【skeb】私が魔法少女でいる理由
Added 2024-11-08 15:00:00 +0000 UTC「ぎゃはははっ!!! 恐れ、逃げ惑えっ!! …ま、逃げても無駄だがなっ!」
「きゃ〜 “魔の者” よ〜〜〜」
「誰か助けてっ!!」
◼︎『魔の者』……通称 “魔物” 。この “魔” は、悪 “魔” の魔ではなく “魔” 法の魔であり、魔力によって形作られている結晶体に過ぎない。
「待っちなさ〜い! そこまでよっ!!」
「…出たな、“魔法少女ピュアリー・フェアリー” 」
◼︎『魔法少女』……魔の者と戦う正義の味方。こちらもまた “魔(法)” の使い手であるというのは言うまでもなかろう。
「ここは危険だから、早く離れてっ!」
「「 は、はいっ。ありがとうございますっ!! 」」
「…くそっ。いつもいつも邪魔ばっかしやがって」
「ふん、私が来たからには悪事は許さないわっ! 今日こそ倒してやるんだからっ!! くらえ、マジカル・フラーッシュ!!!」
「ぐわ〜〜〜〜」
大量の魔力を流し込まれ、形を保てなくなった魔の者は四散して消えた。
これが私、魔法少女ピュアリー・フェアリーこと荻野目 真木乃(おぎのめ まきの)の “日常の一コマ” 。
ーーー
「フェアリー、今日もお疲れさまっ♪」
こいつは “使い魔のラース” 。
女児アニメでよく言うところのマスコットキャラだ。
◼︎『使い魔』……文字通りに取るならば使われる側だが、使役したり(されたり)の “魔” 法生物で、一家に一台ならぬ一魔法少女に一体憑いている正体不明の妖精。
ある日いきなり現れたかと思えば、有無も言わさず私を魔法少女に変えた。
まぁ “一応” 正義の魔法少女なわけだし、そのマスコットを “諸悪の根源” ってのは違うかも知れないが、私を “この世界に引き摺り込んで辛い戦いの日々を与えたのだから” 少しくらい悪く言っても許されるはずであり、“ボクと契約して魔法少女になってよ” と選択肢はあって然るべきだと思う。
「うん、ありがと…でも、見てるだけじゃなくてラースも手伝ってくれたら良いのに……」
「ボクたち使い魔が戦えるんだったら、わざわざ魔法少女に頼らないよ」
使い魔は、“魔法少女たり得る存在” を見つけて魔法少女にする力は持っているが、戦う力は備えていないのだと言う。
そもそも “ただの女の子だった私” が戦えているのは “魔力” のお陰なんだけど……。
実は普通に生活していた時には知らなかったけど、人は少なからず魔力的なものを持っていて、それを “無意識のうちに使って” 生きているらしいのよね。
例えば、スポーツで活躍している人は “足であったり” 、頭のいい人は “脳であったり” …魔力は決まった使い道があるんじゃなくて、本来は何にも変われる “万能の力” なんだって。
しかし、魔力を知らない世の中においてそれらは “才能” として処理されてるもので、使っていることを意識もできないし、好きに使うことも叶わないんだ。
それが、魔法少女になることによって “魔力をコントロールできるようになる” みたいなの。
これを元に話を戻すが、使い魔の才能(魔力)は “魔法少女に変えること” で、魔の者を倒すための攻撃には使えないのである。
ちなみに魔の者のボスは “他人の魔力をエネルギーに変換する” 才能をもっており、魔力(才能を持つ者)を集めて魔力炉……つまり、自分たちのエネルギーとして使う目的のために人々を襲わせているのだ。
「…そうだったわ、忘れてたよ……」
「思い出してくれたようで何よりだけれども、“そろそろ良いんじゃ無いかな?” 」
「え〜 いいとこなのにぃ〜〜〜???」
「どの辺がいいのかボクにはさっぱり…と言うか、さっきからどこに向かって説明をしているのさ」
「それは魔法少女らしく、お茶の間の…」
「え、全年齢じゃないのに!?」
30分アニメが一コマと言うのは横暴なことだけど、“悪者が現れてそれを倒せば” 一話分には値するだろう。
…であれば、先ほどの真木乃のそれが “日常の一コマ” であっても、この話を終えるに十分な量へ達したということになる。
しかし、これをイラストに当て嵌めたならば一コマで終わるのは一枚絵。
……即落ちですら二コマあるし、有名なのは四コマ漫画であろうか。
ラースの “そろそろ良いんじゃ無いかな?” が終わりを示唆するものじゃなく、“次に行こう” と促すものだとしたら、これから先はCパート?? それとも蛇足???
