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メス牡蠣

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発情体質の少女と入れ替わった男が自慰に耽り、全てを手に入れる話

3月中に投稿が間に合わなくてすいませんでした。これが3月分で、4月分は別途投稿予定です。

VRで起きた集団入れ替わりに巻き込まれたおっさんがアバターごと女の子の身体を手に入れてなんやかんやする話です。

発情体質の少女と入れ替わった男が自慰に耽り、全てを手に入れる話

目の前に虎と象を混ぜ合わせたようなモンスターが現れ、攻撃を喰らう前にすかさず斬り伏せる。グロテスクな見た目をしたスライムも、おどろおどろしい植物の化け物も、どう形容していいのか分からないようなやつも、ただひたすらに斬って斬って斬りまくる。


ミラージュワールドオンライン、通称『MWO』。仮想空間での体験を五感と連動させるフルダイブ型VR機器を使用した世界初のゲームとして一時期話題になっていたMWOの世界で俺は夢と希望に満ち溢れた冒険に繰り出す……なんてことはなく、ただただ流れ作業のように死んだ目でモンスターを狩り続けていた。


「どうっすか? そろそろレアドロ出ました?」

「いや、まだひとつも。……ていうか、お前ももう少し頑張れよな。討伐数俺の半分以下だろ」

「俺のせいじゃないっすよ、なんかラグくて」


きょうび聞かなくなったような言い訳をするフレンドに溜め息を吐きつつ、再び黙々と剣を振り下ろし続ける作業に戻っていく。

数週間ほど前。プレイヤー数がどんどん減っていることを気にした結果なのかは分からないが、運営は『持っているだけであらゆる能力が倍になる』なんていうふざけたアイテムを実装してくれたのだ。

更にふざけているのはそのアイテムが新規プレイヤーにのみ配布され、既存プレイヤーは自力入手するしかないという点。唯一の入手条件は『最高難度エリアのモンスターが小数点以下の確率でドロップするアイテム500個と交換』というもので、それを見た多くのプレイヤーはアバターを作り直すか引退し、総プレイヤー数はむしろ減少したらしい。

しかし、その選択をできないほどまでにやり込んでしまっていた廃人たち……例えば俺みたいに、やり込み続けたこのゲーム以外生きがいの無いようなうだつの上がらない中年男なんかは今のアバターを捨てることができず、こうして賽の河原のような作業に励んでいるのだ。


「ん? 言われてみれば確かにラグいな。むしろ酷くなってきたような……」


剣を振り下ろす途中で腕がカクつきながら硬直し、その隙に一度だけ受けてしまった攻撃で全身を覆うプレートアーマーにヒビが入る。

ラグ――ゲームに負荷が掛かって遅延が発生する現象は多くのプレイヤーで賑わっていた最初期にもたまにあったが、記憶にあるその時以上に遅延が大きいように思えた。


「でしょ?なんか昨日からアニメとのコラボが始まったじゃないですか。それがえらい人気で尋常じゃないくらい人が増えてるらしくて、それの影響っぽいんすよね。 さっきチラっと初心者用エリア覗いて来ましたけど人多すぎてヤバかったっすよ」

「ああ、それでか」


興味が無かったのでスルーしていたが、そういえばファンタジー物のアニメに登場する装備なんかを実装したなんてアナウンスがあったことを思い出す。サービス終了を噂されていたほどの過疎具合だったこのゲームにプレイヤーが増えたのは運営にとって願ってもないことなんだろうが、流石にここまでのラグが起きるのはいい迷惑でしかない。


「にしても……うへへへっ♡ 初心者村だけでもカワイイ娘が多くてめっちゃ眼福でしたよ! 多分、アバターの見た目をイジるやり方とか知らないんでしょうね。 明らか世界観に合ってない日本人って感じのままの娘も多くて、それがむしろエロくて……ふへっ♡」

「お前なあ……。視姦するだけならまだしも、手を出そうとか考えるなよ? 万が一お前が通報されでもしたらいよいよソロプレイになっちまうんだからな」

「へーへー、分かってますって」


『たくさんの仲間と協力して冒険の旅に出掛けよう!』なんて謳い文句で宣伝されているこのゲームだが、俺の"仲間"は今やこいつだけになっている。最初期からつるんでいた他のプレイヤーが引退したというのもあるのだが、一番の原因はゲームの仕様にあった。

