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【早読】セクハラマジシャンの妖怪パンチラウォーズ【ver】

ピクシブ投稿シリーズ作品 セクハラマジシャンのパンチラ行脚 https://www.pixiv.net/novel/series/8171669 の早読verになります。 マイナーと思われる、百目の体育教師・木村は 敬愛する漫画家ふなつかずき先生による 「モンスガ(7)」 https://x.com/JO_refine05269/status/1834692933402120415 からになります。 ブログの方にセクハラマジシャンの次作について、 アンケートを貼り付けてみました。 https://jo-itazurad4c.fanbox.cc/posts/8554361 是非、回答願えればと思います。 ───以下本文── 「さて……次のパンチラネタはっと……」 ギンはそう呟きながら、顎に手を当てしばらく考え込むような仕草を見せた。変わらず己の性的嗜好を満たすために日々邁進しているギンだったが、今度は何がいいかなと少々思考錯誤している様子であった。己の欲望の為ならば努力を惜しまず、障害があれば全力でそれを吹き飛ばすだけの力があるギンではあるが、時にその信念の強ささが頑固オヤジのように融通の利かなくなってしまく事もあるものだ。 簡単に言えば、うまく方向性が定まらない──その一点であった。思い描きたいのは、高等な美術品の如きエレガントさを携えた、パンチラシチュエーションとの邂逅。しかし、至高を追い求める余り、如何せんワンパターンに陥っている事も否めない状況にある。そんなバランスの妙に頭を悩ませているギンは、まるで迷宮に入り込んでしまった哀れなる旅人。 「……ふむ、どうしたものか……」 そんな事を呟いていると、不意に耳をくすぐるメロディーがあった。 「ゆ~うぐ~れの~、かなたからし~んき~ろ~う~」 その歌声は、ギンの脳内へと直接語りかけるような不思議な響きを持っていた。そして、まるで走馬灯のように駆け巡るシーンの数々── 自宅で寛いだ瞬間、緩んだ脚の間から見えた白ショーツ。空き缶で転び、お尻側のスカートを翻して現れた水色ショーツ。窓を開けられて、室内というのに風チラ状態でお目見えした白ピンクのストライプ模様のショーツ。兎を追いかけて躓いて見えたピンクショーツ。ハイキックで股間から覗いてしまった真っ赤なショーツ。風で捲れたスカートから晒される、ゲンを担いで穿いた招き猫プリントのショーツ。 それら全ての光景が明確に脳裏に蘇る。思わずギンの仮面の下の表情が綻んでいってしまう。 「これ程までにひとりの少女が多岐に渡ってバリエーション豊かな色、デザインのパンツを披露してくれた事があっただろうか……。いや、あるまい。全く、本当に良い時代だったなぁ……」 しみじみと、感慨深げに呟くその声は、ひどく老成したものに聞こえたのだった。一方で、先程までの悩みが晴れたような軽やかな足取りを見せるのだ。スキップでも始めそうな勢いである。 「セクシ、セクシ~っ」 そんな調子で歌い出しながら、そのままどこかへ捌けていきそうだった。しかし、ギンの舞台はまだ終わらない。突如として立ち止まり、虚空に向けて語りかけるではないか。 「うむっ! 宮ノ下さつき……君こそパンチラ界のレジェンドで相違なし!!」 興奮気味に叫び上げるその姿は、ひどく滑稽に見えようもの。だが本人は至って真面目に語っている。まるで、世界の宝だと言わんばかりに、思い描く少女を讃える様はどこか狂気じみていたかもしれない。天に向かって両手を掲げ上げ、少し芝居がかった動作で、自らの熱いパトスを表現する。酔いしれたように恍惚とした表情でくるくる回り出すのだから、ギンしか存在しないこの場においても尚、変質者の烙印は免れないだろう。しかし、そんな事など歯牙にもかけず、ギンはさらに言葉を続けるばかりだ。 「あの恥ずかしげな表情の中に垣間見える純情可憐な乙女らしさ。これこそが我々が追い求めるべきモノだったんだ! なんだってーッ?!」 一人芝居もここに極まれりと言ったところの謎テンション。ギンは満足気に、結論を掴み取ったといった様子でしきりに頷いてみせる。 「では、そんなさつき君を讃え、最高の舞台を用意しようじゃないかッ!」 