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氏裸

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【小説】被憑依体質

“霊感”というものがこの世にはある。

見えないものが見えるとか、聞こえないものが聞こえるとか、第六感なんていう風にも言われるような、存在しないはずの霊的なものを感知できる感受性の高い人間は霊感が強いと言われる。

霊感が強い人間はその力を活かして霊に接触する霊能者として活躍したりする、なんて話を聞いたりもするけれど、実際のところそんな上手くいくことはそうそうなく、強い霊感を持ちながら普通に過ごしている人が大半だと思われる。

そして、私もそんな人間の一人だ。


「いってきまーす」


私が靴を履いて学校に行こうとすると、後ろからお母さんが声をかけてくる。


「相変わらず早いわね。委員会だっけ? 高校生は朝から大変ね」

「う、うん、そうだね」


私はお母さんの言葉を適当に流しながら家を出た。

時刻は朝の6時半。

学校の始業時間が8時半であることを考えると電車の時間を考慮しても明らかに早い。

部活の朝練があるならそれも納得できるかもしれないが、私は帰宅部だ。

そして、お母さんに言ったような委員会の仕事というのも実はない。

では何故嘘をついてまで早く家を出たのか。

それは、私にはどうにもならない理由で遅刻してしまう可能性があるからだ。

最寄駅に辿り着いた私はいつものように改札を通り、ホームで電車を待つ。

このまま何もなければ問題なく学校に着くことができる。

しかし。


「うっ……なんか嫌な感じ……」


辺りに漂う怪しい気配。

恐らく、近くに霊がいる。

霊感の強い人間にしかわからないだろうけれど、たしかにその存在感を感じる。

駅には霊が集まる傾向がある。

自殺をした人の怨念が留まりやすいからじゃないかと私は思っているけれど、今日もまたそういった無念を残した人の霊が近くにいる気がする。

霊を怖いと思ったことはない。

しかし、私にはとにかく霊と関わりたくない理由があった。


「頼むから、こっちこないで〜……」


私は必死に祈りながら、気配から遠ざかろうと足早にその場を離れる。

しかし、そんな私の内心とは関係なく、怪しい気配が私に近づいてくる。

やっぱりか。


「もうっ……!」


焦った私は、走ってその場を離れようとした。

けれど。


「んぐっ!? ……やだっ……これ……」


瞬間、身体が反射的にビクッと震えた。

背中に感じる強い悪寒。

何かがじんわりと、私の中に入り込んでくる嫌な感覚。

まずい。

始まってしまった。


「くっ……き、きもちわる……い……っ、はぁ、いやっ……」


身体の震えが止まらない。

冷や汗が額に浮かび上がり、吐き気にも似た嫌悪感が湧いてくる。

私は倒れないように近くの壁に手を伸ばし身体を支える。

だめ、このままじゃ……。


「あっ……ああっ……わ、たし……もう……いや、だ……」


抵抗も虚しく、それは私の身体に完全に入り込み、全身に広がった。

それを感じた瞬間、私は力尽き、その場に倒れ込んでしまった。


「ちょっと、あなた大丈夫!?」


上から声が聞こえてくる。

急に苦しそうに倒れ込んだ私を心配してくれた人が声をかけてくれたのだろう。

その声に反応して私の身体が起き上がる。

私の意思に反して。


「……あ、はい。大丈夫です」


私の身体が勝手に返事をする。

私に声をかけてくれたお姉さんは心配そうな顔をしていたが、私の身体が元気そうに微笑むとその場を立ち去っていった。

霊に乗っ取られた私の身体をその場に残して。


「ふ、ふへへ……す、すごい……女子高生の身体だあ……」


私の顔がだらしない笑みで歪んでいく。

やられた……。

私は心の中で独りごちる。

私の身体は霊感が強い。

しかし、それには霊の存在に気づけるだけではない、大きなデメリットが伴っていた。

私の身体は霊に憑依されやすいのだ。

普通の人間よりも霊を寄せつけやすく、そして、霊を身体の中に取り込みやすい。

霊に対する憑依の耐性が低い、被憑依体質なのだ。

この体質のせいで今まで何度となく霊に憑依されてきた。

その度重なる被憑依経験のおかげか、こうして憑依されていても自分の意識を保てるものの、この状態の私にできることは何もない。

私の考えていることは、私に憑依している霊には伝わらないため、呼びかけて干渉することもできない。

こうなってしまったらしばらくは解放されないのだ。

それを見越して遅刻しないよう早く家を出たのだけれど、できればこうなってほしくなかった。


「お、おお! すごいや、僕の胸におっぱいがついてる……ふへへ、やわらかいなあ」


私の身体が気持ち悪い口調で呟きながら、制服の上から胸を揉み始める。

口振りから恐らく男性の霊だろうけど、慎重で控えめな触り方から見るに、きっとあまり女性経験のない人なのだろう。

私が胸に夢中になっている間、周りを歩く人たちが私の方を怪訝な顔で見ている。

せめて触るなら人目のないところにしてほしいんだけどな……。


「おっと、ここじゃ目立つな……トイレにでも行こう……」


私の身体が鞄を持ってトイレに移動し始める。

そうそう、それでいい。

この時間帯ならトイレもあまり混んでないだろうし。

私は冷静に状況を分析していた。

憑依されるのが日常の一部になってしまっている私は、最早ただ憑依されただけでは動じなくなっていた。


「トイレトイレっと……」


私はトイレに入っていく。

って、待て待て待て。

そこ、男子トイレなんだけど。

私は当たり前のように、小便器の並ぶ男子トイレの中にいた。

男性の霊とはいえ、トイレに入るならちゃんと身体に合わせてほしい。

そんな私の内なる声には全く気づかず、私の身体は洗面台にある鏡に夢中になり始めた。


「ああ、可愛いなあ、この子……。冴えないサラリーマンとして死んだはずの僕がこんな可愛い子に……ふへへ……」


私は鏡の前で百面相をしている。

歯を出した笑ったり、口を膨らませてみたり、ぶりっ子ポーズでアヒル口をしてみたり。

私としては、そんなところをトイレに入ってくる誰かに見られたりしないかとヒヤヒヤしているのだけど。

すると私の恐れていた通り、コツコツ、という音と共に誰かが男子トイレに近づいてきた。

ちょっと!

