【skeb】クマさん、娼婦を訪ねて三千里
Added 2025-01-31 15:00:00 +0000 UTC※ 同じく主人公の名前が “ユナ” の作品もありますが、あちらはよく似たオリジナルで、こちらは『くまクマ熊ベアー』の二次作品です。
※ リクエストにて作品名が明記されていたため、読者の方にはあまり関係ないかも知れないですが、一応扱いが異なりますので、一筆。
※ 世界観やキャラ設定などは “大まかには” 準拠しているつもりですが、内容が内容ですし、そういう “ネタ” ですので、キャラ崩壊に対する意見等はご勘弁ください。
※ ちなみに、私はこの作品を書くにあたって原作(web版)を590話まで読みました。
ーーーーー 以下、本編です ーーーーー
「ねぇユナお姉ちゃん、知ってる?」
「……何を?(……なんか嫌な予感がする…)」
「最近 “変質者” が出るって噂」
「そ、そうなんだ~(……これはヤバいなぁ…)」
「ユナお姉ちゃんって、そういうのに疎いよね。女の子なんだから気をつけなきゃって…ユナお姉ちゃんに言うことじゃないか」
「あはは~(それは “どっちの意味” かな?)」
「ユナお姉ちゃんなら “そんな変質者” 、一撃で倒しちゃうもんね?」
「あ、うん(……残念ながら、それは無理かも…)」
「わたしの方が気をつけなきゃだよね?」
「フィナは…大丈夫じゃないかなぁ……(……もう “クリモニアでは” 限界か…)」
「それってどういう意味?」
「……わたしが、(…… “変質者の正体がわたし” だとは口が裂けても…)」
「ん? ユナお姉ちゃんどうかした???」
「いや、何でもないよ。わたしが守ってあげるから大丈夫ってね!!(……まぁ本当は、変質者が “どこか遠い場所” に行くからね…)」
「なら安心だー♪」
わたしの名前は “優奈(ユナ)” 。
ある日、突然 “異世界” に飛ばされ、気がついた時には “クマの着ぐるみ(クマセット)” だけを身につけていたクマの少女である。
クマセットは、この世界へ来る際に神様がくれたレア装備で、“着ぐるみの見た目をした表面が黒・裏面が白色のリバーシブルな服” と “パペット型のクマてぶくろ” 、 “クマの靴” を合わせた一式の総称。
それぞれが様々な効果を持ち、どれもチート並みに強力だ。
しかし裏を返せば、ユナ自体は “ただの女の子” なのだった。
そして、目の前にいる少女は “フィナ” 。
この世界で最初に会った人間で、森で魔物に襲われているのを助けたことから関係が始まり、今では妹のような存在になっている。
そんなわたしは、フィナも居るクリモニアという街で、冒険者として魔物を倒したり、人助けをしたりして暮らしているのだが……。
「………(……わたしが変態だってフィナにバレるのは…っ♡♡♡ だめダメ駄目ノー、絶対。無知シチュも…興奮するけど♡♡♡ わたしの “個人的な趣味” に、無垢なフィナを巻き込むなんて出来ないよね……)」
ユナの個人的な趣味。
それは “露出癖” と “破滅願望” を満たす、“人生を台無しにするほど危険な行為” のことである。
以前のユナは引きこもりだったわけだが、そうでなくとも “現実世界では不可能だった露出行為” を…。
強さをクマセットに依存しているユナが全裸という “文字通り無防備の状態” で……。
せっかくの “異世界だから” と存分に楽しんでいたのだ。
「………(……とは言え、ここまで噂になっちゃってるなら仕方ないね。わたしを知る人が居ない辺鄙な都市でも探すとするか…)」
フィナと別れ、“クマハウス” に帰りながらユナは思案する。
クマハウスとは、土魔法で作られたユナの家である。
「ただいまー!…って、誰も居ないんだけどね……さてと、わざわざ場所を変えるなら “今とは違うプレイ” をしたいものよねっ!! ただの露出にも飽きてきたところだったし、知り合いが居る場所では出来ないような何か別の…スパイスの効いたプレイを……」
