生まれ替わる『魔法少女』の話
Added 2023-11-11 23:32:14 +0000 UTCとにかく、見たいものをたくさん詰め込みました。おじさんの身体に入ってる女の子はそれだけでエッチなんですよ。
今から1年ほど前。この世界には2つの大きな変化が訪れていた。
1つは、『怪人』と呼ばれる異形の存在が現れたこと。
何の前触れもなく世界各地に出現した彼らは人間離れした力と異能でもって街や人々を蹂躙すると、世界征服などという誰もが鼻で笑ってしまうような目的を――それが本当に実現してしまうのではないかと思わされるほどに大きな被害の跡と共に、声高々に宣言した。
そしてもう1つは、時同じくして彼ら『怪人』と対をなすように現れた『魔法少女』たちの存在だった。
年端も行かぬ少女の見た目をした彼女らは人の身でありながら、怪人と同様――それ以上の異能を行使し、怪人を撃退する姿が各地で目撃された。その強大な力を前にして人々は魔法少女の存在を畏れたものの、身を挺して市民を守り怪人と戦う姿を前に、次第にその存在は人類の味方、ヒーローとして次第に受け入れられていった。
そして今日もまた、魔法少女と怪人との熾烈な戦いがどこかで繰り広げられている――
***
とある郊外の街。人の気配が無い廃墟の一帯で、フリルに彩られたドレスのような衣装に身を包んだ、ピンクのロングツインテールの少女が何者かと対峙していた。
「ヒヒッ!なんだよ、組織は今までこんな雑魚相手に手こずってたのかぁ!? いや、オレが強すぎるだけなのかもなぁ、ギャハハハッ!!」
「はぁっ、はぁっ……!」
その少女、ローズグレイスは街とその周辺を守っている魔法少女である。煌めく宝玉が先端に装飾されたステッキを武器のように握りしめる彼女は全身が汗にまみれ、その顔には明らかな疲労の色が浮かんでいた。
対するは、両腕が鋭利な鎌のような形となっており、昆虫に似た外見を持つ異形の男。『振り下ろした鎌から斬撃を飛ばす』という単純な能力しか持ち合わせていない上に、その身体能力も、速さも、持つ力の全てが"本来の"ローズグレイスには遠く及ばない。しかし、そんな相手にすら"今の"彼女はとある理由により苦戦を強いられているのだ。
そんな事情など知る由もない怪人は、ぜえぜえと息が上がっているローズグレイスの元へ余裕の笑みと共ににじり寄っていく。
「さてさて、それじゃあお楽しみの時間とするか。 なあ、最初はどっから切り落としてほしいよ。耳?指?それとも贅沢にいきなり手足からイっちまうかぁ!? ヒヒッ、魔法少女は並みの人間よりタフだって聞くしな、なるべく気絶しないでオレのことを長く楽しませてくれよぉ……?」
「や、やだっ、来ないでください!近寄らないでぇっ!!」
「いいねぇ、そそる鳴き声を聞かせてくれるじゃねえか!あぁぁあっ!もう我慢できね――」
ローズグレイスまであと数歩の距離まで怪人が近づいた瞬間、彼が踏み出した足元の床から突如として光が発せられた。
「なっ、なんだぁっ!?」
異変に気付いてその場から離れようとした足が、光の中から現れた植物の蔓によって絡め捕られていく。薔薇のようにトゲを携えたそれは一気に怪人の全身へと絡みつき、食い込み、その身をぎゅうぎゅうと締め上げ続ける。
「な、なんだこれ、動けねぇ……!」
「ぜぇっ、はぁっ……まんまと油断しましたね……! ご自慢の武器があっても、腕自体が動かないのなら形無しでしょう」
「クソッ、卑怯だぞ!セコい罠なんか仕掛けやがって……!正義の魔法少女サマがこんな戦い方していいのかよ!?」
「っ……お言葉ですが、今はなりふり構っていられないんです!」
「ま、待てっ!やめ――」
ローズグレイスがステッキの先端を怪人の額に当てた瞬間、命乞いをしようとしていた彼の動きがピタリと静止する。やがてミチミチと音を立てながら全身が膨らんだかと思うと肉が裂け、その断面から植物の茎が次々と姿を現し――怪人だったソレは巨大な紅い薔薇へと姿を変えると、やがて花弁を散らしながら光となって消え去っていった。
「や、やった!なんとか倒せた……! あとは……ぜぇっ、帰還魔法を……!」
勝利の余韻を噛みしめる間もなく、彼女は汗だくになりながらもぎゅっとステッキを握り直す。力を込めると同時に全身が淡い光で包まれ――そうして彼女が行き着いた先は、どこか古臭さを感じるアパートの一室だった。
「ぜぇっ、ぜぇっ……うぅ、もう限界……。 っ……変身、解除……」
再度魔法を行使したことによって疲労が限界に達したローズグレイスが力ない声でそう呟くと、ステッキについた宝玉から溢れ出した光の粒子が彼女の全身を包み込み、やがて肉体そのものが白い光へと変化していく。
そのシルエットは初めこそローズグレイスのように優美な少女の姿をかたどっていたが……少しずつ、その形は別の物へと変わっていった。特徴的な長いツインテールが徐々に縮んでいき、先ほどよりも丸く大きくなった頭部の輪郭に収まるほどの長さまで短くなっていく。きゅっと引き締まっていたウエストがでっぷりと膨らんでいき、すらりと伸びた手足が短く太い形状へと変貌を遂げる。それらの変化が進むにつれて、まるで風船が膨らんでいくかのように全身がぶくぶくと体積を増していき――光が収まった時、ローズグレイスがいたその場所には肥え太った中年男が佇んでいた。