このままだと見られちゃうでしょ!

なんとかしてよ!


「ん? 誰か来るな……。邪魔されたくないし、個室に入っておこうっと」


間一髪のところで私は個室に入り、なんとかことなきを得た。

しばらく息を潜めて待っていると、水の流れる音が聞こえてきて、外にいた人の気配がトイレから離れていく。

ふうっ、と溜め息をつきながら便座に腰を下ろした私は、何やら鞄を漁り始めた。

何を探しているんだろう?


「お、あったあった、生徒手帳。えーっと名前は……赤江結奈ちゃんっていうんだ。ふへへ、名前も可愛いねえ……」


私は自分の生徒手帳を見つけると、ニヤニヤしながらそれを見つめる。


「ああ、結奈ちゃん、可愛いなあ……ふへへ、じゅるり」


私は涎を垂らしそうになりながら、両腕で自分の身体を抱きしめる。

興奮からか、胸がどんどん高鳴ってくるのを感じる。

これは、あまり良くない流れだ。

私の心は身体と繋がっている。

私の身体が興奮すれば私の心も興奮してくるし、身体が気持ちいいと感じれば心も気持ちいいと感じる。

憑依されている間はそれだけではない、もっと恐ろしいことがあるのだが……。


「こっちはどうなっているのかな〜……結奈ちゃんのおまんこ」


私はついに下着を脱いでしまった。

そして、露わになる私の股間の大事なところ。


「おほぉ、すごいや……なんにもない……。ちんちんじゃなくて、本当におまんこなんだ……んっ」


私は右手を使って股間を撫で上げる。

そこにあるのは女の性器。

何もついてない不思議な感覚が私を襲う。

男だった頃はここにちんちんがついていたはずなのに……。

……って、違う違う。

私は意識を強く持とうとする。

これが恐れていたこと。

私の心は、憑依されているときに昂ると、憑依している魂の影響を受けてしまうのだ。

憑依している魂が思っていること、感じていることに流されて、自分が自分ではなくなってしまう。

なんとか耐えて自分を保たないと……。


「んあっ、すごい、ちんちんを触るのと全然違う……んっ、ふへへ、女の子ってこんな感じなんだ……」


私の身体が両手で股間をいじくり回す。

全身にじわじわと広がる快感。

なんとか流されないよう耐える私に追い打ちをかけるかのように、私の指がクリトリスを強く押した。


「んひっ!? す、すごっ、なに、これぇ……んあっ」


瞬間、先程よりも強い快感が全身を走り抜ける。

私は夢中になってクリトリスをいじり続ける。

やばい、気持ちよすぎる……。


「はぁ、ふぅ、あんっ、気持ちいいよ、結奈ちゃん……。……あ、そうだせっかくだから……」


私は脱いだ下着を顔の前まで持ってくる。

そして、そのまま自分の鼻に押し当てた。


「すぅー、はぁー……ああ、結奈ちゃんのおパンツの臭い……。女子高生の生パンツなんて初めて嗅ぐ……やべっ、めっちゃ興奮する、ふへへ」


パンツを顔に当てながら、右手でクリトリスを触る。

興奮のままに指を動かすとどんどん気持ちよくなっていく。

僕、こんなに気持ちいいの初めてだあ……。


「僕、こんなに気持ちいいの初めてだあ……んっ、あ、ああんっ……」


僕は指の動きを強めていく。

気持ちいいと感じる度に、身体がビクっと震えるのが面白い。

女の子はこんなに気持ちよくなれるなんて、なんだかずるく感じる。


「んおっ、はぁ、はあっ……、やばっ、なんか我慢できない……んくっ、もう、イキそう……」


身体の快感がどんどん強まって抑えられなくなってきた。

もうすぐ限界だ。

女子高生の身体で、この可愛い結奈ちゃんの身体でイっちゃう……!


「はぁっ、イクっ、結奈ちゃん、おっ、あっ、結奈ちゃんの身体でイクぅっ、んぐぉっ、おっほおおおぁあああ!!!」


ビクビクッと身体が震えるとおまんこから、プシャーっとマン汁が溢れ出す。

潮を吹いたのかな?

結奈ちゃんの身体エロすぎでしょ……。

射精の感覚とは全然違う快感に強い満足感を抱きながら僕は意識を手放した。




────────




……強い頭痛に襲われながらなんとか意識を取り戻す。

えーっと、何をしてたんだっけ。

自分の手に握られたパンツを見て思い出す。

そうだ、僕はここでさっきまでオナニーしてて。

どうやら、まだトイレの便座に座ったままのようだ。


「ふへへ……あー、気持ちよかった……」


女子高生の、結奈ちゃんの身体、本当に最高……………………って違う違う違う!

