獣人ガオレオンの食事1
Added 2023-03-09 09:32:53 +0000 UTCむかし、むかしの大昔まだ人間という生き物がこの世界を支配していた時代 1人の科学者が猫と人間の遺伝子を掛け合わせた新しい生命体を誕生させた。 科学者はその生命体にガオと名付け、新しい未知の生命体を獣と人を掛け合わせた獣人と呼ぶことにした。 それからその科学者は獣以外の生命体でも獣人を作ることに成功した。 犬×人、ゴリラ×人、鳥×人 そして獣人達が成長する過程で知能が芽生え始め二足歩行を歩き始め言葉を覚えていった。 彼の実験は成功したのだ。 しかし、人間の欲はこれだけでは留まらなかった。 彼らはさらなる進化を求めて獣人に成長促進剤を与えた。 すると、彼らの筋肉や体は発達していき、強固な肉体をもっていった。 それと同時に知能も発達していった。 その結果、獣人は人間よりも高度な知性を持った生き物へと変わっていった。 喜んだ人間達はさらに成長促進剤を与え続けた。 そして気づけば、獣人は人間達を見下ろすほど成長しついには研究室の天井を突き破るほど成長し人間達が獣人の指位の大きさになった。 獣人達の遥か下には研究所が破壊され瓦礫に埋もれた人間達が逃げ出さずに動けなくなっていた。 その人間達を拾ったのが最初に生まれた猫獣人のガオだった。 ガオの手の中で弱っていく人間達をみてガオは一言。 「人間って旨そうだなぁ…」 こうして人間達は我々獣人によって捕食されて絶滅してしまったのだ。 「もうその話何回目だよ!おじいちゃん!」 白い毛を全身に生やし、目元までフサフサの毛で隠れた猫の獣人があぐらをかきその膝元で子供の猫獣人が話を聞いている。 「いいかレオン・・・この話は我々ガオ家の一族に受け継がれている大切な話なんだよ」 諭すように話す老人猫獣人の膝元をひょいと離れてわんぱくな猫獣人はべーっと舌を出した。 「その話つまんなーい!」 そう言いながら逃げようとするレオンをおじいちゃん獣人はその手を掴んだ。 「こら!逃げるんじゃない!この話は続きがあるんだっ…」 「俺達ガオ家には稀に不思議な力が宿ることがあるって話だろ!もうその話何回も聞いたよ!でも父ちゃんにもじいちゃんもそんな力ないじゃないか」 そう言いながらじいちゃん獣人の手を振りほどいた。 「お前は先祖ガオ様にそっくりなんだ。もしかしたらお前に何か特殊な力があるかもしれん」 「ばかばかしい。じいちゃんの昔話は付き合ってらんないよ」 レオンは、じいちゃんの話半分に聞いていたのだった。 人間が滅んでからしばらくして獣人達は食料難に陥った。 人間を食い尽くし食べるものを無くした獣人達に食べ物を自分達で作ることにした。 食べ物が変われば凶暴性も減り獣人達は今穏やかな生活を送っている。 自給自足になった食べ物はバイオテクノロジーによって遺伝子から生成されるようになった。栄養のバランスも完璧な食べ物を食べた獣人達は寿命も人間の倍は生きれるようになった。 人間達が汚した大気はクリーンエネルギを駆使し、住みやすい土地へと変化していった。 人間は知能が遅れている無能で下等な生物として今も獣人達の間で語り継がれている。 獣人達はさらなる進化を遂げ、海に大地に空にと多種多様な生物がこの世界で生活している。 そんな獣人が住まう世界で大人になったガオレオン。 彼は今建築関係の職場に勤務していた。むっちりとした肉厚な体とぶっとい腕。ガチムチな肉体にもしっかりと筋肉がつき、獣匂たっぷりの色気ムンムンな体つきはまさにガテン系という言葉がぴったりだ。 そして今日はビルの解体工事現場で、解体した部品をガオレオンは肩にひょいと担ぎながら次々と積んでいく。 あまりにも軽々と運んでいくレオンのその姿に職人たちはすげぇと目を丸くしながら見ていた。 「先輩すげーっすね」 レオンよりも大きな肉体をもつ熊獣人の後輩が仕事終わりに声をかけてきた。 「俺よりも体小さいのに、俺よりも重たい物そんなに軽々と持っちゃうんですもん」 嫌味なような言葉をさらっというのが彼の特徴だった。 「お前とは食べてるものが違うんだよ」 そう言いながら、帰りの支度をするレオン。 「食べ物?皆食べ物は栄養のバランス完璧なバイオ料理じゃないんすっか」 後輩の熊獣人は興味心身に聞いてくる。 「俺は他の人とは違うもん食べてこの体を維持してるんだよ…興味あるのか?」 「はい!俺が先輩の体みたいになったらもっとやべぇじゃないっすか!」 とまたさらりと嫌味なことをいう熊獣人。 「そうか。じゃあとりあえず俺の車乗ってくか?どうせ乗せてってもらうつもりだったんだろ?うちこいよ」 レオンの言葉に乗っかり車に乗せてもらうことにした。熊獣人。 ワンボックスカーに荷物を載せて助手席に熊獣人を座らせてレオンは運転席へと座った。がたいの大きな2匹が乗ると車の中が急に狭く感じながらも車を走らせた。 車と言っても人間がいた頃とは違い、大気を汚さないクリーンエネルギーを使った新しい燃料を使った乗り物で、先ほど出た廃材なども全て再生可能な別の物として再利用される。 獣人達は自分たちが長い間生き残るためにさらに高度な知能を発達させたのだ。 「それで何を食べてるんすっか?いい加減教えてくださいよ」 車を走らせながら巨体を揺らす熊獣人。 「ったく…しょうがねぇなぁ。まぁ狭いと思ってたし、ちょうど良いか」 そう言うとガオレオンは、車を止めて掌を熊獣人の前にかざした。 「いきなり車止めてなにするんすっか?あれ…俺の体・・・」 熊獣人の体毛が徐々に薄くなっていき、とがった鼻は徐々に短くなっていく。肉球は徐々にうすくなり、足がちいさくなっていく。そして体がみるみるうちに縮んでいく。 「なんすっか!これ!俺・・・」 人間になってる!? 熊獣人だった後輩は、熊みたいな体格をした人間の姿になっていた。 「どうなってるんすか?先輩!」 後輩は上を見上げると、目の前には先ほどまで自分よりも一回り小さかった先輩が今は遥か彼方にある巨体になっている。 と次の瞬間、巨大な手がゆっくりと振り下ろされていった。小人の真上には巨大な肉球と毛だらけの手が広がっていく。慌てた小人を巨大な掌が掴むと、掌の中に埋もれてしまった。 掌の中に埋もれた小人を掴んだレオンは、にやりと笑うと、掴んだ手を自分の目の前に持ってきて掌の中にいる小人の顔を別の指でつまんで顔を出した。 毛だらけの手の甲の内側は柔らかい肉球に包まれている小人をみながらにやりと笑うレオン。 「先輩!俺何で人間になったんですか?どうして?助けてください!」 まだ状況を掴めていない小人にレオンは巨大な顔を近づけてゆっくりと説明した。 「お前は俺の力で人間になっちまったんだよ。俺は獣人を人間に戻せる能力を持ってるんだよ。お前さっき何食べてるか聞いたよなぁ。教えてやるよ…俺は人間を食ってるんだ」 レオンの言葉に小人は、言葉を失った。 続