現実に似せた五感を体験できるフルダイブ型VR機能が使われているのがこのゲームの魅力なのだが、詳しいことは知らないがどうやらプレイヤーとなる人間の肉体の神経との同期やらなんやらをしているらしく、多少見た目を弄ることはできるものの年齢・性別・体型なんかは現実の身体と同じようなアバターしか使えないのだ。

そうなれば俺は当然だらしない肥満体型をしたおっさんの姿をしたアバターしか作れないわけで、そんな奴が若い女プレイヤーに相手をされることはない。そしてリアル世界同様に『通報』なんてシステムがあり、うっかり未成年に声を掛けでもしたらアバターが永久凍結されてしまう恐れがあるわけで……そんな事情もあって、こうしてVR世界でも成人した男とばかりつるんでいるというわけだ。


「ていうか、なんかさっきよりもラグってないっすか? 身体の感覚まで鈍ってきたような……うわあっ!?」

「おい、大丈夫か!? ……確かに酷くなってきてるな。落ち着くまで一旦隠れた方がよさそうだ」


致命的なダメージを負ったフレンドを抱え、モンスターからは死角となる岩陰に逃げ込む。

俺たちがここを狩り場にできているのはひとえに相手を一撃で倒せる攻撃特化の装備にしているからこそであり、判断をミスってまともに攻撃を受けてしまえばただでは済まないだろう。攻撃すらままならないラグが発生するなんて正直想定外で……ここは一旦ログアウトしてしまうべきかもしれない。


「なあ、今日はひとまず止めにしないか? いくらクソ運営とは言え、流石にこの状態を放置するわけないだろうし……」

「は?誰アンタ。 ナンパなら他所で……えっ!!?な、なにっ、このキモい声!? ってかここどこ!? ど、どうなってんの!?」

「…………は?」


突然様子がおかしくなったフレンドを前に、俺はただただ唖然としていた。

まるで俺が見知らぬ相手であるかのように蔑んだ目を向けてきたと思えば突然狼狽え始め、「嘘でしょ……」だの「ひぃっ!?」だのと声を漏らしながら震える手つきで自身のアバターを触っている。前々からふざけた奴だとは思っていたが、この異様な様子は心配を通り越して不気味だった。


「お、おい、大丈夫か……えっ?」


突然聞こえてきたソプラノボイスに驚いて声を上げ、そんな『自分の声』すら透き通った高音で発せられたことに再び驚く。バグか何かと思い喉に手を触れようとしたが、ラグのせいか手がピクリとも動かない。というか全身の感覚すら感じられなくて、視界全体がノイズのようなもので埋め尽くされていって――




***




「――へへっ、すっげえ! このドスケベな巨乳まで丸ごと俺のモノなのかよ!♡♡」


再び鮮明になった視界には、ニヤけヅラで自分の胸を鷲掴みにしている初期装備の服を着た長身の美女が映っていた。身体は思うように動かせないが、周りの風景を見るにどうやらここは初心者用エリアにある村の広場らしい。

女は俺のことなんて気にもしていない様子で一心不乱になって自身の胸を揉みしだいているが……普段であれば間違いなく釘付けになっているであろう煽情的なその光景を前にして、俺の目線はそこを外れて真下に向いていた。

いつもと比べてかなり低い位置にあるように思える視界が戻ると同時に再び感じられるようになった、アバターが伝えてくる全身の感覚。明らかに何もかもが違うその感覚を確かめようと、俺は目の前の痴女と同じように自分の……足元が見えないまでに膨らんでいる胸にそっと手を伸ばしてみる。


(うおっ、触られてる感覚がある……ってことは、これ本物なんだよな?)


