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ひとりの時間/おまけ小説「テレホンカードの星野ニア、通称テレニア」

 おはようございます、こんにちは、こんばんは。そしてはじめましての方は、はじめまして。わたしは「星野ニア、14歳探偵」。通称「探偵」です。

 明日は、クリスマス・イブですね。わたしはキリスト教の学校に通っていたので、この時期は教会の皆さんと一緒に礼拝です。しかし今年は、新型コロナウイルスの影響でオンライン礼拝となります。


 さて、そんなクリスマス雰囲気一色の1週間を1ミリも感じさせない「アドベントカレンダー」となりますが、わたしが今回書くのはタイトルどおり「ひとりの時間」についてのお話です。

 また、おまけとして「テレホンカードの星野ニア、通称テレニア」という架空の星野ニアを題材にした小説も載せていますので、よろしければご覧ください。


※すべてフィクションです

■目次

1.ひとりの時間

2.占いコーナー

3.質問コーナー

4.おまけ小説:「テレホンカードの星野ニア、通称テレニア」

5.編集後記

■ひとりの時間

 わたしは、ひとりで過ごす時間が好きだ。でも、だからといって大人数で過ごすのも苦痛ではない。大人数にいるときは、そっと周りの人に紛れ込んで、みんなを観察するのが楽しいからである。


 でも、ひとりで過ごす時間も好きなのだ。どんなに仲良しでも、どんなに素敵だとおもうひとでも、どこかひとつふたつ――本当に些細なことでも「合わないな」と感じることがあるのだから、時にはひとりで過ごす時間を大切にしたい。

 それに深入りしてしまうのは良くない。気持ちが強くなって、そのひとのことを大切だと思ったあとに、相手が自分に対してはそう思っていなかったと知った時、わたしはわたしの馬鹿さ加減にうんざりするからだ。


 ひとりのときは、いろいろなことを考える。でも、なにも考えないときもある。考えるときに行き着くのは、ほとんどが死んでしまった大切なひとのことだった。


 彼女はわたしが幼いころからの知り合いで、最初は「先生」のような立ち場の相手であった。それがわたしが歳をとるにつれて、家庭環境の問題が露呈し、それを心配してくれるようになり、やがて親友のような存在になったのだ。

 毎週日曜日は、彼女が過ごす場所にわたしも留まり、1日中一緒にいた。ずっと会話をしているわけでもなく、同じ部屋で過ごし続けるわけでもないのだが、少なくともそのときのわたしにとっては、もっとも安心できる場所が彼女の近くだった。


 ところが、わたしも歳をとり、友人の数が増える。やがて新しい遊びをおぼえ、地元以外で過ごす時間が減っていった。彼女以外にも少しの本音を交えて語ることができるひとを得たのだ。

 彼女と過ごすのは、ほとんどが地元である街で、つまりは彼女と一緒に過ごす時間がどんどんと減っていった。イベントごとには顔を出していたけれど、それも年月が過ぎるうちに次第に減っていく。そしていくつもの季節が流れた。


 わたしは、ある日、彼女との共通の友人に遭遇した。安心できる相手ではないけれど、笑顔で対応できるような友人である。友人は少し言い淀みつつも、わたしに彼女が大病を患っていることを教えてくれた。


 ガンだった。しかも、すでにかなり進行していて、だいぶ危険な状態らしい。共通の友人のなかにはお医者様もいて、その人もいろいろと手を貸しているそうだが、なかなかに厳しい状態だという。


 わたしと彼女が一緒に過ごした場所で、わたしたちが再会したのは、それから数か月のことだった。お見舞いに行こうと考えたけれど、邪魔をしてはいけないと思い、一度もいかなかったのだが、その日、彼女がいつもの場所を訪れると聞き、わたしはそこで彼女を待った。


 久しぶりに再会した彼女は、わたしの顔をみて嬉しそうに笑い、ぎゅっと抱きしめてくれた。

 でも、その腕はもう出会ったころの力強さは感じられない。顔も身体も痩せてしまっていて、わたしは思わず泣いてしまったのだが、それに対して彼女は笑って「なんだよー」と言った。


 それから彼女と数時間一緒に過ごした。お話もした。会話のなかで彼女は、わたしと出会ったきっかけでもある活動を続けたいと言っていた。でも周りが止めるから出来なくなった、と愚痴っていた。