案ずるより産むが易し。
「こうしてクマハウスで考えていても何も始まらない。待ってないで自分の足を使って探しに行かなくちゃ!」
実際に、長時間歩いても疲れないクマの靴で歩いて、歩いて…歩いて……。
「着いたー!!」
いくつもの山や川を越え、辿りついた都市の名は “ら・ラ・裸ンド” 。
道中、“特別な女性” が居るという話を耳にし、ユナが目的地に定めた都市である。
「 “長くなる” し、まずは拠点を…」
そう言うとユナは商業ギルドへと行き、土地を購入する。
クマボックス(アイテム袋)からクマハウスを取り出し、拠点が完成した。
「ここで一生を終えるつもりは無いし…終わる可能性がゼロではないけど……仮拠点として(クマの)転移門と風呂やベッドなど、最低限の設備があればいいよね」
あくまで “露出性癖を満たすため” の場所であり、最悪 “破滅しても良い” とは思っていても、進んでそうなる気はない。
クリモニアに残してきた人や物だって多いわけで、それらをほっぽり出すほどユナも無責任じゃない。
「食べ物はクマボックスに入ってる。それに、いざとなれば作れば良いし…そんな事してる “暇” があるかは分からないけど……」
食べるのと寝るのが大好きなユナ。
基本的には何事でも面倒だと言って嫌がり、こんな格好(クマ)だが目立つのを嫌う。
それでも今回は “目的” があって来たのである。
暇な時間があれば、目的のために使うのが普通だろう。
「…ここ、だよね?」
さっそくクマハウスを出て向かったのは、看板に『めぞん・ド・裸・ピュータン(娼婦の家)』と書かれた民家。
ユナが探していた “特別な女性” の正体は、優れた職業倫理を持ち、“契約は絶対に守る” ことで有名な “同性専門の娼婦” だったのだ。
ーーー
ユナが娼婦の家に辿り着いたのは夜。
「ごめんくださーい」
………。
「居ないのかなぁ?」
キョロキョロと部屋を見渡す。
「うわぁ/// 大人のおもちゃがたくさんっ///」
鞭や鎖、バイブにディルドー。
拘束台や枷など、様々なSM道具が並ぶ。
「…これは、魔法薬かな?」
色とりどりの液体が小さな瓶に入っている。
「あら、可愛らしい格好ね! …けれど、ここはお子様が来る場所じゃないわよ?」
わたしがお店の中を物色をしていると、後ろから声を掛けられる。
「………(…見た目はクマの着ぐるみだし、胸も、まぁ大きいとは言えないけど……というか、この世界の大人って何歳から? 自分の身は自分で守れる。お金だって持ってる。それに普段は周りに子どもたちばっかだから、わたしとしては大人のつもりなんだよね)……子ども扱いは…しないでほしいかな」
「…そう言われてもねぇ。どう見ても子どもだし、クマだし……」
「………(クマなのは関係ないでしょ!)」
…と心の中で反論するも、およそ事実なので何も言えない。
「…そうね。お嬢ちゃんが “お客さん” だと証明できる物でもあれば話を聞くけど?」
“大人” ではなく “お客さん” だという証明。
その辺りは、さすが客商売をしている者である。
「………(…公の証明なら “ギルドカード” か……)」
ギルドカードは、この世界にある身分証の一つだ。
ユナは冒険者ギルドと商業ギルドに所属しており、ギルドカードにはランクや職業などの情報が登録されている。
「………(冒険者ランクCなのを見れば “一人前” だと信じて貰えるし、ただの少女だとは思われない)」
冒険者ランクはF、Eと順に上がっていき、Aときて最後はSとなっているが、SとAランクに関しては国から認められた者だけしかなれない。
従って通常ではBランクが一番上で、冒険者ランクCと言えばその一つ下なわけだか相当高いのだ。
「………(…ただ、出来ればギルドカードを見せるのは避けたいんだけどなぁ……)」
それは偽りなく正体を明かすことであり、偽名も使えなければ、ユナは弱みを握られることになる。