巨乳を"触られる"なんて初めて味わう感覚に戸惑いながらも、とにかく状況を把握するために周囲を見渡してみた。

さっきの美女はかなり興奮した様子で、俺が目の前にいることなんておかまいなしに地べたへ座り込み、ゲームの仕様で脱げなくなっている衣服の上からではあるものの胸やら股間やらを嬉しそうにまさぐっている。


「も、もうやめてよぉ……!グスッ、あたしの身体で変なことしないで……!」

「フヒヒッ、何を言ってるのかなあ? 僕は僕の身体を触ってるだけだよ?うあっ♡♡ へへっ、女の子のアバターだとVRでもこんなに気持ちいいんだぁ♡♡」


「は!?ど、どうなってんだ!? なんで女の姿に変わってんだよ!?」

「おい、大丈夫か? 急にどうし…………あら?いつの間にこんなエリアに……それにアバターも……ふうん?なるほどねえ」


広場にいる他のプレイヤーも様子がおかしくなっているようで、さっきの美女と同じように自分のアバターを嬉しそうに撫でまわしている女がいたかと思えば、そいつを止めようと必死になって縋りついて泣き喚いてる男もいた。

どうやらこの現象は時間差で発生しているらしく、突然様子がおかしくなったプレイヤーへ心配そうに声を掛けていた奴が次の瞬間には興味深そうな表情で自身のアバターを確かめるように触ってたりなんかして……少しずつ広がっているその異常事態を見て、彼らの言動を聞いて。何が起こっているのかなんとなく察しがついた俺は、騒がしくなってきた広場から逃げるようにしてほとんど人が通らない裏路地へと向かって行った。


(走ってるだけだってのにこんなに揺れて……こりゃあ巨乳が運動神経悪いなんて言われるのも納得だな)


視界の下の方でぶるんぶるんと揺れる魅惑の双球に思わず手が伸びてしまいそうになるが、ゲームでの行動がどこまでログに残るか分からない以上、今後のことを考えれば今は我慢しておくべきだろう。

しかし、触らずとも俺にはもう自分がどうなっているのか、"どんなアバター"になっているのか分かりきっていた。先ほどからずっと存在を主張してくる胸の膨らみに、走っているだけで首筋や頬をさらさらと撫でてくる長い髪の感覚。その歩幅は普段よりもずっと小さく、呼吸の度に漏れる吐息すらも甲高く可愛らしいものになっていて――ようやく裏路地に辿り着き、誰も来ないような物陰に隠れた俺は、自分の予想がただの妄想ではないのだと確かめるべくステータス画面を開いた。




----------


スズネ Lv 1

性別:女性

状態:正常

職業:新人冒険者


HP:21/21

MP:7/7


武器:なし

装備:新人冒険者の服(♀)


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目の前に表示されたのは本来の俺のものとは似ても似つかない、ゲームを始めたばかりのプレイヤーのステータスだった。レベルは上限である999から1まで下降していて、年単位の時間を掛けて集めた最上級の装備の数々はもはやどこにも見当たらない。

けれど、喪失感なんてものはまるで感じられなかった。むしろステータスに映し出されている名前と性別を見て、そこに表示されているアバターの顔を目にして。自分が"手に入れた"物の存在を改めて実感すると同時に、堪え続けていた口元のニヤけが抑えられなくなってしまう。


(へえ?この娘はスズネちゃんって言うのか。何もカスタマイズしてなさそうなアバターの感じからして多分本名っぽいな。 ……くひっ♡そうかそうか、俺は今日から『スズネちゃん』になっちまったんだなぁ♡)


もはや直接触らずとも、このアバターが持つ可愛らしい声を発さずとも。痛覚以外のリアルな五感を再現してくれるこのゲームのおかげで、俺は自分がどんな娘になっているのかをありありと感じることができていた。

呼吸を整える度にふるふると微かに揺れ動き、布と擦れる感覚を伝えてくる巨乳。無駄なリアル嗜好をしていることもあり普段はここまで興奮すると勃起すらしている股間は、今や"何もない"という現実でも感じたことがなかった感覚を伝えてきて、俺が『女』になったのだと教えてくれる。

そう、何が原因なのかは分からないが……俺は『女』になったのだ。夢も希望も未来も無い冴えないおっさんだった自分から、『スズネ』という名前を持った、俺が今まで関わりようがなかったような美少女の姿に。


(あんなに酷かったラグも無くなってる……。 もしかすると、さっきのはこうなる前兆だったのかもな。 そういやあいつもラグってたみたいだし……へへっ、こいつは面白いことになりそうだぜ)


俺がスズネちゃんのアバターになる前、高難度エリアで狩りをしていた時に様子がおかしくなったフレンドと、そして広場に居た様子のおかしい美女や他のプレイヤーの様子を思い出す。

MWOのアバターは現実の身体を基にして作られ、ゲームで体感できるその五感は現実の身体の神経系と同期して疑似的に再現されているだけに過ぎない。そんなゲームの世界の中で現実の俺とはかけ離れた"異性の身体"の感覚をこうして感じられるってことはつまり――




prrrrr!!