私はだらしなく緩んでいた頬をバチンっと両手で叩く。

私は赤江結奈。

幽霊の変態サラリーマンはなんかじゃない。

トイレットペーパーで手と股間を軽く拭いて下着を履き直す。

憑依からは既に解放されていた。

霊に憑依されたことは何度もあるけれど、一度絶頂に至るとその快感に満足するのか大抵の霊は成仏してしまう。

これも一種の世の中を良くする霊媒活動なのかもしれないけれど、憑依されて身体を好き勝手される私は堪ったものではない。

そのとき、コンコンっと個室をノックされた。

私はびっくりして飛び上がりそうになる。


「あの、大丈夫ですか? 中から苦しそうな声が聞こえたと聞いて来たのですが」


どうやら駅員さんが様子を見に来たようだ。

というか、よく考えたらここは男子トイレだ。

どうしようか考えたけれど、流石にここに篭っているわけにもいかず、仕方なく私は外に出る。


「え、お、女の子? なんでこんなところに……」


駅員さんも驚いている。

そりゃそうですよね……。

私は赤くなった顔を伏せながらなんとか返事をする。


「あの、その……ちょっと具合が悪くて……急いでトイレに駆け込んだら間違えて男子の方に入っちゃって……それで……」

「そ、そうですか……」


気まずい空気に耐えられなかった私は何度も頭を下げた後逃げるようにその場を離れた。

なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。

あの変態サラリーマン霊に対する怒りが込み上げてくる。

しかし、いなくなってしまった今はぶつけることもできない。

私は溜め息をつきながら電車に乗り込んだ。

時間的にはほぼ遅刻確定だ。

私は更にがっくりと肩を落とした。

もっと早く家出たほうがいいのかな……。


そのまま電車に揺られて、なんとか学校に辿り着く。

既に始業時間を過ぎて授業が始まっていた。

私はこっそり後ろ側の引き戸を開けて中に入ろうとしたけれど、当然のように先生に見つかってしまう。


「こら、赤江、遅刻だ。最近多いぞお前。気をつけろ」

「は、はい。すみません……」


気をつけてはいるんですが、それでもこうなってしまうんです。

なんて言葉は口に出せず、私は席に着いた。

自分のせいではないのに何故怒られなければいけないんだ。

理不尽な現状に、私は不満を募らせる。

とりあえず鞄から教科書を出して授業に集中しようとした、そのとき。

後方から、嫌な気配がしてくる。

まさか、と思いながら恐る恐る振り返ると、そこにはたしかな霊の存在感があった。

学校も駅と同様に霊の集まりやすい場所だ。

多くの人間が通っていて様々な感情が行き交う場所であることがその原因だと思う。

前にも一度学校で憑依されたことがあるけれど、そのときは放課後で周りに人がいないときだった。

授業中に憑依されたことは、まだない。


「……お願い、やめてください、お願いします」


私は誰にも聞こえないぐらい小さい声で唱える。

私の心からの懇願だ。

しかし、そんなものは全く通じていないのか、非情にも霊が近寄ってくる。

ああ、駄目だこれ。

そう思った瞬間、後頭部に強い異物感が飛び込んできた。


「っ!? ……うっ、あっ……」


頭が、熱に浮かされたようにぼーっとしてくる。

頭痛、吐き気、倦怠感。

風邪を引いたときのような嫌悪感に身体が包まれていく。

それと同時に、頭の中をぐちゃぐちゃにされるような感覚に襲われ、とにかく苦しい。

私は声を上げないように口を抑えていたけれど、やがて耐えられなくなり、頭から机の上に突っ伏してしまった。

ビクッ、ビクッと身体が震えるけれど、力はもう入らない。

後頭部から入ってきた異物感が、私の全身に広がってしまい、私の身体は完全に私の制御から離れてしまった。

そんな私の異常に気づいたのか、先生が声をかけてくる。


「ん? 赤江? お前大丈夫か?」


先生がこちらに近づいてくる足音がする。

すると、私の身体が勝手に立ち上がる。

指をグーパーと開いたり、首を回したりして動くことを確認すると、突然のことに驚いている先生に告げた。


「んー、あー……せんせー、具合悪いんで、ちょっくら保健室行ってくるわ」


いつもの私とは違うぶっきらぼうな物言いに先生は困惑して目をパチクリさせている。

私はそんな先生を横目に、席を離れて教室を出て行こうとした。

流石に我に帰った先生が慌てて声をかけてくる。


「お、おい、大丈夫か? 保健委員の付き添いは……」

「ん? いらんいらん。一人で大丈夫じゃよ」


私はそのまま教室を出てしまった。

あーあ、また憑依されてしまった。

しかも、この感じは一番私が嫌なタイプの人種だ。

私の顔が愉悦の表情に歪む。


「ひょっひょっ、まさかこのワシが女子高生になれるとはのぉ。長い間この学校に留まり続けた甲斐があったわ」


私の声で変な口調しないでほしいんだけど。

しかし、そんな抗議の気持ちは霊には届かない。

この霊は、学校に地縛霊として留まっていた変態爺さんといったところか。

教師だったのか、それとも他に学校に縁があった人間なのかは知らないけれど、どちらにせよ最悪だ。


「さてと、どこに行こうかのぉ。保健室に行って別嬪さんの若林せんせーと乳繰り合うのもいいが……」


私は鼻の穴を広げてニヤニヤしながら、手をわきわきと動かす。

せめて人様に迷惑かけるようなことはやめてほしい。


「いや、ここは女子高生にしかできんことをやろうかのぉ。この時間なら誰にも邪魔されまい……ひょっひょっ」


私はそう言うと、どこかへ移動し始めた。

