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メス牡蠣

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憑依中毒

ダークにしようとしてダークにならなかった感じのゆるい憑依モノです。少しずつ侵食されてく系のやつ。

憑依中毒

「ふーん♪ふふーん、ふふふん♪ ふふんふふーんっ♪」

『ん……やっと終わったのか。今日はまた随分と長風呂だったんだな』


長い黒髪に纏わりついた水気をタオルで拭いながらどこか調子の外れた鼻歌を口ずさむ全裸の少女に声を掛ける。当然その声が彼女に届くはずもなく、少女は下手くそな鼻歌を続けながらタオルで髪を包み、やがてその音色が止まったかと思うとゴクリと生唾を飲み込み、部屋の隅っこに置かれている体重計へと向かっていった。


「……えっ、なんで!?ちゃんとウォーキングも続けてるのに、そんなぁ…………」


そこには1週間前に測った時より0.2キロほど増加している数字が映し出されていた。俺にとっては誤差程度にしか思えないのだがこの娘にとっては深刻な問題らしく、泣きそうな顔をしながら視線を鏡に向け、柔らかそうなお腹をぷにぷにと摘まんでいる。


「うぅ、やっぱり太ったよね……? 腹筋とかもした方がいいのかも……」

『太ったってよりは胸がデカくなったんじゃないか? 今朝だって着替える時キツそうにしてたろ』


なんて軽口を叩きながら彼女の豊満な胸を鷲掴んで……その手がスカッとすり抜ける感覚に虚しさが込み上げてくる。

そして、いきなり胸を揉まれそうになったというのにこの娘は全く気にしていない様子で、どんよりとした表情のまま体重計から離れていった。


『はぁ……。せめて触れたりとか、それこそポルターガイストでも起こせてたら少しは楽しめたんだろうが……』


溜め息をつき、先ほど彼女に触れようとしていた手のひらをじっと見つめる。その手はうっすらと透けていて、生身の人間にはその姿を目にすることも、存在を感じることすらできない。


よくあるホラー映画みたいに人を呪ったり霊障を起こしたり……なんてことは全くできない、マンションの一室に縛り付けられた無力で無害な地縛霊。それが今の俺だった。




***




俺がこうなってしまった原因は3ヶ月ほど前に遡る。

生前、俺は所謂ブラック企業であくせくと働いていた。と言っても当時はブラックだなんて認識は無く、睡眠時間が2時間取れればマシというその生活が当たり前なのだと思い込んでいて、恐らく鬱病かなんかになっていて正常に思考できなくなっていた脳みそから解放された今ようやくそれが異常だったんだと認識できただけなんだろうが。

とにかく、そんな生活を続けていた内に俺の肉体にはガタが来ていたようで、ある朝ポックリと息を引き取り……そしてどういうわけなのか、こうして幽霊の姿になっていたというわけだ。

しかし前述の通り何に干渉をすることもできず、おまけにこの部屋から出ようとしても見えない壁のような何かに阻まれて外に出ることもできない。死ぬほどの労働地獄から解放されたのはいいものの、今度はいつ成仏できるのかも分からないまま続いていく暇すぎる時間に苦しめられることになってしまった。


そんな状況の中、3週間くらい前にこの女子大生――上村柚葉(うえむら ゆずは)が越してきた時はそれはもう有頂天だった。それまでは妄想をするか天井のシミを見るくらいしか娯楽が無かった空間に美少女がやって来て、しかもここで暮らしてくれるというのだから。着替えとか風呂とか、なんなら恥ずかしいオナニー姿なんかまで見せてくれるのではないかと、それはもう興奮しまくったものだ。

……とは言ってもそんな風にはしゃげていたのは初めの1週間くらいで、今は前よりもマシというくらいの感想に落ち着いている。柚葉ちゃんの裸なんかが見放題ではあるものの、幽霊になって肉体が無くなっているせいなのか全くムラムラしない……性欲を感じられなくなってしまっていたのだ。


それでも、美少女の裸なんて今までの人生でそう見れるものではなかったから良質な"娯楽"としては楽しめていたが、当然それも飽きが来てくる。

最近はもうわざわざ風呂を覗きに行くなんてことも億劫になり、もっぱら"こっち"の方が楽しみになっていた。


「――んっ、ふわぁぁぁっ……。 もう寝ちゃおうかな、ちょうどいい区切りだし……」

『は!? むしろこっからがいいところだろ、気にならないのか!? ……ああ、クソッ』


必死になって訴えかけたが当然その声が届くはずもなく、柚葉ちゃんは大きく伸びをしてから本を閉じるとふらふらとベッドに向かっていく。


こうして本を読むこと、彼女の日課である読書の時間こそが今の俺にとっての最上の楽しみだった。

文学部に通っている彼女は根っからの読書家だったらしく、テレビやネットなんかをほとんど見ずに小難しい小説ばかり読み耽る柚葉ちゃんのことを当初はハズレだと思っていた。というわけで仕方なしに、他に暇を潰せるものも無いからと彼女が読んでいる本を後ろから眺めていたのだが……彼女のチョイスが俺の好みに合っていたのか存外面白く、今ではこの読書の時間を心待ちにしているほどだった。


