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misaki-syumi from fanbox
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時は経ち、月は満ち

フードを被った恰幅の良い女性が、なにかを気にしながら大盛の豚骨ラーメンを啜っていた。 「んふっ…んんっ……美味しい…ふぅ…んむ……はぁっ、美味しかった……」 「…………手毬さん」 「っ!!」 うっとりとした表情でスープまで飲み干したところで、後ろから声をかけられて身体を跳ねさせた。 「ぷぷっ…プロデューサー!い、いつの間に!?」 「はぁ……どうせこんな事だろうとは思いました」 大きな溜め息をつき、やれやれと首を振る男性に、妊婦のような腹をした女性が身体を縮こませる。 「……ご、ごめんなさい」 「はぁ…まあこうなる事は予想していたので、ある程度調整はできます。安心してください」 「そ、そうなの?……よかった…じゃないっ!なんでそれを言ってくれないんですか!?」 「言ったら意味がないでしょう。食べ終わったのなら帰りますよ」 当たり前のようにあしらって女性の方に手を差し伸べる。 「んっふ…んしょ、ふぅ…………プロデューサー、甘いのも食べていい?」 「ダメです」 「……ケチ」 「既に許容カロリーを大幅にオーバーしてますから。ホテルを抜け出してラーメンを食べに来てるのに、この上さらに食べないでください」 「…………わかりました」 お預けを食らった子犬のようにシュンとした女性に、プロデューサーと呼ばれた彼はやれやれとまた首を振る。 「公演が終わるまでは我慢してください。これ以上太ると衣装を直さなくてはいけないので」 「……じゃあ、公演が終わったら…!」 「それは、手毬さんの出来栄え次第ですね」 「……ふふっ、任せてプロデューサー。それなら、絶対に大丈夫だから」 勝ち誇った顔で店を出る。やや蒸し暑い空気のせいもあって、痩せれば美人な顔はうっすら汗をかいており、豚骨ラーメンの匂いと相まってあまりに締まらない。 「期待してます。……それと、今後は抜け出さず一言お願いします」 「う……だって、プロデューサーはケチだし……」 「しっかり管理しているんです。あなたが頼んだことですよね?」 「それはっ、そうだけど……」 夜の街を、少しゆっくりと歩く。大盛のラーメンを消化している胃袋がぐるぐると動く。 「……美味しかったですか?」 「うん……美味しかったです。本場はやっぱり違いますね」 恍惚の表情で、ぶよぶよと柔らかそうな脂肪が蓄えられた腹を撫でる女性に、プロデューサーはこれ見よがしにため息を吐く。 「懲りてませんね」 「う……ごめんなさい…」 「公演の度に衣装の心配をしたくはないので、少しは摂生してくださいと、何度言ったでしょう」 「…………ごめんなさい。……地方のご飯が美味しいのが悪いんです…」 「はぁ……」 これはまた目を光らせる必要があるなと思いながら、彼は何度目か分からないため息を吐いた。 全国各地を回るコンサートツアーも、千秋楽が近づいてきている。 今を時めく歌手、月村手毬がオーケストラとコラボレーションをして歌うとあれば、チケットのソールドアウトも珍しくはない。 圧倒的な歌唱力と、体型のわりには美人なルックス、そしてプロ意識の高い発言やストイックな姿勢。心無い発言をねじ伏せるような歌の力に評判も上々だ。 そんな手毬本人はと言えば。 「うぅ……プロデューサぁ~……靴ずれしちゃったぁ…絆創膏貼って……」 「…………はぁ……自分で貼れませんか」 「無理……届かない……」 「…………はぁぁ……」 月村手毬がまだ少女と呼べる年頃の頃からアイドルとして活躍していたのはそれなりに知られている話だ。