いったいどこへ向かっているんだろう。

しばらくガニ股で歩き続けると、やがて目的地に辿り着いたのか私は足を止めた。

ここって……。


「ひょっひょ、女子更衣室。うーむ、いい響きじゃ。ワシが教師だった頃は入ることすら許されんかったが、まさか死んでからこんなに簡単に入れるようになるとは」


私は女子更衣室の中へと入っていく。

更衣室の中には誰もいない。

しかし、使用している形跡があり、この時間にどこかのクラスが体育の授業をしているようだ。


「この時間は1年A組とB組がプールで水泳中のはずじゃから……」


私はロッカーを開けて中を物色し始める。

下級生の時間割なんて、現役で通ってる私でも知らないのに、よくそこまで把握しているものだ。


「おお! 見つけたぞぉ! 1年A組翠川静……間違いない! 静ちゃんの服じゃぁ! ひょっひょ!」


私はロッカーに仕舞われていた制服を取り出すとそこに顔を埋めた。

深く息を吸うと制汗剤の爽やかな香りがしてくる。

……流石に他人の制服に勝手に手をつけるのは罪悪感が強い。

早く終わってくれと心の中で唱えるけれど、私の身体は止まらない。


「すぅーっ、はぁーっ、いい匂いじゃのぉ。ピチピチの女子高生の匂い……くぅーっ、たまらんわ」


そのとき、私が掴んでいた制服のポケットから生徒手帳が落ちた。

そこには大人しそうな髪の長い女の子の顔写真が貼ってある。

この子が翠川静ちゃんか……。

顔がわかると罪悪感がより強まってくる。

うう、ごめんなさい静ちゃん。


「ふぅ、流石はワシがこの学校で一番エロいと思う娘じゃ。たまらんのぉ。……さて、制服はこれぐらいにして……目当てのものは……おお、あるじゃあないか! セクシーなブラとパンティが!」


私は静ちゃんの下着を手に取ると、嫌らしい笑みを浮かべながら顔に押し当てる。

興奮からか、心臓がどんどん高鳴っていく。

まずい。

また、私が私じゃなくなっちゃう。


「教師時代、手に取りたくても取れなかった女子生徒のブラとパンティがこんなにも近くに……ひょっひょっ」


私は静かちゃんの下着を口に咥える。

布の味しかしないけれど、咥えているだけで口の中には唾液が湧いてきて、興奮が強まっていく。

私はそのまま股間にあるものに手を伸ばそうとした。


「ん? ない……? おお、そうじゃった、ワシは今女子生徒じゃったか。……そうじゃ、いいことを思いついたぞ!」


私は一旦静ちゃんの下着を置くと、制服を脱ぎ始めた。

乱暴に下着まで脱ぎ散らかし、私は全裸になってしまった。

そして、静ちゃんの下着を持つと鏡の前まで歩いていく。


「この娘も悪くない顔をしておるのぉ。乳もデカいし、ケツもプリッとしてて触り甲斐がわるわ」


私は右手で胸を、左手でお尻を揉み始める。

柔らかい感触に不思議な心地よさを感じる。


「さてそれじゃあ、このパンティとブラをこうしてっと……」


私は、静ちゃんのブラを首から下げ、パンティをマスクのように顔に被った。

鏡を見ると、そこにいたのは全裸にパンティを被ってブラを首から下げている変態痴女だった。

ちょっと、なんて格好させてるの!


「ひょっひょ! ええのぉ、ええのぉ! なんというエロい格好じゃ! こんな変態女はアダルトビデオでもそう見んぞ!」


私はガニ股でコマネチをしたり、お猿のポーズをしたり、無様な姿を鏡の前に晒した。

恥ずかしいはずなのに、どんどん興奮していく。

既に股間が濡れ始めていた。


「マンコが濡れてきおったか。娘はこんな風に感じるのじゃな。触ってみるか……ひょっ!? こりゃ、すごっ、おっ」


右手で膣の中に指を突っ込むと、身体に溜まっていた快感の渦が全身に解放されるように広がっていく。

左手は胸に手を伸ばし、乳首を弄り始める。

かつてない快感が身体を支配し始めた。


「んっ、はぁ……チンコがないのは残念じゃが、あっんっ……女のマンコと乳も悪くないのぉ……んおっ、くっ……」


膣の奥を指でいじっていると、ある一点に指が触れた瞬間、身体がビクッと震えあがった。

これが、Gスポットというやつかのぉ?

ワシはそのまま重点的にその部位を責め続けた。

もちろん左手の乳首を責める手も止めず、快感を享受する。


「おっ、おっ、もう、何か……んんっ、はぁ、きそうじゃ……んおっ、これが、アクメってやつかのぉ、はふぅ……」


ワシは両手の動きを激しくした。

マンコからはクチュクチュといういやらしい音が鳴り、乳の頭にある乳首は赤くなってビンビンに勃っている。

鏡に写った女は、無様な姿で震えながら快感に喘いでいた。

ええのぉ、エロいのぉ、この娘。

そして、ワシの興奮は最高潮に達した。


「くっ、ああっ、もう我慢できんっ、ぐうっ、おうっ、おっひょおおぉおおぉ!!!」


ワシは大きくのけ反り、身体をビクビクッと強く震わせた。

プシャっとマンコから潮を吹く。

ワシは足をプルプルと震えさせて快感を堪えていたが、やがて耐えられなくなり、背中からその場に倒れ込んだ。

初めて体験した女の潮吹きアクメ。

ああ、ワシは満足じゃわい……。




────────




……意識を朦朧とさせながら、ワシは身体を起こした。

ガンガンという激しい頭痛に苛まれて不快感が強い。


「なんじゃこの頭痛は。せっかく潮吹きアクメの快感に浸っておったというに……」


ワシはボリボリとケツを掻きながら立ち上がろうとして……………………ってだから違う違う違う!

ワシじゃなくて私!

変態爺さんなんかじゃなくて、私は生粋の女子高生!

ああ、もう、本当に最悪だ!