『続きはまた明日までお預けだな。 にしても、『憑依』ねえ……』


ベッドに潜り込むなり直ぐにすうすうと寝息を立て始めた柚葉ちゃんの可愛らしい姿を眺めつつ、先ほど読んでいたホラー物の小説の内容を思い返す。それには無力な俺とは違い霊障なんかを起こせて人を呪い殺したりだとか好き放題してる悪霊が登場していたのだが、劇中でそいつは生きた人間の身体に入り込み、意のままに操ってみせたのだ。

もちろんただのフィクションでしかないんだろうが、同じく幽霊になっている俺としてはそれを他人事だとは思えなかった。


『もしかしたら俺にもその『憑依』が……例えばそこで寝てる柚葉ちゃんの身体に入ることなんかができるんじゃないか?』


我ながら荒唐無稽なアイデアではあったが、同時にそれが実現することを想像するとゾクゾクとした仄暗い高揚感が込み上げてくる。

睡眠欲、食欲、性欲といった三大欲求を感じることも満たすこともできず、暇を潰すにも生きた人間である柚葉ちゃんの行動を待つしかなかった不便で退屈極まりない地縛霊としての日々。だが……もしもこの娘の身体に入って自由に動かせることができたとすればそれともオサラバ。なんならこの娘の身体を使って、第二の人生を自由気ままに謳歌することだってできるのではないだろうか。


『んー、でもなあ…………いいや、物は試しだ。とりあえずやっちまうか。 ははっ、相変わらず幸せそうな寝顔してんなあ』


まだたった3週間ほどの付き合いでしかないが、彼女以外に(一方通行ではあるものの)話し相手がいなかった俺は既に柚葉ちゃんに対して多少の情が湧いていた。

そんなこともありこの娘の身体を勝手に使うことに少しだけ気が引けていたのだが、これから成仏するまでずっと退屈な地縛霊生活を送るのかと思うと、憑依することによって手に入るリターンの方に天秤が一気に傾く。

どっちにしろ成功するとは限らないし、もし上手くいってもたまに身体を借りる程度にしてやるか……なんてことを考えながら、むにゃむにゃと気持ちよさそうに眠る柚葉ちゃんへと近づいていった。


『……そういや、憑依ってどうすりゃできるんだ? そもそも触れないんだし、やっぱりできないんじゃ……うおっ!!?』


どうしたものかと適当に彼女の体内を弄っていた最中、挿し入れていた手が頭部のあたりに触れた瞬間にその異変は訪れた。類似した経験がまるで思い浮かばない初めての感覚。柚葉ちゃんの頭の中に在る暖かい何かに触れた指先から魂が溶け、解けて、その先にある何かに纏わりついていくような、そんな感覚が俺を襲う。


「――っ、ぷはぁっ!! な、何だ今の!? …………へ?」


頭まで吸い込まれてしまった瞬間に息苦しさを感じ――びくんっと全身が強く跳ねたかと思えば、夜目が効いていたはずの視界が真っ暗になっていた。

そのせいなのか……それとも、この感覚が随分と久しぶりだからなのだろうか。あらゆるものがやたら鋭敏に感じられる。


高揚感で強く脈打つ心臓が胸を揺らし、ばくばくと鼓膜を震わせている。

心臓から流れる血液が血管を通り、興奮を体温へと変換している。

全身にまとわりついた布団が皮膚を通してその存在を神経に伝え、それを退かそうと動かした手はすり抜けるなんてことは無く、以前のように……いや、以前とは違う感覚を伝えながらも思い通りに動いて布団を剥がしてくれる。


「この感じ……って声もだ、ははっ! ってことは……!」


普段聞いているのとは少しだけ異なる気がするが、自分の声というものは頭蓋骨を伝わるせいで少し違って聞こえているもんなんだと何かで見た覚えがある。ということはこの甲高く透き通った綺麗な声が"自分の声"なわけで、暗闇にもある程度目が慣れてきた俺は万馬券を換金する時以上の期待と高揚と共に電気のスイッチがある場所へと近づいていった。


「うおっ、重た……。こうも胸がデカいと歩くだけでもバランスとるのが難しいもんなんだなぁ」


歩くだけで両胸がたぷたぷと揺れて、長く伸びた頭髪が背中と首筋をくすぐっているのがこそばゆい。

幽霊だった時は感じようが無かった"肉体がある"という感覚と、生前にも感じようが無かった男ではあり得ないような感覚。早いとこその全部を堪能してしまおうと電気をつけ、明るくなった部屋の端に立てかけられている姿見にすぐさま向かっていった。


「は、ははは……マジで出来ちまった……! 本当に柚葉ちゃんの中に入れたんだ……!」


目の前には普段絶対にしないようなニマニマとした笑みを浮かべたスウェット姿の柚葉ちゃんが立っていて、それだけで鏡に映るこの娘が『自分』なんだという実感がふつふつと湧いてきて更にニヤけてしまう。

背中まで伸びた艶やかな長髪。透き通るような白い肌。どこかあどけなさを感じるぱっちりとした瞳と、そんな童顔とは対照的に服の上からでも分かるほどに大きく胸元を押し上げている豊満な乳房。この野暮ったいスウェットの下にある胸だけじゃなくその裸体はここ数週間で散々見てきたわけで、この中にあのエロくて綺麗なボディが押し込められているのだと思うとそれだけでムラムラとして、その感覚に少しだけ安心感を覚えた。