否、私とて “起承転結” などと綺麗なオチをつけられるとは思っていない。
………けれども最終的に読み物として見れば、いまだ “起” であるからにして、ここから展開しても文句は出ないと信じたい。
ーーーーー【承】
さて、戦いが終われば後処理?
いいえ、帰宅です。
「……そこまで言うなら仕方ないわねぇ… “フォーム・チェンジ” !!」
その言葉の意味を正確に取るのなら “解除” では無く “切り替え” 。
ただ帰るだけであれば “目立たない姿” の方が好ましいはずで、変身を解いて普段着にでも戻ればいい。
「 “スレイブフォーム” っ!!!」
ピンクと白を基調とし、フリルやリボンがたくさん付いた魔法少女っぽい服が “消えて無くなる” 。
その代わりに現れたのは3つの “リング” と1本の “縄” であり、およそ服とも衣装とも言えるものではない。
「んんっ///」
魔力を帯びた縄がひとりでに動き出て体を縛ると、真木乃は声を上げた。
野外で全裸に亀甲縛りを受け、両手は後ろで縛られている真木乃。
「うひょっ///」
加えて、両乳首とクリトリスの根本には円形のリングが嵌められ、それぞれが立派に浮かび上がった状態で固定された。
「…ラース、もう良いわよ」
「ん? “もう良い” だって???」
「…っ/// ……ラース様、準備ができましたのでお願いしますっ/////」
「ふ〜ん、お願いねぇ? “何を” かなぁ?? ボクには分かんないなぁ???」
「わ、私を “このまま” 家まで連れて行ってくださいっ!」
真木乃は、ラースに “緊縛状態で家まで案内すること” をお願いする。
「どうして?」
「えっ!? どうしてって???」
「ボクの知り合いに君みたいな変態は居ないと思うんだよねぇ…魔法少女は……フェアリーはどこかなぁ?」
確かに目の前の痴女が、カッコよく魔の者を倒した魔法少女と同一人物だと思う人など存在しないだろう。
…とは言え、それは過程を知らない場合であって、ラースは一部始終を見ていたはずである。
つまりこれは “わざと” やっているのだ。
「わ、私がその魔法少女ですっ///」
真木乃自身に大きな声で宣言をさせる。
しかし、この程度で簡単に許されたりはしない。
「本当かなぁ〜?」
「うぅ…どうすれば信じていただけるのでしょうか?」
「そうだねぇ〜 “お茶の間” とか何とか言っていたけど、“説明” してよ! よくあるでしょ? 説明シーンってやつ」
どうやら真木乃のこと、そしてこの状況について、それらを本人の口から説明させるつもりのようである。
「……お、荻野目真木乃、1⚪︎才の⚪︎学⚪︎年生。魔法少女ピュアリー・フェアリーとしてこの町を守ってるんだけど、本当はただの変態で露出狂なんですっ/// オナニーは週に10回くらいで、いつも誰かに見つかって酷い目に遭っちゃうのを想像してやってますっ/// い、今は町のみんなを守るための魔法を…私を拘束するために使って、平和なこの町で野外露出プレイ中なのっ///// こんな変態が魔法少女しててごめんなさいっ! 魔法を悪用するような魔法少女でごめんなさいっ!! 平和な町の風紀を乱すようなことをしてごめんなさいっ!!!」
「うんうん、君…いやフェアリーのことがよく分かったよ。つまりフェアリーは、悪い魔法少女なんだね?」
「…はい、フェアリーは悪い魔法少女です……」
「そしたらさぁ。お仕置きが必要なんじゃない?」
「(お仕置きっ♡♡♡)ひ、必要でしゅぅ♡♡♡」
