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本編⑧ しばりしばられ 13

その⑦ → https://nobe.fanbox.cc/posts/7671072


「お待たせ〜」


ヨーコは上機嫌で地下牢に戻ってきた。


「あ、あれ…思ってたより早いですね……」


地下牢では縄抜けに成功した和奏が沙希の縄を解いているところだった。


「なるほど、さっきのアレは演技だったわけだ」


ヨーコは動揺するわけでもなく和奏と対峙した。


「まぁ良いや、また縛るだけだし」


ヨーコは麻縄を構えた。


「…こちらも負けるわけにはいかないのです……」


和奏も自身を縛り上げていた麻縄を構えた。


「捕縛の術!」


先に仕掛けたのは和奏だった。和奏の放った縄はまるで生き物のようにうねりながらヨーコへと向かっていった。


「わ!すごい!もし失敗したら君はまたギチギチに縛られちゃうね!」


「ふぇ!?ギチギチに!?」


和奏の動揺はすぐに縄へと伝わる。和奏の放った縄は方向を変え、和奏の身体へと纏わりついた。


ギチィ…!


「はぅ!?」


和奏は瞬く間に縛られた。後手に縛られ、胸の上下、そして首から胸にかけてV字になるように縄がかけられ、胸を強調した縛りを施された。さらに閂まで丁寧に施され縄抜けは困難なものになっていた。そして股を割く股縄まで施された和奏は自分の捕縛術によってギチギチに縛り上げられていた。


「あはは、やっぱりドジだねぇ」


ヨーコは和奏の顎をクイッと持ち上げながら勝ち誇ったように告げた。


「…」


これには和奏も返す言葉はなかった。

また、自分のドジのせいで仲間を危険な目に遭わせてしまっている。自分への怒りでいっぱいだった。


「さぁさぁ、悪いことを考えた君たちにはオシオキが必要だね〜」


ヨーコは麻縄の束を持って沙希たちに迫る。


「や、やめてください!」


和奏は声を上げるがヨーコは聞く耳を持たない。


「とはいえあんなヘンタイみたいな作戦を思いつくってことは君のお仲間も“ドジ”で“間抜け”で“ヘンタイ”だねー」


ヨーコは逆海老縛りで地面に這いつくばる沙希たちを指して言った。


「…撤回してください……!」


ヨーコの言葉に和奏は静かに呟いた。


「え?」


先ほどまでとは違う和奏の迫力にヨーコは素が出てしまう。


「私の大切なお友達を貶すことは許しません。撤回してください」


和奏は縛られた状態でヨーコに対峙する。


「へー…ヘンタイくノ一さんもそんな顔できるんだ。でもそんな身体で私に勝てるとでも?」


ヨーコは縄を構えて和奏を迎えうとうとしていた。


「私を誰だと思っているのですか?くノ一の古町和奏ですよ」


そういうと和奏はヨーコに向かって走っていった。


「忍法…変わり身の術!」


白い煙が発生する。

その煙の中から縄から解放された和奏が姿を現した。そして和奏を縛めていた縄は大きな丸太に巻かれていた。和奏の服と共に…。


下着姿の和奏は目にも止まらぬ速さでヨーコの背後をとった。

そして観念したようにヨーコは呟いた。


「変わり身の術で服を脱ぐなんて流石はヘンタイくノ一さんだね…」


「人前で縛られるのも…服を剥ぎ取られるのも慣れてますから。」


和奏はそう言って、ヨーコに手刀を喰らわせた。


「っ…」


ヨーコは気を失い、その場に倒れた。


「さて…どうしたものでしょう…。縛られるのは慣れていますが他人を縛るのはどうも苦手なのです……。沙希さんと友梨さん、この方を縛り上げていただけませんか?」


「う、うん…。」


縛られながら和奏の姿を見ていた沙希たちはこれまで見ることのできなかった和奏の本気に驚嘆し、言葉を失っていた。


__________________________


気がつくと私は地下牢に居た。


「むぐぅ…(あぁ…くノ一ちゃんに負けて捕まっちゃったんだ…)」


一瞬で状況は理解できた。自分の身体をギチギチに縛り上げているこの縄が何よりの証拠だった。

両手を身体の後ろで縛り上げられ、胸の上下と首から胸にかけてV字になるように縄を這わせられていた。そして閂も忘れずに施され胸の形が強調されるように縛られていた。

ラバースーツが食い込むほど強く絞められた股縄には瘤が付けられていて気持ちいい場所を的確に刺激していた。

何より屈辱的なのは逆海老縛りで放置されていることだ。あの子たちにした縛りを自分に施されるこれほど屈辱的なことはなかった。


「ほごぁ……」


気がつくとボールギャグから垂れた涎が床を汚していた。自分の涎が糸を引くように垂れていくのをただ見るしかないというのは尊厳を弄ばれているような気がして恥ずかしかった。