そう言いながら手を打ったかと思えば、次の瞬間にはそこはもう別の場所へと変化を遂げているのだ。薄暗い空間にスポットライトのような光が当てられ、そこに浮かび上がるシルエットは二つあるように見える。 「さあ、いよいよですッ! 白虎の方角にご注目くださいィィィっ!!」 いつの間にかギンの手中にはマイクが握られており、舞台の傍らの席にて実況中継よろしく声を張り上げるのだ。 「若き王者が帰ってきたッ! どこへ行っていたンだッ、パンチラチャンピオンッッ!! 」 多量の唾を飛ばさんばかりの鬼気迫る勢いで叫ぶギン。ガランとした場内に、場違いとも思える程の熱量の声が響き渡る。 「俺達は君を待っていたッッッ!! 宮ノ下さつきの登場だ――――――――ッ!!!」 一際大きな声と共に、会場全体がライトアップされる。その西側に困惑した表情で所在無さげに佇む少女二人の姿が見えてくる。 ジャケットに、淡い紺のミニスカート という出立ちおさげの少女と、セーラー服風の私服に身を包むポニーテールの少女だ。どちら共にあどけなさを残す十代前半といった風貌をしている。 そのおさげの少女こそ、ギンが賞賛して止まなかった宮ノ下さつき。そして、傍らのポニーテールの少女はさつきと行動を共にする友人である恋ヶ窪桃子であった。 柿ノ木レオは自称「校内一の心霊研究家」の地味な顔だちの少年である。小学五年生で、カメラマンである父親の影響でカメラ、特撮技術、サイト運営など多様な趣味を持つ。友人のハジメのスカートめくりに苦言を呈しながら、ハジメと結託してクラスメイトのさつきのスカートの中をカメラで撮ったことがあるくらいはスケベ心旺盛でもあった。年上で美人の桃子に憧れを抱いている。 そんなごく普通な小学生であるレオは、ある夏の日奇妙な体験をする事になる。普段通りの就寝を果たしたはずのレオは次に目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だったのだ。しかも、友人であるハジメの姿もあり、お互い顔を見合わせたが、困惑するばかり。薄暗い何かの会場と思わしき場所の客席で、頬を抓ってみたりと夢かどうか確かめても一向に覚めないのである。また怪談がらみの不思議な出来事に巻き込まれたのかと、二人は身震いしたものであった。  そこに、素っ頓狂とも言える調子で、アナウンスが鳴り響くのだから違和感はひとしおだろう。 「特に理由はないッ、ゲゲゲが強いのは当たりまえ!!」 そんな意味不明な文言が、スピーカーに乗ってレオの耳へと届いたのだ。何事かと思って周囲を見回すと、対格線の先に仮面を付けた男がマイクを握り締め奮い立っているのが見えた。 「青龍の方角! 水木しげるにはないしょだ!!! アニメ六期! 猫娘がきてくれた―――!!!」 叫ぶようにそう言うと、とある一角が照らされる。そこを見やると、赤いワンピースに身を包んだ、八頭身美人の姿があったのだ。シニヨンヘアーを赤いリボンで括り、切れ長の瞳がクールな印象を与える女性だった。そして、その後ろに隠れるようにもう一人少女が佇んでいるのが見える。ブラウスにネクタイを締めた学校制服姿は、レオより少し年上に見えた。しかし、赤ワンピースの女性の大人びた雰囲気とは比べるまでもないもの。レオの視線はどうしても、赤ワンピースからすらりと伸びた脚を始め、その流麗なスタイルに吸い寄せられていくのだった。 「うおぉ……っ、あのお姉さんすっげー綺麗だなぁ……脚も長くて、細くて……」 横で惚けているハジメも思わず感嘆の声を漏らす。それ程に、赤ワンピースの女性は魅力的な姿態をしていたのだった。と同時に彼女が放つ妖しげなオーラにどこか惹かれるものを感じるレオであった。気がつけばジッとメガネを凝らして彼女を見つめてしまう。 当の彼女もその視線に気づいたようではあったが、訝しげな表情は、マイクを握る仮面の男の方に向けられていた。 (しっ、しかし……この状況は一体なんなんだ……??) 綺麗な女性に目を奪われた一方で、現状に対する困惑も尽きぬのは変わらずだ。鼻の下を伸ばし続けるハジメを尻目に、レオは思考する。状況を把握するのは自分の務めだと、レオは理解しているのだ。 (あの女の人……猫娘って呼ばれた……? 猫娘って言えば、有名な妖怪だよな……) レオの知識以上にその名前は広く知られているものだろう。