「………(…とは言え、背に腹は変えられない……)」
いや、重要な何かが懸かっているわけで無いのだし、仰々しく言わずとも “諦めれば” 良いだけだ。
「…どうするのかしら?」
「わたしがここに来たことは内緒にしてもらえたりする?」
「もちろん。特殊なお客様も多いし、何より商売をする者として大切な顧客の情報は秘密よ。それに、もしも本当にお嬢ちゃんがお客さんになるなら、その時には改めて “契約魔法” を結ぶわ」
「…契約魔法?」
「 “秘密を話したら4ぬ” という契約ね」
「………(エルフの里と一緒な感じか。それなら安心だ)わかった」
ユナがギルドカードを見せる。
「お嬢ちゃん冒険者なの? …え、Cランク!?」
娼婦が驚く。
「客として認めて貰える?」
「ええ、“十分ね” 」
その真意は、果たして……。
ユナの考えるように、一人前として判断されたのか。
あるいはCランクならば、それなりのお金を持っていると思ってか。
その答えは “どちらとも” であり、娼婦は “ユナのように優秀でお金があっても、変態性癖を持つ女性に嫉妬と嫌悪がある” のである。
そのため、“契約を超えない範囲” で “悪趣味な事” をしてきたのだ。
「それじゃあ立ち話も何だし、座って話しましょう?」
そう言うと娼婦は店先の看板を裏返し、“CLOSE” にしてから席に着く。
「失礼するよ」
ユナも座る。
「…それで、お嬢ちゃん……じゃなくて、ユナちゃんはどんなプレイをお望み?」
ユナは名乗っていないが、ギルドカードによって名前は知られてる。
また、娼婦を訪ねて店に来たのだから、ユナには “目的” があるはずなのだ。
「 “クマセットの保管をお願いしたい” 」
「???」
ユナの言葉に、娼婦は疑問符を浮かべる。
「…よいしょっと、スルスル、パサッ……」
ユナがクマの着ぐるみを脱ぐ。
「これがクマセット。これを一日、預かってもらいたい」
「預かるのは構わないし、ユナちゃんの言葉は分かるけど、それをする意味が分からないわ」
ユナにとってクマセットは、命と同じくらい大事な “アイテム” だ。
それを一時とはいえ手放すのは、“破滅願望” を拗らせているとしか言えない。
しかし娼婦からしてみれば、クマセットは単なる服にしか思えない。
「………(いくら秘密が守られるとしても、神様から貰ったレア装備なのは教えられないよね? …であれば服を一着預かったところで、普通に考えれば他の服が家にあるだろうし、たしかにクマセットを預ける意味が理解できないのは仕方ないか……)」
そこでユナは、もう一つの “目的” を話す。
「わたしは、“露出” がしたくて店に来た」
娼婦は合点がいったように納得する。
「なるほど。じゃあ、その “クマセットを預かっている間は服を着ない” ということね?」
「…そのつもり……」
「つもりじゃなくて、そうしなさい」
言葉遣いが変わり、立場が逆転する。
ユナの願いを理解したことで、娼婦はプレイを始めたのだ。
「わかった」
「 “わかりました” でしょ?」
ユナは客であるが、この場のコントロール権は完全に娼婦へと移った。
「…わかりました」
「それで、預かるのは一日だけ?」
「はい」
「なら、明日取りに来なければ “捨てる” わね?」
「えっ!?」
「一日だけ預かるという契約なら、私にそれ以上預かる義務は無いもの。それに “取りに来れば” 良いだけの話でしょう?」
「………(…たしかにそうだ。何も間違ったことは言っていない……)はい」
ユナは返事をする。
「他に望みが無いなら、この内容で契約を結ぶけど良いかしら?」
「お願いします」
「そしたら、その “絨毯” に乗りなさい」
娼婦が、魔法陣の描かれている絨毯を指して言う。
「………(……この魔法陣で契約魔法を発動するのね…)はい」
「私とユナちゃんが魔力を流すことで契約は成立するわ。そのままでも出来るだろうけど、せっかくだし土下座の姿勢で、私への “お願い” も忘れずにね?」
