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病み時計 from fanbox
病み時計

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【女視点版】この改変される世界で私だけが正気(だと思い込んでいる) 

 この世界は狂っている。

 ……こんなことを言い出すと私のほうが頭がおかしいと思われるだろうが、確かに紛れもない事実だ。

 朝の情報番組でも見ればわかりやすいだろう。ちょうど各地のできごとをピックアップして紹介しているようだ。


『こちらの中学校では少子化対策の一環として、生徒の皆さんにコンドームを配布しています。皆さん男子と女子に分かれて実際に装着し、挿入までを専門家の指導のもと行いました』


 画面にはあどけなさを残した少年少女が性器も隠さず素っ裸で映り込み、実際の装着シーンからセックスに至るまでの過程をダイジェストに流し始めた。

 その後にはクラスの代表と思しき凛々しい女子生徒がカメラの前でゴムの感触や処女喪失の体験について語っている。

 どう見てもおかしいのだがアナウンサーの読み上げは普段どおりだ。


『次のニュースです。県内の女子生徒が無職の中年男性に襲われる事件がありました』


 場面が変わり、どこかの高校を背景に女子高生が映し出される。

 髪はボサボサに乱れ、制服も右肩からはだけてしまい、むき出しの胸には噛み跡のようなものが映っている。

 そして何より特徴的なのはその隣に全裸の男性が立っていることだ。何かをやり遂げたような充実感のようなものを漂わせている。


『─襲われたときのことを教えてもらえますか?』

『塾の帰りに歩いてたら暗がりからこのヒトが飛び出してきて……服を無理やり引きちぎられて、そのまま路上で挿入されました』

『─その後の男性とのセックスはどのようなものでしたか?』

『えっと、おまんこに3回、お尻の穴に2回出されました。その後は彼のお家、といってもダンボールなんですけど、に連れ込まれて口からお尻の穴まで舐めさせられました』

『─今後はどうするおつもりですか?』

『その、私このヒトと結婚することになっちゃったので。学校を辞めて毎日セックスして、たくさん赤ちゃんを産みたいと思います』


 女子生徒はなんでもないことのように平然と言うと、インタビュアーもキャスターもそれ以上何も言わず次のニュースに映っていく。

 気分が悪くなってきたので消した。母さんが見てたのにーとか言ってるが知ったこっちゃない。

 これでもう十分だろう。この世界はすっかりおかしくなっていて、そして私、こと『山田アオイ』だけがそれに気づいているというわけだ。


 いったいいつからこんなことになってしまったのか、もうそれすらよくわからない。

 この異常に気づけている私がなんとしても犯人を見つけ出し、正常に戻してやりたいところだが……

 