その後、1年程度の音楽勉強を兼ねた海外留学を経て、歌手として再デビューしたのも数年前の話である。 スレンダーとまではいわなくともアイドルらしい体型だった彼女が、ドラム缶もかくやと言うような肥満体型になって驚かれてはいたが、本人の「より歌唱を追求した身体づくりの清かです」という有無を言わさぬ発言もあってか、今やわざわざ触れる者は少ない。 …………その理由が、海外で彼の手を離れたことと、高カロリーな海外の食事を堪能しきったせいだという事は、帰国半年前に泣きつかれたプロデューサー以外知る由もない。 実際、迫力と響きを増したボーカルが話題なのだから、わざわざ穿り返す必要もないのだ。 「とは言え、少しは痩せてください。どうしてこんなに歌うツアーをしながら15kgも太れるんですか」 「そっ、そんなに太ってないです!!」 ムキになって否定するが、公“私”に渡って彼女をサポートするプロデューサーにはお見通しだった。 「どうですかね。少し俺の目が無くなるだけで30kg以上増量した月村さんですから」 「う……うぅ……プロデューサーのいじわる……」 「自覚があるなら少しは摂生をですね……」 そう言いながらも、赤くなった踵に絆創膏を貼ってやるプロデューサー。柔らかく張り詰めたふくらはぎや、丸太のように太い太もも。そしてせり出してでっぷりとした腹肉のせいで、手毬の手が絶妙に届かないのは事実だった。 「少しは人当たりが丸くなったのに……そのあたりはついぞ改善の兆しが見えませんね」 「それは……だって、プロデューサーが全部やってくれるから……」 「はぁ……俺が愛想をつかすとは思わないんですか」 試すようにそう言うが、手毬はまるで意に介した様子もない。 「え?ううん、思わないよ。プロデューサーは私の事大好きだから」 絵に描いたようなドヤ顔でそう言われてしまうと、事実なだけに今度は彼の方が答えに窮した。 月村手毬と言う才能と志に惚れこんでなければ、こんな面倒で厄介な女性の手綱を握ろうなんて思いもしないだろう。 「ふふっ、プロデューサーは、私の事、大好きだから」 勝ち誇ったように調子に乗る彼女に、しかし反論の余地はなかった。 呆れたのか、諦めたのか、絆創膏を貼り終えた彼が立ちあがる。 ぐぅぅ……と愉快な音が響く。 「…………お腹空いた」 「夕食、しっかり食べましたよね」 「……足りない。プロデューサーが見てたし、それに衣装も着てたし……」 滞在中のホテルで行われた立食会で夕飯を済ませたが、濃い味やこってりしたものが好きな彼女にとってはホテルの豪華な食事より、街中のラーメン屋の方がよほど好みなようだった。 「今日はダメですからね」 「そんな……お腹空いて寝られないぃ~……」 うるうると瞳を潤ませる彼女に、やれやれと首を振る。 対人関係スキルより先に摂生する術を鍛えるべきだった、と過去の自分に後悔しても遅い。 勿論、そのどちらも両立できるほど月村手毬は器用ではない。 「はぁ……下のラウンジで軽く何か食べるくらいなら、許します」 「本当っ!?プロデューサー、良いんですか!?」 まるで尻尾を振るかのように、キラキラした瞳で見られるたびに、飼い犬の世話は最後までしなければいけないと教訓めいた事を思う。 「構いませんよ、ただし俺も一緒に行きます。月村さんは目を離すと軽くで済ませないので」 「う……そ、そんな事言ってプロデューサーもお腹が空いてるんじゃないですか?」 「そんなわけないでしょう。早く着替えて来てください」 肩を落とし、彼女の部屋をあとにしようとするプロデューサーに、後ろから手毬が声をかける。 