


 それだけでも・・・気が遠くなるくらい・・・くるしいのに・・・


「げっげっげ・・・た~~~~っぷり可愛がってやるからよぉ~~~」


「心配しなくてもいいのよ。ここでは死ぬ事はできない。だから安心して身を任せて頂戴ね。」


―――時の流れも断絶されて、無限の刻が流れておる・・・何日も何カ月も何年も・・・ゆっくり楽しむがいい―――


「そんな・・・あぁぁ・・・いやぁぁぁ・・・」


 私は・・・あぁぁ・・・


 永遠にも思えるほどの地獄の中で・・・


「んはぁぁっ・・・うあ・・・くあぁぁああああああああ!!!」


 怪人達の無茶苦茶な欲望を叩きつけられながら


 あぁぁ・・・悶え苦しむ事しか出来なかった・・・



ジャスティアン・ゼロ~始まりの青い鳥~ 第7話 『絶望の訪れ』

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