しかし、実際あの女性が妖怪・猫娘だとして、これほど麗しげな存在だったとは── クールビューティの体現とまで言っても言い過ぎとは思えない。確かに、赤いワンピースと言えば猫娘のファッションとして定番と聞き及ぶものだが、やはり思い描いていたイメージとはだいぶ違う。特に、そのモデルばりの八頭身のせいでワンピースがかなりミニ丈に見えてしまい、どうしても目が向いてしまうのだ。そんな不埒にも程がある熱視線を止められないのは、青少年としての正しき反応か。レオは自分の思考のベクトルが狂い出した事に気づかず、ハジメと揃って猫娘の挙動を追ってしまっていた。それに対し、冷ややに目を細めてレオを見据えるのは、猫娘の後ろの制服少女だ。睨みつけてるようなそれに、慌てて顔を逸らす羽目になり、なんとも居心地の悪い気分に陥る。そんな中、件の仮面男の声が再び場内に響き渡った。 「朱雀の方角! 全妖怪のベスト・パンチラディフェンスは私の中にある!! 妖怪絵日記からアイドルロリババァが来たッ! 座敷童子、すず!!!」 そう言うとまたスポットライトに照らされる少女が現れる。桃色の着物を纏ったおかっぱ頭の美少女だった。大きな瞳と、花の髪飾りが印象的で、レオと同世代くらいに見える。小柄な体躯であどけない風貌ながら、その所作がいちいち落ち着き払って見えて、アンバランスさがどこか浮世離れした雰囲気を漂わせている。総じて、ミステリアスな少女であった。 (ていうか、今度は座敷童子って……。また、超メジャーな妖怪……。そ、そして……) レオの視線が泳ぐ。座敷童子すずの下半身に、レオの意識は釘付けになっていた。彼女の纏っている着物の丈がまた際どいのだ。ミニスカート然としていて、ふとももを大胆に露出している。まるで白磁のように滑らで美しい生脚が、レオの眼前に惜しげもなく披露されているのだ。 すずが屈んだり、身を翻したりすれば、そんな丈の裾など容易に中身を露呈してしまうだろう。レオはゴクリと生唾を飲む。 思い出すのは、同級生の下着を垣間見てしまった瞬間。彼女は様々な柄のショーツを披露してくれた。では、すずは──猫娘は、その後ろの制服少女は、どんなショーツを穿いてるのだろう。レオの心臓は、そんな邪な思考に引っ張られてバクバクと音を立て始めた。 (……いやいやいや、こんな変な状況で僕は何を考えてるんだ……っ) レオは頭を振り、なんとか邪念を振り払おうとする。しかし、どうしても、彼女達の下肢に意識が向かってしまう事を止められないのだ。加えて、いつの日か、そのパンチラ同級生──宮ノ下さつきのスカートの中を狙ってカメラを構えた日のことを思い出す。あの瞬間の興奮は、レオの中で色褪せる事無く燻り続けていた。手が震える様は、カメラの存在を求めているかのよう。 (……って、え……?) 瞬間、レオの手のひらに馴染みのある重みが伝わる。それは、カメラの感触だった。父親に借りたあのカメラが、いつの間にかレオの手に収まっていたのだ。 そんな予想外の展開にレオの混乱は深まるばかり。しかし、身体の方は何かに取り憑かれたように動き出す。とても自然な行動のようにカメラを構え、レンズ越しに会場の妖怪少女達の下半身を捉えるレオ。 するとどうだろう、不思議と心が凪いでいくではないか。この摩訶不思議な状況すら、受け入れてしまえる程の穏やかさがレオを包もうとしている。その感覚に身を任せるのは、もはや自然の成り行きだ。今のレオは、この場内で何が始まるのかを待ちわびるだけの一観客と化していた。 (心霊研究家を名乗る身として、この状況をカメラに収めるのは必然な義務だよね……? うん、うん) そんな風に自分を正当化しながら、まずは猫娘に狙いを定める。その御御脚に向かって何度かシャッターを切っていた時であった。 「さぁ、お次は玄武の方角だ!」 仮面の男が再びマイクを振り上げアナウンスを再開しだす。反射的にレオはそちらへと意識を向けた。 (さぁ、次の美少女妖怪はっ!? ) そんな期待を胸に秘める余裕すら、レオには生まれていたのだ。興奮じみた感情のまま、スポットライトが指し示す方向を見やる。そこには── むさ苦しい中年男が居た。 「……っえ?」 思わず明らかな落胆の声を漏らしてしまうレオである。小太り気味で、お世辞にも整っているとは言えない顔面偏差値の持ち主。