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miruno from fanbox
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【3-Ex1】「ニーナさんだっチューの!!」

「あはははは!ドンマイ、ドンマイ、白井ちゃん!!まぁ、人生うまくいかない時もあるって、気にすんな!!」 食堂入口前の廊下で、オレこと白井弟は、キラキラと笑顔を振りまく『モンモさん』にそう励まされた。 「(??? へ? 今朝、怒らせちゃったはずだよな? なんで?なんでこんな上機嫌なの!?)」 オレは半ば混乱しつつも、なんとかこの状況を理解しようと、先ほどまでの行動を思い返す。 モンモさんがこうなった理由があるはずだ。 「(ええと確か……)」 学園門でのやり取りの後、オレは陽桜莉さん達と一旦別れた。 さすがに汗まみれの体で、みんなと食卓を囲むのは気が引けるからだ。そうして、自室である客間で、汗ふいて着替えた後、食堂へ向かったわけだが、その途中でモンモさんの後ろ姿を発見。 少し声をかけることに戸惑いはあったけど、先延ばしにしても気まずいだけなので。 「(ええい!出たとこ勝負よ!!)」 と、勇気を出して声をかけ『フラグメント暴走』の件に対する感謝の言葉を伝えたってワケで……。 そこまで考えて、モンモさんにチラッと視線を戻すものの。 「まあ、昨日は油断しちまったけど、アタシと美弦がいればフラグメントが何度暴走しようが、ちょちょいのちょいの助だから!大船に乗った気でどっしりかまえててくれたまえ、白井くん!ガハハハ!!」 ……ダメだ、ここまでキャラ崩壊するほどの『絶好調』に繋がる理由が、全く見えてこない。 今朝の『美弦さんとの蜜月に割り込んでしまった』一件に対しての怒りが綺麗さっぱり消えてるし……逆に怖いんだが。 そんな、あまりにも気味悪い状況にオロオロしていると……。 「チッ、ウゼー」 いつの間にか、オレの背後に陣取っていた『山ニーナさん』が見かねてか口を挟んできた。 「モモ、なんだ、お前のその間の抜けたニヤケ顔は!? ってか、その頬のバンソーコーはどうした?」 そう。それも謎の一つだ。モンモさんの右頬には今、四角い『絆創膏』が貼られている。 なぜか手書きでハートマークまで書いてあり、その在り様が持ち主とのミスマッチで更に不気味さを増している。 しかし、モンモさんは、山ニーナさんの荒れた口調に波立てる事無く、上機嫌で続ける。 「おっ、聞いちゃう~? これ、聞いちゃう~? まいったなー、他人に見せびらかすもんでもないんだけど、まあ特別に~……ほいっ!!こうすりゃ分かってもらえるかな、お二人さん」 <ビッ>と絆創膏をはがすモンモさん。そこに出てきたモノとは、ズバリ! 「……何も変わったとこ、ないですよね?」 傷もなければ、汚れているわけでもない。まじまじと見ても、ツルっとした健康的な肌が広がっているだけなのだが……。 後ろにいた山ニーナさんが、一歩踏み出し叫んだ。 「お、お姉さまの唇の匂い!!テメー、まさか」 「あ~、分かっちゃう? 分かっちゃうか~! まあ、パンパースとバディ組んでるお子ちゃまにはまだ早い話なんだけど、そう……」 一呼吸の間を溜めて<キリッ>とした顔になるモンモさん。 その後、王者の風格のような態度で腕組みし。 「ほっぺにチューの味は!!」 力強き言の葉を風に乗せて、オレたちに突きつけた。 『!!?』 「ほっ、ほっぺにチューだと!?モモ、なぜ……なぜテメーなんかに!?」 「ふっふっふ、これが現実だよ山田くん。 美弦がさ~、白井弟ぉが去った後に『後で続きをちょうだいね、チュッ』って。 こう『チュッ』て、まいっちゃうよな~、えへへへへ」 「テ、テメー……調子乗りやがって!そんなもんこうしてやる!あと、ニーナさんだっチューの!!」 <ぶちゅううううう> 言葉と同時に飛び掛かり、モンモさんの頬に唇を吸いつかせる山ニーナさん。 