「それとプロデューサー……どうして手毬って呼んでくれないんですか……」 むすっと拗ねたような顔をすると、真ん丸な顔が更に丸く、幼く見える。 「……はぁ、言っているでしょう。ホテルには関係者がいるとも限りませんから。公私は分けるべきです」 「……ふーん。プロデューサー、本当は恥ずかしいんじゃないの?」 「ははっ、まさか」 鼻で笑う彼に、彼女がさらにムスッとした顔をする。 「余裕ぶらないでください…!」 「ぶってません。それより早くしなくて良いんですか。ラウンジで軽食が出るのは午後十時までですよ」 「そっ、それを早く言ってください!」 バタバタと部屋着から、少しだけちゃんとした服に着替え直す手毬を背に、今度こそ部屋を出た。 数分後、「チャックが閉まんないぃ……!プロデューサぁ~…!」とドア越しに泣きつかれ、大きくため息をついたのだった。 「月村さん……なぜそんなに不機嫌なんですか」 「別に、不機嫌じゃありません」 「……そんな、あからさまに機嫌が悪い顔をしておいてそれは通用しないと思いますが」 「不機嫌じゃありません!!私が不機嫌な顔したことなんてありましたか!?」 「星の数ほどありますよ……。……先ほどの女性ですか?」 「…………違います。別にプロデューサーが誰と話してても私には関係ないし」 「はぁ……アレは仕事です。レコード会社の人間と会話するのは当然でしょう。最高のコンサートだったんですから、音源化も十分勝算がありますし」 「……と、当然です!」 最高のコンサートと言われて、少々機嫌が持ち直したのか、やや口の端が緩む。けれど、未だに助手席に座ったまま外に視線をやっていた。 「……今の俺に、他の女性の相手をしてる余裕なんてありませんよ。手毬さんだけで手一杯です」 「なっ、なんですかそれ!人を手がかかるみたいに……!」 「手がかかるのは自覚してるでしょう。……そんなに機嫌が悪いなら、今日はこのまま自宅まで送る方向で構いませんか?」 「……うぅ~~……プロデューサーの家に向かって!!」 「はいはい……」 本当に、この面倒な女性だけで手一杯だ。他の女性なんて、視界にも入らない。 怒っているのか喜んでいるのか、はたまた照れているのかよくわからない彼女を乗せたまま、一路自宅へと向かった。 しばらく空けていた自宅に帰ると、やはり自分の家の匂いがする。 と、共に、帰ってきたという実感が沸々と湧いてくる。 「…プロデューサーの家、プロデューサーの匂いがする」 「嫌でしたら、消臭剤を置きますが」 「い、嫌とは言ってませんっ!」 「そうですか、それならこのままで」 そう返しながら、ジャケットをハンガーにかける。流石に、移動日の翌日は休日にしてあったので、ゆっくりしたい。 手毬が、慣れた手つきで彼のジャケットの横に、自身が羽織っていた薄手のジャケットを脱ぎ、かけた。 「……プロデューサー、今回は、どうでした…?」 彼女が、少し不安げに尋ねる。何度同じ言葉を返しても、やはり不安なのかもしれない。 「……最高でしたよ。掛け値なしに。……ただ、最後に少しスタミナが切れてましたね」 「う……ごめんなさい。……でも、楽しくて、つい……ふふっ、昔みたいだね」 「いえ、以前の手毬さんはペース配分ができていなかったせいですが、今の手毬さんは単に太り過ぎです。少し痩せましょう」 「ひどっ……せっかく、良い雰囲気なのに……」 靴を脱ぎ、横幅の広い身体でやや狭い廊下を通る彼女がシュンとする。 「……それでも、掛け値なしに最高でした。それは間違いありません」 「……うん、よかった。私も、気持ちよかった……凄く」 手毬は、そう言いながら彼のベッドに腰かける。