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龍星色(元・罰印) from fanbox
龍星色(元・罰印)

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ノーライブ・ノーライフ(1):吸血鬼になった日の夜

どうも罰印です。 スランプに陥ってしまい、長々書けずにすみませんでした。 少しずつリハビリもかねて某支援所で書き始めている作品を投稿します。 こちらはpixiv/Fantiaにも投稿させていただきます。どちらも無料プランで読めますので、ご遠慮なく見てください。 ―――――――――― 吸血鬼。 血を吸う化け物。不死の王。夜に生きる者。 唐突だが、俺はそんな「吸血鬼」にされた。 事の次第は偶然としか言いようがない。 しがないアラサーのサラリーマンだった俺は、終電を逃し、1人むなしく帰宅しようとしていたところ、ある少女に声を掛けられたのだ。 「ねぇあなた、良ければ一晩お付き合いしない?」 金髪の、少女というのは少しばかり大人びた雰囲気の子に声を掛けられたところから始まった。 出るところが出て、メリハリの効いたプロポーション。蠱惑的な大きい紅い瞳に魅入られるように。俺は頷き、ホテルへと連れられていった。 「ふふ。いくら夜が明るくなったからって、一人歩きは感心しないなぁ。まぁ2人とかでも気にしないんだけど」 とか、そんなことを言いながら、少女は俺の服を脱がしていく。そうして露わになった首筋に牙を突き立てると、何も遠慮することがないと言わんばかりに、血を吸い出した。 ごくごくと喉を鳴らされ、血を飲まれていく。体中から熱が引いていく感覚がするのに、股間のイチモツだけは大きく勃起している。 あぁ、俺はこれで終わるのか? 血を吸われて、干涸らびて、死んでしまうのか? その瞬間、体の中に何かが灯った感じがする。炎のように明るく、けれど冷たい、蒼い炎が灯ったような。 ミキミキと牙が伸びていく感覚がする。体中に力が満ちていく感覚がする。あぁ、俺はどうなっているんだ。 そんなことを考える間もなく。次の瞬間、金髪の少女を思いきり引き剥がした。 「えっ、何っ? 死にかけの男の人の、どこにこんな力が…っ!」 あぁ、喉が渇く。血を吸われた影響だろうか。 俺は少女の首筋に、先ほど自分がされたのと同じように、噛み付いて。 染み出てきた朱い液体を、飲み込んでいく。遠慮なく、躊躇なく、容赦なく。 先ほど自分がされた時と同じように。 「やっ、やめなさ…っ! こんなのダメッ、あなたを同族にした覚えなんてないのに!」 少女が何か叫んでいる。俺は気にすることなく、喉の渇きを潤すための雫を欲していた。 ごくごくと飲み込んでいくたびに、満たされていく感覚がする。まるで何時間も水分補給を許されず、その果てにようやく水を得られたかのような、心地よい充足感が体中に満ちていく。 「嘘…っ、こんな…、私、吸われて、消えちゃう…っ、せっかく吸血鬼になって…、ここまで来たってのに…」 最後の一滴まで飲み干すんだ。この美味なる雫を。 そう思い、行動は止まらなかった。俺の血を吸っていた少女の血を、飲み干す。最後の一滴まで嚥下して、俺の中に取り込む。 ようやく満足したのか、あるいは本当に飲み干したのか。俺は口を離して、はぁ、と、安堵と満足感に満ちた艶めかしい息を吐き出した。 気付けば目の前に少女の姿はなくなっていて。 俺はどうなったのか、鏡に自分を映そうとしてみた。 「は…?」 そこにあるのは、「何も映してない鏡」。正確に言えば、調度品はきっちり映しているのに、俺の姿だけを映していないのだ。 もう少し後で知ることになるのだが、吸血鬼は鏡に映らないと言うことを、このときの俺は知らなかったのである。 慌てて自分の体を調べてみる。 俺の体は…  A.先程の少女と同じ姿になっていた(変身ルート) >B.変わっておらず、少女だったものが落ちていた(皮ルート) 男としての姿のままだった。 吸血鬼になった事で大きな変化があるかと思ったがそうではなく、元の姿のままらしい。 それ以外に大きな違いと言えば…。 