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② しばりしばられ【特別編】投獄沙希ちゃん

前のお話 → https://nobe.fanbox.cc/posts/3272442


「うーん…遅いなぁ。」


休日の昼下がり、私は駅前の広場にいた。

一緒に買い物に行く予定の沙希と待ち合わせをしているのだ。


「(どうしたんだろう…、もう10分も過ぎてる…。)」


手元のスマホの時間を確認すると、待ち合わせ時間を10分も過ぎていた。沙希は普段からワイルドな性格をしているのだが、時間だけには正確で5分前行動を心がけている故に気になってしまう。


「(返事も…ないか。)」


メッセージアプリでコンタクトを取ってみたものの、そちらも反応がなかった。


「(もう少し待っても来なかったら和奏と優奏ちゃんに相談してみよう。)」


私は、ふぅと深呼吸をして顔を上げた。


「あ…沙希…?」


すると視線の先には、路地裏へと入っていく沙希の姿が見えた。


「まって!」


沙希の姿を追うように路地裏へと足を踏み入れた。


__________________________


「行き止まりだ…。沙希〜?」


入り組んだ路地裏を進むとそこは行き止まりだった。沙希を追って来たのに、沙希と会うことはなかった。


「(気のせいだったのかな…?)」


「ご機嫌麗しゅう、高浜光姫さん。」


「な…縄原!?どうしてここに…!」


「私はこの町の市長よ〜、何処にいたって不思議じゃないわよ〜。」


「…確かにそうだけど。」


若干の疑念はあったが、今日の縄原は市長モードなので少し安心していた。問答無用で私を縛ろうとはして来ない。


「あら〜?いつもの子がいないわね。」


「待ち合わせしてるんです…。」


「あらあら、ショッピング?羨ましいわね〜。まぁ、そのお友達、く る と い い わ ね。」


「っ……!?」


全身から汗が噴き出るような感じがした。動悸がする。沙希……!


「あなた…もしかして沙希に何かしたの!?」


「ふふふ…気づかれたのなら仕方ないわねぇ…。お察しのとおり沙希ちゃんの身柄は私が預かってるわ。」


「そんな…沙希は無事なの!?」


「今頃はスイートルームでお楽しみ中なんじゃないかしらねぇ。」


「そんな…。」


やはり沙希は縄原に捕まっていたんだ…。

まさか私がさっき見た沙希は縄原の手下の変装…。

和奏たちに連絡しようにも、縄原の前で連絡なんて取れるはずがない。加えて、助けを呼ぼうなんてしたら沙希がなにをされるか…。


「それで…?貴女はどうするの?光姫“ちゃん”?」


縄原は私の動揺を見透かしたように耳元で囁いた。当然、このまま逃げることも助けを呼ぶこともできない。今の私にできることなんて…、こんなことしか…。


「……分かりました。大人しく捕まるので…沙希に酷いことするのはやめてください。」


私は両手を後ろに組んで縄原に縛りを懇願した。

こんな路地裏だ…、誰にも見られることなく私は縛られ、誘拐される。

それでも…沙希を助けるため……。


「素晴らしい友情ね〜。市長の教育方針が良いのかしら?」


「っ…貴女って人は…!」


私は今一度縄原の方に向き直り、睨みつける。


「あらぁ?そんな態度を取っても良いのかしら?」


縄原は余裕の表情だ。そうだ…反抗して沙希に酷いことされたら…。


「…すみません……。」


私は縄原に頭を下げて謝罪し、再び背中を向け両手を後手に組んだ。


「…縛ってください……。」


「うふふ…本当に良い子ね〜。」


縄原が目配せをすると何処からか黒装束の忍者が現れて私を縛り始めた。


「くっ…」


黒忍は私の身体を縛り始めた。キツく…解けないように身体に縄が巻き付けられていく。


「沙希の無事を確認させてください…。」


「ふふ…光姫ちゃんは本当に友達思いの良い子ね〜。良いわよ、監視カメラの映像を見せてあげる。」


縄原はタブレット端末を取り出し、少し画面を操作すると私に見せてきた。


「これがリアルタイム映像よ〜。」


「沙希…!」


______________________


ん……


んぐぅ……


ほごぉ………


むぐっ…♡


_______________________


ぁ゛?


画面に映し出されていた沙希は股縄をクイクイ動かして気持ち良くなっていた。


「あらあらぁ〜本当にお楽しみ中だったようね〜。」


私が間違っていた。沙希なら縛られて誘拐されても、その状況を楽しめるくらいの変態だった。こんなことになるなら少しでも抵抗して和奏と優奏ちゃんに助けてもらうんだった。


「そうこうしている間に、しっかりと縛られてるわね〜。それじゃ、お友達のところへ行きましょう。」


私は画面の中の沙希と同様の縛りを施されていた。股縄もギッチリと食い込んでいる。

目隠しを施され、車に乗せられた。

これから沙希のところへ連れていかれるのだろう。

エンジンがかかり、ゆっくりと車は動き出した。


そうして高浜光姫は縄原に誘拐されてしまった。


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