その身体は先ほどの戦闘による疲労や汗などを引き継いでおり、変身を解除した直後にむわっと漂い始めた自身の汗臭さや加齢臭に彼は顔をしかめる。
「うっ……! ぐすっ、うぅっ……どうして私がこんな目に……」
そう、この中年男こそが、今の魔法少女ローズグレイスの"正体"なのだ。
彼――否、『彼女』は、元々は変身後のローズグレイスと似通った容姿の少女だった。
皆川(みながわ)アヤカ。それが、彼女の本来の名前である。怪人が世界中に現れたその日に魔法少女の力と使命に目覚め、その正体を隠しながらも彼女が住む街とその一帯を守っていた。
転機が訪れたのは2週間ほど前、とある怪人を相手にした日のことだ。その実力自体は大したことのないものだったのだが、問題なのはその能力。『周囲1km圏内に存在する人間の魂を入れ替える』という、これまでに全く例が無い異質な能力を持っていたのだ。
そして、能力の発動時に変身していなかったアヤカは近隣に住む前田(まえだ)ヨシゾウという名の中年男と入れ替わってしまった。幸い、魔法少女としての力は魂に宿るものであったため、中年男の身体のまま変身して怪人を倒すことはできたのだが……問題はその後。怪人が倒されると同時に能力が解け、入れ替わった人々は無事元の身体に戻ることができたのだが、その瞬間にアヤカがローズグレイスへと変身していたせいなのか、2人の身体だけは元に戻らなかったのだ。
それから彼女が持つ魔法の力を使って試行錯誤し、なんとか元に戻ろうとはしているものの結果は振るわず。結局今日に至るまで解決策が見つからないまま、アヤカだった『彼』は仕方なくヨシゾウとして暮らしながら魔法少女の活動を続けていた。
「よりにもよって、なんでこんなおじさんなんかに……。はぁ、せめてもう少し若い、それこそ同級生の男子とかだったらちゃんと戦えてたのになぁ……」
シャワーを浴びるために汗でびっしょりと濡れたTシャツを脱ぎ、だらしなくたるんだ三段腹をつまみながらうんざりしたように呟く。彼が中年男の身体になってからというものの、慣れない男としての生活に苦労しているのもさることながら、魔法少女としての活動にまで支障が出てしまっていた。
魔法少女が用いる異能の力――魔法は、『魔力』と呼ばれる特別な力を消費して発現するのだが、問題なのはその源。変身元となる人間が持つ生命力がそのまま魔力の総量となるのだ。
以前のローズグレイスは少女の若い肉体が持つ満ち溢れた活力と才能によって強大な魔法を自由自在に操る、非常に強力な魔法少女として怪人から恐れられていた。だが今は加齢によって衰え始め、更には『ヨシゾウ』がこれまで送って来た自堕落な生活によって弛みに弛んだ中年の身体となってしまっていることで変身後の姿を維持することすら精一杯なほどに魔力が減退し、小規模な魔法を使うだけで多大な疲労を感じるまでに弱体化してしまっていた。
やがてヨシゾウはシャワーを浴び終えると、少しでも体力がマシになってくれればと思いながら栄養ドリンクを飲み干していく。一息つき、贅肉だらけの身体を少しでも引き締めるために筋トレでもしようと考えたが……先刻の戦闘による疲れでそれも叶わず。結局いつものように、のそのそとベッドに潜り込み、少しでも体力が回復してくれることを祈りながら眠りにつこうとした――そんな時だった。
「んぅ……?誰だろう、今日来る荷物なんて無いはずなのに……」
突如鳴り響いたインターホンの音で薄れつつあった意識が覚醒し、その巨体を引きずるようにしてのっそりとベッドから這い出ると玄関へと向かっていく。
ドアを開くと、そこには腰ほどまでに伸びた黒髪が特徴的な、制服姿の少女が立っていた。セーターの胸元を大胆に押し上げる豊満な乳房、そして短いスカートからすらりと伸びる美脚は男であれば誰もが魅了されてしまうであろうもので、どこか優し気な印象を受けるその顔立ちは誰もが"美少女"と形容するであろう整ったものである。
その少女――皆川アヤカはかつて自身のモノだった中年男の姿を目にすると、どこか悪辣さを感じられる笑みを浮かべながら口を開いた。
「久しぶりだなぁ、アヤカちゃん。おっさんとしての暮らしにはそろそろ慣れたか?」
「慣れるわけないじゃないですか……。 それより、一体どうしたんですか?私の身体がこんな場所に居るところなんかを誰かに見られたら――」
「まあいいじゃねえか、上がるぜ。……ははっ、なんか懐かしいな」
「ちょ、ちょっと!?」
アヤカはヨシゾウの脇をくぐると、ずかずかと勝手に部屋の中へ入っていく。ヨシゾウは慌てて部屋の外の様子を確認し、人が誰もいなかったことに胸を撫で下ろすとドアを閉めた。
入れ替わってしまってからというもの、彼らはお互いのフリをするために情報交換や連絡は頻繁に行っていたのだが、こうして直接顔を合わせるのは久方ぶりになる。というのも、初めの頃は直接会って話をしていたのだが、アヤカと2人きりで会っていた時――自身の胸を触ろうとした彼女を止めるために掴みかかっていたヨシゾウの姿をアヤカの友人に見られ、通報されてしまったことがあったのだ。