「いやーよかった、やっぱ身体が無いせいで性欲も無くなってただけだったんだな。 しかしこの感じは……」


興奮のせいかうっすら紅潮している顔から視線を下に向け、先程からむず痒いような妙な感覚を伝えてくる柔らかなお腹をさすさすと撫でる。その感覚が伝わってきているのは表面ではなく、その奥から。「子宮が疼く」なんて言葉があるくらいだし、多分子宮とか膣とかその辺が反応しているのだろう。

男である俺が柚葉ちゃんの女体を見て興奮して、そんな男の性欲によって柚葉ちゃんの女の身体は発情し、性的な昂ぶりをみせているのだと。そう思うと倒錯感でより一層興奮が増し、気付けばはぁはぁと荒い吐息を漏らしていた。


「ふへへっ♡ 柚葉ちゃんの身体もムラついちゃってるみたいだし?せっかくだからこのままオナっちまうか♡」


もし生き返れたら何をしようかなんて空想は散々してきたが、考えていたはずのその全てが頭から吹き飛んでオナニーのことだけでいっぱいになる。そもそもこんなエロいカラダをした美少女が誘うようなエロい顔をしてて、しかもそれが何もかも思うがままに動かせて自由にできる『自分』だというのだから、そんな状況でヤることなんて一つしかないだろう。


「さーて、それじゃあ柚葉ちゃんのデカパイを拝ませてもらうぜっと。 ……おお、相変わらずすごいな……っていうかやっぱり疼いて……♡」


スウェットの上もナイトブラも遠慮なく脱いでいき、相当なデカさを誇る柚葉ちゃんの巨乳を晒していく。見飽きていたと思っていたその蠱惑的な肢体は性欲のおかげかいつもの数倍は魅力的に見えて、それに反応して腹の奥が甘い疼きをあげる感覚がこそばゆくも心地良い。


「くひっ♡それじゃあ早速堪能させ……て…………ん?んん? なんか、これ……こんなもんなのか?」


手のひらにとても収まらない乳房を無遠慮に揉みしだいていくが、「思ってたのと違う」という言葉がまず頭に浮かぶ。

もちろん揉み心地は良い。柔らかい上にハリがあって、柚葉ちゃんの小さな手指が丸ごと沈み込んでいく感覚が心地よくて、その点に関しては最高といった感じで、高級なおっパブなんかに行ったとしてもこのレベルはそういないだろう。

期待外れなのは揉まれている感覚の方だった。女の快感は男の何倍も気持ちいいなんて話も聞くし、AVとか風俗とかでも胸を揉まれてる女があんあんと気持ちよさそうに喘いでるから相当なもんだと期待していたこともあり、少しくすぐったい程度にしか感じないこの感覚には軽い落胆すら覚える。


「はぁー……所詮演技だったってことか、知りたくなかったなぁ……。 けどまあ、この胸が揉み放題ってだけでも十分良いし、んっ♡乳首のあたりなんかはそれなりに気持ちよく……んぅっ♡」


適当に揉んだりゆさゆさと揺らしたりと遊んでいたのだが、なんとなしに乳首を指先でぐにっと圧し潰した瞬間、柚葉ちゃんの可愛らしい声が反射的に漏れ出ていった。

初めてのその快感に驚いた俺は好奇心のままに再びそこへ手を伸ばし、摘み、弄り回し。気付けば呻き声を漏らしながら夢中になって乳首をぐりぐりと捏ね回していた。


「ん゛っ……♡ぅあっ♡♡ なんだこれ、胸をイジってるだけで、さっきよりもムラムラしてきて……っ♡♡」


まるで乳首からの快感が直接子宮にまで伝わっているかのようにぴくぴくと疼き、それを堪えるようにして思わず内股になってしまう。そうして密着した両腿からはぬちゃっとした粘液の感触が伝わってきて、それに触れて確認するまでもなく、俺は自分の……いや、柚葉ちゃんのカラダの状態を理解していた。


「多分、これが濡れてるってやつなんだよな……? ははっ、すげえ!柚葉ちゃんが俺に操られて好き勝手されて、それでも俺に犯してもらいたいって興奮してるんだ……♡」


股間からじわっと何かが分泌され続ける感覚を味わいながら、柚葉ちゃんの綺麗な声を使ってそんなことを言ってのける。

もし本物の柚葉ちゃんの意識があって、彼女が実際にどう思っていたとしても知ったことではない。疼き続けていた子宮がさっき以上に快感を求めていて、そして身体に宿った本能のようなものが、濡れたその先に……柚葉ちゃんのマンコに挿入してほしいと訴えかけているのが分かる。

熱に浮かされるままスウェットに手をかけて、その中にあるショーツごと下にずらしていって。露わになった秘所からは太腿を伝うほどに愛液が滴っていて、AVでもお目にかかれないような美少女のエロすぎる痴態を前にゴクリと喉が鳴る。


「ふへっ♡ふへへへっ♡♡ それじゃあ思う存分、柚葉ちゃんのエロボディを堪能させてもらうぜぇ……♡♡」


挿れる瞬間を直接見ようと視線を下に降ろしたら視界の半分を覆う膨らみで結局見えなかったが、そんな間抜けなミスを前にしても、この巨乳ごと柚葉ちゃんのカラダが自分のモノになったのだと想えて改めて興奮してしまう。