ギシっと重たい音が響く。 「っ……こ、壊れないですよね」 「流石に大丈夫だと思いますよ。……手毬さんが太り過ぎなのは事実ですが」 「ひどっ……!じょ、女性に体重のことをそうやってずけずけ…デリカシーがないと思います…!」 「今更……」 呆れたように呟きながらシャツを脱ごうとして、熱い視線を感じ手を止める。 「……手毬さん、何故こちらをじっと見ているんですか?」 「は、はぁっ!?別に見てません!自意識過剰なんじゃないですか!?」 「…………と言うか、俺の家に来るのは良いんですが、なぜ当たり前のようにベッドを占領するんですか」 「せ、占領なんてしてない!って言うか、プロデューサーもこっちに来ればいいでしょ!?」 「…………はぁ、そのつもりなら初めからそう言えばいいのに……」 手毬が彼の家に来ること自体は珍しくない。 今日のように、地方から帰って来る時は悲惨な状況の部屋に戻りたくないと駄々をこねる事もあれば、少しづつ食べるように言いつけたお土産を一晩で平らげた前科を鑑みて彼が監視することもある。 生活能力が著しく低い彼女の部屋は分かりやすく散らかっており、地方公演の前で彼が忙しかったのもあってより惨状は悪化しているだろうから、手毬が彼の家に来たがるのも特段不審には思わなかった。 しかし、偶にあるのだ。もっとも面倒かつアンタッチャブルな理由で彼の部屋に行きたいと駄々をこねるときが。 「手毬さん。一応言っておきますが、あなたは芸能人で、それなりに人気もあります」 「それなりって、……どういう意味ですか?」 「……失礼、今や時の人とも言えるでしょう。あまりプライベートに口を出したくはありませんが、男の家にホイホイとついていくような事は控えてください」 「どうして?プロデューサーなら平気だよ、私」 「………………まぁ、俺の目の届かないところで妙な気を起こされるよりはマシですが……」 苦虫を嚙み潰したような顔をする彼とは裏腹に、手毬の方はなにかを待つかのように、ごろんっとベッドの上に仰向けになる。 「……服が皴になりますよ」 「平気。あとでアイロンかけるから」 「……俺が、ですけどね。……せめてシャワーくらい浴びませんか」 「ふふっ、大丈夫ですよ。私は別に気にしませんから」 「………………自分の方は気にしないんですか」 「えっ…………ひょっとして、私臭い……?」 「……………………まあ、今日は平気でしょう。ホテルでしっかり入浴もしてますし」 「……だよね、驚かせないでくださ……待って、今日はって言った?」 「オフが三日続いた手毬さんは正直少し臭います。シャワーくらい面倒がらずしっかり浴びてください」 「ひどっ…!本当に……!?」 ショックを受けながら、着ているブラウスのボタンを外し、少しスンスンと鼻を動かす手毬。だらけきった姿勢も相まって、とても歌姫とは思えない。 「はぁ……ショックを受けるくらいなら、普段からもう少しですね」 「……だって、プロデューサーが全部やってくれるし……」 「………………」 育て方を間違えたと強く思う。しかし、もう片手では数えきれない年数になる手毬との日々を、今更やり直すことなどできようもない。 「……終わったらすぐ寝ないで、しっかりシャワーを浴びてください」 「うん…わかった…」 流石に臭いと言われたのはショックなのか、しおらしく頷く。万事これならどれだけ楽か。 やれやれと思いながら、慣れた手つきで手毬のブラウスのボタンを全て外す。 腹にだぶだぶと纏わりついた脂肪が浮き出るような肌着のシルエット。薄っすら汗で湿っている。 腹の脂肪を二分するようにぎゅうぎゅうに絞められたベルトを外すと、肉の山の標高が下がる。 「ベルト、キツいでしょう。