ふと鏡を見ると、私は顔に下着を被っていた。

私は急いでそれを外す。


「ああ、あああああ! ごめんなさいごめんなさい!」


私はそこにいない翠川静ちゃんに謝り倒すと、荒らした彼女の制服をたたみ直し、ロッカーに戻した。

時計を見ると、一時間目が終わるまでもうあまり時間がない。

私は急いで服を着ると更衣室を飛び出した。

さっきまでの自分の痴態を思い出すと恥ずかしくて消えてしまいたくなったけれど、消えることもできないので私はすごすごと教室に戻った。


その後はつつがなく時間が流れていき、放課後になった。


「……っていうわけで、今日だけでもう二人の霊に憑依されてて。しかもどっちも変態だし、本当に最悪……」

「ありゃりゃ、そりゃあかわいそうに。元気だして? アイス奢ってあげるから」


隣を歩く少女が私を慰めてくれた。

彼女は青海絵梨。

私の幼馴染で、ただ一人私の被憑依体質を知る人間だ。

クラスが違うので今朝の一連の出来事を絵梨は実際に見てはいない。

もし同じクラスだったら、なんらかのサポートをしてもらえたかもしれないけれど、あの変態爺さんをこの子にあまり近づけたくないという気持ちもあるのでこれでよかったのかもしれない。


「駅前のショッピングモールのアイス屋さんに行こうよ。わたしあそこのストロベリーチーズケーキ味大好き」

「うーん、ショッピングモールか……」


基本的に人の集まる場所は霊の出没率も高い。

本当はあまり近づきたくないのだけれど。


「……結奈? ごめん、やっぱりやめておく?」

「いや、行こう。霊なんかにビビって女子高生の楽しみを捨てられないよ」


ショッピングモールにも行けないようじゃ何もできない。

それに、霊がいるからといって必ずしも憑依されるわけじゃない。

私は不安を振り払ってショッピングモールへ向かうことにした。

時刻は午後6時過ぎ。

時間帯的にショッピングモールにもまだそれなりに人がいるけれど、辺りに霊の気配は感じない。

これなら憑依される心配もなさそうだ。


「はあ……。ちょっと緊張してたけど、今日は霊があまりいないみたい」

「そうなの? それならよかった。ほら、あそこのお店だよ」


絵梨の言うアイス屋さんの前までやってきた。

店の中のショーケースには色とりどりのアイスが並んでいる。

色んな味があるのが売りみたいだけど、正直私にはあまり違いがわからない。


「買ってきてあげる。結奈は何味がいい?」

「よくわからないから英梨のオススメで。私はそこの席取っておくよ」


私は店の前に並んでる食事スペースの席を取りに向かう。

椅子に座ると、疲れからか少しぐったりしてしまった。

今日は散々な一日だった。

霊に憑依されることはよくあるけれど、一日に二度も憑依されることはあまりない。

疲れが溜まるのも仕方がないというものだ。

ふと店の中を覗くと、ちょうど絵梨が会計を済ませているところだった。

私はそれを見ながら大あくびをした。

その瞬間。


「ふぁ〜…………んぐっ!?」


突如正面に現れた何かが勢いよく口の中へ入ってきた。

あまりにも突然のことに思考が追いつかない。

しかし、尾を引きながら口の中を進んでいくそれのせいで息ができないことだけはたしかだった。

私はもがきながら必死に呼吸しようと試みる。


「んぐ、ごぼっ……おげぇ……」


息を吸おうとすると、それはどんどん身体の中へ入っていく。

まずい、これは霊だ。

私の口から、霊が私の身体に入り込もうとしている。

周りに霊がいなかったから油断していた。

まさかこんないきなり現れるなんて。

気づいたときにはもう遅く、私は霊を嚥下してしまった。


「んくっ……げほっ、ごほっ!」


私は椅子から床に倒れ込み、膝をついて四つん這いの姿勢になってしまった。

悪寒がじわじわと広がっていく。

身体が寒気に震えて、感覚が鈍っていくのを感じる。


「ちょ、ちょっと!? 結奈っ!? どうしちゃったの!? 大丈夫!?」


アイスを持った絵梨が慌てて駆け寄ってくる。

私は顔を上げる気力すらなく、ただ力なく声を絞り出すばかりだった。


「れ、霊が……わ、たし、に……っ、憑依、し、て……」

「ええっ!? そんな、結奈っ!」


絵梨が私の手を握ってくれたけれど、私の身体に侵入した異物感が全身に広がり、耐えられなくなった私は床に倒れ込んでしまった。

やがて、私の身体は私の意思に反して動き始める。

また、霊に憑依されたのか……。

これで今日は三度目。

今度はどんな霊に憑依されたのやら。

冷めた気分で自分の状況を省みる。

私はうつ伏せに倒れた状態から仰向けに転がる。

こちらを心配そうに見ている絵梨と目が合うと、私は口を開いた。


「……う、うぅ……おぎゃあっ! おぎゃああぁっ! うゔぁあああぁ!」

「……え?」


……は?