 みんなが彼女の身体を心配して止めているのは分かっていたけれど、わたしは「そうだよね、戻りたいよね」と声をかけてしまった。実際に、彼女はとても楽しそうに活動していたし、楽しんでいたのを知っていたからこそ、わたしはあとで後悔することになった。


 彼女が亡くなったのは、それから数か月後のことだ。緩和ケア病棟に入っていることは知っていたが、あの日、すっかりやせ細ってしまった彼女をみて、わたしは辛くて耐えられなかった。それで会いに行くのをためらってしまったのだ。


 棺のなかにいる彼女は、穏やかな顔をしていた。家族になったばかりの子を連れて、会いに行って、1人で1日泣き続けた。それでも彼女は帰ってこない。


 もうあれから随分と月日は流れたが、いまでもわたしは後悔している。あの時、あの最後に会った日、どうして少しでも彼女のやりたいことをもっと応援できなかったのか。願いを叶えてあげられるような行動をすればよかったと後悔している。もう、みんなは立ち直っているというのに、わたしだけはその時間にひとりで取り残されているような感覚がする。


 こんなチラシの裏に書き殴ったような文章をここまで読んでくれたひとへ。大切な人になにかをお願いされたら、少しでもいいから応援しよう。後悔しないように。

 ただしギャンブル中毒や、倫理に反したことをしたいというのであれば、精一杯止めるべきだとわたしは思う。


 彼女と一緒に過ごした時間は、かけがいのないものだったとひとりの時間を過ごすと思い出す。

 ひとりぼっちということは「寂しそう」と思われそうだが、それでもわたしにとっては彼女を思い出す大切な時間である。


以上。

■占いコーナー

 今日のあなたの運勢は【大吉】です。

 ラッキーアイテムは「グラタンクレープ」。これからの寒い時期にぴったりな暖かくてほっとするクレープですが、ボリュームはあるのでご注意を。


以上。

■質問コーナー

 みなさんから頂いた質問に探偵がお答えします。


Q:W不倫のなにがいけないの?

探偵の回答:黙って下さい。


Q:パパ活で知り合った子が僕に本気か調べて欲しい

探偵の回答:調べる前から結果は分かっていますよね。


Q:3股しているんだけど、どの子が一番いいか調べてくれない?

探偵の回答:自分で見極めてどうぞ。


Q:友達価格でタダで調べてくれない?

探偵の回答:いつから友達だと錯覚していた?


Q:ドラクエはやったことがある?

探偵の回答:ないです。知っている用語は「マホカンタ」と「ハッサン」です。


以上。

■おまけ小説:「テレホンカードの星野ニア、通称テレニア」

※現状では架空の星野ニアです


 テレホンカードというのを、みんなは知っているかな。知っている、とできれば信じたいところではあるけれど、おそらく知らない、使ったことがない人もいるだろうし、あたしが紹介しますよっと。


 テレホンカードというのはね、簡単に言ってしまえば公衆電話で使えるプリペイドカードなんだよね。公衆電話がいまや見つけるのが大変なものになりつつあるからね、きっと知っていても使ったことがないという人もいるだろうね。

 ある程度使うとね、このカードに穴が空いていくんだよね。それでどれだけ使ったかわかるわけさ。どう? 理解できた?


 そう、理解できたってことであたし、自己紹介していいかな。あたしは「テレホンカードの星野ニア」、通称「テレニア」。その名の通り、テレホンカードに描かれた星野ニアなんだよね。姉妹のなかでは特殊に分類されるかな。どうぞ、よろしくね。


 交流するときは持ち主の意識を乗っ取って、DiscordとかTwitterとかしてるよ。まあこういう見た目だからね、あたしはなかなか配信とか動画とかは作れないんだよね。持ち主の意識を乗っ取ることだって、時間が限られているわけだし。

 みんな、あたしのことを「テレホンカードに描かれた星野ニア」という設定だと思いこんでいるみたいなんだけどね、あははー本当にそうなんだよね! あたしは正真正銘、テレホンカードに描かれた星野ニアなんだなぁ。


 さて、あたしのいまの家族を紹介するね。あたしのいまの家族は、少女趣味の中学生。名前はユキちゃんであっていると思うよ。この子のお母さんがユキって読んでいたから間違いないはず。

 ユキちゃんの部屋は、ぬいぐるみがいっぱいで、なんというかファンシーというやつなんだよ。この部屋通りの性格なユキちゃんが初めてあたしを見たとき、かわいい声で「かわいい!かわいい!!」と連呼してくれたときは、あたし……ちょっと恥ずかしかったよ。