それからは直接会うことを避けていたということもあり、ヨシゾウはアヤカが突然訪ねてきたことに困惑していたのだが……久しぶりに目にするかつての自分の姿を前に、彼はどこか違和感を覚えていた。
(あれ?私……だよね?なのに、なんだろう。この胸がざわざわする感じ……)
テーブルの脇でだらしなく足を開いてあぐらをかいているアヤカの姿は、以前の彼女とは似ても似つかない所作や表情はさておき、肉体という観点だけで言えば少し前までヨシゾウが毎日鏡で見ていた『自分』そのものだ。
魔法少女の力は魂に宿るため、他人の魂が入っている今のアヤカはただの無害な少女でしかない。……そのはずなのだが、ヨシゾウはどこか本能めいた部分で妙な違和感を感じ取っていた。
「いつまで突っ立ってんだ?せっかく来てやったんだから茶でも出してくれよなぁ」
「い、いきなり押しかけてきておいて勝手なこと言わないでください!」
へらへらと笑うアヤカに対し、苛立ったヨシゾウが声を上げる。ほんの少し感じた違和感は気のせいだろうと判断し、アヤカに向かい合うようにして腰を下ろした。
「それで……一体何の用ですか? 実は先ほどまで怪人と戦っていまして、できれば早く休みたいのですが……」
「いやなに、大した用事じゃねえよ。 前に、なんとか魔法で元の身体に戻せないか~とかどうとか言ってたろ?それがどうなってんのか気になってな」
「ああ、その件でしたか。 実を言うとまだ上手くいっていなくて……。解決策が見つかればすぐにこちらから報告しますので、わざわざ来ていただかなくても大丈夫ですよ」
「ふーん……なるほどねぇ?そっかそっか、残念だなぁ」
上手くいっていないと聞いた瞬間にアヤカは分かりやすく顔を綻ばせる。それに気づいたヨシゾウは不安そうな面持ちで口を開いた。
「……それより、そちらの方は大丈夫なんですか?」
「大丈夫って、何が?」
「何って……ちゃんと"私"として暮らせているのか、ということです。先ほどから話し方や座り方なんかを見ていると少し不安になって……」
「ああなんだ、そんな話ね。 ……大丈夫ですよ~?ほらぁ、見てください。うふっ、どっからどう見ても、私は『皆川アヤカ』でしょう? アナタに心配されるまでもありませんよ、お・じ・さん♪」
アヤカは立ち上がると、自身の身体を見せつけるようにその場でくるりと回ってみせた。短いスカートがふわりと浮かび上がるとショーツに包まれたのっぺりとした股間が露わになり、動きに合わせてたわわに実ったおっぱいがたゆんと揺れ動く。動きを止めたアヤカはその可愛らしい顔に挑発的な笑みを浮かべ……『男』であれば誰もが魅了されるであろう光景を前に、ヨシゾウは怒りを露わにしていた。
「っ……私はそんなわざとらしい喋り方なんてしてません!こちらは真面目に心配してるのに……ふざけないでください!!」
「はははっ、ふざけんなっつったって事実だしなぁ。今言った通り俺はお前として、誰にも怪しまれずに上手くやれてるよ。 ……むしろ、『今のアヤカの方が好き~っ♡』なんてお友達から言われてるくらいだぜ?」
「なっ……!?ど、どういう、ことですか……?」
「アヤカちゃん、随分と薄情だったみたいだなぁ。1年くらい前……多分、魔法少女になってからは親友からの遊びの誘いを全部断ってたんだろ?俺の方から誘っただけで涙目になるほど感激しちまって――」
「も、もしかしてミサに手を出したんですか!?ひどい、勝手なことはしないって約束したのに……!」
「おいおい、俺はただ友達を遊びに誘っただけだぜ? むしろ酷いのはアヤカちゃんの方だろうよ。ミサちゃん、嫌われたのかと思ったなんて言って泣きついてきてさぁ……くひっ♡むしろ仲直りしてやった俺に感謝してほしいくらいだけどなぁ?」
「そ、それは……でもっ……!」
ぎりっと歯噛みするヨシゾウだったが、彼はそれ以上強く出ることはできなかった。それはアヤカが言ったことが詭弁ではあるものの事実だということに加え、『彼女』が魔法少女と怪人との戦いに巻き込まれた一般人……謂わば"被害者"であるが故の対応だった。責任感が強く生真面目なヨシゾウはそういった事情もあり、アヤカを強く咎めることができなかったのだ。
そうして彼はこれまでもアヤカに対して監視もつけず、ただ通話やメッセージで連絡を取り合うだけに留まり――その選択の結果が今から彼の全てを奪うことになるとは、この時のヨシゾウは知る由も無かった。
「ま、んな話はどうでもいいんだよ。 それよりも……ひひっ、今日はアヤカちゃんにお礼をしに来たんだよなぁ」
アヤカは悔しそうにふるふると身を震わせるヨシゾウに視線を向けたかと思うと、にひっと楽し気に嗤いながら彼の横へと腰を下ろした。
「えっ……お、お礼って一体何の……」
「何って、決まってんだろ?いつも俺たちの平和を守ってくれてる魔法少女サマへのお礼だよ♡ アヤカちゃんの……いや、俺のエロいカラダとテクでもって、そのカラダを癒してやろうと思ってなぁ♡んっ……」
「むぐぅっ!?」