「そうだよね! 良かったぁ〜 さっきは “どうして?” って聞いたけど、目の前の変態痴女がフェアリーなんじゃ仕方ないなぁ…ボクが真木乃を魔法少女ピュアリー・フェアリーにしたんだし、少しくらいは “責任” ってのがボクにも生じるんじゃないかなぁと思うんだよね〜 フェアリーだって説明の責は果たしたわけで……ボクもフェアリーの使い魔として、任命であったり、監督であったりの責を負うという意味も込めて、ボクが “そのお仕置き” を引き受けるよ!!」
この場は完全にラースが掌握しており、“使いの魔法生物” じゃ無くて、“使いの魔法少女” で “使い魔” という有り様である。
「…ところでお仕置きって?」
「そんなの “市中引き回し” に決まってるでしょ?」
たしかに “裸で町を歩かされる” と言うのは、一般にはお仕置きに当たるかも知れない。
ただしラースの言い方が物騒なのを除けば、これは真木乃が “お願いした内容” と一致している。
あくまで使い魔のラースは、真木乃と “事前に打ち合わせをした” 以上のことはせず、“これら全てがプレイ” なのだ。
「はうぅ…///」
「ほら、引きやすいようにリードを出してよ」
「はいっ♡」
両乳首とクリトリスに嵌められたリングの3地点から角錐を描くように魔力で編まれたロープが伸びる。
やがて1点で交わると、その先端に持ちやすよう輪っかを作り、それは最終的に真木乃の口へ咥えられた。
散歩を心待ちにしている犬みたく、口で咥えたそれをラースに差し出す真木乃。
「リードと言えば、普通は首輪かハーネスに付ける物だよね? それが乳首に、クリだって?」
「うぅ…っ///」
これでもかとラースは言葉で真木乃を責める。
「まぁいいさ、もうすぐ “人避けの結界” が消える。早く代わりの魔法を掛けなきゃマズいんじゃ無い?」
◼︎『人避けの結界』……最近はタチの悪い野次馬が多く、危険な場所だと分かっていても(であれば尚のこと)、SNSで注目を得たいがために逃げないどころか集まってくるので、魔の者との戦いに巻き込まないように魔法少女が張る結界である。某呪術アニメの “帳(とばり)” と近しいと言える。
「うそっ!? もうそんな時間??? あ、結界が…やばいっ! “不可視の魔法 - インビジブル” っ!!」
◼︎『不可視の魔法 - インビジブル』……その名の通り、対象を周囲から隠して見えなくする魔法。
結界は魔力を込めた量に応じた強度を持ち、保たれる。
…と言うのも、プールした魔力は “結界へのダメージを肩代わり” したり、“結界の維持” に使われたりしているのだ。
そして後者のそれは、単なる “時間経過でも魔力は使われ続けている” ということを意味し、魔力切れを起こせば自ずと結界は消えて無くなるのである。
「……ふぅ、危なかったぁ…」
「危なかった? もう少しで恥ずかしい姿を晒せたのに? 惜しかったの間違いじゃ無いの? だって本当は見られたいんでしょ?」
結界が消えれば次第に人数は戻り、この場所にも誰か現れても不思議ではなく、そうなれば “全裸に緊縛・後手縛りで、乳首とクリリード” という痴態を目撃されることになる。
それを回避するため、結界が消えるのとほぼ同時に不可視の魔法を発動して姿を隠した真木乃だが、果たしてそれは “本意” なのかとラースは問うたのだ。
「…見られたい……っ/// そうかも知れないけど、それで魔法少女人生…いや、私の人生も一緒に終わっちゃうのは……ふふっ♡ ふふふっ♡♡ 悪く無いかもっ♡♡♡ …って、ダメよ私。今はまだ……」
「へぇ、ちゃんと人としての理性は残ってるんだぁ〜 でもそしたらさ、“声” も抑えないとだね? ボクの姿は他の人に見えないし、声も聞こえないけど、フェアリーは違うでしょ?」
いくら姿を隠そうとも、音がすればバレるというもの。
「…そ、そうだね(……声を出しちゃダメなら、出した時のペナルティがあっても良いわね…)」
真木乃は、不可視の魔法に新たな効果を加える。