「ねえお姉ちゃん、醤油取ってよ」

「ん……ほら」

「ありがと」


 今私に話しかけてきたのはハジメ、先月からできた私の弟だ。

 弟はいっても私とは一か月しか歳が違わないし、黒髪黒目の和風スタイルの私と違ってこいつはサラサラの金髪で目玉は青色。

 父さんと母さんはハジメを生んでいない上に養子や義理の姉弟というわけでもなく、ある日突然私の家に住み始めた。

 それでもたしかにこいつは私の弟なのだ。


「ん、僕の顔になにかついてる?」

「いや別に……」


 しかし、いったい誰が犯人なんだろうなぁ……


 ぎゅむっ♡


 ぼーっとしていた思考は、突然胸に伝わってきた刺激によって強制的に引き戻される。

 視線を向ければ私が机に乗せているおっぱいへハジメが机越しに手を伸ばしていた。

 フニフニ♡感触を確かめるように指を食い込ませて微笑んでいる。


「……なに?」

「別にー おねえ……じゃなくてお姉ちゃんのおっぱいまたデカくなったなーって思って。今何カップ?」

「ん、確かNカップだったかしら」

「おぉっ♡」


 ごくごく当たり前の事を言っているだけなのに、ハジメは満足げな表情でトーストを口に運ぶ。

 私はとっくに朝食を終えているのに……連れ立って登校する都合上こいつを待たないといけないのがどうにももどかしい。

 つい貧乏ゆすりのように机を揺らしてしまう。


「んく、ごちそうさま。遅刻する前に出発しないとね」

「それこっちのセリフ。待たされるこっちの身にもなってよね」

「ごめんってば。でもお姉ちゃんだって待ってる間オナニーできたんだからいいでしょ~」

「え? あ……」


 言われて机の下を覗くと、たっぷりのマン汁で濡れた両手と床にできた潮の水たまりが目に入った。

 ん、いつの間にオナニーなんて……でも毎日シてたような気はする。ん……?