足元に落ちている、先程の少女が潰れたと思しき、皮のようなものがあった。 ずくん。 それを見た瞬間、俺は強い衝動に支配された。 この皮を着たい。この皮を着て、先程の少女の姿になりたい。 何故そう思ったのかは分からないが、今はその衝動に突き動かされた。 ビキビキと手が変異する。爪が伸びると、皮の背中に切れ目を入れる。ぱっくりと背中が開くと、中は何もない。まるで萎んだ風船のような状態になっている少女の皮を見て、俺は熱に浮かされるように、脚を皮の中に差し入れていく。 「んくぅ…っ!?」 びくりと体が震える。なんだこれは? なんという快感だ。皮に脚を通しただけだというのに、どうしてこうも気持ちいいんだ? 下半身から全身へと広がっていくような快楽に抗えず、そのまま一気に腰まで入り込んでしまう。 締め付けられるような感覚がしたかと思えば、ぴちぴちと広げられていた皮はあっという間に、少女としての細い脚に変わっていた。 明らかに快楽で興奮している筈なのに、股間のイチモツは影も形も無くなり、俺の股間には少女の割れ目だけがある。 まさか、本当にこれを着る事で、あの少女の姿になれるというのだろうか。 俺は熱に浮かされた頭で、ありえない現実に期待するように、さらに皮を着ていく。 腕を通し、上半身全ての皮を着る。 皮を着た腕は、男としてのものではなく、少女としての細いものに変わる。指先など折れてしまいそうな位に細く繊細なもののようだ。 そして何より、俺の胸に、乳房ができている。大きいと思った少女の乳房が、俺の胸にくっついて、その存在を主張している。 細く小さくなった手でその乳房を触ってみる。その瞬間、触った感触と、触られた感触が襲ってくる。 あぁ、俺の胸に、女性のおっぱいがついているのか…。そう思うだけで、更に興奮してくるのが分かる。俺は無意識のうちに、自分の胸を揉みしだいてしまっていた。 同時に、下腹部にも強烈な刺激が走る。股間と下腹部に何か熱いものがあるのを感じる。それはどんどん大きくなっていくようで、段々と意識が朦朧としてくる。 「あ、あ、あっ…っ!」 喉から喘ぎ声が漏れる。お腹の奥の方が熱くなり、自分に存在していなかった子宮がキュンとなるような感覚がする。 あぁ、これが女の感覚なのか…。これを味わいたい、誰に憚る事なく、女性として感じたい。 その為に必要なのは…。 胸の前で垂れさがっている、頭の皮が残っている。これを被ることで、あの少女と全く同じ姿になることができるのだろう。 そう直感すると、迷わず頭に被り始める。顔を合わせて、裂け目を閉じる。 次の瞬間、ぐじゅっ、と顔が変わっていく。顔の輪郭、鼻や目の形、耳の位置、唇の形、口の大きさ。全てが変わっていき、俺の顔は、さっきの少女そのものになっていく。 ふわり、と長い金髪が舞うと、そこには少女の姿になった俺が立っている。 鏡を見なくても分かる。俺の姿は今さっき出会ったばかりの少女の姿をしているのだ。 「すごいな、これ…」 俺は思わず感嘆の声を漏らした。本当に、今の俺はあの少女なのだ。 しかも声まで少女のものに変わっている。皮を着る前より身長は縮んでおり、170cmもないように見える。しかし、それでもこの体はとても魅力的だった。 ほっそりとした手足に、大きく存在感を示す胸の膨らみ。お尻はきゅっと引き締まっていて、それでいて丸く柔らかそうだ。 腰回りは華奢だが、太ももはむっちりとしている。どこを見てもとても魅力的な肢体をしていると思う。 そんな美少女である自分を見下ろし、俺はうっとりとしてしまった。今は自分がこの姿である事を思うと、冷たくなった心臓がドキドキするような感じさえする。 >A.まずは少女の持ち物から、彼女が何者かを探る  B.我慢できずにオナニーをする  C.一度自分の家に帰る 自分が変わってしまった事にうっとりしていても仕方ない。俺の血を吸い吸われた彼女が何者か、改めて知る必要がある。 彼女が持っていた荷物…、洋服はともかくハンドバッグをあさり、中身を改める。すると中に入っていたのは、スマートフォン、財布、それくらいのものだった。 財布の中に何か身分証明書のような物が無いか改めて見てみると、そこには想像通り、一枚のカードがあった。 