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ふたけっと32に向けて原稿準備中のため、なかなか定期更新がお届けできないこともあって、稲荷もちの初イラスト本「稲荷もち感。」を振り返ってみるためのレビュー記事企画を今回は投稿しようと思います。
今回もレビューをお願いしたのは、あらゆるゲームプレイ記事やエロゲのシナリオなども手がけておられるライターの赤坂翔先生になります。
毎度のことながら忌憚なく「思ったっことは何でも記事にかいてもらって構いません!」とお伝えしたので、同人界隈にいる第三者目線では稲荷もちの作品がどんなふうに見えているのか、またイラスト本にどのような感想を抱いたかも含めて書いていただきました!
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日本で一番売れないライター赤坂だよ。
レビュー記事第二回と言うことで今日も元気に稲荷もち氏の同人誌について忖度ゼロ、配慮ゼロの記事を叩いているよ。
「お金貰っておいて、スポンサーに一切のヨイショも無いとか悪魔かよ」と納品した後で稲荷もち氏に若干叱られたけれど、傍若無人結構結構で一切耳に入れずにガロード・ランなスタイルで今回も頑張っていきましょう。
美味しくないものは「美味しくない」、面白くないものは「面白くない」とハッキリ言わないと人生が楽しくなくなるものです。
なので声を大にして言いましょう。化学調味料はウマイ。
そんなわけで今回のレビュータイトルは「稲荷もち感。」のレビューとなります。
今回レビューするにあたってまず驚いたのがフルカラー本ってことよね。
おじさんっぽい話をすると、今やデジタルデータでのダウンロード販売が同人作家さんたちの中でごく普通のものとして受け入れられているけれど、昔っから同人屋をやってた人間としては、やはりフルカラーの同人誌って言うのはスペシャル感がある。
しかもこれは60P弱もある。おじさんの時代には16Pのフルカラーですら悲鳴を上げてたと言うのに。
これを紙の本で刷っただけで大分覚悟が決まってる。
そんな物理的に圧巻のボリューミーさに対し、中身はと言うと、小綺麗にまとめられたファッション誌のような雰囲気。
それもそのはず、これまでファンサイトで公開してきたキャラクターの設定や制作秘話的な小話を中心に、グラビアと言うテイストで全面が仕上げられているからだ。
そういうこともあり、スケベシーンは抑え気味な紙面が多い。
SNS等で公開したであろう日常のワンシーンを切り取った一枚絵なども多数収録されており、よりキャラの内面を深掘りしていく設定ムック本のような丁寧な作りになっている。
そういう意味では「実用性」の面で前作「ついててかわいいおんなのこ」より若干落ちることは否めない。
その一方で、キャラの性癖などが明記されているなど、今後の展開だったりが期待出来る部分も大きいのではないだろうか。
シリマニアファミリーとしては、けい子ちゃんのお尻ほじりを早く描いてくれと言う意見をここで言っておきたい。なお、これはレビュワー特権の濫用なので、みんなは全裸正座待機しておいて欲しい。
……描くよね? 性癖パラメータで載せたんだから描くんだよね? おしりにちんちんいれて、骨盤の方から子宮ノックするようなプレイするんだよね?
言質取るまで梃子でも動かないぞ! 動かしたいなら自衛隊もってこい!!!
▲利益度外視で挑戦した初イラスト本「稲荷もち感。」は当然大赤字だった。
――本題に戻るとして、本作の魅力は日常シーンが多く描かれていることで「スケベじゃない、スケベな絵」、あるいは「健全なえっち絵」が結構多いことも一つの特色だろう。
お風呂上がりのシーンなどがそれにあたり、「モザイク入れたり、おっぱい丸出しなのにシコるのがメインじゃない」絵が割合として多い。
ちんちんの生えてる女の子と言う個性だけで、作られたファンタジーのドスケベモンスターな訳だが、その彼女たちが「普通に生活している絵」をここまで全面に押し出すイラストブックと言うのはちょっと珍しい。オタクの妄執が生み出している現代のキメラであることは良くも悪くも事実ではあるが、「それが当たり前になった世界」をキチンと描くとなると実はそれなりに骨が折れる。
「一つの大きな嘘のために他の部分でリアリティを徹底的に演出する」と言うのは押井守監督作品などで良く出てくる文言だ。
レイバーなんて言う巨大ロボットでプロレスをする大嘘に対して、やる気のない中年の上司が配役され、ガード下の立ち食いソバ屋で仕事のグチを吐き、環境テロリストががなり立てるなどの「現実にあったらこうだろう」を徹底することで作品の完成度を上げることはSFなどでは良く見られる手法だ。
流石に本作ではそこまでの徹底した考証や背景設定は導入していないが、それでも少々のリアリティはどんな作品にでも合うスパイスだ。
小難しい理屈をゴミ箱に突っ込んで、頭空っぽにして、パンツを脱いで気持ちよくオナニーするためのエロマンガに小難しい理屈はいらない。それも真理だ。
しかし、一度でも「作る側」に立った経験があるなら、その小難しい理屈を注ぎ込まなくてはいけないことを多くの人が知っている。
ギブソン・レスポールを手に入れただけではギターはうまくならない。AE86に乗っただけではドリフトは決められない。
読者がいかに気持ち良くなれるか、と言う言葉にすると簡単なお題は作る側からすると果てしない試行錯誤と思考実験の積み重ねでやっと完成する。
作品全体からすれば、振りかかっているスパイスは、テーブルコショウ一振りほどかもしれないが、そのたった一振りでいい塩梅になるかどうかを見極めるために、膨大な時間がその裏ではかけられている、と言う事実に異論を挟む人間はいないだろう。
その「一振りのコショウ」はサークル全体の作風、すなわち次の本、次の次の本への布石でもある。
なぜならば本作は、あくまでもこれ単体でシコらせることを目的とした本ではないからだ。
むしろ「次以降の作品でより深く没入するための副読本」と言う意味合いの方が強いだろう。
▲本著では各キャラ毎に解説記事とステータスをレーダーチャートで記載。
完全にボク自身の余談になるのだが、昔自分のこう言った「ファッションカタログ」のような同人誌を作ることに関わったことがある。
初動は売れる。結構な数が出る。
けれど、なぜだかその後の売り上げが伸び悩む。
結果として「あれはなんだったんだろう」と過ぎ去った嵐の意味が分からず、手元には在庫の山となる。
よくある同人屋の陥る罠だ。
稲荷もち氏もその巨大な渦に飲み込まれてしまった、と言うべきだろう。
売れた原因が分からない、売れる理由が分からない。
「こんなはずじゃなかったのに」と言う言葉だけが浮かぶわけだが、そこで「あれは真夏の夜の夢だったんだ」と割り切れるか、いつまでも過去の栄華にすがるか。
……ちなみにボクは後者だったので、色々と地獄を見たことがある。
ともあれ、本作の「同人誌」としての完成度は高い。
さる作家に曰く「売れたから良いもの」らしいのだが、それを差し引いてもモノは良い。
しかし「良いものだから売れる」と言うわけではない。
そんなわけで一冊目の「ついててかわいいおんなのこ」を手に取った人は副読本として一冊手にとって見るべきだろう。
多分、これ読むともう1回「ついててかわいいおんなのこ」でシコれるようになる。
シナリオライター。シナリオ、原案、設定監修などなど。
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稲荷もち
2024-04-14 10:41:26 +0000 UTCJphantom003
2024-04-14 04:34:25 +0000 UTC