アヤカは唇をヨシゾウの口元へと押し付け、その舌を強引に口内へと捩じ込んでいった。ヨシゾウは咄嗟のことに驚き、彼女を突き飛ばそうとするが――どういうわけなのか、全身が彼の意思から離れてしまったかのようにピクリとも動かない。目を白黒とさせて驚くヨシゾウの様子を楽しむかのように見つめながら、アヤカはちゅぱっ……じゅるっ……と水音を立てながら自身の唾液を流し込んでいく。ヨシゾウは口内を満たす蜜にも似たその液体を反射的に呑み込んでいき……ごくり、ごくりと嚥下の音が鳴り響くごとに、少しずつ彼の中の何かが変質していくようだった
そして、しばらく口づけを続けた後にゆっくりと口を離すと、僅かに泡立った二人の舌を繋いだ銀の橋がつーっと伸びていった。そうして唇が離れた瞬間、どうやらヨシゾウの全身にようやく力が戻ったようで、困惑で顔を歪ませながらも後ずさっていく。
「っ……!ひ、ひどいっ、いきなり何するんですか!?私の初めてだったの、に…………?」
キッとアヤカを睨みつけながら怒りの言葉を口にするヨシゾウだったが――その視線の先にあった光景に目を奪われ、思わず言葉を詰まらせてしまう。
ヨシゾウの視界に映ったのは、彼がこれまで見たこともないと思うほどに可憐な少女の姿だった。大きくぱっちりとした円らな瞳に、長い睫毛が印象的で綺麗な二重瞼。顔にかかる黒い髪とそれを押し退ける白い頬は上気しほんのりと赤く染まり、桜色のふっくらとした唇は唾液が光を反射し艶めかしく濡れ光っていた。
それはどこからどう見ても『絶世の美少女』の姿で――そして、彼がかつて飽きるほどに目にしていた『皆川アヤカ』の姿でもあった。そんな『自分』であるはずの相手を無意識の内にそう形容してしまったことを自覚したヨシゾウは、慌てて彼女から目を逸らす。
「まあまあ、んなことはいいじゃねえか。 それに……くひっ♡俺とのディープキス、お前も感じてくれたろ?その証拠に……ほれっ♡」
「きゃあっ!?」
その隙を見て、アヤカの手によって勢いよくズボンがずり降ろされる。その反動でぶるっと弾みながら露わになった彼のペニスは大きくそそり勃ち、彼自身の興奮の度合いを反映しているかのようだった。
「はははっ、思った通りだ!魂が女のまんまでも、男の肉体の方は我慢できないみてえだなぁ♡」
「な、何を言ってるんですか!?ふざけるのも大概にしてくださいっ!!」
「だから、ふざけてなんてねえって。 言ったろ?俺のカラダを使ってアヤカちゃんにご褒美をやるだけだっての♡」
「あっ……うあっ、あぁぁ……っ!?♡♡」
「あなたのじゃなくて、私の身体です!」という反論は言葉にはならず、代わりに恍惚の呻きだけがヨシゾウの喉から漏れ出る。声を上げようとした瞬間に、アヤカが上着とブラウスを脱いで下着姿を露わにしたからだ。
可愛らしいレースのブラジャーに押し込められた豊満な乳房を前にして、ヨシゾウは無意識のうちに鼻の下を伸ばしてだらしないニヤけた笑みを浮かべる。しかし、その内に宿る『アヤカ』だった魂はそんな自身の状態に戸惑いを見せていた。自分の意思や感情を無視して、まるで肉体そのものが自我を持って目の前の少女に欲情しているかのような、そんな感覚を前に。
「ひひっ、よかったなぁ、『俺』♡ こんなエロい女子高生に逆レされるなんてよぉ♡」
「ち、違うっ、こんなの絶対におかしい……! ヨシゾウさん、あなた一体何をしたんですか……!?」
「ん?流石に勘付いたか。まあ、気付いたところでとっくに手遅れなんだけどなぁ、くひひっ♡」
「何を……う、あぁぁっ……!?♡」
プチっ、という音と共にブラのホックが外される。その瞬間、今まで押さえつけられていた爆乳がぶるんっと大きく弾みながら解放され、同時に濃厚な雌の香りを放ち始める。
目の前の美少女の誘うような淫らな表情、そして『ヨシゾウ』がこれまでAV以外で目にしたことが無かった本物の乳房を前にして彼はたまらず生唾を飲み込む。再び、彼の身体はそこに宿った魂の意思を無視して動きを止めてしまった。
「面白えなぁ。今のアヤカちゃん、どっからどう見ても美少女の裸に興奮してるスケベオヤジそのまんまだぜ? ほら、正直に言ってみろよ。俺のこのデカパイでその汚ったねえチンコをシゴいて欲しいんだろ?」
「ふ、ふざけたこと言わないでください!私はそんなこと一度だって考えたこと――」
「そんなら、このガチガチに勃起したチンコはどう説明してくれるんだ?なあ?」
「ほお゛ぉぉっ!?♡♡」
ずちゅっ♡と水音を鳴らしながら、アヤカの豊満な乳房の谷間がヨシゾウのいきり勃った肉棒を咥え込んでしまう。同時に聞くに堪えない野太い嬌声が上がり、ヨシゾウは陰茎から伝わる快感に身を捩じらせる。
「くひひっ♡分かっただろ?今のお前はもう女子高生のアヤカちゃんじゃねえ、エロい巨乳を見てどうしようもなく興奮しちまうただの中年のおっさんなんだよ♡ そのことをちゃーんと自覚するんだな。そうすりゃお前を天国に連れてってやるから……よおっ♡♡」
「お゛っっ♡♡おほぉ゛っ!?♡♡ や、やらっ♡♡♡やめっ♡やめてくださっ……ん゛あぁぁっ♡♡♡♡」
ペニスを挟んだ乳房が抱え上げられ――勢いよく叩き落とされる。ぱんっ、ぱんっと激しい音を立てながら繰り返されるピストン運動によって肉棒が扱かれていき、その度にヨシゾウの口からは裏返った声が吐き出される。
(こんなの嫌なのに、私の身体で勝手にこんな卑猥なことをされて、絶対に止めなきゃいけない……のにぃっ……!)