『アネット・フォス』。それが彼女の名前のようだ。 名前と顔写真、そして住所が記載されたカードを見て、とりあえず彼女が何者かはわかった。だがもう少し具体的なことを知る必要があると考えた俺は、スマートフォンの方に手を伸ばす。 幸いというかなんというか、アネットは指紋ロックをかけるタイプの人物だったようで、問題なくホーム画面を開く事ができた。 そこから情報を読み取ってみたが、分かったことは少ない。まずアネットは、外見の通りに学生であったようで、年齢は17歳であること。そして住所はここからさほど遠くないことが知れた。アドレスや通話アプリには、友人や家族と思しき人物の名前が並んでいる。 もう一つの幸いというべきは、ここ数日、日記がメモ帳に残されている事だった。 日記を読み上げていく。 『◎月×日、夜。  私は吸血鬼になったようだ。こんな事になるなんて思いもしなかったけれど、もう戻れないだろう。  もはや人間ではなく、吸血鬼として生きていくしかないが、学校は休みたくないなと思う。  とても喉が渇く。いくら水を飲んでも満たされない。物語で知っていたつもりでも、自分で体験するとこうも苦しいのかと知った』 『◎月△日、夜。  学校を休んでしまった。日光は我慢できなくはないけど、想像していたよりだいぶ辛く感じてしまう。  その代わりに、夜がとても心地いい。これだけで吸血鬼になったんだと、改めて思うのだ。  喉が渇く。別の事を考えて誤魔化しているけど、血を吸わずにいる事が、あとどれだけ我慢できるだろう』 『◎月○日、夜。  喉が渇く、喉が渇く、喉が渇く。何も食べられず、水を飲んでもダメだ。  誰かの血を吸いたい。誰でもいい、誰でも。  もう我慢できそうにない、いっそのこと、誰かを襲ってしまおうかと考えてしまう位に。  でも、血を吸ったら誰かを吸血鬼にする可能性もある。そうしないように、ちょっとだけ、ちょっとだけ…』 ◎月○日、これは今日の日付だ。つまり俺は、運悪くアネットの“ちょっとだけ”の相手になってしまったのだろう。 “ちょっとだけ”のはずが、思いきり吸われていた記憶があるのだが、恐らくアネットが初めての吸血で、渇きもあって思い切り吸ってしまったのだろう。 そして何の因果か俺は吸血鬼となり、逆にアネットを吸い殺してしまった。吸血鬼としての“親”である彼女を。 ……とはいえ、俺はその“親”をペラペラの皮にし、あまつさえ着込んで姿を奪ってしまったわけだが。 ……一度帰るか。とはいえ、どちらの家に帰るか、だが…。 ●どちらの家に帰るか  A.自分の家に帰る >B.アネットの家に帰る ●自分の家にいる存在 >A-1.一人暮らしである  A-2.妻がいる  A-3.姉妹がいる ●アネットの家にいる存在  B-1.一人暮らしである  B-2.両親がいる >B-3.義理の姉妹がいる …俺は幸いながら、一人暮らしだ。一日くらい帰らなくても大して心配はされないだろう。 だがアネットの方は違うだろう。高校生である彼女は、何かしら心配する存在がいるとは思う。具体的に誰かは分からないが、最低でも「人間」の家族はいるだろう。 それを考えると、俺はアネットとして一度家に帰る必要が出てきた。 下着を着直し、体にフィットさせる。 服を着直し、色の白い肌を隠していく。 そうすると、俺の姿は誰がどう見ようと「アネット・フォス」の姿になっていた。…とはいえ、鏡がなくて確認できないのは困った事ではあるのだが。 「さて、もう一つの問題は…、家に誰がいるか、なんだが…」 少なくともだれか家族はいるだろうと思いながら、改めてアネットの荷物を漁ってみるとパスケースがあり、そこに定期券の他、写真が納まっていた。そこにはアネットと、日本人と思しき少女と一緒に写っている。写真の裏を見てみれば、そこにはドイツ語で『可愛い妹、ムツミと』と書かれている。 …なるほど、睦美。アネットには妹がいるのか。それも義理の。 …待て、何で俺は今、ムツミの正しい漢字を頭の中に思い浮かべる事ができたんだ? それに義理なんて、関係性も…。 さらに言えばドイツ語なんて、何故読めたんだ。高校でも大学でも習った記憶はないぞ? 「何で、こんな事がわかるんだ? …ッ!! なん、だ、これは…!」 