三本に束ねた指を俺のチンコに見立てて、溢れまくってる愛液でべとべとに濡らしたそれで肉ビラを押し広げながら柔らかい孔に突き立てていって――


「痛っっっっってぇ!!?」


ずちゅっという水音が聞こえてきて……同時に、ぶちんと何かが破れたような音も聞こえたような気がして。

まるで神経を引きちぎられたようなその痛みに耐えきれず甲高い悲鳴を上げ、気付いたときには床の上に突っ伏して死にそうな息遣いをしていた。


「はっ、はっ、はっ、はぁっ…………!? げほっ、けほっ……!こ、股間が熱っ……痛い……!? な、なんだこれ……いや、まさか……」


息を整えながらもそーっと指を引き抜き、股間からジンジンと伝わり続ける痛みに耐えつつ抜いた指を目の前に持っていく。体液で濡れた手指には少しだけ赤い色が付着しており、それだけでなんとなく察しはついた。


「やっぱり、柚葉ちゃん処女だったのか……」


そうだということは薄々勘付いていた。しかし年頃の女子大生、その上こんな美少女がまさか未経験だとは思っていなかったが……今も感じるこの痛み、そして先ほどの膜を突き破ったような感覚が何よりの証拠だろう。

思い返せば普段の彼女の生活からは男の気配なんて微塵も感じられなかったし、それどころか友人と通話なんかをしている様子すらなかったし。そういえばこの部屋に来てからオナニーをしていた姿を一度も目にしたことが無くて……まさかとは思うが、自慰すらも未経験なのかもしれない。


「まあ割と変わってる娘だし、大学でも浮いたりしてんのかもな。 しかしこれだけムラムラさせられてお預けっていうのは……」


しばらくすると痛みも落ち着いて頭も冷えてきたが、冷静になった意識とは裏腹に相変わらず下腹部がズクズクと疼いていた。とはいえ、あの痛みを知った後でもう一度膣に指を挿れるのは正直言って怖い。


「……そういや、こっちは試してなかったか」


床に突っ伏したまま再び右手を股間に向かわせて、先程指を突っ込んだ箇所より少し上にある突起、クリトリスに指先を宛がってみる。

もしかすると、これが女の身体におけるチンコに相当するものなのだろうか。まるで亀頭に触れてるような懐かしい感覚を覚えて、さっき体内に指を突っ込んだ時の異物感や痛みと比較するとだいぶ安心する。


「んっ♡ あ゛ー……、これは悪くないな。むしろすごく良い……んぐっ♡癖にっ、なるかも……♡♡」


手マンする時のやり方を思い出して適当に摘まんだり捏ねたりしていたところ、どこか慣れ親しんだような……それでいて、覚えのあるものより少し敏感な快感が股間の突起から伝わってくる。初めてチンコの皮を剥いた時の感覚が近いか。ほんの少しだけ痛みは感じるもののそれを上回る快感が伝わってきて、喉元からは濁った嬌声が自然と漏れ出ていく。


「くっ、ふぅぅっ……♡♡ やばいこれ、手ぇ止まんねえ♡やみつきになる……っ♡♡ ……しかし、いつ終わるんだ?男みたいに射精するわけでもないし……んぅっ♡」


色々と試して一番楽だった横向きの体制になってそのまま寝転び、空いた手で乳首をクリクリと弄りつつぐちょぐちょになってる股間をひたすらにいじくり回す。

気持ちいいは気持ちいいのだが、この行為にはまるで終わりが見えなかった。男の時とは違って精液が出そうになるわけでもないし、かといって"絶頂"と呼べるような強い快感が来るわけでもない。けれど、まるで身体そのものがこの快感を途絶えさせたくないと言っているかのように手の動きは止まらず……そんな風に性欲を満たし続けていたからなのか、今度は別の種類の、それでいて強烈な欲求が俺を襲っていた。


「ふわぁぁぁっ……ねむっ…………。 そういや寝てる時に憑依したし……身体の方が限界、なのかも……」


地縛霊になっていたこともあってかなり久しぶりの感覚だけど、そういえば『寝る』ってこんな感じだったっけ。瞼が重くなって段々と微睡んでいく感覚はオナニーのそれとは全く別ながらも心地よくて、気を抜けば簡単に意識を手放してしまいそうに――


「へくちっ! ……あれ?なんで床で寝て……へっ!?裸!? な、なんでぇっ!?」

『…………は?』


瞑った瞼を再び開いた瞬間。目の前に全裸の柚葉ちゃんがいて、俺はというと再び元の幽霊の姿になっていた。


『ど、どうなってるんだ? ……もしかしたら、寝落ちしたせいで憑依が解除されたとか?』


彼女に憑依していたのは俺にとってついさっきの出来事だが、時計を見れば既に朝の7時を回っている。睡魔に襲われてすぐにこうなったし、ずっと憑依できるというわけではなく何かのきっかけで身体から追い出されてしまうのかもしれない。


『さっき読んだ小説みたいに万能ってわけでもないんだな。 まあ出来るってことは分かったし、もう一回くらい……痛っ!!?』


もう一度柚葉ちゃんに憑依しようと頭の奥に手を伸ばし――中に在る『何か』に触れたと思った瞬間、強烈な痛みと共に手が弾かれる。


『痛ってぇ……。 おかしいな、確かに出来てたはずなんだが……』


どうやら柚葉ちゃんは俺が憑依しようとしたことに気づいていないようで全く反応を見せず、目が覚めて全裸になっている状況にただただ困惑し続けている。顔を赤らめながら服を着直す彼女を視界に映しつつ、俺は一度だけ成功した『憑依』についてあれこれと思案し続けるのだった。