四角いメガネが自分とお揃いなのが不快に思える程、何ひとつ第一印象が良くない風貌をしている。そんな中年男の登場に、テンションが落ちてしまうのも無理はなかろうもの。 「バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!! モンスガのピュア・パンツハンター、百目の体育教師・木村だ!!!」 とアナウンスされても、レオの感情が上振れする筈もない。むしろ盛り下がる一方とも言っていいくらいだ。それでも、心霊研究家として百目という単語だけには反応し、眉がピクリと動いてしまう。いや── (パンツ……ハンター……?) むしろレオが気にかかったのはその危険な香り漂う文言の方だったかもしれない。ともかく、レオはそれぞれ南北東に位置する彼、彼女らを見やる。そして、木村と呼ばれた男も、猫娘達、そして座敷童子すずと、視線を巡らせていた。 「なぁ、仮面紳士サンよぉ」 不意に木村が口を開く。その声は野太く、ぶっきらぼうなもので、迫力がたったようだ。 「俺を助けてくれた事は感謝してるし、何をして欲しいかだいたい分かってるつもりだけどよ……。その赤ワンピースの姉ちゃんは置いといて、あとはガキじゃねーか? 俺様はJKとかJD、OLが好みなんであってだな……」 などとボヤき出した。 「まぁまぁ、そこは我慢してくれ同志よ。それに、そこの座敷童子ちゃんは見た目は幼いが、お前さんよりかなり年上なんだぜ……?」 仮面の男が木村にフォローのような言葉を発する。それに対して木村は、ボリボリと短く刈っている頭を搔いた後、小さくため息をつくような素振りをする。 「そういう話じゃないんだけどなぁ……。まぁ、いいや……」 そんなやり取りをする二人に、猫娘もすずも警戒心と怪訝さを滲ませた視線を送り続けていた。それを尻目に、仮面男は意気揚々といった調子で、両手を広げて言うのだ。 「ではっ! 気を取り直して……さあ、いよいよですッ! 白虎の方角にご注目くださいィィィっ!!」 瞬間、全ての照明が暗転する。そして、すぐさま西側のゲートに小さな光が灯った。続けて、それに重なるようにして、いくつものスポットライトがその一角を強く照らし出すのだ。これから現れる者こそ本命──過剰な演出によって、そんな事実が見え隠れしているのは誰の目からも明らかであろう。レオも、おそらくはハジメも固唾を飲みながら見守る中、そこに二つのシルエットが現れた。 「若き王者が帰ってきたッ! どこへ行っていたンだッ、パンチラチャンピオンッッ!! 」 そして、メガネを飛ばさんばかりの勢いで、驚愕に目を見開く事に相成るのである。なぜなら── 「俺達は君を待っていたッッッ!! 宮ノ下さつきの登場だ――――――――ッ!!!」 そこには、クラスメイトの少女の姿があったからだ。 さつきの登場という予想の斜め上の展開で、若干呆けすらしてしまっていたレオとハジメ。やがて我を取り戻したレオは、メガネのレンズを拭いたり、目を凝らし直してみる。しかし、やはり西のゲートに立っている少女は間違いなくさつき本人だった。そして、その傍らにはレオの憧れのひとである桃子の姿もあるのだから驚きもひとしおというもの。更には、レオとハジメ──後は解説席らしき所で一人マイク片手に絶叫アナウンスをするを変な仮面の男──以外がらんどうだったはずの会場内の客席スペースに、急遽人影が溢れかえったのだから、もう何がなんだか分からないといった有様だ。 それらは皆一様に興奮しきった様子で、まるでアイドルコンサートさながらの熱気をさつきに向けて放っている。 (なっ、なんだこれ……?) レオは異様な光景と状況に気圧されながら周囲を見回す事しか出来ないでいる。すると、それらの人影はどこかぼんやりとしている事が分かった。何より生気を感じない。場内へのパッションを溢れさせながら、それでいて虚無感を漂わせるという矛盾した存在としてその場に佇んでいる。まさに幽霊然とした群衆と言えるそれらに囲まれながら、レオは不思議と恐怖感を覚えなかった。それは彼らから感じられると、どこか親近感が沸く意思めいたものがあったからである。敵意や悪意はそこにはなく、興味関心を場内に注いでいる事が伝わってくるのだ。それは、レオが今抱いている感情に似たものに思えたのだった。そんな思考に浸っていた最中、唐突にスピーカー越しに大音量の声が轟く。 「ではここでっ、ルール説明です!!」 