見栄を張って細く見せようとするから…」 小言を言いながら、ウエスト周りの緩くなったスカートに手を這わせる。 「……なんだかんだ言って、プロデューサーって私の事好きですよね」 「…………………………何を急に」 「ううん。だって、いっつも全部やってくれるし……ふふっ、惚れた弱みってやつ?」 「…………………………………………」 今すぐこのでっぷりとした腹を引っぱたいてやろうかと一瞬考えて、惚れた弱みと言う言葉を否定できずに大きなため息をついた。 「な、なんでそんなため息をつくんですかっ!?」 顔を赤くして怒る手毬だが、上半身は肌着一枚に剥かれ、スカートも半ばはだけ、両手でも掴めないほど太い太ももが露出している状態では何とも情けない。バタバタと足を動かす度に、たっぷり蓄えた腹の脂肪がぶよんっと波打つ。 「暴れないでください。自分で脱いでもらいますよ」 「うー……プロデューサーの変態…!」 「やめますか?」 「…………うー!」 子どものように唸る手毬だが、渋々大人しくなる。 彼がスカートを完全に脱がせ、そのままさっさと自分のシャツやスラックスを脱ぐ。 その間、半らに剥かれた手毬は少し顔を上げて彼が脱衣する姿をじっと眺めていた。 ぶにゅぅっと顎周りの脂肪が潰れ、あまり可愛らしくない顔になっている。 「…んふ、っふ…なんですか」 「……いえ。なんでも」 ファンには見せられない顔だな……としみじみ思いながら、同じく半裸になった彼が再度ベッドの上に乗り、手毬のぶよぶよっと脂肪を蓄えた肥満体に抱きつくように背中に腕を回した。 「起こしますよ」 「ん……優しくしてください…」 「…………はい」 ドキドキと言うよりも、子どもに言われているような錯覚を覚える。 「っふ……」 手毬の身体を抱き寄せるように起こす。はだけたブラウスがさらにはだけ、汗で貼り付いた肌着はぶにゅぅっと脂肪の段差に呑まれる。 「っ……やはり、少し痩せましょう…」 「いっ、今言わなくてもいいでしょっ…!」 そうは言っても、腕にかかる重量は半端ではない。 だいたい、この体型なら後ろからの方が楽なのに、顔を見たい、抱っこしてとせがむのは手毬なのだ。 「はぁ…重かった……」 「……ご、ごめんなさい」 「……別に責めてはいませんよ。事実を言ったまでですから」 「それはそれでひどいっ……!」 彼の脚の間に尻を下ろし、向かい合って抱き合う。はだけたブラウスを完全に剥ぎ取り、皺になるな……と諦めながらベッドから放った。 「……んー」 「…ん」 子どものようにキスをせがむ手毬に、諦めたような表情の彼が口づけをする。 「ん……んはぁ……えへへ……キス、しちゃった…」 「…………くれぐれも、外で妙な事言わないでください」 「うん……我慢する…」 「我慢とかではなく……ぐぅっ…」 小言が続きそうな気配を感じたのか、手毬が体重をかける。 彼の脚を跨ぐように座る手毬の脚や、抱きしめたせいで密着している身体が、ずっしりと重く、彼が呻く。 「プロデューサー…今はそう言う話、やめて欲しいな……」 「………………………………はぁ」 本人は大人の駆け引きか、はたまた睦言のように考えているみたいだが、やはり子どもがお願いしているように感じてならない。 「ふふっ、プロデューサーだってこんなに…………なんで萎えてるんですか」 「…………」 射抜くような視線に顔をそむける。そんな急には立ち上がらないのだ。 「……プロデューサーー!私の事抱けないって言うの!?」 「そう言う事を大声で……!……何度も抱いてるでしょう…」 「……そうだけど……まさか浮気ですか!?」 「そんなわけないでしょう…………触りますよ」 荒れる手毬を抑えるのは、食べさせるか気持ちよくさせるのが圧倒的に楽だ。 