頭に浮かんだ仮説を確かめるべくログアウトしようとした矢先、ゲームに搭載されているビデオ通話機能のコール音が鳴り響く。表示された相手の名前は俺が最もよく知っているものだった。

別に無視してもよかったが、"前のアバター"がどうなっているのか知っておいても損は無いだろう。そう思った俺は緩んだ表情を引き締めるとビデオ通話に応じた。


『あっ……。つ、繋がった、こっちも繋がりました! や、やっぱり私のアバターも勝手に誰かに使われてるみたいです……』


通話相手の映像に映し出されたのは、頭部まで覆う無骨な仰々しい鎧を身に纏った男性プレイヤーの姿。顔は見えないがその装備は俺が苦労して手に入れたもので、どこか上擦ったような野太い男の声は誰の声よりも聞き馴染んだもので……そんな『俺』が自分の意思とは関係なく動き、気色の悪い女口調で話している姿を見て俺の考えは確信に変わった。――俺が使っていたおっさんのアバターと『スズネちゃん』が使っていた美少女のアバターが、そっくりそのまま入れ替わっているのだと。


『え、えーっと。わ、私、スズネって言います。 あ、あのお……きっと、あなたがこのアバターを使ってる人なんですよね? き、気付いたらこうなってしまってて、私たち、このゲーム始めたばかりだから何がどうなってるのかよく分からなくて……』

『ねえちょっと!! こうなったのってアンタらのせいなんでしょ!? アタシの姿でよくも、よくもあんなことを……! っ……ぜ、絶対通報してやる!絶対に後悔させてやるんだからぁっ!!!』

『お、落ち着いてください先輩! も、もちろんさっきの人がやっていたことは、その…………ですけど……。あ、あくまでもゲームなんですから……』


スズネちゃんの話を聞いていた途中で、怒り狂った様子の男性アバターが割り込むようにして通話に入ってきた。その外見はつい先ほどまでモンスターを共に狩っていたフレンドの姿そのもので、あいつも俺と同じように誰かと入れ替わってしまったのだろう。

そして、スズネちゃんはどうやらこの現象をゲームの機能によるものか何かだと思っているようで、あまりに能天気な口ぶりに堪らず笑ってしまいそうになる。


『それで、えーっと……。で、できれば、その、元の姿に戻るやり方とかを教えてほしいんですけど……あ、あれ?聞こえてますよね? あのお…………?』

「えっと、一体何の話をされているんですか?」

『……えっ?』


通話相手であるスズネちゃんの口調を真似るようにしながら、今何が起きているのか分かっていないといった態度でしらばっくれてみせる。そんな返答が予想外だったのかスズネちゃんは中年男の気色悪い声で戸惑ったような様子を見せていたが、俺は構わず彼女の綺麗な声を使って、アリバイ作りのために考えていた芝居を続けていった。


「元の姿?っていうのもよく分かりませんし……そもそも、私たち初対面ですよね? 何が目的なのかは知りませんけど、はっきり言って迷惑というか……」

『え…………えっ? あ、あのっ、本当に教えてほしいんです!わ、私たち、どうしたらいいのか分からなくて…………きゃあっ!!?』


これ以上は不要な会話だと思い、二度と連絡してこれないように通話相手である『俺』を通報してやろうとした矢先、映像の向こうでは予想外の事態が繰り広げられていた。なんと、彼女が先輩と言っていた奴が入っているであろう男がスズネちゃんが入っているであろう『俺』に殴り掛かったのだ。


『せ、先輩!?いきなり何を――』

『キッッッッッモ!! なにアンタ、スズネのフリしてアタシに近づこうとしてたってわけ!? マジあり得ないんだけど!!』

『ひっ……!? ち、違います!こ、この人が私の真似をしていて、私が本物のスズネなんで……げふっ!? や、やめてっ!!やめてくださ――――きゃあああああっ!!!?』