声の主はもちろん仮面の男。この場内が核闘技場のようなもので、これから何らかの催し物が行われるのだろうという事は想像がつく。だがそれがどんな内容なのかまでは、レオに分かるはずがない。しかし、何故だか心臓の鼓動が高鳴っていくのを感じた。待ち望む展開がこれから起こるのだと本能が告げている。期待と不安が入り交じるような奇妙な感覚に囚われながら、再び流れる仮面男の声に耳を傾けるのだ。 「百目の木村が皆さん女性陣に襲いかかります! 彼の得意なのは柔道技! それらを凌ぎ、彼を撃ち倒せば女性陣の勝利となります!!」 説明されたのは、かなりシンプルな格闘ルール。とは言え普通のJS少女であるさつきや桃子には、小太りながら体格で上回る中年男の相手なんて荷が重いにも程がある。 「もちろん女性陣は協力オーケー! ひとも妖怪も、仲良く力を合わせて挑みましょう!!」 軽い物言いだが、なるほどさつきと桃子へのフォローとしては妥当に機能するルールだろうか。それよりもレオの脳内を占めるのは、女性陣の服装による懸念だった。 (このままの格好で皆んな、戦うの……?) 揃いも揃って皆スカートという装い。丈も一様によくて膝上くらいまでの短さなのだ。こんな状態では容易に──見えてしまう。 (……何が……?) 自分で問いかけながら、そんな事は愚問だ。それは──ショーツだ。秘めたるべき乙女の神秘の布地。中年男の投げ技により、造作もなく捲れるスカート。そして衆目に晒して良い訳があるはずがないショーツが、否応なしに公にされてしまう。そこまでの一連を妄想し、レオの下腹部に言い知れぬ熱が燻ってゆく。 「そして女性陣には注意事項がひとつございます!」 続く仮面男の言葉に意識が引き戻されると同時に、ゴクリと喉が鳴った。 「女性陣は客先のレオ君にカメラで撮られちゃうと、霊力が少しずつですが吸われてしまいます。何度も撮られちゃうと動きが鈍って、さらに霊力が奪われてしまう悪循環に陥るのでご注意を~っ」 さらりと自分の名前を説明に交えられ、心臓が口から飛び出そうになるほど驚くレオ。そして、カメラを握っている自分に女性陣から冷ややかな視線が注がれてしまう。針の筵とはまさにこの事だと痛感しながら、それでも何故か居心地の悪さをそれほど感じなかった。むしろゾクゾクとした快感にも似た昂りを覚えているレオである。 「あっ、ご安心ください。もちろん、普通の似姿を撮られても霊力は吸われません。撮られてはダメなのは、アナタ達の……」 補足的な説明を付け加えられた事で場の空気は少し弛緩したか、一同が少しだけ出け胸を撫で下ろした感が漂う。 あった。しかしわそれも一瞬の事。次に発せられた言葉により、場は凍える程の緊迫に包まれるのである。それはすなわち── 「パンツ。パンチラ。もちろんパンモロもね」 その単語に誰もが息を飲んだだろう。女性陣は内股気味でスカートを押さえ、軽蔑するような視線がに向けられる。木村はニヤニヤと薄気味悪い笑みを貼り付け、指先を蠢かせていた。 一方レオは、仮面の男の説明を頭で咀嚼しようと思考を巡らせていた。しかし、途中から深く考えるのを放棄してしまう。 (き、きっとこれは夢だ……。なら、僕は、僕がやりたいようにやるだけだ……っ!) そんな結論に達してしまったからだ。ピンク色の意思に囚われ、レオの中に潜んでいた欲望が表層へと浮上してくる。気持ちが軽やかになり、すると少しずつ高揚感に包まれていくのだ。それは、堪らず身震いしてしまう程にまで膨れ上がる。まるでステージ場で観客の声援を浴びているかの如くだ。 人生で得た事の無い、主役の感覚。夢の中でくらいそれに浸る事を許して欲しいと思うのは、少年の儚い願いだっただろうか。 それ故に、レオはごく自然にカメラのファイダーを覗き込むと、女達のスカートを順繰りに見渡すのだ。不思議と、そこから見据える光景はいつもより鮮明で、拡大といった機能性能もアップしているように感じられた。その見えすぎるくらいの視界により、レオの陶酔具合はより加速していく。そして─ ─ 「では……試合開始ィィィッ!!」 仮面男のアナウンスを皮切りに、開戦の火蓋が切られたであった。

【早読】セクハラマジシャンの妖怪パンチラウォーズ【ver】

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