***




「すーっ、すーっ…………」

『よし、眠ったな。 しかし、最近早めに寝るようになってきたが……もしかして俺のせいなのか? ……まあいいや、さっさと憑依しちまおう』


読書の途中で机に突っ伏して寝てしまった柚葉ちゃんの頭に両手を突っ込み、その中にある『何か』……恐らくは彼女の魂のようなものに触れる。その瞬間、身体の中に吸い込まれた俺自身が柚葉ちゃんの魂に覆いかぶさるような感覚を覚えて――そうして今日も、俺は彼女の身体へと侵入することに成功した。


「よしよし、今日も上手くいった。 ……やっぱり、寝てる間しか憑依できないんだな」


小さな手をぐーぱーと開閉させて柚葉ちゃんの肉体を動かす感覚を思い出しつつ、ここ数日の間に色々試したことで分かってきた『憑依』について頭の中で整理する。


その1、寝ている時にしか憑依できないこと。

その2、憑依してる間の出来事を柚葉ちゃんは覚えていないこと。

その3、寝ないように我慢していても起床時間……大体7時くらいには柚葉ちゃんの意識が覚醒して、それと同時に俺の魂が身体から追い出されてしまうこと。

その4、地縛霊である俺が取り憑いているからなのか、憑依した状態でも部屋の外には出られないこと。


「改めて整理してみると、本当に不便極まりない能力だよなぁ……。 ま、所詮は死んだ身なんだし贅沢は言えないか」


読みかけの小説を本棚にしまい、姿見の前まで歩きながら服をその辺に脱ぎ散らかしていく。

色々と分かってきた憑依に関する制約を踏まえた結果、俺は柚葉ちゃんが寝た後の1時間だけ憑依して身体を借りることに決めていた。あまり長い間憑依しているとこの娘が睡眠不足になってしまう……というもあるのだが、それ以前に大体1時間くらい経ったあたりでどうしようもなく眠くなってしまうのが一番の理由だ。

外出も出来ず、初日のように身に覚えのない状況を怖がられないようにするためあまり好き勝手も出来ない1時間。柚葉ちゃんの身体を使えるのはたったそれだけの時間だが……今となっては「地縛霊になれてよかった」なんて感想が浮かぶくらいにこのひと時を愉しむことができていた。


「――っぁああ~っ♡♡ やばい、これっ……♡♡クるっ♡♡またイクっ♡♡♡イっ……~~~~!♡♡♡♡うぁ゛っ♡♡あひぃっ……♡♡♡♡」


頭の奥で火花が弾けたような感覚と同時にびくんっと勝手に腰が跳ね、柚葉ちゃんの口からエロ可愛い嬌声が発せられる。息を整えている間にもぐちゅぐちゅとクリをもて遊んで、また絶頂。男だった時には知りようが無かった種類の強烈な快感は男だった時とは違い途絶えることは無く、続けざまに訪れる快感を更に味わうために、蕩けた脳みそを何とか動かしながら胸と股間をイジりまくっていく。


柚葉ちゃんに憑依できることが分かってからのここ数日間。俺はただただオナニーだけに没頭していた。……というよりも、外出は出来ないし食事なんかをすれば柚葉ちゃんに俺の存在がバレる危険性があったので、オナニー以外にすることが無かったのだ。

だが、そのおかげで柚葉ちゃんの身体があっという間に開発されていったのは思わぬ収穫だった。他にやることもないからと根気よくオナってたおかげで乳首やクリの感じやすいイジり方なんてのも分かってきたし、感度は日増しに上昇して今では甘イキできるくらいになっている。女としての絶頂は射精より断然気持ちがいい上に果てが無く、たった1時間の憑依だけでも過労死寸前で働き続けていた生前に比べて圧倒的に幸せだと、そう思えていた。


「はぁっ♡はぁっ……♡♡ へへっ、ほんと勿体ないよなぁ。これだけイきまくれる身体で産まれたっていうのに何もしてないとか、宝の持ち腐れもいいとこだろ……んっ♡」


鏡に映る淫らな美少女の姿にうっとりとしながらその胸を揉みしだき、伝わってくる淡い快感に声を漏らしながらそんなことを考える。

俺が憑依するようになってからのたった数日でここまで感じられるようになったんだし、柚葉ちゃんのカラダには女としての快感を味わうための天性の素質みたいなのがあったのだろう。いっそ、そんなドスケベボディを使いこなしてる俺にこのカラダをずっと譲ってほしいとすら思うが、流石にそれは高望みが過ぎるか。


「さて、あと30分くらいか。 だいぶ柚葉ちゃんのカラダにも慣れてきたし……へへっ♡ そろそろこっちの方も開発しておきたいよなぁ♡」


クリや乳首といった性感帯を散々イジり回してきたものの、それ以上の快感がこのカラダに存在していることを俺は分かっていた。どれだけイっても解消されない……むしろイけばイくほどに蓄積され続けていっている下腹部の疼き。子宮に溜まり続けているである女性としての快感。それを解放する手段があるとすれば、間違いなくここ以外にないだろう。