肌着の中に手を入れる。ぬるっと汗の感触がする。熱い。 ブラのホックを外すと、目の前の巨乳がゆさっと揺れた。……しかし、上から覗き込めば腹の方が更にせり出しているのは一目瞭然だった。 初めて会った時のスタイルはどこへやら、胸は然程膨らまず、尻は腕が周りきらないほど大きくなり、腹もでっぷりとせり出して妊婦のようだ。 衣装のドレスが、毎回ゆったりとしたタイプで本当に助かる。 そう思いながら、柔らかくハリのない脂肪乳にむにゅんっと指を這わせる。 「ひゃっ…!さ、触るなら触るって言ってください…!」 「言いましたが…」 むにゅぅ…むにゅっ…柔らかい胸を両手で愛撫する。時折、でっぷりと脂肪の詰まった腹肉にまで手を伸ばし、ぶよぶよと揺さぶると、手毬の口からは熱い息が漏れる。 「んふぅ…っはぁ……♡プロデューサぁ…♡」 甘えるような声は、どうしたって可愛らしく感じてしまう。 例え不摂生の塊のようにぶくぶく太ろうと、例え壊滅的な私生活を送ってようと、例え理不尽に怒り甘えてこようと、どうしたって可愛く思えてならない。 困ったと思いながら、甘い声を漏らす手毬の尻に手を這わせ、ミチミチと張り裂けそうなショーツの中に手を伸ばす。 誤魔化しても仕方がないのに、見栄を張って小さいのを履き続けるから今にも裂けそうだ。 「んぅぅっ…♡んふぅぅ…♡ん~…♡」 「ん……」 唇を塞いでしまえば、このやや煩い彼女も大人しくなる。 たぷたぷとハリがなく、五指が沈んでいく尻肉に片手を、もう片方の手を段々になった背中に這わせて、まるで子どもをあやすように撫でる。 随分太り過ぎた子どもだが。 「んふぅ……♡」 ずっしりと重たく、体重がかかる。正面から抱き合っても重たく感じるのだから、騎乗位などされた日には潰れてしまうかもしれない。 「はぁ…ん…っふぅ…んふ……プロデューサぁ…♡」 「っ……重っ…手毬さんっ…」 しかし、そんな事考えもしない手毬は、興奮のままプロデューサーの身体を押し倒そうとする。 身長差は有れど、それ以上の体重差になす術もなく彼の身体がベッドの上に仰向けになる。ボクサーパンツは、柔らかく熱い肉を揉み、香しい女の体臭と汗の香りのせいか、すっかり立ち上がっていた。 「プロデューサぁ…♡やっぱり、私の事大好きなんですね…ふふっ…♡」 生理現象です、と受け流すには、あまりに説得力がない。 ボクサーパンツを脱がされ、手毬が息を呑む。 「っ……お、大きい…」 「……怖いならやめますが」 「こ、怖くなんかありませんっ…!ん…んっふぅ…♡」 腹肉をぶにゅんっと凹ませながら、むちむちした手のひらで竿を触る。 脈打つそれに、一瞬「ひっ…」と声を漏らし、そしてまた取り繕うように「ど、どうですか?気持ちいいですよね…!?」と声を上げる。 そして、自分の秘部に熱くなった性器を宛がう。手毬の重量級の身体に抑えつけられた彼は、なす術もなく彼女の陰部に飲み込まれるしかない。 「っ……っふ…重……」 「んっぅぅ…♡♡重くなんか…んふぅっ…♡…ありませんっ…♡♡」 そうは言っても、重たいものは重たい。 歌手として活動し始めてから、プロフィールからひっそりと消えた体重の数字。 けれど、彼だけは管理のために手毬の体重を申告されていた。 つい最近、3桁を超えたその数字を思い出し、呻くように彼が反論する。 「100kgを超えて……重くないは無理が、…っふ…」 経験も浅く、やや自分勝手な手毬の体勢は、体重の分散など考えられておらず、ずっしりと彼の身体にその重量がかかる。 「こ、超えてませんっ…♡んっふっぅぅ…♡♡っはぁぁ…♡♡」 「っ…手毬さん、声っ……」 超一級品の歌唱力を裏付けるような声量も、今はただの近所迷惑になってしまう。 