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蛇の目の傘 ベランダ篇 ルート①

ゲームにしようとしていますが、一向に筆が進まずの状態です。

何個かルートを作るつもりですが、そのうちの一つです。


浩紀ママルート


明日の天気は午後から雨が降りやすい天気になるでしょう。

○○地方にお住まいの方は強い風や強い雨にお気を付けください。

ブラウン管に映る天気予報士が笑顔でそう言っている。

「浩紀、明日午後から雨だって~、母さん迎えに行くよ」

「うん、分かった~。また、誰かと遊ぶの?」

「さぁねぇ、それはその日になってみないと分からないよ。誰かと遊びたいの?」

「いや、そういう訳じゃないけど」

「そう、なら早く宿題やって寝な」

雨の日は母親が学校に迎えに行くというのがこの辺りの決まりになっている。




地元の人たちにとっては普通の事らしくて、夫からそう聞かされた時は正直面倒くさいと思った。夫はもともとこの地方の生まれらしく、彼が子供のころからそういう習慣らしい。私がよそ者だという理由でそれを拒否しようと思ったが、実際に学校までの道のりを見るととてもじゃないが子供だけで行きかえりをさせるのは危ないなと思わざる負えなかった。

「なに、この道。ちゃんと舗装されていないじゃん。ほとんど獣道みたいな感じじゃない」

「だから言っただろ。正直言うと俺が送り迎えをしてもいいんだけど、ずっと前から女の人じゃないとダメって決まってるらしいんだよね。田舎ってそういうの破ると色々と面倒なことになるんだよね」

夫はひたすらに頭を下げてくる。実直で正直で真面目な彼は私とは正反対の男だった。だからこそ、そういった彼の魅力に惹かれて結婚をする事になったのだが、まさかこんなド田舎でおかしな地元ルールがある所に引っ越すことになるとは……。


「あ、そうそう。俺も良く分かんないんだけどお袋からこれをお前にって渡されたんだ。ほら」

彼は真っ赤な和傘を私に渡す。

「え、なにこれ。すっごい高そうなんだけど」

映画やドラマで舞妓さんが持っているような和傘だが、少し古めかしいが作りがしっかりしていて手に持つとコンビニの傘よりずっと思い。

「お義母さんからって。こんなの受け取れないよ。まだ起きてるよね?」

「ああ、起きてると思うけど。どうすんだよ」

「決まってるでしょ。こんないいもの受け取れないって断らないと」

私が電話の受話器を取ると夫の手が制止をするように肩に乗る。

「ちょっとまってよ美紀。母さんの好意を無下にするなって」


彼の提案を


①受け入れる

②受け入れない


②受け入れない

「いやいや、そういうんじゃなくて。こんな立派なのを受け取れないって言ってるの」

夫の手を払いのけて電話をかける。

「お義母さん、美紀ですけどこんな高い傘は受け取れません」

「美紀ちゃんの気持ちは分かるけれど、ここの人達に馴染んだり美紀ちゃんを守る為でもあるのよ」

「守るって何からですか?取り合えずお返ししますね」

夫に傘を押し付けて義実家に送り返して貰った。


数年後……。

逮捕された伊里地美紀容疑者は犯行当時錯乱していた状態で、夫と子供に何度も包丁を刺して殺害した疑いが持たれています。


「ほら、浩紀くんの所のお母さん」

「あー、彼女ほら。傘断わったんですって」

「呪われちゃったのかねー」

「やっぱり、蛇神様に守ってもらわねぇとな……」


浩紀ママ逮捕 END



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