なんだこれは。

私は、大声で泣き声を上げている。

言葉になっていない、ただ感情のままに上げる泣き声。

これは、まさか。


「……結奈、赤ちゃんの霊に憑依されちゃったの?」


絵梨が困ったような顔で呟く。

恐らくその通りだ。

水子などと呼ばれる産まれたばかり、あるいは 産まれる前に死んでしまった赤ん坊の霊の話を聞いたことがある。

今私に憑依している霊はまさにそれだろう。


「ひぐっ、えぐっ……おぎゃあああぁ! おぎゃあぁんっ!」

「え、えーっと、どうしよう、これ……」


泣き叫ぶ私を前に絵梨が困惑していると、騒ぎに気づいた店員さんらしき人が近寄ってきた。


「あの、お客様、申し訳ないのですが、店の前では静かにしていただけると……」

「あ、あぁ、その、すみません……ですが、えっと……」

「おぎゃあっ、おぎゃあっ! うぎゃああぁん!」


注意する店員さん、平謝りする絵梨、泣き続ける私。

なんだかカオスな状況になってしまった。

絵梨にも店員さんにも非常に申し訳ない。

しかし、私にはどうすることもできなかった。


「と、とりあえず、ここにいたら迷惑ですよね! 結奈っ、ほら、わたしにつかまって」

「……うぅっ、えぐっ……おぎゃああっ!」


絵梨は無理やり私を背中におぶると駆け足でその場を離れた。

私は絵梨の背中の上でも泣き叫び続けている。

周りの人たちから白い目で見られておりとても恥ずかしいのだけれど、だんだんと気持ちが昂っていき、気にならなくなってくる。

これは、まずいな……。

身体が興奮して泣いているだけで、私の心もそれに影響され始めている。

このままだと、心の中まで赤ん坊になってしまいそう。


「ええっと、どこかいい場所……あった! あそこなら……」


絵梨は私をおぶったまま、多目的トイレを見つけて入っていく。

便座の上に私を座らせると、絵梨はようやくといった様子で一息ついた。


「ふぅ……とりあえずは一旦落ち着けたけど……これ、どうしよう」

「ふんぎゃああっ! あびゃあああっ!」


個室の中で周りから隔離された状態になっても私は泣き止まない。

それどころか、どんどん気持ちが昂っていき、次第にあたまがまわらなくなってくる……。

わたし、なんだかとても悲しい……。


「よしよし、泣かないでー。大丈夫だよー、怖くないからねー、よしよーし」


えりがわたしのことを抱きしめてあたまを撫でてくれる。

それでもかなしいきもちはおさまらない。

ふえぇん……ママ……。


「おぎゃあっおぎゃあっ、おんぎゃああぁっ!」

「ああもう、どうしたら泣き止んでくれるの……? ……もしかして、おっぱいが欲しいの? ええい、ほら、これでどう!?」


めのまえにおっぱいがある。

ママ……ママのおっぱいだ。

わたしはおっぱいにしゃぶりつく。

チュパチュパ。


「んっ……いい子でちゅねー、よしよーし」

「ちゅ……んにゅぅ……あむ、ちゅぱっ……」


ママがなでてくれる。

おっぱいしゃぶりながらなでてもらうの、うれしい。

さっきまでのかなしくてさびしいきもちがなくなっていく。

むねのおくがあったかくなってくるのをかんじると、そのままねむくなってしまった。

ママ……おやすみ……。




────────




めをさますと、しゃぶっていたおっぱいがなくなっていた。

ママ?

ママはどこ?


「……ふぇっ? ……うぅっ、えぐっ……おぎゃあっ! おぎゃああぁっ!」

「うわっ!? ……結奈? 起きたの?」


ママがちかよってくる。

おっぱい!

おっぱいがほしい!

ママのほうにてをのばす。


「ふぎゃあっ、おんぎゃあぁっ!」

「ちょっと結奈っ! まだ赤ちゃん気分なの? しっかりしてってば!」

「おぎゃあっ! まんま! おっぱい! ママのおっぱいほし…………………あ」


……思考がだんだんと冴え渡っていく。

私は今何を口走ろうとした?

それを意識した途端、私の顔が真っ赤になっていく。


「……ごめん、今のはなかったことに……」

「うん、その方がいいね、お互いに……」


絵梨も顔を赤くして私から目を逸らす。

というか、この子も大概よくわからないことをしていたな。

泣いてる赤ん坊を前にいきなり下着脱いで胸を出すかな、普通。

しかし、そのことを掘り返すと私も墓穴を掘りそうなのでここは黙っておく。


「……帰ろうか」

「うん、そうだね……」


結局私と絵梨はそのまま帰ることになった。

アイスはまた今度奢ってもらうことにしよう。


帰宅後。

私は自分の部屋の机に向かっていた。

学校で出された課題に手をつけていたのだけれど、あまり集中はできていなかった。

今日だけで三回も憑依された。

全く散々な一日だ。


「はぁ……」


思わずため息をつく。

しかし、家に帰ってきてしまえば、もう安全だ。

家の中には流石に霊も現れない。

縁もゆかりもない場所には霊は基本現れないのだろう。

少なくとも私は、この家の中で霊に憑依されたことは一度もない。


「……今日は疲れたし、ちょっと休もうかな……」


私は机の前から立ち上がり、ベッドの上に腰をかけた。

ぐっと背伸びをして身体を楽にしようとした、そのとき。


「うーんっ、…………うぐっ!? ……うそ、そん、な……っ!」


身体が反射的に反り返り、ビクッと震える。

背中から、何かが私の中に入ってくるこの感じ。

まさか、霊?

そんな馬鹿な。

しかし、私の身体に広がっていく不快な感覚はいつも憑依されてるときに感じるものと同じだ。


「やだっ……なん、で……ぐぇっ……きもち、わるっ……」


今日四回目の不快感。

何度経験しても慣れることはない。

背筋を走る悪寒に、震えと吐き気が治らない。


「……ぅ、あっ……だめ、もう……」


私はベッドに倒れ込む。

もう耐えられない。

また身体を憑依されてしまう。

でも、どうして?

今まで家の中に霊が入ってきたことなんてなかったのに。

徐々に身体の力が抜けていく。

ついに、霊が全身に行き渡り、私の身体は動かなくなった。

やがて、いつものように私の身体は勝手に動きだす。

私は頭をおさえながら身体を起こした。


「んっ……この感じ、成功した……のかな?」


私は周りを見渡し始めた。

鏡を見つけると、その前まで移動する。


「すごい、本当に結奈になってる……やったよ! 結奈!」


私は鏡の前で笑顔になり、喜び始める。

この女の子のような反応。

え、そんなまさか……。


「わたしだよ、絵梨だよ! 本当にわたしも憑依できた! 本物だったんだ、あの薬!」


絵梨?

どうして絵梨が私に憑依を?