彼が腕を伸ばし、手毬のぶよぶよとしたウエストを鷲掴みにする。100kgオーバーのでっぷりと肥えた脂肪が指の間から溢れる。 自分の身体に引きつけるように、手毬の脂肪をたっぷり蓄えた身体を抱き寄せる。 彼としては口を塞ぐためだが、手毬からしたら愛情の抱擁にしか思えず、自身の膣内で蠢く性器を感覚を味わいながらでっぷりと肥えた腹肉を彼の腹筋に押し当てるように身体を倒す。 「んっぅぅ…♡♡プロデューサぁ…♡♡んふぅっ…んちゅぅ♡♡」 子どものような技巧の欠片もないキス。ただ吸い付くように唇を重ねる。彼の腕が、柔らかく全身を包む手毬の脂肪に沈む。 「んむっ……」 「んはぁ…♡んふぅ…♡♡きもちいぃ…♡♡すきぃ……♡♡」 「はぁ……手毬さん…」 「んちゅぅ♡♡んはぁ…重くて、んふぅ…♡ごめんね……んっぅぅ…♡♡んちゅぅ♡♡」 とうとう取り繕う余裕もなく、甘ったるい声で子どものように話す手毬を味わってしまうと、普段の全てが許せてしまうような気がして、彼はその重量と甘ったるい声色、ツンと鼻につくような汗と女性の香りに身を任せる。 「んっぅっ…♡んふぅっ♡♡はぁっはぁっ…♡♡」 腰をどすっどすっとゆっくり動かす手毬の最奥を撫でるように、彼の性器が突き立てられ、手毬の嬌声が響く。 「んむっぅぅ♡♡♡んふぅぅ…♡♡んちゅぅぅ…♡♡プロデューサぁ~…♡♡」 「っ……手毬さん……っ……」 重量感と、快感に呻きながら、彼の手が手毬のぶ厚い腰周りの脂肪を掴み、だぶっだぶっと揺らす。 「んっふぅぅっ♡♡んひゅぅっっ♡♡♡んっふぅぅっ♡♡♡」 手毬のくぐもった声が激しくなり、彼の性器がビクビクと脈動する。 「っ……手毬さんっ……!」 「んはぁぁっ♡♡♡だしてぇっ♡♡だしてっ♡♡♡」 幼い子どものような舌ったらずな発音で、手毬がそうせがむ。そしてまた唇を重ねる。 どびゅっぅぅっ……!どぶぅぅっ…! 「んっっっ…ふっぅ~~~♡♡♡んっぅぅゔゔぅっ~~~♡♡♡」 獣のような喘ぎ声と共に、手毬の身体が彼の身体を押し潰すほどぎゅうっと抱きしめ、ぶよぶよと震える。 どぶぅぅっ…どぶぅぅっ…どぶぅぅっ…! 「っ…っぅ…手毬さんっ…」 「んっ…ふゔっぅ~~…♡♡♡」 重たく柔らかい身体が押し付けられ、彼が呻くが、手毬の方は甘い声を漏らしながら精子が吐き出されるのを味わう。 「っはぁぁぁっ…♡♡んんんっぅぅ~~~…♡♡」 どびゅぅぅぅ…どぶぅぅっ……どびゅぅっ……どくんっ…どくんっ…… 射精の勢いが徐々に弱まっていき、最後の一滴まで流し込まれる感覚に、手毬が甘ったるい声で味わう。 どくんっ…どぷっ……どぶっ…… しばらく、二人の荒い息だけが部屋に響いた。 「はぁ…っはぁ……手毬、さん……どいて、ください……」 「んふぅぅ…♡♡んひゅぅぅ…♡♡ぅん…♡♡んっふぅぅ……♡」 疲労と満足感からか、普段とは打って変わって素直に従う手毬……と思ったが、頷いてこそいるが、彼の上から動こうとしない。 「はぁ……ふー……手毬、さん……」 「んぅぅっ…♡っはぁん…♡……っふー…ふー……♡」 無理矢理手毬を身体の上からどかすように肩を押し、体を起こさせる。しかし、100kgを超えた肥満体はなかなか持ち上がらず、彼の方は更に疲弊する。 「ふー…♡♡ふー…♡んっふ……っふー…♡しかた…んふぅ♡…ない、ですね…♡」 勝ち誇ったような顔で、手毬が性器を引き抜き、甘い声を漏らしながらごろんっとベッドの上に転がる。 「すー……っふー……」 ようやく重たい贅肉と脂肪がどいた。彼は大きく息を吸い、吐いた。汗っぽい臭いをかき消すほどの性臭に、顔をしかめる。 