ブィィィ……


「んむぅ(嘘でしょ…ローターまで……)」


股縄で挟めるようにローターを付けられて極めて弱く振動していた。


「ん…(気にしだすと辛いな…)」


弱い振動は、微細ながらも確実に私の身体に快楽を与えていた。


こんなの生殺しだよ…


せめて気持ちよくなりたい…


「ん…っ」


私は無意識的に身体を揺らしていた。地面に股縄を擦り付けるように快楽を求めていた。


「っ…むぅ!(キた…)」


突然、ローターが止まった。


「むぅ!?(え、うそ、どうして?)」


身体をくねくね動かして股縄を確認しようとしていると、聞き馴染みのある声が聞こえた。


「あらあらネズミが入り込んだとは書いていたけど、とんだ発情ネズミだったのねぇ」


「んむぅ!?(な、縄原市長!?)」


遂に私の目的の人物に逢えた。本当なら立場が逆だったのに…。どうして私が縛られているのよ…。


「色々と聞きたいこともあるし口枷は外してあげるわね」


縄原さんは牢に入ってくると涎で汚れたボールギャグを外してくれた。


「ぷは……縄原さん!何が目的ですか!こんなの犯罪ですよ」


開口一番、私は思いの丈をぶつけた。少しでも動揺してくれたらそこを突いて揺さぶれる…。


「人の屋敷に侵入して、そこにいた女の子たちを縛り上げて弄んだあなたの方がよっぽど犯罪者だと思うわよ」


「っ……」


だめだ。一切同様なんてしていない。


「それに私のあらぬ噂を広めようとしたところであなたのような一般市民と私だったらどっちのことを信じるでしょうねぇ」


私の憧れの人はやっぱりすごい。こんな私の戯言に惑わされることはない。


「いろいろと拘束道具を持ち込んで侵入したって聞いていたけど、なに?私を捕まえて卑猥なことでもしたかったの?」


「それは…否定しませんが……」


「あはは、正直なのね。でもそんなことをしたら犯罪になって警察に捕まってしまうことまで想像できなかったの?」


「…退屈な人生を送るくらいならやりたいことやって終わった方が楽しいと思っただけです…」


「その歳で自分の人生を決めつけてしまっているのが間違いよ。だってあなた、沙希ちゃんたちの一個上でしょ?まだまだこれからじゃない」


「っ!?どうしてそれを……」


私の情報なんて何も言ってないのに…


「私は市長よ。この街に住んでる人のことならなんでも知ってるわ。まぁ貴女や…そうねあの子たちみたいに可愛いこの情報は特に記憶しているのよ。」


縄原さんはスマホを操作し、画面を見せてきた。


「これ…私の写真……それに個人情報がこんなに…」


そこに映し出されたのは本名や住所をはじめとした私の情報だった。事細かに記入された情報の数々に私は驚愕した。


「なんなら夜のオカズとかも当ててあげましょうか?」


「っ…結構です…!」


「あら、残念。」


私の反応を見て楽しんでいる縄原さんにひとつ尋ねてみることにした。


「私はこのまま警察に差し出すのですか?」


覚悟はできている。

法を犯したのだ。取り返しのつかないことをしてしまったのだから。


「そんな勿体無いことするわけないじゃない。」


「え……?」


返ってきたのは意外な答えだった。


「縛りが上手くて、一時的とはいえ和奏ちゃんたちを捕まえることができた逸材よ。それに私の本当の姿も知っているとなれば、尚更ね。」


「どういうことですか…」


「ヨーコちゃん、私の部下になりなさい。」


「はい…?」


その言葉の意味が分からなかった。


「私の元で働いて欲しいのよ。でも貴女は学生なのよね…だったらアルバイトという形でどうかしら?給料は弾んであげるわよ」


「いやいや、ちょっと待ってください。話が理解できません。」


「私の部下としてあの子達を捕まえて欲しいのよ。」


「あの子達…、くノ一ちゃんたちですか?」


「そうそう。あの子たちを調教して計画を実行したいのだけれど、流石に一人じゃ限界があるのよ。表の顔があるから目立った行動はできないしね。」


縄原さんとくノ一ちゃんたちは仲間じゃなかったの?

それに計画って…


だめだ、いろいろと理解が追いつかない。とりあえず今は自分の保身のことだけ考えよう。

無事に縄を解いて警察に捕まらなく済む方法は……


「じゃあ、こう言えば良いかしら?」


縄原さんは市長の顔ではなく、不敵な笑みを浮かべながら私に言った。



『大人しく私の元で働きなさい。拒否権はないわよ』 


「っ…///」


初めて見る縄原さんの表情に私はときめいてしまった。


「そうね、了承してくれるならこのボールギャグを咥えなさい。」


私の目の前にボールギャグが置かれた。隷属の印…それを自分で咥えろと言うの…。

こんな屈辱的なことはない。絶対に咥えるなんて…


「は…はむぅ…」


私はまるで餌を貪る家畜のようにボールギャグを咥え、縄原さんを見上げた。


「は…はぐぁ…はむぅ………」


「うふふ、良い子ね。ヨーコちゃん。これからよろしくね。」


「んむぅ……!」


こうしてヨーコの縄原の部下としての新たな人生が始まった。


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