規則的に響く振動音。流れる車窓の景色。街を走る電車の中に、陽の光が差し込んで、浮き上がった埃をキラキラと煌めかせる。
乗客は見当たらない。その場にいるのは、車掌の制服を着て、笑った目を不気味に赤く輝かせている影霊。
そして、床に倒れ込んだ二人の魔法少女だった。
既に戦闘があったのか、向かい合ったシートのあちこちに靴跡、近くの窓にヒビが入っている。陽光少女ルリ、そして聖光少女ルナ、どちらも気を失って横向きに倒れていた。影霊が近づいても、ピクリとも動かない。
《お客様、車内ではお静かに願います。大声を立てたり、暴れられますと他のお客様へのご迷惑となりますので……。それに昨今、駅員への暴力についても毅然と対応することになっておりましてね》
ふざけた口調で言いながら、床にしゃがみ込む。拾い上げたのは、少女たち二人の大事な武器……陽光珠をはめ込んだステッキと、聖光珠を据え付けた大きな鎌。影霊の瞳がひときわ強く輝く……と、手袋ごしに暗赤色の光が、じわりと滲みだすように発せられて、宝珠を包み込み始めた。
《魔神霊さまより、既にこれら宝珠を制御しているプロトコルは伝達されております。私どものテリトリーに足を踏み入れたこと、後悔させて差し上げましょう》
陽光珠と聖光珠が、影霊から放たれた赤い光に侵されていく。それと連動するように、魔法少女たちのマジックドレスもまた不穏な暗赤色に輝き始め――
《guXik neLaL bwu deMdikTa》
異界の言葉が発せられる。電車内を暗い光が満たして――そして光が消えた時、マジックドレスは消失していた。そこに倒れているのは、セーラー服を身に着けたただの少女たち。
白く涼やかな生地に赤いリボンのセーラー服を着た瑠璃は、苦しげに眉根を寄せて。濃紺の生地に白いリボンのセーラー服をまとった瑠奈は、悪夢でも見るようにうなされて。
変身が解けたと同時に、ステッキと鎌も淡雪のように消えていき、影霊の手の中には剥き出しの宝珠が二つ、残っただけだった。
車掌影霊の口の端が、禍々しく吊り上げられる。
《陽光珠、聖光珠ともに掌握完了。情報さえそろっていれば、造作もない。それでは、出発進行、といきましょう。ククククク……!》
言い終わると同時に、影霊の姿が幻のように掻き消える。手に持った宝珠もろともに。
後に残されたのは、無防備な制服姿の、瑠璃と瑠奈だけ。
無人の電車は、一向に止まる気配を見せない……。
※
「瑠璃、起きて。瑠璃」
「ん……?」
ゆっくりと体を起こす。目の前に、張りつめた表情の瑠奈。目覚めたばかりでまだぼんやりしていて、何度も頭を振る。
ぼーっとしている場合じゃない、それくらいは分かる。そう……。
「ここ、は……そうだ、わたしたち、影霊に負けちゃって……」
思い出したと同時に、ゾッとして立ち上がり周囲を見回す。まだ電車の中だ。そして、自分が変身を解かれ、ただの制服姿であることにさらに驚く。
のどの奥がキュッと詰まったような緊張。心臓が早鐘を打つ。それは瑠奈も同じらしく、車内に走らせる視線も落ち着かない。
電車は見たことのない町並みの中をひた走っている。日中の晴れた空の下で、瑠璃たちの足元にも陽光が落ちてきていた。けれどその明るさは、敗北少女たちを囲む状況の不穏さを和らげてはくれない。
《本日は、私どもの電鉄をご利用いただきまして誠にありがとうございます、魔法少女のお嬢さんがた。当列車は敗北への直通、快速急行失神アクメ行き。揺れますのでお近くの手すりにお掴まり下さい》
「……影霊って、悪ふざけばっかりね」
人を食った車内アナウンスに対して気丈にも言い返す瑠奈だが、キュッと握った拳は小刻みに震えている。敵を前にして、これほど不安を隠しきれずにいることは瑠奈には珍しい……けれどその理由を瑠璃もまた、すぐに知ることになった。