「先行っちゃうよー」

「あ、待ってってば!」


 まとわりつくような違和感は飲み込み、ハジメの後を追って家を出た。


***

***


 学校へは時間にして十五分程度歩けば行ける慣れた道とはいえ、おかしくなった世界だと驚くことも多い。


「こんにちはー!」

「ふふ、こんにちは……」

「ぅ……こ、こんにちは……」


 前から歩いてきたロングヘアのワンピース美人へハジメがあいさつし、向こうも笑みを交えて返す。

 なんとも微笑ましい朝の一幕ではあるが、器用に胸部分の布が切り取られておっぱい丸だしなことに気づいてしまうと作り笑いを浮かべるので精いっぱいだった。

 あの美人はきっと自分がおっぱいをさらしたまま歩いているとはつゆにも思わないんだろう。いや、あるいは自覚したうえであの有様なんだろうか。

 どっちにしろ狂っているのは間違いない。


「ハジメくん、アオイくん、おはよう!」


 そんなとき不意に耳に入ってくる鈴のような声。

 とっさに振り向くとまぶしいばかりの笑みが向けられる。


「土曜日なのに学校なんて大変だよねー 二人ともキチンと来てて偉いよ!」

「あ、あはは……由紀ちゃんだって学校来てるのにサボるわけにいかないよ」


 鈴城由紀、私と同じクラスメイトにして学園のアイドルとの呼び声高い女子生徒だ。

 肩のあたりで切りそろえられたふんわりショートヘア。ぱっちりお目目を強調するまつ毛と優し気な口元は奇跡のバランスといってもいい。

 それでいて胸は大きすぎない程度の膨らみがあり、健康的なスタイルと相まって清楚さを保っている。

 守ってあげたくなるような気持ちになるいじらしさを感じさせた。


 とまあ、そんな印象だったのは今から一か月前まで……


「胆田くんもおはよう。二人が交際してちょうど一か月くらいだねー」

「ぶひひ! おはようハジメくん」


 空気を読まないハジメのあいさつのせいで、極力意識から外していた存在があいさつを返してくる。

 由紀ちゃんの隣にぴったり寄り添うように立っているのがこの胆田勇夫だ。

 体重百キロオーバーの上にそのほとんどが脂肪という超でっぷりの肥満体型と、脂ぎった顔と眼鏡。

 キモヲというあだ名で呼ばれているはみ出し者、それが胆田……だった。


 それが激変したのが一か月前、由紀ちゃんが胆田に告白するという大事件があった日。

 由紀ちゃんの方から胆田へ熱烈に告白したという噂を聞いたときは何かの間違いかと思ったが、次の日恋人つなぎをして登校してきた二人を見たときにその疑念も消えた。

 そしてこんな大事件にも関わらず、私以外の生徒は少しも動揺していなかったのだ。


「最初は私がちゃんと胆田君の彼女にふさわしくなれるか不安だったんだけど、少しずつ彼好みの女になれてうれしいの!」

「はは……よかったね……」


 そう、由紀ちゃんが清楚な憧れの的だったのも胆田と付き合うまでの話。今ではまさしくお似合いというほどに彼女もすっかり変貌していた。

 控えめだった胸は下品すぎるほどに大きく膨らみ、スリムだった下半身もデカくなったお尻と太ももによりバランスが崩壊していた。

 元の制服は着れなくなり、今身に着けているのはお腹周りが丸見えで胸周辺しか隠せていないブレザーと、短すぎてパンツが見えてしまう激ミニスカート。


 下品で無様な元清楚女子、それが今の由紀ちゃんだった。

 こんな校則をはるかに逸脱した格好であっても誰も何も言わず、平然と過ごしている。何者かの改変によることなのは明らかだ。


「そ、それにしてもどうして由紀ちゃんは胆田と付き合うことになったんだっけ?」

「えっとね、ハジメくんがアドバイスをくれたからなんだ。私に『メスの分際でえっちなことなんて知りませんって顔してるのが気に食わないから、最底辺のきったないオスにガチ恋して一生そいつの性処理してろ』って言ってくれたの。そしたらもう胆田くんのおちんぽを気持ちよくすること以外ぜーんぶどうでもよくなっちゃって。ハジメくんのおかげで新しい生き方に気づけてよかったなぁ」

「ぶひっ、ハジメくんありがとうね。おかげで良いオナホが手に入ったよぉ」

「気にしないで! 当然のことをしただけだから」


 明らかに狂気に包まれた会話が繰り広げられる中、違和感を持っているのは私だけという状態。

 これ以上話しているとおかしくなりそうだ。


「じゃ、じゃあ私たち先に行くから! 二人も送れないようにね!」

「はーい、またね~」


 由紀ちゃんと胆田を振り払うように早足で逃げ出す私とハジメ。

 ふと視線を後ろに向けると、往来で顔を近づけてねっとりとした口づけをしているのが見えた。


「あーなんで由紀ちゃんは胆田なんかと付き合っちゃったんだよ。もったいない……」

「そう? お似合いだったじゃない」

「そういう問題じゃない!」


 まったくそもそもハジメが余計なアドバイスをしなければこんなことには……

 というか、いくらなんでもアドバイスをされたくらいであんな熱心に付き合う?