「うわっ、何しやがるんだ、このクソ山田!!離れろ!離れろって!!」 「ん~、うい~らはんっへほへ(ニーナさんって呼べ)」 モンモさんが必死に暴れるものの、山ニーナさんはまるでスッポンのような粘着力で断固として剥がれない。そして……。 「っぱ」 一方的な略奪戦に満足したのか、山ニーナさんは自分から口を離した。後に残ったのは、モンモさんのほっぺにクッキリついた唇の形。 山ニーナさんが口を拭い、得意げな顔をモンモさんに向ける。 「ふう、どうだ! これで、お前のほっぺたからはお姉さまの跡は残らない。もう私のもんだ!」 「テメー!美弦のぬくもりをよくも!! 返せ!! 美弦の愛を返せー!!」 「うおっ、飛びついてくんな、バカ!!往生際が悪いぞ!一度抜いたチューはな、二度と戻せねえんだよ」 「そう言ってフラグメントは戻せたじゃねーかよ! テメーの常識は相変わらず浅いんだよ、山田ちゃんよお!!」 「ニーナさんだっつってんだろぅわっ……!!」 バタッと言う音と共に埃が舞い踊る。 バランスを崩した山ニーナさんがその場に倒れ、モンモさんが馬乗りでマウントを取る形になる。 つまり……形勢逆転だ! って、オレは何を見せられてるんだろうか……? 「ハァハァ、手こずらせやがって。大人しくしてろよ? 欲しいのは、美弦のチューだけだ。そう、美弦の……ハァハァ、美弦の……ちゅううう~~」 「や、やめろ、口を近づけるなアーー!!」 山ニーナさん絶体絶命!あまりの非情な現実を受け入れまいと叫び、目をつぶる。 <ピタッ> その願いが通じたのか、タコのように突き出された唇が触れるかどうかのギリギリで、モンモさんは動きを止めた。 が、それは、より残酷な現実の開始を意味する合図。 山ニーナさんが閉じた目を恐る恐る開く、と―― <ベロン> 「ヒッ!!」 モンモさんの舌が山ニーナさんの頬をなめずる。その行為で、山ニーナさんは全てを悟った。 「モモ、テメー……こんな時に犬化……」 「ワオーン!」 そう、モンモさんの長い髪は犬の耳に代わり、ヘッヘッと遊び道具を見る目で山ニーナさんを見下している。 そうして再び、大量の唾液が乗った舌をベロンと出すと……。 <ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろりんぬ> 一心不乱に山ニーナさんの全身を舐めまわし始めた。 「うわー、やめろ!そんなところ舐めるな!!あっ、やめろ!あん…はっ……やめろ…んっ…やめ…て」 ……… …… … 姉ちゃん、月ノ宮は今日も平常運転です。 コモンの扉が開くまであと38枚 =============================== 勝った!第三章、完!! というわけで、モンモさんとも無事打ち解けて、活動の幅が広がった弟くんでした。後は特に何も起こりませんでしたね。 あっ、そうでした。これだけは説明せねば。 【3-5】で白井弟が、モモ×美弦の蜜月に『割り込んでしまった』後ですが、モモてんてーの言葉通りです。 お姉様が自分を大切に思ってくれてるモモ(&モンモ)に嬉しくなって、ほっぺにチューしてくれました。 おまけにお姉様から「後で続きをちょうだいね」なんて言われたら……モモてんてーの気分は『Heaven』に決まってますよね~。 ちなみに白井弟が、『割り込まなかった』ルートの場合は、お姉様と唇を重ね合わせた瞬間にトイレ内にいる山ニーナさんのブリブリ音が聞こえて、台無しになってました。 山ニーナさんが出てきたところで、モモてんてーは怒り狂い、お姉様は、あの氷のような目で「便秘治ったのね、山田さん」とトドメ刺しにくる『Must Die』展開になっていたので、白井弟は三人を救った英雄という事になります。 これからも決して百合の邪魔になりはしないブルリフの男主人公、白井弟、白井弟をどうかよろしくお願いします。(懇願)

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