「………(ん? フェアリーが何かしてるようだけど……ま、いっか。それよりも…)行くよ、フェアリー♪」
「あっ///」
ラースがリードを引き、真木乃が “声を漏らす” ……すると、消えていたはずの真木乃が “姿を現した” 。
「…なるほどね」
一声につき10秒間、不可視の魔法を解除する。
これが真木乃の加えた新たな効果であり、ペナルティである。
「フェアリー? 声出さないように耐えなきゃ、見つかって終わっちゃうよ???」
“見つかれば終わる”
もしもこの行為が “やらされている” のなら、いっそのこと終わってしまえばとも思うが、もうお分かりのように “やりたくてやっている” のだ。
それに、これが “野外露出プレイの終了” であればまだしも、先ほども言ったように “人生の終了” であるとすれば、それは取り返しのつかないことだろう。
“魔法少女でなければ、楽しむことはできない”
縄も、リングも、不可視の魔法も……全て魔力をコントロールできる “魔法少女の力があってこそ” であって、同じことをしても単なる露出狂にしかなれない。
まぁ、今も露出狂なことには違いないが… “見せない露出” という高度なプレイは、魔法少女でしかやれない芸当。
それ故、真木乃は “魔法少女を辞めるわけにはいかない” のだ。
町のみんなのためじゃ無く、自分の欲求のために魔法少女を続ける。
それでも無限の愛や無償の奉仕よりはよっぽど真実味が感じられると言うか、嘘ではないと信じるに値する “理由” であり、自分本位なことはいい意味で最も健全であるかも知れない。
「(……声を潜めようにも、手は後ろで縛られてて口を塞ぐことは出来ないし…痛みで快楽を誤魔化そうにも、そもそもこの状況では痛みすらも気持ちいいっ♡♡♡ 逃げ出すことも叶わなければ、スレイブフォームを解くことだって…)」
◼︎『スレイブフォーム』……魔法少女ピュアリー・フェアリーの第2の衣装。装飾はその時々で多少の異なりを見せるが、一切の “肉体強化と魔法防御” が失われている点は等しく、普通の女の子並みの力しか出せない “無防備” なフォーム。また、変身に使用した魔力と同量の魔力を消費することで “のみ” 解除が可能。
真木乃は、“今回” の変身に全体の半分の量の魔力を使っている。
他に何もなければ残る半分の魔力で変身を解くことも可能だが…結界に変身と戦闘、スレイブフォームへの変身、3点リード、不可視の魔法、ペナルティの追加……と、惜しみなく魔力を消費した。
魔力は食事や睡眠の他に時間でも回復するが、すぐに満タンとはいかない。
「(…お願い、誰も来ないで……)」
無理やり物陰まで走ろうものなら、ラースが握るリードによって刺激され、再び声を出してペナルティが増すだけであり、真木乃は屈んで出来るだけ小さくなって10秒間をやり過ごすしかなかった。
……………
………
…
「なぁんだ、つまんないの〜」
透明に戻った真木乃を見てラースが言った。
「あっ! でもさぁ、お楽しみは取っておくべきものだもんね? ほら、今度こそ行くよ、フェアリー♪♪」
「(……え、そっちは大通り…っ///)」
家までの道のりは、人の数や流れに加えて知り合いが居るかどうかなどを、真木乃の興奮状況と蓄積された快楽に照らし合わせて決まる。
まるでハイテクAIでも備えているように思えるが、これも真木乃の魔法であり、魔法少女の為せるワザである。
…とは言え、選択・決定はラースによって行われ、真木乃に拒否権はない。
「さっきこの辺りで魔の者が出たらしいな」
「ああ。逃げてきた人が居たって話だね」
魔の者が現れたのは既に知れ渡っており、解決したのなら魔法少女が居たことも知られていると言えた。