「よいしょっと……やっぱりまだ少し怖いな。 とりあえず1本から慣らしてみるとするか」


がばっと足を開いて姿見の前にしゃがみ、鏡に向かって見せつけるような体勢になりながら大きく股を開いていく。その中央でひくつく割れ目からは大量の愛液が垂れ流しになり、むわっとした雌の香りがそこから漂うかのようだった。

前回の激痛の記憶を踏まえて今日は指1本だけを挿入し、膣内にモノを咥え込む感覚に慣れることだけに専念するつもりだ。愛液が溢れ出ている少し温かい肉ビラに指を絡ませ、全体をべっとりと濡らしていく。


「ふぅっ……くっ……♡ あ、あれ?なんか、これだけでも割と良いかも……っ♡」


ぬちぬちという厭らしい音と、そこから朧気ながらも確かに伝わってくる淡い快感に俺は少し戸惑っていた。処女膜を指で突き破った時があれほど痛かったもんだから、そこまでではないにしろ膣の辺りも多少の痛みが生じるものなんだと。そんな風に勝手に思い込んでいたこともあり、ある種の癒しすら感じられるこの感覚はどこか拍子抜けな感じもする。

もう少し奥……膣の入口あたりを指先でなぞっているだけで全身が震えるほどの快感が背筋を通り抜け、これならもう少し早く挑戦しておけばよかったなんて感想まで頭に浮かぶ。


「あれは初めてだからこその痛みだったってわけか。 これなら挿れてみてもいい……いや、むしろ挿れてみたいっ……んぐぅっ!?♡♡」


ぐちゅんっ♡という水音が響き、異物感と同時に反射的に呻き声を漏らしてしまう。男だった時に感じようもなかった感覚。体内に異物が挿入り込み、内側をぐにぐにとまさぐられている感覚。


「やばっ♡これ……すごいぃっ♡♡♡これがオンナの感覚♡あんっ♡これが、柚葉ちゃんのマンコの快感なのかぁ……っ♡♡」


中を適当に掻き回しているだけなのに、声が漏れ出てしまうほどの快感が伝わってくる。柚葉ちゃんのカラダを通して俺の魂にその快感が与えられ、自分が出しているとは思えないようなエロすぎる嬌声が喉元から零れていく。


「柚葉ちゃんのカラダ、スケベで気持ちよすぎ……ひぅぅっ!?♡♡♡♡ あっ♡♡これ、ここぉっ♡♡♡♡ この辺いじいじしてると凄い気持ちよく……あっ♡♡あっ、あぁぁあっ♡♡♡」


確かGスポットなんて言ったっけ。ザラついたような部分を擦るようにしてぢゅこぢゅこと指を出し入れしていくだけで、それだけで頭の奥が蕩けてしまいそうなほどの快楽で満たされていく。そこをイジるのが正解だと肉体が教えてくれているかのように手指が勝手に動いて、快感に溺れそうな俺の意思を無視して大量の快楽物質を脳に伝えてくる。

1本だけ挿れていた指もいつの間にか3本ほど突っ込んでいて、前回は痛みを伝えていたはずのその太さを柚葉ちゃんのマンコは簡単に咥え込み、絶えず与えられ続ける快感で頭がどうにかなりそうだった。


「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡う゛あぁっ……♡♡♡ あはっ♡♡ わたしこれすきっ♡♡♡大好きっ♡♡♡もっと、もっとぉ……ひぐぅぅううぅぅっっっ!!?♡♡♡♡♡♡」


子宮に蓄積され続けた欲求不満の塊がついに破裂し、処女膜を突き破った時の激痛を丸ごと快楽に変換したかのような強烈な快感が頭まで貫いていった。

仰け反った衝撃でそのまま仰向けに倒れ込み、強張っていた全身が一気に弛緩してふにゃふにゃになっていく。脳みそ全体が熱でじんじんと疼いて、もはや指の一本も動かせずにただただ息を整えることしかできない。


「はーっ♡はーっ……♡なんだよこのカラダ、ずるすぎるだろ……♡♡」


何倍、どころの話じゃなかった。膣を使って味わう絶頂は生前……俺が男だった時に体験した何もかもが霞んでしまうほどの快感で、それを得ることができる『女』という存在への嫉妬のような感情すら覚える。


「はぁー……クソッ♡ 大学って……確か4年まであったよな? せめて卒業するまでの間だけでも、とことんこのカラダを愉しませてもらうからな……♡♡」


荒くなっている息をふぅふぅと整えながら、姿見に映る乱れきった姿の少女に向かってそう告げる。その言葉に反応したのだろうか、イって少し落ち着いていたはずの下腹部が再び疼きはじめ、もう一度犯してほしいと言わんばかりに股間から蜜が零れ出ていく感覚を覚える。

この娘が睡眠不足になってしまうとか、オナニーのし過ぎで疲れが残ってしまうんじゃないかとか……なんて心配はもはや完全に吹き飛んでしまい、ただひたすら性欲の赴くがままに柚葉という女のカラダが齎す快楽に浸り続けていった。




***




柚葉のカラダに憑依が出来ると分かって、毎晩身体を使うようになってからそろそろ一ヶ月ほどになるだろうか。彼女にとって良いことか悪いことかはさておき、柚葉のカラダはこの部屋に越してきた時と比べて明らかな変化を見せていた。


