生まれた時から不幸だった少年が生まれた時から全てを持っている王子様系淫魔さんに買われる話
Added 2025-03-31 12:00:00 +0000 UTC今思えば僕は生まれた時から不幸であったと思う 物心つく前から僕の‘‘所有者‘‘は変わり続け、僕を買うと不幸になるという話が何処からか噂として流れ始め 気が付けば不幸を背負う子という不名誉な二つ名が付いていた 自分を買いたいという者は徐々に居なくなり、最初は居た不幸な子を買っても不幸にならなかった幸運者というステータス欲しさに買うもの好きも居なくなった。 自分に付いていた値札の価格も減り続けて、いつしかリンゴ一個を買うのと同じぐらいの値段になった頃には僕も自分の価値が分かる歳になっていた。 商品棚から手に取られては返品されてを繰り返すうちに商品棚に居る事にも慣れて 誰も買い手が付かなくなって追い出されるまでは快適に暮らしてやると思ったのが周りになんとなくだが伝わっていたのだろう そう思った矢先、僕は僕という商品を売るオーナーに呼び出されて``お前を魔界で売ることにした``と言われてしまった。 魔界 それは僕たち商品の最終処分場 魔界での購入者でありお客様である魔族は大変物好きであると有名であり、僕ら商品が魔界で売られると値札を付ける前に何処からか噂を聞きつけた魔族に言い値で買われてしまう。 魔界で買われない商品は存在しない、売れ残りがない、売る側にとっては非常に魅力的な言葉だろう。 しかしに商品が一番最初に魔界に卸されることはなく、あくまで長年売れ残った商品が最後に売られる場所である 何故人間界よりも数十倍、数百倍、数千倍高く売れる魔界で一番最初に売られないのか それは売られて行った商品達がその後どうなったかを知る事はできず、唯一知ることができるのは買われた商品とその商品を買った購入者のみだからだ、誰も買われていった商品がどうなるかを知らず酷い目に遭ってるのか幸せになったのかを知らない。 これが魔界で一番最初に卸されない理由である。 魔界が最終処分場となっているのは、人類とは全く違う魔族が何をするのか分からない中で高く売れるからと同胞を魔族に売って酷い目には遭わないで欲しいと思った売る側の最後の慈悲なのである。 そんな最終処分場に行くことになった僕はその最後の慈悲すら掛けられなくなったということなのだろう... 抵抗する気力すら湧かず、僕はその言葉に頷くしかなかった。 そして僕は魔界に売られた。 魔界に着き、商品棚に行こうとしたところで止められ``もう買い手がいる``と言われた やはりあの噂は本当なんだと思いながら案内された場所に行った 案内される道すがら自分がいくらで買われたのかを聞かされた 聞かされた金額は僕たち人間が一生を使って稼ぐような金額であり 人間界でリンゴ一個と同じ金額だったと言ったら驚くだろうな~と他人事のように考えてしまっていた。 一体どんな目に遭うんだろうと考えながら案内された部屋のドアを開けたらそこにはスーツを着た淫魔さんが居た。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「おや?来たようだね、初めまして。これから君の主人となるルルティー・ヴァ・ノアだ」 『....は、初めまして、僕を買ってくれてありがとうございます。人間界では不幸の子って言われてましたが、それは知ってましたか?』 ``おい!``と後ろからここまで案内してくれた案内人の声が聞こえて来た いいだろうこれくらいは、魔界に売られてこのあと酷い目に遭うんだ、許してよ 「不幸の子?あぁ知ってるよ、くだらない噂だよね、君が不幸の子な訳ないのに」 『え?』 「君は私に出会うために生まれたんだ、今までの事は全て私に出会うために必要だっただけ。ただただ必要なことをしていただけに過ぎないんだよ、むしろ私の運命の相手として生まれたんだ、人間の中でもかなり幸運だと思うよ」 『はっ...ははっ...面白い...冗談ですね...』 「冗談だと思うかい?」 そう言いながらこちらを見てくる目は嘘を言っているような目では無かった 「君が私に出会うための道で不幸な目に遭ってしまった、しかしもう私に出会えたんだ、これからは幸せしかない道にすると誓うよ」 意味が分からなかった、僕は不幸な星の元に生まれ永遠に不幸であると定められたのではなかったのだろうか? それを幸せしかない人生にする?一体何を言っているんだろうか...理解が追い付かない、思考が上手く定まらない。 「どうやらまだ信じられないようだね、あぁ気にしないでほしい、今までの君がどのような道を歩いてきたのかは買った時の書類に書いてあったからね、ふむ、では証明すればいいかな?」 『証明ですか?』 「あぁ、証明だとも、君は知らないと思うが魔界のこういったところでは購入した商品を``味見``できる所があってね。あとは言わなくても分かるだろう?私も噂で聞いていただけなんだが本当にあると聞いてびっくりしたよ。さぁそこでこれから味わう幸せを少しだけ見せてあげよう。私も初めてで色々と不慣れかもしれないが任せてくれよ?」 『はっ...はい....』  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ このあと、この``商品``がどうなったかを知る者はいない、唯一知ることができるのは買われた商品とその商品を買った購入者のみだからだ、誰も買われていった``商品``がどうなったかを知らず、酷い目に遭ってるのか幸せになったのかを知らない。 ただ魔界で似たような人間が幸せそうに魔界貴族の隣で笑っていたという目撃情報だけはあるようだ