「フェアリー可愛んだよなぁ〜 俺、めっちゃファン!!」
「もしかしたらまだ居るんじゃね?」
「行ってみるか!」
目の前に真木乃が居るとも知らず、2人組の青年が話している。
「…ふ〜ん、可愛いだってよ?」
「(もうっ/// ラースったら私が答えられないのを知ってて……)」
「……それにファンかぁ〜 ねぇフェアリー? サービスとかしちゃう???」
「!?(♡♡♡)」
リンボーであれば下だが、触れずに隙間を通るという行為としては同じだ。
「 “間を” 失礼しま〜す♪」
ラースが真木乃のリードを引いて、青年たちの方へと進み出す。
青年と青年とが会話をしてるその横、それも “間を” 抜けるつもりのようである。
幸い、2人の距離は1mほど開いているが、いつ・どのくらい詰まるかは予測不能。
不可視の魔法は姿こそ見えないが、たしかに真木乃はそこに存在し、すり抜けることなくぶつかるのだ。
「(……向こうもこっちに歩いてくる…)」
会話の通りに魔法少女を見に行くとなれば、真木乃が来た方へ青年が向かうのは必至。
ラースが真木乃のリード引いて進むのに対し、正面向かって歩いてくる青年たち。
両者が向かい合うことにより、距離が縮むスピードは2倍。
足を止めていたのならイージーゲーム。
しかし動き出せば、一気に難易度が上がる。
「(……ちょっと、真っ直ぐ歩いてよ…)」
スマホまでとはいかずとも、話 “ながら” では動きにランダム性が生まれる。
真木乃が万全な状態であれば、そんなこと些細な問題にもならないが、リードによって動ける範囲に制限のある状態では咄嗟に向きを変えて避けるのは難しいのだ。
「(……あっ♡ だめっ♡♡ このままだとぶつかるっ♡♡♡ …)」
目を瞑る真木乃。
…けれどもリードを引かれ、その歩みが止まることはない。
「………」
「うわっ!」
「え、なになに?」
青年の声は、真木乃の後ろから聞こえる。
「…おぉ、ついてるね〜♪ こいつは運が良いや……なんてねっ♪♪」
すれ違う直前、青年の一人が犬の糞を踏み、もう一人はびっくりして距離を取ったのである。
そして歩き続けた真木乃は、その隙に2人の間を通り抜けたのだ。
「…くそっ最悪だよ……」
「あはは、言えてる。もう少しでフェアリーに会えたかも知れないのに、代わりが犬の糞だなんてね。可哀想だと思わない? …って、フェアリー??? あ、これはマズイかも!?」
ぶつかると信じて疑わなかった真木乃の興奮は、極限に達していた。
「(私のファンだって言う人の前でっ♡♡♡ 終わるところだったのに、この胸の高まりは何っ!? 何なのぉ♡♡♡)」
「…出ちゃう? 声出ちゃうんじゃない??? って、ここでフェアリーが終わるのは勘弁して欲しいかなぁ〜 新たに魔法少女を探すのも楽じゃないんだからさ、ボクも困っちゃうんだよ? さぁフェアリー、こっちこっち♪」
無理やりにリードを引き、大通りから一本入った路地へと移動させる。
どう見聞きしたとしても、ラースの言動が真木乃を心配してのものには思えない。
しかしながら “自分本位の真木乃” と “自己保身のラース” は、ある種win-winな関係であると言え、“魔法少女でいること” が共通の目的なことは明らかであった。
「…ふぅ、ここまで来れば……」
「ら、ラースっ! 引っ張りすぎよっ♡♡♡」
「そんなこと言ったって、あのままにしてたら声を出したらダメなの忘れて、盛大にイキ散らすところだったでしょ?」
「……それは…」
「それに今だってまだ完全に安心できるとは言えないんだよ? 喋ったらダメじゃないか!」
「……ごめんなさい…」
「ほら、また声出してる」
「………」
「遠回りしなくても、ここから家まで10分はかかるってのに……先が思いやられるよ、全く…」