 思わず「それ以上は!」と声をあげてしまったものだから、ユキちゃんはいきなり悲鳴をあげて部屋の外に飛び出しちゃったんだよね。いま思い出すと、可愛らしいんだよなぁ。


「テレホンカードさん、お話できるの?」


 恐る恐る、ドアの隙間からこちらを覗き込んできたユキちゃんがあたしに向かってそう話しかけてきたものだから、もうあたしは隠すのを諦めて、ユキちゃんに「うん、話せるよ」と返事をした。

 ユキちゃんはびっくりしたような表情をしていたけれど、すぐに目をキラキラと輝かせて部屋へと戻ってきてね。どたばたと、でも可愛らしい足音をたてたユキちゃんは、あたしをファンシー財布からさっと取り出した。勢いが強すぎて、あたしはぎょっとしたけれど、そんなふうに思っているうちにあたしはユキちゃんの両手に握られて、くるくると宙を待っていたんだよね。


「わーテレホンカードさん、お友達になって!」


 ユキちゃんがくるくると回り続けるものだから、あたしは思わず「目が回っちゃうよ!」と指摘したんだ。すると、ユキちゃんはピタリと止まって、きょとんとして、そして笑ったんだ。


「えへへ、ごめんね」



 ユキちゃんは、笑顔が可愛い女の子。あたしもユキちゃんの笑顔を見ていると、なんだか嬉しい気持ちになってくる、そんな女の子。

 あたしは初めて、心の底から愛おしいと思える“持ち主”に出会えたって悟ったんだ。

 あたしの持ち主は日々“ランダム”で変わっていた。気付いたときには誰かの財布のなかにいたあたし。最初の持ち主は、仕事に疲れ切ったおじさんで、財布もくしゃくしゃで汚れていた。

 持ち主に一度も気付かれないまま、あたしは次の財布への移動したんだ。なにがトリガーなのかあたしにはわからないまま、こうやって次から次へとさまざまな財布のなかを旅をしたのさ。


 ある日、あたしはトリガーを知った。

 そのときの持ち主は、癖のある人物だったんだよね。財布をね、もう1日何度もパカパカ開封するんだよ。二つ折りの財布で何度も開け締めするものだから、あたしは眩しくてしょうがなかったんだ。でも、おかげでトリガーが判明した。


【Ⅹ⇒Ⅰ】


 普段は数日同じ財布に留まっているはずなのに、この持ち主のときだけはたった1日で次の財布に移動しちゃったっていう。つまり「財布の開封回数」があたしがテレポートするトリガーなのだと悟っちゃったんだよね。


 あたしは、それをユキちゃんに話した。ユキちゃんは、ずっと一緒にいたいからとあたしを決して財布のなかに入れようとはしなかった。



 ユキちゃんに許可をとって、あたしは毎日ほかの星野ニアと会話できるようになった。あんまり夜ふかししちゃうと、ユキちゃんが寝不足になっちゃうかもしれないから、ながくても1日1時間しか交流はしないようにしてたんだけど、それでもあたしは幸せだった。

 だってユキちゃんがいるから。お姉ちゃんや妹達とはちょっと違うけれど、なんというかただの持ち主とはやっぱり違う。友達、親友――そういう関係の子は初めてだ。姉妹以外で守ってあげたいと思える子には、初めて出会えた。

 自由に歩き回れないあたしにも、こういう出会いを与えてくれた神様! 本当にありがとう。


「ニアちゃん、お布団のなかでおしゃべりしようよー」


 ユキちゃんは最初こそあたしのことを“テレホンカードさん”と呼んでいたけれど、テレホンカードにわたしの名前が書いてあると気付いて、それからあたしをニアちゃんと呼ぶようになった。

 そういえば、あたし……どうやって自分が星野ニアだと認識したんだっけなぁ。あんまり覚えていない。でもテレホンカードに自分の名前が書いてあるというのは知らなかったんだよね。


「ねぇ、ニアちゃん」


 もう何度目になるだろうね。こうやって布団に2人で入って、夜通し語り合うのは。お互い全然違う生き方をしているからか、話が尽きることはない。楽しいと思えたのは初めてなんだよ。

