◆『チカラの差を理解らせてやる』編
隼大
「はじめまして、担当トレーナーの太刀澤隼大(たちざわ・はやた)です。
タクミさんとユキさんですね。今日からよろしくお願いします。
お二人とも本格的なトレーニングは初めてということですが、
私が精一杯サポートしますので、一緒に頑張りましょう!」
タクミ
「あー、よろしく。しっかり頼むよ?
ボクたちの体はデリケートなんだから、
くれぐれも、怪我をさせないようにね」
ユキ
「うわあ、すごい・・・!ほらみてよ、たーくん!
すごい筋肉だよ、かっこいいね!
それに太刀澤さん、私たちと同じ歳なんだって。すごいね!」
タクミ
「・・・えっ?
う、うーん・・・でっ、でもさあ~!
きっとボクのほうが、学歴があるし、お金ももってると思うよ~!
たしかにすごい筋肉だけれど、社会的にはボクのほうが
『勝ち組』、なんじゃないかなあ~?」
ユキ
「・・・あっ・・・うん!・・・そうだね!
たーくんのほうがかっこいい!ごめんね」
タクミ
「えへへ、いいんだよ、ゆーちゃん。
今日は貸し切りにしてあるから、ゆっくりラブラブしようね」
隼大の心の声
(・・・なんだよコイツラ・・・痛ってえカップルだな・・・
フン・・・ちょっと『理解らせて』やるか・・・)
隼大
「トレーニングを続けるコツは、毎日少しずつ変化していく自分の体を観察し、
それを楽しむことです。まずは今の筋肉の様子をチェックしてみましょう。
ではタクミさん、鏡の前に立って、思い切り腕に力を入れてみてください」
タクミ
「・・・ようし、ゆーちゃん、見ててよ~?・・・ふぬんっ!!!」
ユキ
「わー!すごいー!たーくん!力こぶー!」
隼大の心の声
(ハハっ、棒切れみたいな腕だなっ)
隼大
「なるほど・・・では、頑張って鍛え続けるとどうなるか、お見せしますね。
・・・むんっ」
<ボゴッ!>
ユキ
「わ・・・
やだ・・・っ
す、すごぉい・・・
たーくんの・・・10倍くらい・・・ふとぉい・・・っ」
隼大
「はは、10倍は言いすぎですが、
タクミさんも頑張れば、こんな腕になれますよ!」
ユキ
「え~・・・ほんとですかぁ~・・・
でも、たーくんの腕、こんなにほそいのに・・・
さすがに、太刀澤さんみたいにスゴくは・・・どうかなぁ」
タクミ
「ちょ、ちょっと!
ゆーちゃん!
ボ、ボクだってさぁ!
そりゃチカラは弱いかもしれないけど頭の出来ならボクの圧勝だよ!・・・彼なんか、どうせ学生のころ勉強もせずに筋トレばっかりやって女の子と遊んだり、ボクらみたいな大人しい生徒をイジめてたんだ!その時ボクは死ぬほど勉強して寝ないで頑張って、あの東亰大学に入ったんだよ!い、言わせてもらうけどねぇ!筋肉なんてのは鍛えさえすれば『誰だって』つくんだ!なんの頭も使わずに、ただ単純作業で重りを持ち上げてさえいれば簡単にね!でも!東大は毎年一握りの選ばれた人間にしか入れない!社会的なステータスなら「筋肉」なんか「東大」の比較にもならないだろ!年収だって、経営者のボクの方が、こんなトレーナーより何十倍も稼いでる!彼なんかよりボクの方が、遥かにスゴいんだからね!わかったかい?!ゆーちゃんっ!!」
ユキ
「・・・は、はい・・・ごめんなさい、たーくん・・・」
タクミ
「ハァ、ハァ・・・わ、わかってくれればいいんだよ・・・。
大きな声出しちゃってごめんね、ゆーちゃん」
タクミ
「(小声で)ち、ちょっと、キミ!
ゆーちゃんの前で、あまりボクに恥をかかせるなよ!」
隼大
「・・・・・・・あ?」
隼大
「・・・・・・・・・・あぁ。失礼しました」
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰⋱⋰⋱⋰ ⋱⋰
隼大
「・・・じゃあ早速、トレーニングに移ります。
まずは基礎的な力を見たいんで・・・・・・・タクミさん。
このベンチに仰向けに寝てください。これから行うのは
ベンチプレスといって、上半身の筋肉を効果的に鍛えるトレーニングです」
タクミ
「え~・・・ここに寝るの?なんだか汗臭そうだなぁ~!
