テイワットのどこかで開催されている、各国の富裕層の男達が集まる人間などが売買される、闇のオークション。また次のオークションのため、新しい商品が調達されるのだった。 ここは、璃月にある一軒の家。夜遅く深夜3時頃の人がほとんどで歩いていない時間。その家の寝室では、往生堂の堂主である胡桃が体を丸めて、すーすーと寝息を立てていた。 そんな胡桃が寝ている寝室の扉がゆっくりと開かれ、数人の男たちが侵入してくる。胡桃が寝ているベッドにゆっくりと近づき、胡桃を起こさないようにそっと布団を捲った。 「っ……んっ……」 男の一人が体に触れると、体を丸めていた胡桃が寝返りを打った。眠っていても触られている事には気づいたのか、胡桃は少し寝苦しそうにする。しかし男の中の一人が寝返りを打った胡桃の頭をがっちりと抑え天井の向きに視線を固定させ、胡桃の口と鼻を包むような、チューブがつながったマスクを装着させる。 「んっ……んん……?」 口元に違和感を感じたのか、胡桃から少し声が漏れだすが、胡桃の口にマスクをつけた男がスイッチを押すと、チューブを伝って胡桃の口に謎の空気が流れだし、胡桃の意識が再び遠のいていった。 寝返りを打っていた胡桃の体はダランと力が抜け、再び寝息を立て始めた。 男が胡桃の顔と口を固定している間に、別の男たちも動き出し、男たちは持ってきていた荷物から、手袋やロープのような物を取り出し始めた。 一人の男が胡桃の手首をつかんで、指一本一本を丸めさせた後、指先がそれぞれに分かれていない手袋。ただ指先の動きを封じるだけの袋のようなものを胡桃の両手にかぶせ、その手袋の手首部分を縄でしっかりと固定していく。 また別の男は、胡桃の太ももを一本のベルトで固定し、また別の男は肘を曲げたまま固定するための器具を肘関節部分につけ始めた。 男たちは手慣れた手つきで、たった数分の間で胡桃の体を固定していった。首の動きを封じられ、足先まで伸ばせなくなり、胡桃の姿は大量の包帯で巻かれたミイラのような、全身をまっすぐに伸ばした姿勢のまま固定された。 男たちがすべての行動を終えると、胡桃の顔を固定していた男が胡桃の顔につけていたマスクを外した。胡桃が吸わされていた空気の供給が停止する。 男たちは胡桃の体を持ち上げると、部屋に持ち込んでいた棺に全身を固定された胡桃を寝かせていく。その棺は、まるで胡桃が入ることが最初から決まっていたかのように、胡桃の体の形にくりぬかれたスポンジが詰まっていて、胡桃は棺に体をはめ込まれるように寝かされた。 「んぐっ……」 男たちは胡桃を棺に閉じ込めると、棺の蓋を閉めた。箱の中から胡桃のうめき声が聞こえるが、起きる気配はない。男たちはその棺をロープで開かないように固定すると、そのまま棺を運び出した。 眠っている間に連れ去られてしまった胡桃。次目を覚ます時に自分を取り巻く環境が一変している事をまだ知らない。