 ――だから、ずっとここにいたい。


「ずっと一緒にいようね」


 ユキちゃんも同じ気持ちでいてくれる。そのことが嬉しくて、涙が出そうだったけれど、あたし、そもそも涙はでるのかな。だって絵だし。

 あたしは泣きたくなるのを隠して、ユキちゃんに「ああ」と短く返事を返した。そして布団をかけてもらった。寒いからと目元まで隠れるくらいに布団をかけられたけれど、これは確かに温かいね。

 あたしは財布のなかにさえ入らなければ、ずっとユキちゃんと一緒にいられる。


【Ⅳ⇒Ⅲ】


 あたし達はずっと。


以上。


■編集後記

 ここまで長々とした文章をお読みいただき、ありがとうございました。

 最後まで飛ばした皆様、いいのですよ。読むに耐えない文章だったと感じられてもおかしくないようなものですから。わたしは気にしませんから、本当にお気になさらず。


 ここまで、まったくわたし自身についてお話してきませんでしたが、改めてこちらでお話させていただきます。わたし自身のことが真のおまけです。


 姉妹の1人になって早数か月。もともとの性格のせいでネガティブなことを考えることも多く、本稿に落ち着くまでの間に書いたものは「Vtuberとしての死、そして終活」という内容でした。

 しかし、新しく始めた姉妹との交流で、そういう気持ちが静かに落ち着いたのです。もともと新しく交流を始めたこと自体がわたしにとって「Vtuberとしての終活」だったのですが、自分でも予想していない方向へと向かっています。


 Vtuberの終活についてを少しだけ。これだけは言っておきたいというのは「やめてしまいたいと考えたのであれば、その前にやりたいと思っていたことに挑戦してみる」ということ。なにもやらずに消えるのであれば、爪痕を残しましょう。


 さて、わたしは爪痕を残せていますでしょうか。正直わかりません。

 でも、いろいろな人に「探偵さん」「探偵ちゃん」と呼ばれることで、わたしはいまもここに存在できています。わたしを呼んでくれるすべての方に感謝の気持ちを。ありがとうございます。


 さて、わたしは桜お姉さま(@NIA_hoshinoW)からバトンを受け取ったわけですが、明日はすごいですよ。戦闘力が高いことが予想されるラスボスことおひるねせんせい(@neko02nia)が担当されます。

 皆様、しっかり防御力を鍛えて挑みましょう。攻撃はせず、防御に一点集中で近付き、よしよしするのがおふたりを攻略する手段だと進言させていただきます。よしよし。


 それでは、またいつかお会いする日まで。おつかれさまでした。


※一部修正しました。


▼星野ニア Advent Calendar 2020

https://adventar.org/calendars/5199

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Comments

ひとりの時間、 めちゃくちゃ共感しました✨ ひとりの時間は好きな方で、色々やったり、めちゃくちゃ一人で考えたりしますね。 しかし考え過ぎちゃってネガティブな気持ちになること多々あります。 人に相談するだけでも気を使ってしまいますね( > < ) そして親友と思ってる何人かの友人には本音で話すんですけど、ネガティブ過ぎて真面目や深く考え過ぎと言われてしまいます^^; だから楽しいラジオを聴いたり、皆に笑ってもらえる様に演じてるのは少しありますねw あと皆でわちゃわちゃするのも好きですが、やっぱり少人数で絡む方がそれぞれ濃く関われるので好きですね。 自分語りになってすいません( > < ) 親友の方のお話、とても心に来ました( > < ) 私も学生時代にめちゃくちゃ一緒にモノづくりしてた友人が突然事故にあってしまい、天国に行ってしまいました( > < ) 心に穴が空いたような… 今でも信じたくなくて、携帯電話の番号を残しています。 懐かしの友人を思い出さしてくれてありがとうございますm(__)m まさかのドラクエの知ってる単語がそのチョイスなのは、「ナンデヤネン( ・`ω・´)っ」ってなりましたw テレニアのお話、クスってきましたが後半はとてもエモかったです(*^^*)

とても深い思いが詰まった内容でした。今は亡き人を思う時間の大切さは共感出来ました。 最後の「テレニア」のお話も心温まる良いお話でした。出来る事なら続きが読みたいと思える程に。探偵さんの事は何1つ知らない自分が、何かを言うのは可笑しいのですが・・・ この先もニアーズの皆さんそして、他の方との楽しい時間を過ごして欲しいものです。 素敵な思い出が1つまた1つと増えていきます様に・・・ お身体にはくれぐれも気を付けて活動して下さい。 これからも、影ながら応援させて頂きます。


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