アヤカはかつて、自身のその大きすぎる乳房の存在を嫌悪していた。同じ高校に通っている男子生徒のみならず、見知らぬ他人にまで不快で無遠慮な視線を向けられる。加えて不必要なまでに大きく、重く、日常のちょっとした動作すら邪魔をして、そんな鬱陶しさもあり魔法少女としての姿は本来の自分の肉体とは対照的に、少しの膨らみすら感じられないような大きさに調整してまで変身していた程であった。しかし――
(私の……自分のおっぱいで擦られてるだけなのに……♡♡どうしてこんなに気持ちいいのぉっ!?♡♡♡♡)
ヨシゾウの肉体に囚われたアヤカの魂はいまや、かつて彼女のモノだったはずの豊満な乳房の虜となってしまっていた。
ずちっ♡ぱちゅんっ♡と子気味良く奏でられる淫らな破裂音が。それと共に絶え間なく揺れ動く巨大な乳肉の塊が。自分のモノだとは思いたくなかった肉棒が柔らかな肉毬に包まれ、擦られることで伝わってくる男の身体の暴力的なまでに強烈な快感が。そして……その奥で自らの胸を鷲掴みにしながら淫靡な色を浮かべる『アヤカ』の煽情的な表情が。
その全てが『ヨシゾウ』の脳髄を刺激し、反射的に生成された性欲が男性器を刺激して、逆流した多幸感がアヤカだった魂を犯し、男に染め上げていく。生まれ持った身体の性感すら知らなかった純粋な少女の魂が、肉欲が染み着いた男の肉体に少しずつ侵食されていく。
「ふぐっ……♡♡うお゛ぉぉっ!?♡♡♡♡お゛っ♡♡おひっ♡♡ほひいぃ゛ぃっっ♡♡♡」
「はははっ、イイ顔になってきたなぁ♡ アヤカちゃんもそろそろ、男のカラダの良さが分かってきたんじゃねえか?」
「っ……!そ、そんなの分かりたくありません……!うぐぅっ♡♡ お、お願いですからっ♡♡こんなことはもう、やめてください……っ♡♡」
「……ふーん? ま、そこまで言うんなら仕方ねえな。お望み通り……やめてやるよ♡」
「うぁっ……えっ!?ど、どうして…………」
ヨシゾウの必死の懇願を聞いたアヤカは満足げな笑みを浮かべたかと思うと、乳房を上下させていた腕の動きをピタリと止めてしまう。それは間違いなくヨシゾウが望んだことではあったのだが――彼はパイズリが中断されてしまったことに対し、半ば無意識に落胆の声を漏らしてしまっていた。
それを目にしたアヤカはニヤリと微笑むと、肉棒を挟み込んでいた上体をぐいっと前へ倒してヨシゾウの眼前で甘く囁く。
「おいおい、なに残念そうなカオしてんだぁ?なあ、やめてほしかったんだろ?」
「そ、それはそうです……けど……」
「けど、なんだ? 正直に言ってくれたら、この続きをシてやってもいいんだけどなぁ♡」
「うっ……うぅぅっ……!」
言葉と同時に、ぐにぃっ♡という感触と共にアヤカの爆乳がヨシゾウの胸元へと押し付けられる。その乳房が自分の物だった時には感じようもなかった柔らかで魅惑的な感触に彼の身体は興奮を加速させ、それに促されるようにして彼の中にある少女の心までもが男の性欲に流されていく。
そうして――肉体が強烈に伝えてくる性欲を前にもはや本来の自分の意思すら分からなくなってしまった男は、野太く必死な声で懇願の悲鳴をあげた。
「っ……や、やめないでくださいっ!!」
「やめるなって、何をやめないでほしいんだ?ちゃんと言葉にしてくれないと分かんねえんだけどなぁ」
「さっきみたいに……お、おっぱいでっ!おっぱいで私のおちんちんを擦って欲しいんです! こ、ここでやめられちゃったままだと、もうおかしくなりそうで……!」
その行為……パイズリも、そしてそれによって射精に至ることすらヨシゾウは知らなかったのだが、彼は半ば無意識の内のその"続き"をねだっていた。彼の肉体はそこに宿ったアヤカの魂による制御を離れ、その魂の意思と思考を無理矢理に捻じ曲げることで射精の快楽を貪ろうとしていたのだ。
しかし、彼がその事実に気づく手段も余裕も既に残されておらず、ヨシゾウはひたすらに感じる射精欲こそが自身の唯一の望みだと信じ込んでかつての自分に懇願を続ける。
「ひひっ♡そんなにアヤカちゃんはチンポを気持ちよくしてほしいんだな?」
「は、はいっ!そうですっ!」
「もう自分が女子高生じゃねえ、ただの中年のおっさん……自分のだったこのデカパイでシゴかれたがる変態オヤジだって、そう認めるんだな?」
「っ……み、認めるッ!認めますからっ!だから早く――」
「おいおい、嘘はいけねえなぁ」
アヤカは見透かすような妖しい目つきでヨシゾウをじっと見つめると、意地の悪い笑みを浮かべながら上体を起こした。同時に彼女の豊満な乳房がふるふると揺れ動き、その光景に釘付けになったヨシゾウの喉が無意識の内にゴクリと鳴る。
「心のどっかではまだ思ってんだろ?自分が本当は女……皆川アヤカだって。そのせいで魂が完全に男に成りきってないんだよなぁ。だから……宣言しろ」