「……またおっきくなってる……。私の、おっぱい……」


浴室の鏡に映る自分の姿をぼんやりと眺めながら、柚葉は自身の乳房を持ち上げてたぷたぷと揺らしている。どういうわけか最近は体重計にも乗らなくなっているので正確な数値は分からないが、彼女の体重は今や爆乳と形容できるほどに大きくなったこの胸の分だけ増加していることだろう。


『我ながらよくやったと言うか、ほんとスケベなカラダに育ってくれたよなぁ……』


この一ヶ月の開発による成果である柚葉のエロボディを眺めつつ、感慨深いような気分に浸る。胸は揉めば大きくなるなんて与太話はよく聞くが、まさか実際にサイズが2つほど上がるとは思わなかった。

そうした外見の変化は勿論だが、一番はやはり開発しまくった性感帯の存在だろう。女性器による絶頂を味わったあの日以来何度も膣内を犯しまくったおかげで今や簡単に中イキできるようになったし、絶えずイジりまくったおかげで少し肥大してきたクリや乳首なんかは前以上の気持ちよさを伝えてくれるようになった。その影響で着替えの時なんかに乳首が擦れる快感で柚葉がエロい喘ぎ声を出してくれるようになったことも含めて、我ながら良い仕事をしたと思っている。


『しかし、この娘はどう思ってるんだろうな。 知らない間に自分のカラダが開発されてるとか……ん?』

「んっ……♡♡ くっ、ふぅ……♡♡♡」


俺が知る限り、この部屋に来てから柚葉は自慰をした経験がない。そんな彼女が突如として、自らの乳房を揉みしだきはじめたのだ。それも明らかに発情を……それも、自らの裸体に対して興奮しているようで、鏡に釘付けになりながら顔を朱に染めてはぁはぁと吐息を漏らしている。それはまるで、俺が普段柚葉のカラダを使ってオナニーに耽る姿と同じように見えた。


「なん……で……♡ こんなのおかしいのに……ぜったい、変なのに……ぃっ♡♡」

『うおっ、傍から見るとこんな感じなのか……めちゃくちゃエロいな。 ……というか、もしかしてこれも俺が憑依した影響だったりするのか?』


虚ろ目で自らの乳首をぐにぐにと弄り回す柚葉の煽情的な姿を眺めつつ、ここ最近の彼女の様子を思い返す。

俺が毎晩憑依するようになってからというもの、彼女の生活スタイルは前よりもエロくなった体つき同様、俺に都合が良いように少しずつ変わっていた。

その一つが睡眠時間。以前は夜の11時頃に寝ていたのが最近は9時頃に布団に入るようになり、その分だけ俺が憑依出来る時間も増えている。それに加えて、もしかしたら大学で居眠りでもしているのだろうか、憑依中に感じる眠気が以前よりもずっと少なくなっているのだ。

そんな風に俺が憑依する時間をより良いものにしてくれているかのような変化に加えて、今日に至っては今までしたことがなかったはずのオナニー姿まで見せてくれている。まるで俺を愉しませてくれる性奴隷のように変わっていく柚葉を前に、彼女への愛着は募っていく一方だった。


「……違う、"いつも"はもっと……ずっときもちいのに……♡♡ うぅ……もっと、いつもみたいに…………っ♡♡♡♡」

『ん? この感じは……』


はいれる。なんとなくそう直感すると同時に、俺は柚葉のカラダから微かな引力のようなものを感じていた。

まるで拙い愛撫に焦れた柚葉が更なる快感を求めているような……いや、間違いなくそうであると確信させる意思が彼女の肉体から伝わってくる。

ほとんど無意識の内に手を伸ばしていて、彼女の頭部に触れ――


「ぃぎいっ!!? な、なにっ!?あっ♡♡頭のなかに……何か、が……ぁっ♡♡」


普段とは違い意識があるからだろうか、彼女は苦しそうな悲鳴をあげ、触れた魂から強い抵抗のようなものが伝わってくる。……けれど、それはあくまでも『魂』だけによる抵抗。彼女の『肉体』に招かれたこちらの方が主導権を握れているようで、その意識が少しずつ薄れるにつれて、俺は徐々に五感の存在を感じ始めていた。


「ァ……ぁははっ♡ 本当に入れた、起きてる時でも憑依できるようになったのか……!はぁっ♡はぁっ♡」


悦びに浸る間もなく、今度は尋常ではないほどの性欲と疼きで思考が塗り潰されていく。さっきまで発情しまくっていた柚葉の状態を丸ごと引き継いで、彼女がしていた女としての興奮をそのまま味わっているのだ。


「あぁ……カラダが早く犯してくれって言ってるのが分かる♡ 本当にオナニーのために、俺にここを犯してもらうためだけに憑依させてくれたんだ……♡」


股間にそっと指をあてただけで愛液が滲み、頭の中が快楽への期待でいっぱいになっていく。柚葉のカラダを開発した記憶と快感が想起されて、早くそれを味わいたいと腹の奥が強い疼きを伝えてくる。

恐らく、それらの欲望を満たせるのは本来の柚葉ではなく俺なのだとこの肉体は理解していて、その結果柚葉の魂を抑え込んで俺の魂を迎え入れたのだろう。快楽のためとはいえ、本来の主を差し置いて俺に従順な態度を見せつつある柚葉のカラダにますます愛着が湧いてしまう。