映像の向こう側では、なおも『俺』になったスズネちゃんがうずくまって殴られ続けていたのだが、突如として鳴り響いた野太い悲鳴と同時に映像がプツンと途切れた。その背後には騒々しい会話の音に引き寄せられたであろう数匹のモンスターの姿が見えていたので、恐らく仲間割れしているところを抵抗もできないまま襲われてしまったのだろう。


(あーあー、先輩さんもひでえことするわ。 ……けど、これでほぼ確定だな)


アバターがNPCの姿になるだとか、モンスターの姿になるなんていう『状態異常』は元々このゲームにも存在していたが、それらはどれもプレイヤーの死亡やログアウトなんかをトリガーにして解除されるようになっている。

しかし、入れ替わった相手である『俺』のアバターが死んでも相変わらず俺はスズネちゃんの姿のままで、何よりステータス画面はこの状態が『正常』であると証明してくれている。もはや俺の推測に疑いの余地は無く……抑えきれない期待と興奮に促されるままに、俺は目の前に映し出した『ログアウト』と書かれた立体映像に手を触れた。


「ひい゛っっ!!!? あ゛っ、ぁああ゛ぁぁっ!!?」


――身体から切り離された意識が再び戻される瞬間。ログアウトの直後にいつも感じている、フルダイブ特有の『現実の肉体に戻る』という感覚が訪れる。ヘッドギアに覆われて真っ暗な視界の中、五感が少しずつ戻っていくのを感じながらも俺はどこか遠くの方で発せられている少女の呻き声を聞いていた。


「ぁ゛っ、あぁぁああっ!! ぁぎっ……ぃ!!?い、いやっ……!あ゛っ、ぁぁぁっ…………!!?」


まるで何かを拒絶するかのように苦し気に鳴り響いている少女の悲鳴。……少しずつ聴覚が、そして身体の感覚が戻っていくごとに、それが『自分の喉』から発せられていることに気付く。

ゆっくりと"戻っていく"肉体の感覚は、その何もかもが本来の自分とは違っていた。加齢と自堕落な生活によってすっかりと肥え太ってしまっていた中年男性の脂肪に覆われているカラダとはまるで違う、どこか頼りなさすら感じられるような小さく華奢なカラダの感覚。普段のものとは全く違うからなのか、それともこの肉体が『違う精神』を拒絶しているせいなのか現実に戻るまでの時間はいつもより長く感じられるが、俺はもはや少しずつ"戻っていく"その感覚にすら興奮してしまっていた。

慣れ親しんだ肉棒の感覚が消え失せ、その代わりと言わんばかりにのっぺりとした股間の感覚が当たり前のように馴染んでいく。肥満体の男のでっぷりした胸とはまるで違う、形の良い豊満な胸が備わっているという感覚が馴染んでいく。服の上からでは分からなかったきゅっと締まったウエストも、すらりと長く伸びた脚も。かつての『俺』とは全くもって異なるはずの肉体に備わった神経が伝えてくる感覚の数々が馴染んでいって――


「ぅ……ぁ…………?」


――そうして、少女の悲痛な叫びが途絶えた頃。その声を自分が発しているのだと実感できるようになった頃。俺はようやく、未だ意識は朧気ではあるものの自らの意思で身体を動かせるようになっていた。


「…………ぁはっ、あはははははははっ♡ この声、それにこの感覚……間違いねえ!」


フルダイブ専用のヘッドギアを外すと同時に長い髪がふわりと舞い上がり、開けた視界には見慣れた俺本来の薄汚れた住居とは全くもって異なる、どことなく良い匂いのする可愛らしい印象を受ける内装の部屋が映っている。

流石は女の子と言うべきか、部屋の端には全身が映るほどに大きな姿見が置かれていて……それがただの虚像だと分かっていても、思わずその鏡面に手を触れ、うっとりと見入ってしまう。