「宣言って、何を……」
「難しいことじゃねえ、言葉にするだけだ。自分が男だって、『前田ヨシゾウ』だってことを心の底からな。もちろん、さっきみたいに嘘は通用しないぜ?」
「い、言うわけないじゃないですか、そんな……あひぃっ゛!?♡」
言葉を遮るようにして、アヤカの右手の細長い指先がヨシゾウのでっぷりとした内腿をさすっと撫で上げられ、寸止め状態で感覚が過敏になっていた彼の太い喘ぎ声が短く響く。
その右手は未だ大きくそそり勃っている肉棒に触れそうなほどまでに近づけられ、アヤカは空いた手で誘惑するように自身の乳房をたぷたぷと揺らしてみせた。
「……くふっ♡ほらほらぁ、私のこのおっきなおっぱいで♡さっきみたいに気持ちよくなりたいですよね♡射精したいですよね♡」
「ま、また私の真似をして変なことを……う、うぅぅっ♡♡」
わざとらしい猫撫で声で誘うアヤカに不満げな言葉を零すヨシゾウだったが、その誘惑によって彼の肉体はどうしようもないほどに興奮してしまっていた。『ヨシゾウ』の人生に無縁だった美少女が奏でるその声に。男の情欲を煽る淫猥な言葉に。そしてなにより、その欲望を今まさに叶えんとしてくれる魅惑の双丘に。
「だったら、何も考えることなんてないじゃないですかぁ♡ただ、自分が"男"だっていう当たり前のことを認めてくれるだけでいいんですよ?そうするだけで……さっきよりもずーっと、気持ちよくなれるんですから♡」
「ふっ、ふぐぅぅっ♡♡ふっ♡ふっ、ふぅうっ♡♡」
敏感になった亀頭をほんの一瞬だけピンとつつかれ、刹那の快感によって思考が吹き飛び何も考えられなくなってしまう。その様子を見たアヤカはもはや言葉は不要、とばかりに微笑みと共に口を噤み、静かになった部屋にはヨシゾウの荒い吐息だけが響いていた。
「……かりました、男だって認めます……だから……」
「なんですか?聞こえませんねぇ♡しっかり言ってくれないと――」
「わっ、私は!!わ、私は男っ!男です!!もう皆川アヤカじゃない……前田ヨシゾウだって、認めますからぁっ!!だからお願いします、早くっ!はやくぅ……っ!♡」
「……よくできました♡」
ヨシゾウがそう叫んだ瞬間。……心の底から"自分が男である"ということを認め、受け入れてしまった瞬間。彼の内に宿ったアヤカの魂には明確な変化が起きていた。自分がアヤカであったという自意識を手放してしまったが故に、彼女としての形を保てなくなっていく。その代わりに、これから与えられるであろう"男の快楽"を最大限に享受するために、魂が身体に相応しい形へと造り替わっていく。もはやその魂の形はアヤカだった名残が微塵も感じられない弛んだ中年男性の姿へと変わり果て……その一部始終をその目で"視て"いたアヤカは邪な笑みを浮かべていた。
「ひひっ、それじゃあお望み通り、俺のこのデカ乳でたっぷりシゴいてやるよ♡ 最初で最期になる射精の味、存分に噛みしめるんだなぁ♡」
「あぁぁっ♡ありがとうございます……んお゛お゛ぉぉっっっ!♡♡♡♡」
構え直された両乳が再び肉棒の先端へと宛がわれ――どちゅんっ♡と勢いよく乳房が打ちつけられると同時にヨシゾウは野太い嬌声を上げて大きく身体を仰け反らせた。
「気色の悪い声で喘ぎまくって、馬鹿みたいなアヘ顔晒しちまってよぉ♡ くひひっ、魔法少女よりもド変態のおっさんとして生きてく方が向いてたみてえだな♡」
「お゛っ♡おぉっ♡お゛っ♡お゛ほぉぉっ♡♡♡」
もはやアヤカの煽りに言い返すことすらせず、ヨシゾウは緩み切った顔でただひたすらにパイズリの快感に身悶えしながら醜い嬌声を上げ続ける。男としての欲望を受け入れ、望み、今や自ら求めてしまっている彼の姿は快楽に溺れた中年男そのものだった。
そして、既に射精寸前だった彼の身体が極上の愛撫を耐えきれるはずもなく――やがて、その終わりを迎えようとしていた。
「お゛っ、お゛あぁぁっ!?♡♡♡や、やだっ♡♡出るっ♡♡出ちゃうぅっ♡♡♡♡おちんちんから、何か……う゛ぅぅううっ♡♡♡♡」
「くひっ♡もうイきそうなんだな? いいぜ、出せっ♡出しちまえ♡♡ とっとと全部出してっ、身も心も男になれぇっ♡♡」
「あぎぃい゛っ♡♡だ、だめっ♡♡♡出ちゃっ…………んほお゛ぉぉおおお゛お゛お゛っ♡♡♡♡」
とどめと言わんばかりに与えられた搾り取るような乳圧に、とうとう限界を迎えたヨシゾウの肉棒から勢いよく白濁が噴き出ていった。びゅぐっ♡びゅるるるるっ♡♡と凄まじい勢いで噴出された精液が、アヤカの顔や乳房を汚していく。今まで感じたこともないような快楽が男根から全身を駆け巡り、そのあまりの刺激にぱちぱちと視界が明滅してしまう。
ほんの数秒、しかし彼にとって永遠にすら思えるほどの長い射精を終えた頃、ヨシゾウは恍惚の吐息を漏らしながらぐったりと項垂れていた。
「はぁっ……♡はぁっ……♡」