「応えて、陽光珠! ……陽光珠? うそ、陽光珠が……!」
「聖光珠もよ、瑠璃。いま私たち、変身できない」
《その通り、あなたたちの宝珠はこちらでお預かりしています》
「そんな……」
瑠璃の表情が不安に沈む。それも無理もないことだ、宝珠がなければ2人ともただの非力な学生に過ぎないのだから。
一方、スピーカーから流れてくる影霊の声には掴みどころがない。
《とはいえ、こちらもあまり余裕はございません。このような大規模な空間を維持し続けるには、エネルギーの消費が激しいですからね。1時間が限界でしょう――あなた方がはしたなく絶頂して、私どもに思念エネルギーを供給しなければ、ね。つまりその一時間ほどのあいだ、あなた方がイかずに耐えきれれば、私どもの負けとなりましょう。あなた方にもまだ、勝ち目があるというわけです》
「……思ってもないことを」
逆転の目が無いと踏んだから、こうして限定的とはいえ自由を与えたのだ。それが分からないほど鈍い瑠奈ではない。
要は、瑠奈たちで遊ぶつもりなのだ。
問題は――それを悟ったところで、打開の手が見つからないのは同じ、ということ。
「くっ……!」
《さて、それでは始めましょうか》
「……瑠奈ちゃん、外!」
駅のホームが見え始め、それに合わせて車体が減速していく。停車するのなら、一度外へ逃れてしまう手もある。ともかく影霊の監視下から出なければ打開も覚束ない……そう思ってドアの方へ駆け寄るが。
窓越しに見えるホームには、足の踏み場もないくらい大勢の人が立っていて。
瑠璃の戸惑った顔を横目に見る。夢宮町は地方都市としては人口が多い方だが、都心ほどではない。これほどの人だかりを見ることはマレだ。
そしてドアが開くと同時に、その群衆が一斉に車内へなだれ込んで来たのだから、ホームへ抜け出す暇などあるはずもない。文字通りの雪崩れ。たちまち、反対側のドアまで流された2人は、まるで押し寿司にされたように人の群れに圧迫されることになった。咄嗟に瑠璃の手を掴んでいなければ、互いの位置も分からなくなっていただろう。
「んく、ぅぅ……!」
小柄な瑠璃はもう、ドアとの間で圧し潰されて、苦しげに顔をしかめている。スーツ姿の男、私服姿の男など、長身の男性の腹やバッグに押し寄られ、腕も上げられない。
それは瑠奈も同じだ。手すりを背にして最低限動けるだけの余地は確保したが、こうも密集した中ではどうしようもない。変身できていればともかく、ただの少女の非力な身体では押し返すことなど無理な話だった。
特に気温の高い日でもないのに、たちまちのうちに汗が滲む。人間の体温だけで醸される熱の何とも言えない不快さ、しかもそこから逃れられる先がどこにもないのだ。
もちろん、影霊のやる事だ、単にすし詰めの不快さだけを与えて終わり、なわけがない。
「な、ちょっと……!?」
「ひぅっ!?」
どこかから伸びてきた、誰かの手が瑠奈の、そして瑠璃の尻をスカート越しに掴む。そしてじっくりと、形をなぞり味わうように、さすり始める。
嫌悪を伴った悪寒が背筋を駆け抜けて、思わず身震いをしてしまう二人。
影霊と戦う中で、少女たちの身体を弄ぶ陵辱は何度となく体験させられてきた――けれどそれらは、宝珠の使者たちの圧倒的戦闘力に対する反撃ではあった。
いま、瑠璃たちに無遠慮に触れてくる手は違う。無抵抗な、自分より弱い相手を一方的に嬲り、支配しようという卑劣な意思に駆られた手だ。
《言っておきますが、その乗客たちはすべて、この街に住むただの一般人ですからね。私ども影霊の影響を受けて少々理性のタガが外れておりますが……クククク》
「町の人たちを巻き込んで……卑怯よ!」
《彼らには、すぐにはあなたたちを認識できないように暗示をかけてあります。声を出したり、目立つ行動をすれば、他の乗客にも認識されて、あなたたちを責める手が増えるというわけです。この場を無事に乗り切りたければ、せいぜい目立たないように頑張ってください》