そう言われて、ユナは全裸の状態で土下座する。
「始めるわ」
「はい」
ふたりは魔法陣に魔力を流す。
「わたしはユナ。露出が好きな変態ですっ/// クマセットの保管をお願いしに、このお店へやって来ました。明日まで裸の過ごしますっ♡♡♡ 受け取ってくださいっ!!」
土下座の体勢を保ったまま、肘をつき、手だけを上向きにあげる。
その手には “クマセット” と “お金” が乗っており、娼婦に捧げられていた。
「…及第点ね。ただし取りに来た時には、もっと下品で無様に……そうね。“ガニ股の状態で自己紹介” をしなさい」
「わ、わかりました」
「…まぁ、別に取りに来なくても構わないけど……待ってるわ」
ユナは立ち上がると、全裸で店を後にする。
「………(この道を進んで、あそこの角を曲がって、その先が家だ)」
クマハウスに戻る途中、娼婦の軽蔑と皮肉の声が頭の中で木霊する。
「………(クマセットは、大丈夫かな?)」
保管と言っても、その方法は決まっていない。
クマセットが安全である保証はなく、転生人生が台無しになる可能性もある。
「………(この世界に来てから、手の届く範囲にクマセットが無いのは初めてだな)」
そんな危険な状況だと言うのに、ユナは自慰絶頂を迎えるのであった。
ーーー
翌日は、日中外に出るわけにもいかず、クマハウスに篭って自慰にふける。
「クマセットは今っ/// わたしはただの女の子っ/// 服を着るのは禁止されてるし、誰か訪ねて来たらどうしよぅ♡♡♡ 娼婦の憐れむような目っ♡♡♡ 呆れた視線っ♡♡♡ 貶す言葉っ♡♡♡ 全てが最高だったなぁ♡♡♡」
そうして気がつけば日が沈み、夜。
「…お"っ"♡ お店に行かないと……クマセットが捨てられちゃぅ♡♡♡」
女の子は出かける準備に時間を要すると言うが、今のユナには必要ない。
文字通り “その身一つ” で向かえば良いのだ。
「……誰も居ないよね…」
クマセットの心配もそうだが、お店へ着くまでに危険が無いとは言えない。
「…大きな通りには人が多いから、少し遠回りでもこっちの道を……」
探知魔法が使えれば、人や魔物など位置も分かるが、ユナの魔法とスキルはクマセットを身につけていないと使えない。
「…薄々は感じてたけど、クマセットの恩恵は本当にチートだね。クマセットが無いだけで、まるで目隠しをしているみたいだ……」
ユナは周囲に注意しながら進んでいく。
「うぅっ、冷えるなぁ…」
直前まで行っていた自慰によって火照った体が、夜風に当たり冷える。
「…やばっ、おしっこ出ちゃう……」
ユナは急いで身を隠せる場所を探す。
「あ、だめっ///」
けれども間に合わず。
ジョボジョボジョボ、シャーーーッ、チョロチョロ。
ユナは外で漏らした。
「…誰も来なくて良かったぁ(まぁ見られたらそれはそれでっ♡♡♡)」
唯一の救いは、その恥ずかしい姿を見られずに済んだことだろう。
「…ふぅ、やっと着いた……」
拭く物を持たず、股を濡らしたまま歩き、約束通り全裸でお店に辿り着いたユナ。
「…日付を回る前に来れて良かっt!?」
無事に到着した事を安堵し、扉を開けようとした時である。
「わ、わたしのクマセットが…」
扉の向こうで、ユナのクマセットが床に捨て置かれているのを発見する。
「ちゃんとお店の中にあって、娼婦の管理下にはあるかもだけど…」
いくつかの “足跡” が残り、黒く汚れ、およそ “預かっている” とは言えない扱いを受けていた。
「あぁ…なんて酷くて……素晴らしいのっ♡♡♡」
ところがユナは、怒るどころか褒めていた。
「………(うんっ♡♡♡ この娼婦に頼んで正解だったね!)」
ユナが扉を開ける。
すると、娼婦が問う。
「ええっと、どちら様かしら?」
「………(わかっているくせに)」
悪意で満ちた質問に、頭の中では正論で返し、体はガニ股の自己紹介で応える。