大人しげな印象を受ける垂れ目がちの二重瞼に、ぽかんと開いている小さな口、ぷるぷるとした艶やかで可愛らしい唇。150センチ程しかなさそうな背丈と幼く見える顔立ちによって下手をすれば中学生のようにも見えるが、その考えを否定するように胸元には顔よりもデカく見えるほどの爆乳が備わっている。目元まで掛かっている長い黒髪からは少し芋っぽさが感じられるがそれを差し引いても誰もが『美少女』と形容するであろう整った容姿をしていて……それを前にして思わず笑ってしまった俺の感情に連動するかのように、鏡に映る小柄な少女もぷっくりとした唇をだらしなく歪ませてみせた。


「あのアバターそのまんま……いや、なんならアバターよりも可愛く見えるな……ふへへっ♡」


目の前のあどけない少女は俺がしているのと同じニヤけ面を浮かべるが、元が可愛らしいからか、以前の俺なら気色の悪いものでしかなかったであろうその表情も小悪魔的な魅力を伴った微笑として変換され、その事実にますますニヤけてしまう。緩んだ頬をほっそりとした指で摘まんでみると、ぷにぷにとした柔らかい感触と共に顔からは"痛い"という仮想空間では感じられないはずの痛覚が伝わってきて、それだけでこれが紛れもない現実なのだと強く実感できる。


「この美少女が今の俺なんだ……。これからはこの娘が、俺の新しい人生の器になるのか……!」


そう。俺はこうなった時から、この女のアバターになったと理解した瞬間から決めていたのだ。このカラダ――『スズネちゃん』のアバターごとリアルの身体を、そして人生を乗っ取ってこの娘として生き直そうと。ログアウト先である身体が本人のものであるかどうかは賭けだったが、結果はこの通り。俺はこうしてあのアバター通りの麗しい少女の姿を動かし、思うがままに操っている。

こうなった原因は偶然のバグによるものなのか、それとも誰かが意図して起こした事故なのか……なんてことはもはやどうでもいい。理由はどうあれ、俺はこうしてMWOのアバターごと手に入れることができたのだ。この『スズネ』という名の少女が持っていたリアルの肉体も人生も、何もかも全て。


「見た感じ一人暮らしの大学生ってところか? 同棲してるやつとかもいなさそうだし、ある程度は楽に成りすませそうだな」


参考書やらプリントやらがきっちりと整頓されている机にヘッドギアを置き、俺の新しい住居となる部屋を見回してみた。

ワンルームのこじんまりとした部屋には所々に可愛らしいぬいぐるみが飾られ、壁にかかったコルクボードには恐らく屋外で撮ったであろうそれらのぬいぐるみが映った写真が飾られている。ある種のわざとらしさすら感じられるほどに"女の子らしい部屋"といった感じだが、室内干しされている洗濯物や玄関に置かれているこれから出すであろうゴミ袋等からはスズネちゃんがこの部屋を確かに使っていたのだという生活感が残っている。

そんな彼女が生きた証を感じさせられる部屋に主は居ない……いや、その『部屋の主』は今や彼女の身体を手に入れた俺なのだ。そう思うと改めてスズネちゃんの人生を丸ごと奪ったのだと実感できて、ゾクゾクとした背徳的な興奮が込み上げてくる。


「んっ……♡ この感じ、もしかしてスズネちゃんの身体も興奮してるのか?」


俺の興奮を反映するかのように全身が熱を帯び始め、下腹部がピクリと動くのを感じると同時に短くも可愛らしい呻きが喉を震わせる。再び鏡に視線を戻すと、そこにはすっかりと頬を朱に染めた大人し気な美少女の姿が映っていて、それを見て生唾を飲み込むのと同時に更に気持ちが昂り、頭の中までもが熱くなっていくのが分かる。


「興奮してる……いや、させられてるんだ。俺の意思で、俺の性欲で……!」


目の前には男を誘う淫らな表情をしたエロい体つきの肉感的な美少女が、はぁはぁと息を荒くしながら無防備に突っ立っていた。もし本来の俺がこの娘に無理矢理手を出そうものなら間違いなく捕まるだろうが……今は俺がこの娘なんだ。この娘をどれだけ視姦しようが、直接手を触れようが、どれだけ犯そうが誰にも俺を咎めることはできない。なぜなら今は俺が娘なのだから。