車内放送を通して影霊のふざけた説明が流れてくる間も、誰のものとも知れない手が瑠璃の尻を撫でまわしていて。変身の解けた今、弱気さを隠せないヒマワリ色の髪の少女は困惑に眉根を寄せて震えている。
瑠奈は――そこまで大人しくはなれない。もともと、こうした卑劣な行為を許せない性格だ。
無遠慮にスカートの上から膨らみの柔らかさを撫でてくる男の手を、素早く振り向きながら掴み上げて。
「いい加減にしなさ……ひゃあンっ!?」
別な方向から伸びてきた違う男の手が、制服越しに胸を鷲掴みにしてきた。不意を突かれて、思わず恥ずかしい声をあげてしまう。
瑠奈の紺色のセーラー服が、男の指の間で皺くちゃにされる。慌てて胸を弄る手を振り払おうとしたところで、今度は瑠奈の手首をまた別な男が掴み上げて封じてしまう。
「な……っ!? ちょっと、放して……!」
《やれやれ、言ったそばから、下手に身動きをして周囲の人間の注意を引いてしまったようですねぇ。あさましい人間たちは、一度あなたを認識して手を出し始めれば、もう止まりませんよ。3人の卑劣な痴漢に囲まれて、さぁ大変になってきましたね?》
意地の悪い影霊の言葉を聞いても、今の瑠奈には反応している余裕がない。
服の上から、6本の手が少女の身体を這い回る。両手を解放されても、それで抵抗すればますます状況を悪化させるだけとなれば、せいぜい痴漢の手をやんわり押しとどめるくらいしか出来ることがない。敵の差配した悪趣味極まりないゲームだと腹を立てたところで、今の瑠奈たちにそれを覆す手段がないのだから、ルールの中でもがき身を捩るしかない……。
「ん、く……んん、ぅぅ…………っ!」
胸を、ブラとセーラー服の上から。尻と秘裂を、パンティとスカートの上から、それぞれ触られ、さすられ、擦られているだけだ。これまでの陵辱で、敏感部分を直接、残酷なほど激しく責められたことも多々ある瑠奈にとっては、あまりにも微小な刺激――けれど、だから平気ということはない。
肌に直接受ける感触が少ないからこそ、その分伝わってくるのは周囲を取り囲む男たちの悪意、無防備な身体を一方的に侵してやろうという意志だった。
柔らかな尻肉を、その重さを味わうようにじっくり持ち上げたり。かと思うと果実をもぐように五つの指で握り締めてくる。胸の方は、ほとんどブラの感触を楽しんでいるのかと思うような、もどかしい手つきで慎ましい膨らみを指の腹で辿ってくる。
「……く、ぅぅ。こんな、好き勝手なこと……んっ、ぁ……」
無理やりに快楽を引き出そうとする影霊たちの強引な責めとは違った。痴漢たちの手つきは、ある種の”鑑賞”だった。少女の身体の線、その身体つきを指先で、手の平で、じっくりと鑑賞する――そういう動き。
一方的に鑑賞されるのは屈辱なのに、これまでの戦いで散々開発され、全身敏感になっている聖光少女の身体は、その手つき、感触にも反応してしまう。触れられた部分がじんわりと熱くなって、布越しのもどかしい刺激が、じわじわと身体の芯に沁み込んでくるようで。
気づけば、セーラー服のスカートの下で、瑠奈の両足は内股になって、もじもじと太ももを擦り合わせる恥ずかしい反応を示してしまっていた。
弱火でじっくりと炙るような愛撫が、制服少女の性感を狂わせる。
「……ふぁ、ぁ……んっ………………ぁふ、んくぅ……っ!」
声を漏らせば、状況はさらに悪化する。思わず片手を口元にあてて、漏れそうになる喘ぎを必死に押しとどめる瑠奈。けれどそうしている間も痴漢たちの手はその全身を這い回り、新たな快感を発掘し続ける――。
抵抗せずに耐えている限り、増長した陵辱者のエスカレートを招くばかりで。
「…………っ!」