「へ、変態露出痴女冒険者のユナですっ! そこのクマセットを取りに来ましたっ!!」
はっきりとした声で、真面目な感じで話すユナ。
「…あら、この “薄汚れた雑巾のような、ゴミカーペット” を引き取りに来たの?」
娼婦はわざと言い換える。
「…ゴミ、カーペット……」
「私、何か間違った事でも言ったかしら?」
「い、いえ。ゴミカーペットです」
「あはは、そうよねぇww」
娼婦が笑う。
「そんなゴミ、要らないわ。さっさと持って行きなさい」
「ありがとうございますっ♡♡♡」
クマセットを取り戻すと、ユナは土下座で感謝する。
「ああ、きちんと着て帰るのよ?」
「こ、これをですか?」
「そうよ? だってお嬢ちゃんの “服” でしょう???」
「…そうだけど……」
先ほど娼婦自身が “ゴミカーペット” と称したように、今の汚れたクマセットは服と呼べない状態である。
娼婦は、それをユナに “着て・帰れ” と言うのだ。
「いくらお嬢ちゃんが変態とは言え、知り合いを裸で帰らせるわけにも行かないでしょう?」
「………(一体どの口が…)」
昨日は裸で帰し、今の今まで服の着用を禁止したのは娼婦だった。
ゆえにユナは、頭の中で小言を漏らす。
かと言って、ユナが “着たく無いのか” と問われれば “そうでは無い” 。
「…はい……」
ユナは、受け取ったクマセットに体を通す。
「………(…うっ、汚い……)」
「あら、良く似合ってるじゃない!」
「あ、ありがとうございます」
全く嬉しく無い褒め言葉。
むしろ皮肉とも言うべきセリフだが、ユナは娼婦に感謝する。
「………(…き、着ちゃったぁ♡♡♡ ……)」
ユナ以外の手で弄ばれ、初めてクマセットが汚れる姿を見て、ユナは興奮していた。
本来であればクマセットは、“不変” 且つ “譲渡不可” のユナ専用レア装備である。
着ることは疎か、持ち上げることすら無理なうえに、水に潜っても濡れず、砂漠を越えても砂一つ付かないのだ。
しかしユナは、つい先日 “その制約を解くことに成功” した。
クリモニアの街を出て新たな露出プレイに挑戦する気になったのも、要因としてはこれが大きい。
なぜなら、そうでなければ “娼婦に預けたり、踏まれて汚れたり” 出来ないからだ。
「………(汚いクマセット♡ それを着ているわたし♡♡ 最高に惨め♡♡♡)」
「見るに耐えない醜態ね。お店を汚されたく無いから出てってちょうだい」
今にも自慰を始めそうなユナを見て、娼婦は店から追い出す。
「クマハウスに戻って慰めようっと♡♡♡」
辺りは暗く、クマセットが汚れていても “何で・どのようにして汚れたか” までは分からない。
魔物を倒して汚れた可能性だってあるし、ただ転んだだけかも知れない。
お店に来た裏道とは異なり、ユナは大きな通りを見せびらかすように堂々と歩いて帰宅する。
「んっ♡ 乳首っ♡♡(…わたしって、こんなに乳首弱かったっけ???)……んんっ♡♡♡」
クマハウスに入ると、すぐにクマセットを脱ぎ捨てる。
我慢していた分、ユナの手は止まらない。
日が上るまで全裸で自慰をし、溜まっていた性欲は発散された。
「うん、あのお店は良いね! また行こう!! …けど、続けると飽きが来るのも早いからなぁ……」
朝になり、満足したユナは “しばらくの間、静かに過ごすこと” を決め、眠りに落ちた。
ーーー
ところが、その日の夜。
「…あら、いらっしゃい。また来たのね♪」
気づけばユナは、お店へと来ていた。
「………(しばらくは来ないつもりだったのに、体が…主に乳首が疼いて……)」
「今日はどんなプレイをお望みかしら?」
「またクマセットを…」
ユナは前回と同様の依頼内容を伝える。
「申し訳ないけど、断るわ」
「えっ!?」
娼婦の返答に、ユナが驚く。
「…私ね、同じ内容の依頼は受けないことにしているの。だって、つまらないでしょう?」
「………(…そんな、どうしよう……)」