これさあ、ちゃんとアルコールで拭いてあるんだろうね?」
隼大
「・・・・・・大丈夫っすよ。
ほら、寝てください。・・・じゃあまずは重りのプレートを付けないで、
このバーだけ持って、フォームの練習から始めます」
タクミ
「んっ!んんンンン~~~!!!!ぐあぁァァ!!
重いっ!潰れる、潰れるうぅぅっ!!!!」
隼大
「・・・ははは・・・重いっすか・・・たった10kgっすけどねぇ・・・」
ユキ
「たーくん・・・だいじょーぶ?・・・それ、子供用って書いてあったけど・・・」
タクミ
「っぷ!はぁ、はぁ・・・し、仕方ないじゃないか。
ボクは、辞書より重いものを持ったことがないんだ・・・っ」
隼大
「・・・ふん。
じゃあちょっとその辺で休んでてください。
俺が手本を見せるんで」
<ガシャン ガシャン ガシャン・・・>
ユキ
「えっ・・・!そんなにいっぱい、重り付けちゃうんですか・・・?!」
隼大
「よーく見といてくださいよっ!・・・オラあぁっ!!」
ユキ
「きゃあぁー!!!すごぉーい!!!
えっ!?これっ、何キロあるんですかぁ!?」
隼大
「ふんッ!!プレートッ!ひとつッ!50kgッ!
バーとッ!合わせてッ!320ッ!kgっすッ!ふんッ!!!」
ユキ
「320キロ?!・・・うそ、やだぁ・・・
たーくんは10キロも持てなかったのに・・・」
タクミ
「ううぅぅ・・・肩がいたぁい・・・」
隼大
「ハハッ!これでもッ!まだッ!軽いほうッスよッ!俺にとってはッ!!」
ユキ
「あぁ、ああぁー・・・すごぉい、腕の血管・・・ああぁん、たくましー・・・」
隼大
「しっかり見てろよ!オラァ!ウラァッ!!」
ユキ
「は!はいィ!太刀澤さんっ!すてきですっ!!」
タクミ
「えっ・・・ちょっと、ゆーちゃん・・・」
<ガシャン!>
隼大
「・・・ふゥッ!!
フンっ、どうスか!これが『男の強さ』だ!
貧弱な野郎なんて男じゃねえ!
すべてをねじ伏せる圧倒的なチカラこそが、男の価値なんスよ!!」
ユキ
「はい!つよくてマッチョな男の人、さいこーです・・・太刀澤『さま』ぁ」
タクミ
「ゆっ!ゆーちゃん・・・?!どうしちゃったんだよぉ・・・!」
隼大
「ガハハ!ユキさん、俺のチカラに惚れちゃったみたいスねえ!
まぁ、仕方ないっスよ!
俺の筋肉の前では、大抵の女は『メス犬』になるっスから!」
ユキ
「あぁん(チュッ!) 太刀澤さまぁ(チュッ!)
すごいこの脚ぃ(チュッ!) 私のおなかくらいあるぅ(チュッ!)」
タクミ
「な、なにやってるの?!やめてよ!
こんな、脳ミソが筋肉で出来てるような奴に・・・!」
隼大
「なァ、タクミさーん!まだ理解んないんスかぁ?
オラ見ろよ!このメス、すっかり筋肉の奴隷っスよ?!
結局、男は筋肉ある奴が勝つんだ!
いくら学歴や金があろうがなぁ!俺の筋肉の前じゃただのゴミなんだよ!」
ユキ
「駄目ぇ!もー我慢できない!太刀澤さまぁ!
ごほーし!ご奉仕させてくださいぃ!」
タクミ
「えあぁっ?!ゆゆ、ゆーちゃん!!?」
隼大
「ガハハ!いいぞメス犬!
おーら!本物の男のモノを拝ませてやる・・・」
(つづく)
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筋肉至上主義を掲げる党があるならば捧げたい、この心身
隼大は非常に優秀なトレーナーでパーソナル料金は1人1時間3万円
客に対しては穏やかな紳士なのだが筋肉を蔑むような輩にはご覧のとおり
くれぐれもマッチョの前で筋肉を愚弄してはいけません
やはり筋肉が貧弱を支配するのは自然の摂理で気持ちのよいものですね
マッチョなほど偉い「筋肉カースト」そろそろ形にしてゆきたい
つづきはもう少しお待ちを