セーラー服の中に、男の手が這い込んでくる。おへその辺りから上って来た手は、しかし直接触れてくるわけではなく――ただブラのホックを外して、瑠奈のピンと突き立った乳首を解放しただけだった。
努めて冷静でいようとしていた聖光少女の頬が、赤く染まる。濃紺のセーラー服に、ピンと尖り立った乳豆がくっきりと、一目で分かるほど浮き出してしまったからだった。服の裏地に擦れた敏感突起から、もどかしいような感触がすぐさま生じてきて、口にあてた手を強く押しつけて耐える。
もちろんその状況は、守りを失った性感の発信機が、陵辱者たちの前に置かれた、ということでもあった。制服の裾を持ち上げるかと思うほどツンと屹立した突起、そのまわりを、わざと触れそうで触れないような距離で、痴漢の手がゆらゆらと蠢く。指が近づいて今にも接触しそうになり、瑠奈が身を固くすると、またさっと遠ざかる。少女を翻弄し、その反応を楽しみながら……もちろんその間も、別な手が執拗に尻の膨らみを撫でまわす。
そして、
「……こ、のっ、いい加減に……」
からかわれ続けた瑠奈が目の前の男を睨みつけようとした瞬間を見計らって、太い指がか弱い胸突起を、キュッと抓み上げた。
瞬間、制服少女の身体が、がくんと前にのめって。
「は、ひっ……! ~~~~~~~~~~~っ!!」
気勢を挫かれた瑠奈の上体が断続的に痙攣する。その反応を十分楽しんだ男の指が離れて……再び少女が顔を上げた時には、眉尻の下がった情けない恥じらい顔になっていた。
そうしている間にも、背後から伸びてきていた別の手は大胆にスカートの中へ侵入し、指の腹を下着越しにワレメの間へ潜り込ませて、その感触を楽しんでいる。乳刺激に感応して、既に恥ずかしい蜜をうっすら分泌していた秘裂は、ほんの少し擦り立てられるだけで、じっとりと粘ついたシミを作り出してしまい……。
「んっ、くぅ……ぁ…………っ! んふ、んぅぅぅ……」
敏感な部分に触れられて、制服少女が耐えきれずに反応すると、それに満足したように離れる、そんな複数の手。まるで鎌首をもたげた毒蛇に囲まれているような気分だった。次にどこを触られるのか、どこを弄られるのか、そんな風に意識するほどに、乳首やワレメの無防備さを意識してしまい、ズクンズクンと疼く自分自身の体の敏感さに翻弄される。
乳先をくすぐられ、喘ぐ。尻肉を揺らされ、喘ぐ。秘裂を割り開かれ、喘ぐ。男たちの下卑た視線に囲まれて、不本意な快感反応を引き出される。変身さえしていれば、こんな状況から一瞬で抜け出せるのに。
「…………っ! …………ん、……ぁ……くふっ、ンっ!」
背後から伸びてきたゴツい手が、左右両方の肩口の辺りで濃紺のセーラー服を摘まみ上げる。それだけで、クッと持ち上がった布地の裏側が乳首を下から上へ擦りあげ、瑠奈をビクリと震えさせる。
そうして持ち上げた布を、小刻みに左右に、引いて、持ち上げて。
「ふぁっ……! あぁっ、ん…………ッ! ぁンっ、あ、はひっ……!」
着慣れた制服の裏地が、恥ずかしい乳突起をくにくにと折り曲げ摩擦してくる。まぶたの裏にチカチカと白い光が散る。思わず膝から崩れ落ちそうになるくらいに、敏感少女を悩乱させる。
罠に落ちて身動き取れない獲物の身体をオモチャにして遊ぶような、タチの悪いイタズラ。そんなものに翻弄されて声を漏らし、反応してしまうのが悔しくて。屈辱なのに手も足も出ない無力感に、聖光少女の抵抗する心が、ゆっくりとヒビ割れていく。
「はぁ……はぁ……んぁっ、あ、ぁ……はぁ……ンっ、くぅぅ……っ!」
それは、あまりにも瑠奈らしくない姿だった。
卑劣な敵に対してはいつだって、力の及ぶ限り強気に立ち向かう聖光少女。もちろん、力及ばずに陵辱されて、情けない嬌声をあげたこともあるけれど……それでもギリギリまで強い意志を見せ続けていたのが魔法少女ルナだ。