困っているユナに、娼婦が助け舟を出す。
「別に “クマセットを預かるのがダメ” とは言ってないわ」
「???」
「…ただ、他にも “何か追加しましょう” って話よ」
「……何か…」
急に言われても思いつかないユナ。
「希望が無いなら、私から提案しても良いかしら? ちょうど良い物があるわ♪」
そう言って、机の上に置かれている細い箱を持ち上げる。
お店には多くのSM道具があり、一つくらい “ちょうど良い物” があっても不思議では無いが、数ある物の中で “それが手の届く場所にある” のは、偶然にしては出来すぎていた。
「これは “魔法の夜光筆” よ」
説明によれば、“月明かりに反応して、なぞった部分が光る” 魔道具らしい。
「露出好きのユナちゃんと相性がいいでしょう?」
バレないよう、基本的に露出は夜に行う。
そうなれば、必然的に月明かりに照らされるというわけだ。
「…光る落書き♡♡♡」
発光する分、夜道では目立つことになる。
「どうする?」
「お、お願いしますっ♡♡♡」
「いいわ。でも、“どんな落書きか” は秘密よ。外に出てからのお楽しみってね♪」
お店の中では無色透明で、何を書かれた分からない。
「それから受け取りに関してだけど、もう自己紹介はして貰ったから…」
当たり前のように話を進める娼婦。
「 “貧乳ダンス” を見せてちょうだいね?」
「…はい?(今なんて言った?)」
「出来ないなら “クマセットは返さない” だけよ?」
“依頼を受けない” のではなく、“クマセットを返さない” と言う娼婦。
娼婦の中では、先ほどの “お願いをした時点” で依頼を受けたことになっているようだった。
「…わかりました」
一度コントロール権を渡したユナに、断る術はない。
「依頼料も前より多くなるけど良いわよね?」
「…構いません」
幸いユナはお金には困っていないし、色々と追加されたのだから仕方がないと、この条件も受け入れる。
「それじゃあ、契約を結びましょうか」
絨毯に魔力を流し、契約する。
「変態露出痴女のユナに、相応しい落書きをお願いしますっ♡♡♡」
全裸で土下座をし、口上を述べ、より多くのお金を払った。
それから “顔を含めた全身に” 魔法の夜光筆で落書きを施され、ユナは店を出る。
「露出狂・低脳・貧乳・変態・貢ぎマゾ・雌クマ…」
月明かりに照らされ、卑猥で最低な落書きが浮かび上がる。
「…本当だ、擦っても消えない……タトゥーみたい♡♡♡」
魔法の夜光筆は一週間ほど持続し、それよりも早く消すには特殊な液が要るらしい。
「まぁ消すつもりなんて無いし、いっそ消えなければ良いのに…」
そんなことを思いながら、何事もないように慣れた様子で帰宅をするユナ。
「…露出をしている時も興奮するし、いつ破滅するかとドキドキして楽しいけど、その後の “この時間” が堪らないんだよねっ♡♡♡」
ユナは何よりも “自慰” が好きなのだ。
露出の興奮も、破滅のドキドキも、自慰のための “おかず” に過ぎない。
“プレイを思い出し、秘部を弄る時間” こそが、至福なのである。
「……あれ? どうして!?」
いつもと違う感覚。
「なんで、イケないの?」
それどころか、“全く気持ちよく無い” 。
「そうだ! 乳首、乳首は?」
昨日見つけた弱点を責めるも、イクことが出来ない。
「おかしい、おかしい、おかしい…」
繰り返し自慰を試みるユナだが、遂には絶頂せぬまま次の日の夜を迎えた。
ーーー
「…ダメだ、全然イケない。でも、もう行かないと……」
約束の時間を過ぎれば、クマセットは捨てられてしまう。
一睡も出来ず、ただひたすらに自慰をしていたユナがクマハウスを出る。
ムズムズとした気持ちに、晴れない思考。
おぼつかない足で店へと向かう。
「…え、誰か居る!?」
お店の前に着いたユナだが、中に娼婦とは別の人の姿を確認し、足を止める。
「………(どうしよう)」
ユナ専属の娼婦じゃないのだから、今まで運良く会わなかっただけで、他の客と鉢合わせてもおかしくはない。