 そもそもハジメがしたアドバイスの内容もなんか少しおかしい気が……まあ、いいか。


「それにしてもずいぶんご機嫌斜めだね。もしかして、由紀さんのことが好きだった?」

「べ、別にそういうわけじゃないから! ただ単にああやって人前でイチャイチャしてるカップルが気に食わないの! まったく獣じゃないんだからそう盛らなくったって……」


 自分でも苦しい言い訳だとわかってる。それでも何かケチをつけてやらないと悔しくてしょうがない。

 まったく、どこの誰が由紀ちゃんをあんなド変態に改変しやがったのか知らないが見つけたら一発殴ってやらないと気が……


「まあそう怒らないで。お姉ちゃんだって『ムラッときたらどこでも全裸オナニーキメないと満足できない変態さん』なんだから人のこと言えないでしょ」

「ん……まあ、そっか」


 悔しいが確かにハジメの言うとおりだ。私だって人のこと言えないし、嫉妬で他人にとやかく言うべきじゃないな。

 と、そんな事を考えていたらいつの間にか下半身が熱くなってきている。さっき二人のイチャつきを見せられたせいだろうか。

 あー……これは抜かないと収まらないな。


「ハジメ、私ちょっとここでオナニーするから服とカバン持ってて」

「はいはい、ごゆっくり」


 紺色のブレザーにブラウス、スカート、パンツを手早く脱いでハジメの腕に預ける。ブラまで脱ぐと支えを失った胸がズシッと重力に引っ張られた。

 靴と靴下は脱いでそのまま路上に捨て置く。素肌で地べたを感じる開放感、これがたまらないのだ。

 歩道に沿って建てられたコンクリート製の壁。的はこれでいいだろう。


 素っ裸のまま気をつけの姿勢を取り、次いで息を吸い……右手を上げる。 


「ご通行中の皆様! 私、山田アオイは登校中にも関わらず自身の性欲を抑えることができない病的な変態クソ女につき、この場でオナニーさせていただきますっ!」


 敬礼を終えた私はガニ股立ちし、左手でクリトリスをつまみ、右手でおっぱいを持ち上げ全力でオナニーを始めた。


「んっ、ふぅーっ♡ ふんっ♡ ぅっ♡ ふぅ~っ、んぃっ♡」


 マンコを弄る手は情け容赦なく乱暴な手付きで。クリに爪を立てて刺激を与え、雑魚マンコからマン汁が垂れてきたらそれを指に絡めさせて穴をグチュグチュかきむしる。

 右手で持ち上げたおっぱいのうち、だらしなく勃起した乳首へしゃぶりつき、思いっきり吸い付きながら先っぽをかじる。母乳の出ない無意味な脂肪のかたまりもオナニーくらいには使えるものだ。


「あれ? ハジメくん、先行ったんじゃなかったの?」

「やあ。見てのとおりお姉ちゃんが盛っちゃってねさ」

「あらら……遅れないようにね~」


 ハジメが誰かと談笑する話し声と、クスクスという呆れたような笑い声が耳に入る。

 誰だろう。いやそんなことはどうでもいい。それよりもオナニーしないと。

 早くイきたい。気持ちよくなりたい。オナニーオナニーオナニーオナニー


「ふんっ♡ ふんぬぅ……ほっ♡ ほっ♡」


 より早く絶頂するためにオナニーの動きもより過激になっていく。

 スクワットのように腰を上下させてだらしないデカっぱいを大きくぶん回し、空いた手でマンコの中をカリカリとこする。

 イきたいイきたいイきたいイきたい……


「イっていいよ」

「んぎぃ゛っ゛っ♡☆♡」


 後ろから耳元で囁かれるのと、私が深い絶頂を迎えるのは同じタイミングだった。

 パチッ☆と頭の中で火花が弾けるような感覚。

 全身に電流が流されたと思った次の瞬間、おまんこからチョロロ……と黄色い液体が弧を描いて流れていった。


 ああ、ようやくイけた。じゃあ次。

 私はもう一度おまんこへ手を伸ばす。


「ちょっと、お姉ちゃんまたオナニーする気? 遅刻しちゃうよ?」

「……はぁ? ムラッとしたらオナニーするんだから仕方ない、でしょ……」

「あー、それはもういいよ」


 パチンッとハジメが指を鳴らす。

 あれ、私ここで何してたんだっけ……そうだ学校……

 いやそれよりなんで裸なんだ!?


「ハジメ!? あれ、私の服……? え?」

「何言ってるのお姉ちゃん、お姉ちゃんは服なんて着たことなかったでしょ。ほら学校いかないと。あ、靴は履いていいよ」

「あ、ああ……そうだったわね」


 ハジメから渡されたカバンを肩にかけ、靴を履いて再度学校へと歩き出す。このペースなら少し早く歩けば間に合うだろう。

 あーそれにしてもなんか今日は汗かいちゃってるから風が気持ちいい。

 そういえばさっき何かイライラしてたような気がしたけど……まあ、いいか。

 


***


「アカネさん、一発お願いします!」

「ちょっとこっちゴムないよー」

「おしっこはマンコの中に出してってば! 床汚れたら拭くの大変なんだよ?」


 狂気の常識に犯された日常というのは学校だって例外じゃない。

 黒板にデカデカと書かれた『性処理』の文字が、この六時間目のイカれた過ごし方に最適な理由をつけていた。

 男子はパンツ一丁、女子はブラと下着のみ。その格好で教室中を飛び交い多種多様な体液があたりを飛び交っていた。


 とはいえあくまで授業中、ベースが狂気とはいえ一応の秩序が保たれているのも確かだ。例えば。


「美優さん、次は口で……」

「ダメだよー アタシは『マンコ係』なんだから。そういうのは『フェラ係』に頼まないとさー」

「そ、そうだった。すまない!」


 あのように男子と女子それぞれが何らかの係に割り当てられており、性処理もそれにしたがって運用されている。

 マンコ係、フェラ係のほかは床舐め係、ゴム管理係、アナル係、精液吸い取り係etc...