「(うぅ…)」
「しかし、しかしだよフェアリー? 実際のところはどうなの???」
「………」
真木乃は何も答えない。
決して怒られるのが嫌だからではなく、“ラースがした質問” に答えたくないのだ。
「もう魔力は戻ってるんでしょ? 何で変身を解除しなかったのさ」
“すぐに満タン” の “すぐに” が、どれくらいを示すかは分からない。
だが、大通りに入る頃には半分の魔力は取り戻しており、いつでも変身を解いて普通に服を着た荻野目真木乃になれたのだ。
「…せ、正義の味方が困難を前にして逃げるわけにはいかないでしょう?」
尤もらしいことを言っているように聞こえるが、騙されてはいけない。
「え、どの口がそれを言うの? ただ続けたかっただけでしょ???」
「……はい…」
「いいよ、わかったよ」
「!?」
「フェアリーがそこまでだとは思わなかったけど仕方ない。“最後まで付き合う” よ」
ーーーーー【転】
「最後までってどういう事?」
「今ある魔力を使って、もう一段階変身してよ」
「…それって……」
「魔力プールを空にするくらい “全力でフォームチェンジする” ってこと」
それはつまり、解除するのにも全力を要するということであり、先ほどとは違い保険を隠し持つ事は不可能になる。
「(…9割、それが今の限界……それで変身しろって言うの? そんなの危険すぎるよぉ♡♡♡)」
「…どうしたの? もしかしてやらないのかい???」
「や、やるに決まってましゅ♡ フォーム・チェンジっ♡♡ スレイブフォーム改っ♡♡♡」
全裸に緊縛後手縛りのスレイブフォームはそのまま、両足をM字に開脚した姿勢で固定して、体は宙へと浮かび上がる。
引き続きリングの嵌められている両乳首とクリトリスの3箇所にはローターが追加され、何も装飾の無かった顔にもアイマスク・開口器・鼻フックが付けられた。
また、そこから伸びる紐はお尻に差し込まれた肛門フックと繋がり、顔を前後に動かせば鼻とお尻の穴が互いに引っ張り合って閉じたり開いたり仕組みのようである。
「ふひっ、ふごっ、ぶひっ、ぶひぃ♡♡♡」
「いやぁすごいね。魔力を使って浮くなんて、まさに魔法少女って感じだ!」
格好にさえ目を瞑ればそうかも知れないが、こんな魔法少女は唯一無二だし……いや、魔法少女と呼んで良い存在ではないと思う。
「おふぇはいしまふ(お願いします)」
開口器によって人の言葉を奪われた真木乃は、気の抜けたような情けない声を発する。
「……あまり… “何を言ってるか” 分かりたくはないけど、うん。少ししたら始めるとしようか」
随分と喋ってしまったので、数分のインターバルを挟んで不可視の魔法が復活してからプレイは再開された。
「(ああっ/// ローターの刺激がっ♡♡♡ あの人、こっち見てない? ってあり得ないんだけどね……)」
今度もラースによって帰宅ルートが決められる。
しかし先ほどまでとは異なり、少しの意思も介入を許さない。
真木乃はまるで風船のようにふわふわと浮いた状態で、ラースが持つリードに引かれてただ漂うだけである。
「イッても良いけど、10分間追加で浮かんでてもらうね♪」
絶頂1回につき帰宅までの時間が10分遅れることになる。
別に問題ないように思えるが、⚪︎学生の真木乃には明日の学校があり、家に帰れないということは “十分な魔力を回復することはできない” 。
9割の魔力を回復しなければ、スレイブフォームの解除は不可能で、そうなれば学校には……。
「(この状態で行くことになっちゃうっ♡♡♡)」
ルートの選択・決定権はラースに有り、真木乃には “行かない” という選択肢が無いのだ。
「(…でも、10分だけでしょ? まだ9時間以上もあるし……1回くらいっ♡♡♡)」
プシャーーーっ!