それに思えば、クマセットには “いくつかの” 足跡が残っていたのだし、ユナ以外にも誰か訪れていた方が普通なのだ。
「………(でも、あの人 “も” きっとお客さんよね?)」
そう考えたユナは、思い切って扉を開けた。
「こ、こんばんわ。変態低脳痴女のユナですっ!!」
娼婦と、もう一人がユナを見る。
「お取り込み中のところ失礼しますっ! クマセットを受け取りに来ましたっ!!」
いつまでも外に居れば、誰かに見られる心配がある。
それに中の人が客であるならば、ユナと “同類” だ。
…などと言うより、イケずに性欲が溜まっていたユナは “我慢ならなかった” のだった。
「んん〜〜〜っ///(見ず知らずの人の前でやっちゃったぁ〜)」
まだ客だと確証も無いまま、ユナは痴態を披露する。
「あっ♡(あの人、クマセットを踏んでるっ♡♡♡)」
おそらくラグマットだとでも思っているのだろう。
その人は、ユナに詫びる様子もなくクマセットを踏みつけている。
「………(……何も考えずに飛び込んじゃったけど、この後は…あ、そうだ!)」
ユナは、娼婦の言っていた “返却条件” を思い出す。
「ご覧くださいっ! この見事なまでの “貧乳” をっ!!」
本来であれば、女性の胸は見せびらかすような物ではない。
それも巨乳ならまだ誇れるかもしれないが、貧乳は恥ずかしくて隠したい者の方が多い。
「女の子なのに乳が無いんですっ/// これでも精一杯振ってるんですっ♡♡♡」
ユナの胸は “ほんの数ミリも動かず” 、上半身を動かしているだけに見える。
「ほっ♡ ほっ♡ ほっ♡ ほっ♡」
そんな上半身につられるようにして、下半身が前後にカクカクと揺れ、非常に無様なダンスを決める。
「ど、どうですかぁ♡ ユナの貧乳ダンスはぁ♡♡ 上手に出来てますかぁ♡♡♡」
クマセットを受け取るに足るか。
娼婦に “貧乳ダンスの合否” を尋ねる。
「ここまで “惨めな女の子” は初めて見たわww あなたもそう思うわよねぇ?」
娼婦が、居合わせた客に聞く。
「え、ええ…」
困ったように…だが、たしかに同意する。
「よく出来た子には、“ご褒美” をあげないといけないわね?」
「ほっ♡ ほっ♡ ほっ♡ ほっ♡(…ご、ごほうびぃ???)」
すると娼婦は、棚にあった小瓶を持って客の近くへと寄り、手渡すと同時に何か耳打ちをする。
「…じゃあ、お願いね」
「…はい……」
貧乳ダンスを続けるユナに、客が近づく。
「…し、失礼しますっ!」
そう言うと、客の “濡れた手” がユナの秘部に触れた。
「(え、何っ!? いきなりおまんこを触ったの?)」
初対面の相手に触れられ、ユナは驚きを隠せない。
「お"っ♡」
しかしその驚きも、次の瞬間には “別の感情” によってかき消された。
「(何これっ!? やばっ♡)」
ユナを襲う、強烈な “絶頂” 快感。
「(なんで? どうして???)」
いくら自慰をしてもイクことが出来なかったのに、客が触れた瞬間に……。
「い"っ"、イ"グぅぅぅぅぅううううっ♡♡♡」
溜まっていた性欲が一気に爆ぜたユナは失神し、カエルのように地面に倒れた。
……………
………
…
「…うっ、うぅ……」
しばらくして、ユナが意識を取り戻す。
「…こ、ここは……」
ぼんやりとする頭で、クマハウスではないことは理解する。
「ようやく変態低脳雌クマが目を覚ましたようね」
「…娼婦。あぁ、わたしは……」
「そうよ。あなたはクマセットを取りに来て、私とお客さんの邪魔をした挙句、人様のお店で勝手にイッて気絶したの」
娼婦は、多少の皮肉を効かせながら、ユナに事実を述べる。
「ご、ごめんなさい」
「…は? それだけ???」
ユナの謝罪に、娼婦は満足しない。
「まずは土下座して、それから絶頂の罰として…」
有無を言わせない態度に、ユナは “全て” 従う。
「…なら、“契約” するわよ」