「すっかり従順で可愛いボディになってくれたよな、柚葉は♡ それじゃあたっぷりご褒美くれてやるから……あぁっ♡♡♡んっ…………あぁぁぁぁっ!♡♡♡♡」


初めて憑依した日の激痛が嘘のように快感だけを伝えてくるようになった膣穴へ指を突っ込み、既にぐちょぐちょになっていたその場所をさらに乱暴に掻き回していく。本来の柚葉による拙い愛撫のせいで軽い寸止め状態になっていたからなのか挿入したばかりだというのに軽くイってしまい、指をきゅうっと締め付けられながらも強引にナカを弄り回し、より深い快感を求め続ける。

元の魂ではなく俺を選んだのは正解だったのだと柚葉のカラダに教え込むようにひたすらに愛撫を続け、絶頂し、イきまくり――イキ疲れて息も絶え絶えになった頃、その異変は訪れた。


「はぁっ……はぁっ……♡♡ ぅ……♡あ、あれ?私、一体なにして…………」


疲労も快感による余韻も途端に消え失せ、ついさっきまで感じていた女のカラダの感覚も今は感じられない。目の前には顔を真っ赤にさせながら息を整えている柚葉の姿があり、いつの間にか肉体から抜け出てしまったらしい。

しばらくは困惑した様子を見せていた柚葉だったが、すっと下腹部に手を当てたかと思えばうっとりとしたように顔を綻ばせ――


「……そっか……いつもみたいにたくさんオナってたんだっけ……♡♡ えへっ、気持ちよかったなぁ……♡♡」


蕩けた声でそう呟く彼女は、まるで俺が憑依している時のようなニヤけた笑みを浮かべていた。




***




起きている柚葉に憑依したあの日を境に、俺と柚葉の生活はますます様変わりしていった。

どうやら意識がある時の憑依は寝ている時とは違い記憶が残り、更にはその間に俺がとった行動を全て自分の意志でやったものだと解釈してしまうものだったらしい。その影響なのか本来の柚葉もすっかり自慰にドハマりしてしまったようで、今ではあれだけ夢中だった読書をしている姿なんて全く目にしなくなったほどに昼夜問わず盛りまくっている。

そして、あの日柚葉の肉体に求められていると思った感覚はどうやら合っていたらしく、柚葉が発情して行為を始めようとする度に俺は引き寄せられ、半ば無理矢理憑依させられるようになっていた。

当然俺はそれを嫌がることもなく憑依する度に柚葉のカラダで快感を貪り、その度に柚葉の精神は性欲で染め上げられて自慰をする頻度も増していき……最近はもはや、部屋にいる間は俺の方が柚葉のカラダを使っている時間が多いくらいだ。

そして柚葉のカラダでの愉しみが増えた分、幽霊でいる時の退屈さも以前に増して感じてしまうわけで――


『1週間とか言ってたから、あと4日くらいか。 こんだけ暇で、よく柚葉が越してくるまで正気でいられたもんだよなぁ……』


今この部屋には俺以外誰もおらず、シンとした室内には外から微かに聞こえるセミの鳴き声だけが反響している。

大学が夏季休暇に入ってしばらく経った3日前から、彼女は遠方にある実家に帰省してしまっていた。当然その間は憑依することはできないわけで、彼女が来る以前を思い出すような空虚な地縛霊生活を送っているのだが……まだ3日目にもかかわらず、既に気が狂いそうなほどの欲求不満に苛まれ続けている。

早く憑依したい。早くあのカラダに入って大きく柔らかな乳房を、滑らかなお腹を、敏感すぎるほどに敏感な女性器を、柚葉の持つ性感帯の全てを彼女の手を使って犯し尽くして、早くまたあの快感を味わいたい。

気を紛らわすために妄想に浸ろうとしてもそんなことばかりを考えてしまい、その度に不満と苛立ちが蓄積されていた。

いよいよどうにかなりそうだと思っていた最中――ガチャリとドアノブが回る音がした。


『ん……日付、数え間違えてないよな? もう帰って来たのか?』


予想外に早い帰宅に驚きつつも、玄関に立つ柚葉の様子がおかしいことに気付いた。妙に息が荒く頬は紅潮し、鍵も閉めずスーツケースを置き去りにしたままふらふらと部屋の中へ進んでいく。


「ぁ、ぅぅ…………っ♡♡」


リビングに着いても彼女は呆けたままで、虚ろな瞳のままどこか恍惚としたような呻きを漏らすその様相は異常としか言えなかったが……同時に、そのカラダから強い引力を感じる。早く自分に憑依してほしいと、そうせがむかのように。


『ははっ、そんなに俺が恋しかったのか。 ちょうど俺も我慢の限界だったしな、気絶しちまうくらい可愛がってやるよ……♡♡』


思いがけない状況に口元を歪め、遠慮なく柚葉の頭部へと手を伸ばしていった。もはや肉体は完全に俺を受け入れているようで、微かな抵抗も拒否反応も無く入り込み、融け合い、受け容れられていく。柚葉はすっかり俺の手による愛撫に依存しているようで、自分では弄っていないのかこちらまでおかしくなりそうなほどの熱と疼きが全身から伝わってくる。

俺もこの娘も互いに依存し合い、もはや互い無しでは生きられなくなっているのだろう。そんな歪で淫らなこの生活の未来に想いを馳せながら、今日も柚葉と共に快楽を貪るのだった。


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