「ははっ、遠慮なくぶっかけてくれたなあ♡俺がその身体だった時でも、ここまでの量は中々無かったぜ?」
「ぜぇっ……す、すみません、変なものをかけてしまって…………えっ?」
ヨシゾウに射精の経験はなくとも、自身が出してしまった何かでアヤカの全身を汚してしまったことは自覚しており……謝罪しようと顔を上げて目に入った光景に彼は困惑していた。
そこに居たのは、明らかに先ほどとは姿形が異なるアヤカの姿だった。臀部から伸びる、まるで悪魔か何かを想起させられるような長く伸びた尻尾。背中から生えた、蝙蝠のような漆黒の翼。そして、艶めいた髪を押し上げてこめかみから生える角。明らかにただの人間だと形容できないかつての自分の姿を前にして、興奮で火照り切っていたヨシゾウの身体から一気に血の気が引いていく。
「あ、あなたっ……その姿は……!?」
「ん?……ああ、精液の匂いで擬態が解けちまってるな。 ま、今さら隠す必要もねえか」
「擬態って……。それに、この気配……!ま、まさか怪人に――」
「おっと、動くなよ」
「えっ!?」
アヤカがそう口にした瞬間、立ち上がってステッキに手を伸ばそうとしていたヨシゾウの全身がピタリと動きを止めてしまう。
「よしよし、完全に男に染まってくれてるみたいだな」
「な、なにこれ、身体が動かない……?い、一体どういうことなんですか!?」
「どういうこと、ね? ……ま、時間もたっぷりあることだしな、冥途の土産に教えてやるとするか」
「きゃあっ!?」
ピクリとも動けないヨシゾウを蹴り飛ばし、彼が掴もうとしていたステッキを手に取るアヤカ。這いつくばることしかできない中年男の姿を、アヤカはニヤニヤとしながら見下ろしていた。
「3日くらい前だったなぁ。街で歩いてた時にエロい姉ちゃんに声を掛けられたんだよ。 んで、たまには大人相手にヤるのもいいかもなんて思ってついてったら……ははっ!そいつがなんと、怪人組織の幹部サマだったんだよなぁ」
「怪人組織って……そ、それじゃあ……」
「そ、お察しの通り、このカラダはそこで怪人として生まれ変わったってわけだ。 随分と驚かれたぜ?アヤカちゃんの肉体、怪人としての素質も相当あったみたいで……ま、それも含めて今は全部俺のモンなんだけどなぁ、くひひっ」
「ひどい、私のカラダを勝手に……ぐえっ!?」
脂肪で膨れた横腹を蹴り上げられると同時に、ヨシゾウは潰れたカエルのような悲鳴をあげて悶絶する。彼の苦痛の声もお構いなしに、アヤカは邪悪な笑みを浮かべながら言葉を続けていった。
「だからぁ、今は俺のカラダなんだっての♪ すげえんだぜ?人間だった頃とは比べ物にならない身体能力に加えて……おい、いつまでもうずくまってねえでピシッと立ち上がってみせろよ」
「なっ……か、身体が勝手に……!?」
涙目になりながらうずくまっていたヨシゾウの身体が、その言葉に従うように突如として身体を起こす。しかし、その行動は彼の意図しないものだったらしく、困惑の様相を浮かべたままアヤカのことを見つめていた。
「……と、まあこんな風に『男の魂と肉体を操る』って能力が手に入ったのさ。怪人の能力ってのは肉体に備わった素質に起因してるらしくてなぁ、アヤカちゃんは根っからのビッチだったってわけだ♡」
「そんな…………」
ケラケラと高笑いするアヤカを前に、ヨシゾウは『自分』だった身体を奪われ、更には怪人の身に堕とされてしまっていた絶望でがっくりと項垂れる。……しかし、やがて覚悟を決めたように再びその瞳に光が戻っていった。
「……そうですか。もう私に打つ手は残されていないようですね……。 ですが、それはあなたも同じです」
「はぁ?」
「あなたの能力は男性にしか作用しない……つまり、女性である魔法少女相手にはまるで無力だということです! いくら素の力が強かったとしても、魔法に太刀打ちできるはずありません。 そうなれば、他の魔法少女がきっとあなたを……!」
そう、例えここで自分が倒されたとしても、自分以外の魔法少女がこの『怪人』を倒し、これまで自分が守ってきたものを代わりに守ってくれるはずだと。自身の最期を悟りながらもそんな希望を胸にする。しかし――
「確かに、このままじゃあ他の奴らにヤられちまうかもしれねえなあ?いやあ、困った困った♡」
「っ……笑っていられるのも今の内です!私が、ローズグレイスがいなくなったと知られればすぐに他の魔法少女が――えっ?」
ずりゅんっ、と。アヤカを睨みつけていたヨシゾウの身体から半透明の何かが這い出ていく。それはその肉体に宿った魂――『前田ヨシゾウ』の魂で、本来はアヤカであったはずのその姿は身体と同じ、肥え太った中年男そのものとなっていた。
「へえ、こうなんのか。すっかり魂までおっさんになっちまったみてえだなあ、アヤカちゃん♪」