なのに。今の彼女は、悪辣な男たちに囲まれて、次にどちらから手が伸びてくるのか怯えて……困りきった顔でただビクビクおどおどと委縮して。まるでいじめられっ子のよう。
ブラによる守りを失った胸の膨らみの上を、ゴツい手が這い回る。セーラー服の布を巻き込んで、ウール織布の感触を乳首の付け根から先端にまで刷り込むみたいに擦り立てられると、それだけで上半身のビクビクが止まらなくなる。
スカートの中に潜り込んだ別な手は、パンティの布を乱暴に引っ張って強制的にワレメに食い込ませて。そうして布地越しに浮き立った、ぷっくりと膨れたクリトリスを、指の先でカリカリと引っ掻いていく。コットン素材を介して与えられるもどかしい、けどたまらない、痺れるような感覚に腰が浮きたって、膝から力が抜けそうになる。
「あふっ……んんぁ……ひ、ぁぁンっ……くぁ……あンっ……っはぁ、ん……」
どれも、弱い刺激だ。いつも影霊たちが与えてくる、強制的に全身を押し流すような快楽責めではなかった。にもかかわらず、瑠奈は追い詰められていく。
逃げ場がない。声もあげられない。抵抗もできない。下手な身動きもできない。与えられる感覚をただ華奢な身体に受け止め続けるしかない。どこにも行き場がない微細な快感が胸や下腹部で渦巻いて、触れられていない膣奥や子宮に滞留していく。瑠奈の体内は今や、快楽の圧力容器のようなもの。少女の身体という密閉された器の中で、絶頂の種が少しずつ膨らんでいく……。
それなのに、イってはいけないのだ。
「んんっ、かふっ、んむぅぅ……ぁ、はぅンっ……くぁぁ……ぁ」
必死に口を押さえて、自身の声を封じる。赤く染まった頬を汗の雫が流れ落ちていく。
耐えなきゃ。耐えなきゃ。けど……いつまでもずっと、耐え続けていられるわけがない、のに。
瑠璃もまた、執拗で底意地の悪い愛撫を延々と味わわされていた。
多すぎる乗客に押しつぶされるようにドア側に寄せられて、上半身を冷たい窓に密着させている。白地に紺色襟、赤いリボンの涼しげなセーラー服も、乗客の波に揉みくちゃにされて皺だらけだ。
瑠奈のようにみだりに動かず、じっと大人しくしていた陽光少女には、手を出してくる痴漢は今のところ1人だけ。けれどそれは、安心するにはあまりに心もとない。なぜなら……
「うぁ、ぁ……やめて、ください……やめてよぉ……」
スカート越しに小ぶりなお尻を撫でられているだけで、目じりに涙を溜めてただ震えている。
陽光珠の力を借りて、誰かを助けようという思いがあって、ようやく戦いへの恐怖をどうにか振り払える、それが瑠璃だ。けれど今は、陽光珠の助けもないまま、普段の内気で臆病な、ただの瑠璃。見ず知らずの男に突然悪意や欲望をぶつけられても、怖さで身体が固まってしまう弱気な少女だった。
しかも――性感帯だけは人一倍敏感な。
「んくっ……ぁぁ、ンっ……ふぁ、あ」
尻側から伸びてきた指が、下着越しにワレメの間へ潜り込んで、ゆっくりと前後に動く。それだけでピクンと肩を跳ねさせてしまう反応の良さは、陵辱者を喜ばせるばかりだ。
そして必然的に、行動をエスカレートさせていく。
不意に伸びてきた腕が、瑠璃の白いセーラー服を乱暴にめくり上げた。瑠奈と違い発展途上の膨らみを布のスポーツブラで覆っているだけの、凹凸の少ない上半身が晒される。そのままブラまでずり上げられて。
「やっ……だめ、やめてぇ……!」
あわてて押さえ込もうとしてももう遅かった。大勢の他人が乗っている電車内に、瑠璃の乳豆が晒される。一瞬のうちに、沸騰したように顔を赤くした瑠璃は、けれどやはりすし詰め状態で身動きも取れず、服を直すこともできずに。
そして容赦なく背中側から押されて、膨らみかけの胸をドアの窓ガラスに密着させてしまっていた。
「ひゃンっ……!」