 男子は男子で肉ディルド係くらいしかいない。


 幸いにも私はああいう肉体を消耗する係ではないため、こうして部屋の隅っこで待機させてもらっている。

 クラスの冴えない男どもの性処理なんてごめんだし、あんな悲惨な役目にならなかったことを感謝させてもらおう。

 女子諸君、頑張ってくれ。


「アオイさん、これお願い」

「ん? あー、そこ置いといて」


 ドサッ、という重量感ある音ともに置かれたのは金属製のボウル。

 鈍い銀色のそこにはピンク、青、緑、オレンジと実にカラフルな……使用済みのコンドームが入っていた。

 そのどれもがじっとりと湿り、尋常ではない量の精液が詰まってパンパンになっている。どう見てもこんなには出ないと思うがこれも改変の影響なんだろうか。


 で、これを片付けるのが『コンドーム処理係』の私の仕事というわけだ。

 もちろんこんなものゴミ箱に捨てるわけにはいかない。ならどうするのかといえば方法は一つ……


「ぅ……ぁーん、んぐっ……ぅぇっ……ごくんっ」


 指でつかみ、口に入れて丸呑みする。ローションだか愛液だかで濡れたゴムはすんなりと喉を通ってお腹へと落ちていく。

 ゴム自体は食べられる素材でできているものの別に美味しいわけではなく、体液の混ざったぬるい触感がなんとも心地悪い。

 それでも、目の前で繰り広げられている光景に混ざるよりはずっとマシだろう。


「ぁむっ、むぐっ、ごくっ……ぁんっ、んぐ……っぷはぁ……」


 一つ一つが大きい上に底が見えたと思ったらまた追加されるというサイクル。

 ひたすら心を無にしてゴムを口に運び続ける。

 消化には時間がかかるから胃がどんどん重くなっていくのが感覚でわかった。


「お姉ちゃん、ボクのも処理して欲しいんだけど」

「ん……ハジメか。うっわなにこれ、いくらなんでも大きすぎるでしょ……」


 いつの間にか来ていたハジメ(パンツ一丁)が差し出してきたのは、他の人の三倍はあろうかという超特大サイズに膨れ上がった使用済みのゴムだった。

 あまりにも膨らみすぎたせいでゴムの色が薄くなり、透けて中の精液の色しか見えない。

 おそるおそる手にとってみると、確かな重みが手に伝わり、簡単に伸びてしまう。


「アンタいくらなんでも出しすぎでしょ……こんなの口に入れたら破れちゃうんだけど」

「いいからいいから! 係の仕事なんだからキチンとやらないと!」


 う……そう言われると弱い。気は進まないがやるしかなさそうだ。

 割れないように両手でそっと持ち上げ、口へと運び……そのまま流し込む。


 が、当然そんなサイズが喉を通るわけもなく頬をハムスターのように膨らませながら口に留めるのが精一杯だった。


「んぐ、んぅ、んーんーん、ぅっ」

「あはは、それじゃ何言ってるかわかんないよ。いっそそのまま噛めばいいんじゃない? はいっ」


 ハジメがパンッと両手を重ねて音を鳴らすのと、私が口の中のゴムに歯を立てたのは同時だった。

 ただでさえ耐久が低くなっていたゴムはたやすく破れてしまい、たっぷり詰まった精液が口いっぱいに広がってくる。

 形容するならしょっぱいような、少し苦いような、独特な風味には今すぐ吐き出したくなるような青臭さがあった。


「あ、吐いちゃダメだよー ちゃんとゴムも中身も飲み込まないとね!」

「ぅ……ぅ、んぐっ、ぅぷっ……ぷはぁっ、はぁ……はぁ……まっっず…………」


 やっとの思いで大量のザーメンと破れたゴムを呑み込むことに成功したが、歯の隙間や舌の裏には澱のような精液がねっとりと付き、口をついて出てくる息はイカ臭い、というとにかく最悪の口内環境ができあがっていた。