それに薬っていったい……。

絵梨に憑依されてしまった私は言葉を続ける。


「憑依薬っていう薬が手に入ってね、これを使うと生きている人間も幽体離脱をして、他の人に憑依できるようになるの」


そんな薬があるのか。

これまで憑依に苦しめられてきた私としてはあまり嬉しくない薬の情報だ。

いったいどこの誰がそんな厄介な薬を作ったのだか。


「もし結奈が悪い霊に憑依されちゃったら、こうやってわたしも憑依して結奈の身体の中から悪い霊を追い払えないかなって思って」


絵梨、そんなことを考えてくれたなんて。

親友としてこんなに嬉しいことはない。

でもそれはそれとして、憑依されるのはすごく苦しいし、身体を乗っ取られてるのも落ち着かないので早く解放してほしい。


「どう? 結奈。すごいでしょ? ……結奈? 聞こえてる? 反応ないな……。そういえば憑依薬の説明書には憑依されてる間は意識を失うって書いてあったような……」


いや、聞こえてるから。

意識あるよ、私。

いつも言ってるじゃん、私は憑依されてても意識あるって。


「そっか、今は結奈の意識がないのか……。ということは、今なにをしても結奈にはわからない……」


私はごくりと唾を飲み込む。

いやいやいや。

だからあるって、意識。

絵梨の不穏な呟きに、私は内心焦り始める。

この子、いったい何を始めるつもりなの?

私の不安な気持ちには全く気づかず、私は鏡に写る自分の身体をじっと見つめ始めた。


「わたし、今なら結奈の身体を好き放題にできる……ああっ、結奈……」


私は恍惚とした表情で鏡を見ている。

ちょっと待ってほしい。

何が起こっているんだ、この状況。


「わたしね、ずっと結奈のことが好きだったの……まさか、こんな風に結奈の身体を好きにできるなんて……」


私は自分の身体を両手で強く抱きしめる。

衝撃的な事実が発覚してしまった。

まさか絵梨がそんなことを思ってたなんて。

こんな形で知りたくはなかった。

というか、どう反応していいかわからない。


「結奈の胸……わたしより大きい……あっ、やわらかい」


私はTシャツの上から自分の胸を揉み始める。

心臓がドキドキと高鳴り、次第に変な気分になってきた。

このままじゃ私、絵梨の心に流されちゃう……。


「結奈……服、脱いじゃうね……」


私は部屋着として着ていたTシャツとスウェットパンツを脱いでしまった。

下着のみの姿となった私が鏡に写っている。


「……はあぁ、結奈ぁ……」


私は頬を赤く染め、息を荒くして自分の姿を見つめている。

鏡に手をついた私は、鏡に写る自分の顔に口づけをした。

見慣れている自分の顔のはずなのに、見ているだけで胸が熱くなり、その口を奪いたいという強い欲求に駆られる。


「んちゅっ……結奈っ、結奈ぁ……れろぉ……好き、好きなの……」


私は腰をくねらせながら鏡に映る自分を舌で舐める。

私のことを想うたびに、お腹の奥がキュンと疼いてくる。

ああ、私。

結奈。

なんて愛おしいのだろう。


「はぁ、はぁ……結奈、身体……触らせてもらうね……」


私は下着をずらして胸を露出させる。

傷一つない綺麗なお椀状の大きな胸と、ピンと勃起した薄桃色の乳首が顔を出す。

その先端にそっと指を這わせる。


「んっ、はぁ……結奈の乳首ぃ……気持ちいい……」


優しく乳首をつまむと、そこから全身へ快感が広がっていく。

気持ちいい。

わたしの乳首とは違う、結奈の乳首の感覚。

感度がいいのか、いつもよりもずっと強い快感にわたしは酔いしれる。

今日の夕方、結奈に乳首を吸われたときもすごく興奮したけど、今はあれよりもっと興奮する。

気づくとわたしは、自然と足の間にある大事なところを触っていた。

下着は既に濡れそぼっており、身体が感じていることがはっきりとわかる。


「わたしが……はぁっ、……わたしが結奈の身体を、感じさせてるんだよね……んっ、ああっ」


高鳴る胸。

激しくなる呼吸。

全部これは結奈の身体の反応なんだ。

我慢できなくなったわたしは下着を脱いで、ついに裸になってしまった。

生まれたままの姿となった結奈が、目の前にいる。

その姿を見るだけで、激しい興奮で頭がクラクラしてくる。

足の間はびしょびしょになっており、足を伝って愛液が垂れている。


「結奈……ここっ、すごく濡れてる……指、入れちゃうね……」


わたしは、結奈の身体の大事なところにそっと右手で指を差し込んだ。

恐る恐る、そっと挿入すると、クチュリ、と音を鳴らしながら割れ目が指を受け入れる。


「ああっ、結奈の身体が……んっ、わたしの指を、受け入れてくれた……はぁっ……」


感極まってしまい、目から涙が溢れてくる。

わたしは抱いている激情のままに割れ目に挿入した指を動かす。

深く、けれども傷つけないよう優しく、動かす。

いつも自分の身体で感じている何倍も強い快感に身体が包まれる。

結奈の身体、すごく気持ちいい。

なんでこんなに感度がいいのか考えたところで、一つの理由が思い浮かぶ。


「あっ……結奈、いつも憑依されてるとき、身体いじられてるって……んっ、それで開発されたの……? 許せない……結奈は、誰にも渡さない……んっ、あっ! 結奈は、わたしの、はぁっ、ものなのっ! んあっ!」


もう誰にも結奈の身体を触らせない。

結奈はわたしのもの。

わたしは指を動かして、結奈の身体から与えられる快感を感じ続ける。

この気持ちいい感覚だってわたしと結奈だけのものだ。

もう他の誰にも感じさせたりしない。

わたしは空いている左手で乳首をつまむ。

断続的に胸とお腹の奥から発せられる強い快感に、わたしはたまらなくなって顔がにやけてしまう。

心地いい。

わたしが、結奈が、気持ちよくなっているんだ。

今、わたしと結奈は一つになっている。


「結奈っ、結奈ぁっ! あんっ、好きっ、大好きっ! イこうっ、一緒にっ! んんっ!」


鏡に写る結奈は、とても気持ちよさそうに喘いでいる。

わたしが気持ちいいと結奈も気持ちいいんだ。

嬉しくて、気持ちよくて、全身が歓喜に震える。

わたし、結奈の身体でイっちゃう……!