誰が見ているかもわからない場所で顔を出してしまった胸の蕾は、それだけでキュンと固くなってしまっていて……そこに冷たいガラスの感触が走った瞬間に、小さな可愛らしい悲鳴をあげてしまう露出少女。
けれどその悲鳴が仇になった。声に反応して、すぐ隣に立っていたスーツ姿の男に気づかれてしまったらしい。頬のこけた、細目の初老の男が口元にいやらしい笑みを浮かべ、ガラスに押し潰された少女の微乳をじっとりと見つめる。
「あ……ぁ、あうぅ…………!」
触られてすらいない。ただ横から視線が来るだけ。それなのに、瑠璃に与えた影響は愛撫以上のものだった。
マジックドレス姿で陵辱されるのも、もちろん恥ずかしい。けれど変身中に起こったことは非日常ではあった。今は違う……普段学校で着ている、いつもの制服姿なのにエッチなことをされてしまっている。そう思った瞬間、頭の中が煮え立って、羞恥と混乱とで、何も分からなくなってしまう。
消えてしまいたいくらい恥ずかしいのに、思い通りにならない少女の身体は熱を持って、トクントクンと鳴る心臓に合わせて乳突起を固くしこり立たせてしまう。視線を浴びるほど、余計に。
「~~~~~~~~~っ」
瑠璃の胸をじっくり見ている男は、無言だった。ただ笑って、目を細めて、少女を見下ろしているだけだ。控えめな膨らみをぺったりガラスに押し付けて、耳まで赤くなっている制服少女を。
何か言ってくれる方がよほどマシだった。無言の視線が、こんな公衆の面前で恥ずかしい姿を晒している少女を咎めているようだった。そのせいで気弱な瑠璃はよりいっそう委縮して、赤くなって、震えて。
そうしている間にも、秘裂をなぞる指がますます強く無遠慮になって。下半身からせり上がってくる甘い痺れが、ますます敗北制服少女を悩乱させていく。もう白いパンティは瑠璃自身の愛蜜でぐちゃぐちゃで、鼠径部のあたりまで湿り気が上って来ている始末だった。
そして。
「……ぁ、あっ……だ、だめぇ……っ!」
スカートの中で、男の太く短い指が、湿りきったパンティを横にずらし、瑠璃のワレメを外気に晒してしまう。電車の中で……。
太ももの間を無理やり通ってきた男の指は、そうして辿り着いた生の少女性器に触れると、人差し指と薬指で、ゆっくりと陰唇を押し開いていった。
「んくぁ、んんぅぅぅぅ…………っ、~~~~~~~~~~~~~っ!!」
しっとりとした蜜に濡れた、薄ピンク色の秘肉が顔を出す。敏感粘膜がスースーと空気に触れるだけで、電流を流されたような激感だった。両膝を小刻みに震わせて、背後に立つ陵辱者を見上げる。その大きな瞳には涙がたっぷり溜まっていて、やがて紅潮した頬を流れ落ちていった。
今度は、横に立っていた男が動く。怯えるような瞳をそちらに向ける瑠璃の目の前で、ここまで無言で見ていただけの細身の男はゆっくりと腕を伸ばして――セーラー服のスカートを、持ち上げた。
ガタガタと揺れる電車の中、ずり上がったスカートの裾から徐々に見え始める白い太もも、鼠径部。そしてヴェールを剥がれるように、細かなヒダまで全開にされた淫液まみれの貝口が、隠すものもなく晒されてしまった。
「やぁ……だめ、見ちゃ……だめ、なのぉ……! ふぁ、ぁぁ……んくぅぅぅ……っ!」
公共の場で無理やり開かれる、薄桃色の媚肉。男の指によって左右にくつろげられ、カラメルをまとったプリンのような柔らかさの粘膜が、小刻みな痙攣にヒクヒクと揺れる。その下に小さく空いた蜜口も、小魚の口のようにパクパクと開閉を繰り返しながら震えている。
そんな柔らかすぎる少女の秘園に、男の視線が突き刺さるのだ。
まるで視線そのものが、触手のようにねっとりと、開かれた少女性器にまとわりついて、撫でまわして、いるかのように。
「んぁ、あっ……やンっ! ひぁ、あっ……だめ、だめだめぇ……んひゃあぁっ、ああぁぁ、~~~~~~~~~~~~っ!!」
ビクンっ!