 今すぐうがいして歯を洗いたい衝動に駆られるが、授業が終わるまではまだまだ時間がある。


「何言ってるの? お姉ちゃんは昔っから精液が大好物だったじゃん。残りも頑張って食べてね~、じゃ!」

「あ? あぁ……うん」


 そうだ、私は昔っから何よりも精液が大好きで身近な男性にこびを売ってはめぐんでもらってたんだっけ。

 だからゴム処理係になったのに……なぜこんなこと忘れていたんだろう。早く残りのゴムも食べてしまおう。

 ゴムを頬張り、噛み、ぶじゅっ♡と溢れ出る精液をよーく噛んで味わい、呑み込む。


 授業終了のチャイムが鳴る頃には私のお腹はぽっこりと膨らんでいた。



***


「ぅ……ふぁ…………ん……」


 まどろみからゆっくり引き上げられるような感覚。ぼんやりとした頭で周囲を見渡すと見慣れたいつもの自室だった

 確か……学校から帰ってきてベッドで寝落ちてしまっていたらしい。いつの間にか外はすっかり暗くなっていた。

 なんか、ずいぶん変な夢を見た気がする。

 知らないうちに自分がオナニーしてたり、道端でオナニーしたり学校でみんながセックスしたり。自分でも知らないうちに欲求不満になってたんだろうか。


 まだうまく働かない頭にムチをうち、ベッドから這い出て階下へと向かおうとして───部屋の姿見が目に入った。


 黒髪、黒目、そして二つのNカップデカパイ……うん、今日もオシャレね!

 ブラもパンツもつけない絶好調のフルヌードスタイルに、全身に書かれたマジックの落書きがいい味を出している。

 両乳の『便 女』、お腹の『肉便器』、太ももの『中出し大歓迎☆』 あえてちょっと下手な感じなのが良い。

 よくみればおまんこからドロドロの精液が溢れて太ももをつたっていた。いつの間に中出しされたのか記憶にないが、これだけエロければ当然だろう。 


 普段どおりのクソ雑魚即ハメ用ドスケベエロボディをまじまじと眺めていると、数々のアダルトグッズを抱えたハジメが部屋に入ってきた。

 もちろんハジメも素っ裸だ。家で服を着るなんて非常識な真似をするわけがない。


「あーなんだお姉ちゃん起きてたんだ。ちょうどいいや、これに向けておしっこしてみて」

「それに? はいはい……よっ、と」


 腰を前に突き出し、ハジメが持っているプラスチック製の棒に向けておしっこを飛ばす。

 黄色い液体が音を立てて跳ねてカーペットにシミをつくっていくがどうでもいいことだ。

 

 しばしそれを眺めていたハジメは、突然弾けたように笑みを浮かべた。


「やったよお姉ちゃん! お・め・で・た! 妊娠してる!」

「へ……?」


 え、妊娠? 誰が? 私?

 いやいや処女の私が妊娠するわけが……あれ、そうするとマンコが精液まみれなのはなんで?

 あれ、なにか、がおかしいような気が……まさか!


「なぁ、ハジメ! お前……」

「良かったねお姉ちゃん、ボクの子供を妊娠するのずっと夢だったもんね~!」

「ぇ、あ、そうね」


 ああ、やっと昔からの念願が叶った。

 そっとお腹を撫でるとじんわりとした熱が手のひらに伝わり、下腹部がほんのりと熱くなってくる。

 私、妊娠したんだな……


「ほらほら、感慨に耽ってる場合じゃないよー お姉ちゃんには五人はボクの赤ちゃん産んでもらうんだから、今から練習セックスしないと!」

「はいはい……優しくしてよね」


 この世界は確かに狂ってしまっている。そんな中を一人だけ正気のまま過ごすのは不安も多いが……ハジメがいれば大丈夫だろう。

 きっと、たぶん。


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