頭を抱え、疑問を探る。すると次第に、頭痛と共に頭の中に溢れてきたのは、『アネット・フォス』としての記憶だった。 アネット・フォス、17歳。誕生日は9月14日のおとめ座、血液型は0型。 父親の名はヤン・ヨーゼフ・フォス、母親の名ははレンカ。外国人だがアネットは日本で生を受けており、日本国籍。 父親のヤンはアネットが5歳の時に没し、以後レンカによって育てられる。 3年前、レンカが資産家の迫水俊輔と再婚。迫水俊輔の娘である睦美と、義理の姉妹となる。 得意科目は国語と世界史、ならびに体育。苦手科目は数学。趣味は読書と散歩、特技は速読。 身長164cm、体重44kg、スリーサイズは上から86-58-84。 好きな食べ物は野菜全般、嫌いな食べ物は特になし。 友人は多い方だが、男性経験はなし。 三日前に吸血鬼にされた。犯人は不明。 情報が一気に頭の中に流れ込み、めまいと共に膝をつく。俺としての記憶が、アネットとしての記憶に塗りつぶされていくような感覚に、吐き気さえしてくる。 「俺の、頭の中じゃ、ないみたいだ…」 思わず呟いてしまうほどの記憶の濁流だった。17年と少しという、「アネット・フォス」としての半生、その膨大な情報が、俺の頭の中に一気に詰め込まれてきたのだから。 グラつく頭を抑えながら、しかし手に入れる事ができた彼女の記憶は、有効活用する事ができるだろう。 少なくともアネットの家…、いや、今の住処である迫水邸に帰還することは、これで問題なく行なう事ができそうだ。 俺は自分のスーツを纏めてたたみ、仕事鞄の中に突っ込む。大きめのビジネスバッグを使っていた為、服を持っていく事もできるのは幸いだった。 とりあえずホテルの休憩代金を支払って、俺は吸血鬼としての体で、アネットとしての家に戻る事にする。 走る、走る、走る。 風のように走る事ができる。 スポーツ選手なんて目じゃないほどの勢いで、夜を駆ける事ができる。 身体中に力がみなぎる。今の俺の見た目は、こんな華奢な女の子だというのに。 そんじょそこらの男なんて比べ物にならないような、“怪物”としての力に満ち溢れている。 「はぁ…っ、あは…っ!」 歓喜のため息とともに笑みが漏れる。 吸血鬼としての力がここまでとは、思いもしなかった。 当然ながら、俺は吸血鬼なんてフィクション上の存在であるとしか思っていなかった。だが現実は違って、アネットが吸血鬼であり、そして今の俺も“そう”である。人間を辞めたことによる万能感が、俺の中に満ち溢れている。 その力が今、好みに宿っているのだと思うと、自然と笑みがこぼれてくるのも仕方ない事だろう。 人の目には捉えられないほどの速度で走り、迫水邸に戻る。 そこはアネットの記憶にある通りの場所にあり、そして豪奢な佇まいを見せていた。 そして俺は、その家の一角、ガラス戸が開いたままの2階に飛び移る。 吸血鬼が持つ伝承「招かれざる家には入る事ができない」ことを、アネットは知っていた。だからこそ自分から「自分を招き入れる事ができるよう」にガラス戸をわざと開けていたのだ。 そして俺はそこに入り込み、その部屋、アネットの部屋に“帰って”くる。 「ただいま~、っと…」 ガラス戸を閉めて靴を脱ぎ、こっそりと玄関に戻し、ようやくひとここち着く。 アネットの記憶をたどり、クローゼットから部屋義を取り出して着替え、ベッドに倒れ込む。 月明かりに照らされた天井をぼんやり見ながら、よく考えてみれば電気を点けてない事に気付いた。その必要がない位に、夜が明るいのだ。これが吸血鬼の肉体なのだと、改めて思い知る。 だが、今夜は大分疲れた気がする。ゆっくりと横になって、家のベッドより柔らかいアネットの寝床で休ませてもらおう。 ……眠れなかった。吸血鬼だから昼夜逆転してるんだな。 ベッドの上で1時間くらいゴロゴロして、ようやく気付いたのは、笑えない話であった。 ●翌日の昼間の行動  A.一度、色々人目がない「俺」の家に行く  B.頑張ってアネットの通う学校に行く  C.義理の妹の睦美とゆったりすごす


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