軽い絶頂が瑠璃を襲った。直接触られてもいないのに、大事なところを開かれて、視線を注がれただけで――敏感すぎる秘部は、耐えきることができなくて。
とろり、と太ももを垂れていった愛液が、白いソックスに沁み込んで消えていった。
「はぁ、はぁ……ぁ、あ……わたし……!」
イってしまえば、影霊に力を与えてしまう。瑠奈は頑張って耐えてるのに、自分だけ、こんなので……巻き起こった申し訳なさと情けなさに、陽光少女の胸がキュンと締めつけられる。けれどこの状況では、自分を責めても、ますます心を内向けて委縮させるだけ、痴漢たちの思うツボなのだ。
絶頂直後で、ひくりひくりと不規則に震えているワレメに、男の中指がゆっくりと押し当てられ、沈んでいく。
「ひっ!? うぁ、あ、あぁぁ、あぁ、あっ、あぁあ……ンっ!」
がまん、なんてできるはずがなかった。イったばかりの少女膣は剥き出しの神経そのものみたいに敏感で。そこを触れられるだけで何もかも分からなくなる。引き攣るみたいに力が入ったかと思ったら、がくんと力が抜けて。全身が壊れた人形みたいに、なって。
そうして身じろぎすれば、ガラスに押し付けられた乳首も上へ下へと擦りつけられて……冷たく硬い感触が胸の先で弾けるのも、新たな快感の火種になっていく。
柔らかな頬を窓に擦り付けて、熱い吐息でガラスを曇らせてしまう瑠璃。けれど次の瞬間には、
「ぃ、ひゃあっ!? かひっ! や、やだ、そこは……!」
スカートを持ち上げていた隣の男が、いつの間にか瑠璃の鼠径部に手を這わせ、指先を秘裂の上端まで届かせていた。目的はもちろん、そこにある小さな突起。包皮の下でうずうずと隠れ潜んでいる、瑠璃の一番弱いところ。
薄皮の中に匿われている快楽神経の塊を、その皮ごとグリグリ撫でまわす痴漢の手。円を描くように、包皮越しに突起の先端を揉み回す、それだけで敏感陽光少女を陥落させるには十分だった。
「んんっ! んんん゛ぅぅんん~~~~~~~っ!! ん゛んんぅっ、んん~~~~~~っ!!」
せめて声を抑えようと両手で口をふさいで、クリ絶頂に腰を躍らせる制服少女。下半身が跳ね上がるたびにスカートがひらひらと弾き上げられ、愛らしい小さなお尻が電車内にちらちら見え隠れする。
そうでなくても幾度となく影霊に責められ快感に弱くなっている瑠璃が、イった直後でさらに弱くなった勃起陰核を捉えられて耐えられるはずがなかった。後ろから膣穴を、前から花芯を弄り回されて、折れそうなほど細い腰がガクガクと揺れる。
肩越しに、背後から男のニヤついた顔。覗き込むように、真横から男のニヤついた顔。そして陰核を転がしていた指が、最後の守りだった包皮をゆっくりと、剥き上げる。
「っひ、ぁ…………っっっっ!!」
剥き出しになったか弱い真珠を、指の腹で丹念に、磨き上げる。
「~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!!」
目の前が真っ白になって。両手で口を塞いだまま、制服少女は声にならない嬌声とともに電車内絶頂を極めた。
ドアに押し付けられるような姿勢でなければ、その場にへたり込んでいただろう。激しすぎる陰核淫悦に貫かれた瑠璃は、状況に流されるまま、恥液を車内の床にぽたぽたとこぼした。
瑠璃の限界に気づかないほど、瑠奈も追い詰められている。
ブラを外されて、濃紺セーラー服の裏地に直接触れている乳首。それを好きなように弄ばれて、ツンと突き立った淫猥突起の位置が誰の目にも明らかなほどだ。スカートの中でも、下着越しの悪戯によって、濡れたパンティ越しにワレメの形まで透けて見えるくらい蜜を漏らしていて。直接露出していないにも関わらず、今の瑠奈の姿はあまりに扇情的だった。
焦らすような触れ方は少女の全身の感度を否応なく高めていて、もう肌のどこを触れられても身を捩ってしまうほど過敏になっている。性感帯への責めにありつけなかった痴漢の手は、そんな少女の首筋や腰、太ももにも絡みつくような愛撫を与えていて……悔しいのに、それら接触すべてがじわりとした快感となって、瑠奈を翻弄していた。
「んふっ、むぅぅぅぅ……っ! うぁ、くふぅンっ……! ぁンっ、あぁ、ん……」