「あっ、ああっ、ゆなっ、すきぃっ、すきなのぉっ! んっ、イクっ、イっちゃう! あっあっ、あはぁ、ああああぁぁ!!!!」


身体を駆ける快感が最高潮に達し、わたしは果てた。

一際強く、ビクンッと身体が震える。

足の力が抜けて、立っていられなくなったわたしはその場に膝をついてしまう。


「あっ、あふれちゃうっ……」


その瞬間、おしっこが我慢できなくなったときのように、アソコから愛液が吹き出してしまった。

これって、潮吹き?

わたしの身体ではこんな風になったことない……。

わたしは自分の身体との違いを感じながら、その場に倒れ込んだ。

ああっ、結奈。

愛おしい、わたしだけの結奈。

大好きだよ……。




────────




……頭が痛い。

ぼーっとして、上手く考えがまとまらない。

わたし、どうなったのかな。

少し身体を起こすと、目の前の鏡には結奈が写っている。


「ああっ、結奈だ……」


そうだ、わたしは結奈の身体になって、結奈の身体で結奈と一緒に気持ちよくなっていたんだ。

結奈、好き。

心の底から愛してる……………………って、違うから!

結奈は私!

自分で自分が好きとかナルシストか私は!

私は急いで服を着て状況を整理する。

私の身体はさっきまで絵梨に憑依されていたけど、今はもう解除されているみたい。

いつもの霊だったら成仏しちゃってるんだろうけれど、絵梨は生霊だ。

私の身体から抜け出たとしたら、帰る場所は自分の身体しかない。

私はそのままの勢いで家を飛び出した。




「……で、どうして私がここにいるか、わかるよね?」


私は怒りの混じったトーンで目の前にいる絵梨に告げる。

絵梨は俯きながら正座をして縮こまっている。

ここは近所にある絵梨の家。

鬼の形相でやってきた私を青い顔をしながら迎えた絵梨は、自分の部屋に私を入れると自主的に正座を始めていた。


「ええっと、その……もしかして、さっきまでのこと、覚えてる?」

「うん、一から十まで全部ね」

「っ! いや、その、えっと、あれには理由があるというかなんというか……」


絵梨はしどろもどろになってあたふたしている。

もちろん理由はわかっている。

この子が全部自分で言っていたし、なんなら頭の中までこの子になってしまっていたのだ。

何を考えていたか全て手に取るようにわかる。


「ご、ごめんなさい……」


最終的に、絵梨は深々と土下座の姿勢で頭を下げた。

私からの断罪を待つその姿はとても小さく見えて、なんとも哀れだ。


「はぁ……もういいよ。元は善意だったっていうのはわかってるから。邪な気持ちも結構な割合で含まれていたようだけど」

「うぅ……誠に申し訳ありませんでした……」


私の言葉がグサっと刺さったように、絵梨は土下座を続けている。

あんな目に遭わされたのだからこれぐらいの意趣返しは許されるだろう。


「あの、わたしが口走ったことについては、できれば忘れてもらえると……」

「いや、それは無理。あんなに強い感情に押し流されたら簡単には忘れられないよ」

「で、ですよね……うぅっ……」


絵梨が俯いて泣きそうになっている。

自業自得とはいえ、あんな形で胸の内を曝け出してしまうのは流石に可哀想か。

私はため息をつくと、絵梨に向かって告げる。


「……あのさ、私は別に、絵梨に想われてそんなに嫌じゃなかったよ。少なくとも、私のことをすごく好きでいてくれてるのはよく伝わったから」

「ほ、ほんと!?」


絵梨が希望に満ちた表情で顔を上げる。


「そ、それじゃあ、また結奈に憑依して身体触ってもいい?」

「いや、ダメに決まってるでしょ! 何言ってんの!」


急な図々しい物言いに呆れてしまう。

この子案外変態の素質が高そうだ。

赤ん坊に憑依されたとき胸を出したのもノリノリでやってたんじゃなかろうか。


「お願い! またやらせて! これからちゃんと霊から結奈のこと守るから!」


絵梨は再び深々と土下座の姿勢で頭を下げてくる。

そんなに他人の体を乗っ取りたいのかこの子は……。

私は呆れながらも言葉を返す。


「……まあ、たまになら、いいよ。しっかり私を守ってくれるならね」

「う、うん! 約束する!」


絵梨は目をキラキラと輝かせながら私の手を掴んでくる。

正直に言うと、絵梨の心に染まってしまったあの感覚は、とても心地よかった。

他の霊達とは違う、私のことを強く愛するあの感覚。

心の底から好きだという感情と、その感情が私に向けられているという事実が、私の胸の奥を熱くしてしまうのだ。

こんな風に感じてしまうのは、もしかすると、生霊である絵梨に乗っ取られたことで、心の中がいつもより余計に引っ張られてしまっているせいかもしれない。

でも、それでもいいだろう。

絵梨の心に染まった、あのときの心地よさがまた感じられるなら。

私はこの被憑依体質を自覚してから初めて、自ら憑依を期待して股の間を濡らしていた。


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