「なっ……な、何が起こってるんですか!?どうして身体が幽霊みたいに……」
「『男の"魂"と肉体を操る』能力だって、さっき教えてやったろ?魂までおっさんになっちまったアヤカちゃんの魂はもう、こんな感じで俺の意のままに操れるんだよ」
「で、でもっ、私は本当は女で……!」
「何言ってんだ?さっき自分ではっきり言ってたじゃねえか、『自分は男だ』ってよ。 こうなるかは賭けだったが……ひひっ♡わざわざ汚いおっさんにパイズリしてやったかいがあったなぁ♡」
「ち、違います……!私は……私は…………」
中年男の姿のまま、絶望で頭を抱えるアヤカだった魂。アヤカはそんなかつての自分の姿を前に悪辣な笑みを浮かべ――やがて、その瞳が妖しく光った。
「う、うあぁぁっ……!? う、嘘ッ!?これは、まさか……!?」
「くひひっ♪それじゃあ、もうお前には不釣り合いなそれを譲り渡してもらうぜ……!」
その輝きに呼応するかのようにヨシゾウの魂が光を帯び、それはやがて小さな丸い形へ収束していったかと思うとアヤカの方へ向かっていく。彼の魂から引き剥がされたそれは、ヨシゾウの魂に唯一残されていた『アヤカ』だった名残、魔法少女としての力そのものだった。
遠ざかっていくその光を取り返そうとするも、アヤカに掌握されたその魂は腕を伸ばすことすら許されない。アヤカという怪人に魔法少女の力すら奪われてしまう光景を、ヨシゾウはただ愕然と見続けることしかできなかった。
その光はアヤカの肉体へと取り込まれ、同時に彼女のはふるっと嬉しそうに身を震わせる。そして何かを探るように目を閉じ――やがてニヤリと口角を上げたかと思うと、再びその目を開いた。
「……なるほどな?こうやって使うのか。 さて、丁度手元にステッキもあることだし試運転といくかな。"変身"っと」
「い、いやっ!そんな…………!」
アヤカがそれとなく呟いた瞬間、ステッキについた宝玉から溢れ出した光の粒子が彼女の全身を包み込み、やがて肉体そのものが白い光へと変化していく。
着ていた制服のシルエットが、徐々にフリルや装飾の目立つ派手なドレスへと変わっていく。ストレートに伸びていた長い髪が、左右に別れた特徴的なツインテールとなっていく。
次第にその眩い光は収まり――やがてそこには、煽情的な衣装に身を包むアヤカによく似た容姿の美少女が現れた。しかしその身体には禍々しい角や翼、尻尾などといった怪人としての特徴が残されており、鮮やかなピンクだった髪は黒みがかった血のような色に染まっている。彼女はそんな自身の身体をまじまじと眺めたかと思うと、その端正な顔に邪悪な笑みを浮かべた。
「すげえ、これが魔法少女の、ローズグレイスの力……!くひひっ、もう誰が相手になろうが敵にすらならねえ、この素晴らしい力とカラダがこれからは俺のモンなんだ……!」
「違う……それはみんなを守るための力ですっ! お願いですから、全部、全部返してください……」
「ん?ああ、そういやまだお前がいたんだっけか」
「ふぐぅっ!?」
必死に声を上げるヨシゾウの姿を一瞥すると同時に、彼の魂はぐいっと身体に吸い込まれていく。浮遊していた魂だけの姿から重たく疲労の溜まった肉体に押し込められ、その感覚に堪らず呻き声をあげる。
ヨシゾウは膝立ちになりながらもはぁはぁと息を整え――ローズグレイスはそんな彼の無様な姿を見下ろすと、その額にステッキを向けた。
「それじゃ、前の自分にサヨナラといくか。別に無害なおっさん一人生かしてやってもいいが、万が一でも身体が戻ったら最悪だしなぁ」
「ひっ……!?い、いやぁっ!!やめてくださ――」
「じゃあな、『俺』♡」
命乞いをする間もなく、額へとステッキの先端が押し当てられ――
自分だったはずの少女が、自分が今までしたことがない厭らしい笑みを浮かべている姿。それがヨシゾウの最期に見た光景となった。
Comments
ありがとうございます! おじさんの身体に入ってる女の子の魂も、女の子の魂が宿ってるおじさんの身体も、どちらも芸術的なまでに可愛くてエッチですよね……! 地の文の名前を徹底的に身体表記にするのは書いてる時にすごく気持ちよくなれるアレなので、読んでる方にもしっかり楽しんでいただけて何よりです😌
メス牡蠣
2023-11-13 13:01:52 +0000 UTCヨシゾウちゃんかわいいね…… 汚らわしい男の肉体にぶち込まれた無垢な少女の魂の、肉体と魂が織りなす不協和音はもはや芸術物ですよ。おちん〇んを刺激されることで自分から男であることを認めちゃうヨシゾウちゃんが良いですね。自分では女の子のつもりなのに女に性欲を抱くおじさんでしかないんだって事が露呈しちゃうの、どうしようもなく残酷で素敵……。地の文で徹底してヨシゾウって表記されるのも可哀想で可愛いです。
飛龍
2023-11-12 11:03:31 +0000 UTC