前後左右、どちらを見ても意地悪く瑠奈の痴態を見つめて笑う男たちの顔しかない。取り囲まれて、逃げられない。膨張し続ける、行き場のない恥辱快感ではち切れそうになった身体を好き放題に触られて、身をくねらせる。
「…………かひっ、ぃぃぃ……っ! うぁ、あ、あぁ……!」
下着の上から、ぐりぐりとクリトリスを押し込まれて、キィンと耳の中が鳴るくらいの悦楽が駆け抜けた。
それでも歯を食いしばって耐えようと全身に力を入れた瞬間に、二つの乳首をセーラー服ごと、思い切り抓み潰された。
視界を白い火花が弾ける、埋め尽くす。あらゆる感覚が、痴漢の手で生み出される恥辱快感に埋め尽くされる。
「は、ぁ……んぁぁぁっ、くひぃぃぃぃぃぃぃぃぃン…………っ!!」
手すりを両手でギュッと握り締めて。顔が天井を向くほど首を反らせて。嬲られ続けている胸を自ら差し出すように突き出して。細い身体が絶頂に襲われ跳ね狂った。
恥部をあえて露出させない、徹底してセーラー服の上からだけの愛撫でイかされるのは、まるで瑠奈の私生活、学生生活そのものへの陵辱みたいで。宝珠の戦士の姿で犯された時には決して見せない、素顔の瑠奈が悦楽に呑み込まれていく姿は、あまりに淫靡だった。
イってはならない条件に置かれ、そう宣言された上での、耐えきれずの全身アクメ。それは敗北そのもの。影霊の課した悪辣なルールの中で、ゲームの敗者たちに待つのはさらなる恥辱でしかないに決まっている。
「ひゃンっ、やぅぅ、だめぇっ、お豆ばっかり、そんなにぃ……ひぁっ、やぁンっ!」
「あンっ、んぅぅぅぅっ! ぁ、はっ! くぅぅぅンっ!! だ、め……いま乳首触ったらぁ……くあぁぁぁぁぁっ!」
絶頂してますます敏感になった弱点突起やぐしょ濡れ性器を、卑劣な痴漢たちに完全に掌握されているのだ。抵抗の心もぐずぐずとなし崩しに崩されて、公共の車内で腰をくねらせ喘いでしまう汗だく少女たち。
慎ましい胸を窓ガラスに押し付けた瑠璃は、両手もガラスにあてて、自ら腰を突き出すような姿勢で股間を弄り回されている。
手すりを握り締めて身体を支えるのが精一杯の瑠奈も、そのせいで無防備になった胸や秘部を好き勝手に痴漢の手に遊ばれ、虐められて、ダンスを踊るように腰を揺らしている。
反撃の糸口すら掴めない、影霊の罠の中で、まるで自ら淫行を誘っているかのように身をくねらせる少女たちの瞳が、快楽に濁っていって……。
《おやおや。私どもの想定をはるかに超えて、思念のエネルギーをこうも潤沢にご提供いただけるとは。これで電車も走り続けられますよ、実にありがたいことです。ククク……それでは、ゲームの敗者には、罰ゲームのお時間ですよ》
車内放送から流れてくる、影霊の勝利宣言。それと同時に瑠璃たちの身体が、光を放ち始める。戸惑う瑠奈の顔も、光の中へ呑まれていく。それは二人の知っている光だ、宝珠の使者に変身するための、光波位相の輝き……けれど宝珠の加護を受けた時の安心感、勇気をもらえる温かさは感じない。
「ぁ、あ……なに、これ……!?」
「どう、なって……?」
光が消えた時、そこには2人の魔法少女がいた。
けれどその手元に宝珠はない。陽光珠を据えた白いステッキも、聖光珠を備えた大きな鎌もなく。
そして少女たちの体を包んだマジックドレスも、いつもの不思議な輝きを宿してはいなかった。それどころか、胸元を覆う布も、秘部を守る下着やストッキング部分もない。スカートも前後だけが不自然に短い、ワレメとお尻だけが見えてしまう破廉恥な形――大事なところを自ら晒すような、卑猥な衣装に変えられていて。
《宝珠はこちらで完全に掌握しています。あなた方のドレスも、こちらの思うがままというわけですよ。しかしお客様、困りますねぇ、電車内にそのようなはしたない、目立つ格好でいられては――どのような目に遭うか保証できかねますよ》
先ほどの光で、周囲の男性客たちは全員がルリたちを認識し、ニヤニヤ笑いながら物欲しげな視線を向けてきていた。
「あ……ぁ、あ……やだ、やめて……こんなの、やだよ……!」
「く、ぅぅ……!」
宝珠の加護がなければ、マジックドレスも男たちの好奇の視線を集めるコスチュームに過ぎない。そして痴漢たちが群れをなして、無力な魔法少女たちに手を伸ばしてくる……。
ルリとルナを襲う痴漢電車の脅威は、ようやく幕を開けたばかりだった。
《続く》
tekon
2022-08-27 12:51:08 +0000 UTC