「はぁ…んふぅ♡プロデューサぁ…はぁ…♡おこして…♡♡」 甘えた声を上げ、むっちりと肉がつまり太くなった腕を上げる。 彼が、ため息を吐きながらそんな手毬の身体を抱き起こす。むわっと汗の香りが濃い。やはり先にシャワーを浴びるべきだった。 「んふぅ…んふふ…♡しちゃったね…♡」 「…………そうですね」 「…………なんで、ふぅ…不満、そう…なんですか」 荒く息を吐く手毬が、ジトっとした目で彼を見る。 「…………手毬さん、やっぱり申告以上に太りましたね」 「…………今、ふぅぅ…言うべき、ことですか…!?」 普段と違って、ぜえはあと息を荒げながら、手毬が顔を赤くする。でっぷりとせり出して揺れる腹の脂肪は、汗でベトベトだった。 彼の手が、そんな腹のぶ厚い脂肪に触れる。全裸の男女が触れ合ってるにしては、触診のような動きだ。 「……105…いやもうちょっと…ふー、手毬さん、今体重計を持ってきます」 「えっ……ちょっと、ふぅぅ…プロデューサー…!」 ムードも何もあったものじゃない彼の発言に手毬は抗議するが、重たい身体と疲労で、動きたくはない。 そんな手毬をよそに、彼が脱衣所に消える。 「…ふぅ、んふぅぅ…ふぅ……っふー……バレちゃった……どうしよう…」 そして、顔を青くさせる手毬。まさに天国から地獄である。 そんな手毬の様子をよそに、彼がさっさと体重計を持って来る。 「さあ、乗ってください」 「ふぅ…嫌です」 「乗ってください」 「でっ、デリカシーがないんですかっ!」 「……120kg…もう少し」 「そ、そんなに太ってませんっ!」 「本当ですか?……信用できませんね、証明できますか?」 「簡単ですよ!そんなに太ってないですから、ちゃんと見ててください!」 売り言葉に買い言葉で、手毬はあっさりとベッドから立ち上がらされ、体重計に極太の足を揃えて乗る羽目になる。 あまりの単純さに、少々心配になりながらも、彼はそんな手毬の足元に視線をやる。 「……手毬さん、お腹が邪魔で見えないから適当に申告しているわけではないですよね」 「そっ、んなわけ…ありませんけど…!」 「…………」 一応見えているが、怪しい。と言ったところか。 体重計には112kgとの表示。手毬の親告より7kgも重い。 「ほらっ!120kgなんてあるわけないじゃないですか!」 勝ち誇ったような顔の手毬に、さてなんと言ってやろうかと彼が渋い顔をする。 でっぷりとした腹の脂肪と、胸やら尻やらが、手毬が動くだけでゆさっと揺れる。汗の香りが強く漂い、ベッドの上や手毬の太ももにはべったりと白いものが残っている。 「……とりあえず、シャワーを浴びてきてください」 「えっ…一緒じゃないんだ…」 「…………シーツなどを変えるので。終わったら俺も入りますから」 「…じゃあ、待っててあげます」 「さっさと入ってください。風邪をひかれたら困ります」 「……プロデューサーのケチ」 「はぁ……一人じゃ身体も洗えないくらい太ってしまったのなら、一緒に入りますよ」 「そっ、そんなわけないじゃないですか!バカにしないでください!!」 どすっどすっと怒りも露わに、全身の脂肪を揺らしながら勝手知ったる風呂場へ向かう手毬の、大きくややだらしのない尻を見ながらプロデューサーはもう一度、大きくため息を吐いた。 「…………この誘導が現実にならないことを願うしかないな…」 汗と精子とその他諸々ですっかり汚れたシーツを丸めながら、そう呟くのだった。 深夜、「お腹が空いて眠れなかった」と冷凍庫を漁る手毬を説教したのは、また別の話である。

時は経ち、月は満ち

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