絨毯の上で土下座をし、謝罪と契約をする。
「貧乳変態低脳痴女雌クマのユナは、自分の性欲を抑えきれず、お話に割り込んで痴態を披露したことをお詫びします。また、その際にイッてしまい、お店を汚してしまったことしまいました。大変、申し訳ありませんでした。数々の非礼とご迷惑に対し、罰として帰宅途中のオ、オナニーと…迷惑料として、以降は10倍の料金をお支払いするとお約束します」
「うん♪ 約束は守ってね?」
「…はい」
そうして契約を結んだユナは、クマセットを取り戻し、店を後にする。
「………(……こ、ここでオナニーするんだよね…)」
“人混みの中” で、自慰をするユナ。
「………(…バレてない、よね?)」
お店を出る直前に、娼婦から “大通りで帰るように” と言われたのだ。
幸いクマセットを着ることを許され…いや、“指示された” お陰で、着ぐるみ内の様子を見られることは無い
が……それでも異変を悟られる心配はある。
「………(…偽装拘束って言うのとは違うかもだけど……服の下で隠れてオナニーしてると思うと、やばっ♡♡♡)」
ユナの股から鳴るクチュクチュとした音と口から微かに漏れる声は、大通りゆえの喧騒が消してくれる。
愛液はクマセットが吸ってくれるし、問題があるとすれば “夜光筆で顔に書かれた卑猥な落書き” くらいのものだが、フードを深く被ることで何とか誤魔化した。
「…くふぅ♡ はぁ♡♡ はぁ♡♡♡」
クマハウスに帰るまでに3、4回ほどイキ、非常に満足したユナは、“今度こそは期間を空ける” と眠りに落ちた。
ーーー
クマらしく、クマハウスで冬眠するように籠る気でいたユナ。
今回ので想定以上の経験をし、自慰のおかずは万全である。
「…嘘でしょ? “また” なの???」
しかしながら、ユナは再び “絶頂不能” に陥っていた。
「どうしてイクことが出来ないの? 今まではこんなこと無かったのに…」
考えられる要因は、“娼婦” しかない。
性欲に駆られたユナは、お店へと走った。
「す、すみませんっ!」
「そんなに急いでどうしたの? また依頼かしら???」
「今日は違くて…」
「あら、残念。…けれど、それなら何をしに来たの?」
後先考えずに来てみたはいいものの、“自慰をしてもイケなくて…” とは聞けない。
「あ、ええっと…」
吃るユナに代わって、娼婦が口を開く。
「気持ち良くなれないんでしょ?」
「えっ!? どうして分かっt …」
「たまに居るのよ、“虜” になるって言うのかな? 私にハマっちゃう子がねぇ」
娼婦が “不敵な笑み” を浮かべながら言う。
「どうすればイケるようになるんですか?」
“たまに居る” のであれば、解決方法を知っていると期待して尋ねる。
「こればっかりは、“私に依頼する以外の方法を知らない” わ……だって、私から去って行った人たちが “どうなったかは分からない” し…」
言い得て妙であるが、つまりは “シュレディンガーの猫” と言いたいわけだ。
「そ、そんな…」
ユナは知らない、クマセットに “淫薬” が塗られていたことを…。
ユナは知らない、秘部に触れた客の手が “淫薬” で塗れていたことを……。
ユナは知らない、娼婦の持つ “淫薬” が接触部位の感度を高める劇薬なことを………。
ユナは知らない、“淫薬” には切れた際に絶頂を抑制する副作用が備わっていることを…………。
「…で、どうするの?」
娼婦がユナに尋ねる。
「お、お願いします。今日もクマセットを預かってくださいっ!」
「ええ、こちらこそ。ご贔屓に♪」
ーーーーー
その後のユナは、快感を得るために娼婦へ貢いだ。
回数を重ねるにつれ増えるお金と条件。
契約は、本来であればお店側の娼婦を縛るものであるが、今となっては客側のユナを縛っている。
合理的な範囲内であれば、ユナはそれを達成しなければならないからである。
「変態低脳雌クマのユナ。本日もよろしくお願い致しますっ♡♡♡」
〜 完 〜