…だと言うのに、むしろ真木乃は “プラスで楽しめてお得だな” と町中でイッた。
「(あれは八百屋のおじさんっ♡♡♡)」
プシュっ!!
「(あれは魚屋のおばさんっ♡♡♡ いつも良くしてくれるコロッケ屋のお兄さんに、遊んでくれる近所のお姉ちゃんっ♡♡♡)」
商店街を漂い、家の近くを漂う。
「(見てっ♡♡♡ 真木乃のことをもって見てぇ♡♡♡)」
最初は通行人に大通りで視姦された気になってイッた真木乃だったが、その対象が知り合いに変わってイク頻度は加速する。
一度イッてスイッチの入った真木乃は歯止めが効かず、追加の時間は優に “9時間を超えていた” 。
ーーーーー【結】
「…着いたよ」
「♡♡♡♡♡」
ここは真木乃が通う私立の⚪︎学校。
時間は午前8時、まもなく生徒たちが一斉に登校してくる。
「……言い忘れてたけど、声を出さなくても “100回イッた時点で、不可視の魔法は完全に解除される” からね?」
「(え、私はそんな効果追加してないけど?)」
不可視の魔法に追加した効果は、声を出したら10秒間の解除だったはずである。
「(…使い魔ができるのは “魔法少女に変えること” のはずで、それ以外は……私を騙してたってことっ!?)」
「あっ! ようやく気がついたみたいだね!! 実はボク…おっと、この話はよしておこう。フェアリーのお友達がもうすぐそこまで来てしまったようだ」
「(……あけみちゃんに、かずほちゃんも…んんっ♡ だめっ♡♡ いま何回イッてるのかも分からないから、あと何回で解除されるかも分からないっ♡♡♡)」
何十人、何百人の生徒が通り過ぎる横で、ひたすらに堪える真木乃。
キーンコーンカーンコーン♪
キーンコーンカーンコーン♪♪
「(…た、耐えた?)」
チャイムが鳴り、教室では朝礼が始まっているのだろう。
緊張の糸が切れ、真木乃は溜め息をつく。
普段であれば教室に居るため知らないのだ。
生徒が登校した後に、門を閉める人がいることを……。
「不審者だーーーっ!!!」
タイミングが悪かったとも言えるが、溜め息をしたことで一時的に不可視の魔法が解除されたその時を見られたのである。
10秒。
それだけ経てば再び透明になれる。
自力ではその場から動けなくても、姿を見られないだけ十分だ。
誰だか特定はされていないようだし、まだチャンスは……。
叫び声に反応して学校中の窓が開き、続々と先生や警備員などの大人が集まってくるが、そこに不審者の姿はない。
「本当に居たんだ。そこに裸の女の子が…それが一瞬で目の前から消えたんだよ」
「(…あ、危なかった……)」
何とかことなきを得たかのように “思えた” 真木乃。
「(……まぁ、まだここに居るんだけどね…くふぅっ♡♡♡)」
「油断しすぎだよフェアリー、それで100回目っ♪」
今度は一時的ではなく完全な解除。
「真木乃ちゃん!?」
「嘘、あんな変態だったなんて…」
「荻野目さんのこと好きだったのに……」
「…てか、浮いてね?」
「まさか真木乃さんが魔法少女でしたの???」
「この町は終わりだぁ〜」
様々な声が飛び交う中。
「え、あ、あはっ♡♡♡」
真木乃はアヘ顔を決めながら、この日一番の絶頂をキメるのだった。
ーーーーー【グッドエンド好きの方へ】
魔力とは、“万能の力” である。
真木乃ほどの魔力の持ち主であれば、“記憶を操作する” のも朝飯前だ。
彼女は今日も、魔法少女を続けている。