鏡に映っているこの少女は俺の意思のままに動き、いつでも俺の好きにできる『自分』なのだと……そう思い、実感すればするほどに倫理観や理性なんてものは薄れていってしまい、ただただ溢れ出る情欲のままに動いた手は無意識の内に彼女が着ていた衣服を剝ぎ取り始めていた。


「ふふっ……♡ スズネのカラダも人生も、これからは全部あなたのモノです♡ このえっちなデカパイを使って、無くなったおちんちんの代わりに私のおまんこを使って♡スズネとしてのオナニーを思う存分愉しんでくださいね♡」


サイズ相応にデカいブラに包まれた爆乳を持ち上げてたぷたぷと揺らしながらスズネのあどけない声を使って本来の彼女なら絶対に口にもしないであろう淫語混じりのセリフを発すれば、目の前の美少女は俺に操られるがままに淫らな仕草を取り、媚びるような声で俺を誘惑してみせる。

この娘を犯したいと心の底から思うが……けれど、俺がこの娘とセックスをすることは今後一生訪れない。何しろ、この娘との性行為は自らを慰める行為、オナニーになってしまうのだから。

若い身体で人生をやり直せるだけじゃない、これからはただオナニーをするだけでこの娘を好きに犯せるのだと、そう思うとこれからの人生への期待と興奮で更に全身が疼いていく。


「うわ、重っ! んっ……♡手が埋まっちまうし揉むだけでも一苦労で……いざ自分のになるとデカいってのも考え物だなぁ……ふへっ♡」


下着の留め具を外した瞬間両肩にずしりとした重みが圧し掛かり、綺麗なピンク色をした乳輪と陥没気味の乳首が露わになる。二つの巨大な柔肉を下から持ち上げてみると、この娘の筋力があまり無いせいもあるのだろうが支えている腕にもそこそこの重量が伝わってきた。

ここまでの大きさとなると流石に日常生活にも支障が出てしまいそうだが……そんなデメリットなんて霞んでしまうほどの魅力に満ち溢れた感覚をスズネのカラダは伝えてくれて、堪らず口元が緩んでしまう。


「すべすべで柔らかくて、それに……んっ♡ これが女の感覚……揉まれるってこんな感じなんだ……♡」


小さく細長い指が吸い込まれるように沈み込んでいき、滑らかな肌に触れた手全体からは温かな体温と共に極上の柔らかさが伝わってくる。胸に張り巡らされた神経はその指の存在を教えてくれて、ぐにぐにと揉みしだかれる度にどこか安心するようなじんわりとした快感がそこから広がっていく。

目の前の鏡には男を知らなそうな顔をしたあどけない少女が、その容姿に似つかわしくないほどのデカ乳を揉みしだきながら蕩けた表情を浮かべる姿が映っていて……AVなんかではとても見れないような生々しいエロさを伴った痴態を見た興奮と胸を揉まれている快感が合わさった結果なのか、乳輪の下で恥ずかしそうに隠れていた乳首がムクムクと隆起し、やがてピンと突き上げられていく感覚を覚えた。


「ははっ、乳首が勃つってこういう感じなのか……! 触ってもないのに既に気持ちいいし、ほんとドスケベなカラダしてるよなぁ♡」


すっかりと屹立してしまった先端からはむず痒いような気持ちよさが絶えず伝わってきて、早くここに触れてほしい、俺にイジられたいと強くねだっているようだった。他人である俺の精神に快楽を強請るその様はまるで本来のスズネから寝取られたがっているかのように思え、征服感にも似たゾクゾクとした興奮が込み上げてくる。当然それを拒絶するはずもなく、未知の快感への期待と興奮のままに乳首をぎゅっと抓り上げ――


「ひゃうぅっっ!!?♡♡♡♡ ぁっ……ふぁ…………?♡♡」


――瞬間、ぴくんっ!と全身が跳ねるのと同時に甲高い嬌声が響き渡り、頭の奥まで痺れさせるような強烈な快感に堪らず腰砕けになってその場にへたり込んでしまう。


「な、何だ……強く抓りすぎたか? ……でも、今のは痛いとかじゃなくてむしろ……あぅっ♡♡」


好奇心と性欲に促されるままに突起を再び捏ね回すと、男の身体だった時と比べて段違いの痺れるような快感で脳髄が震えて喉奥からは艶めいた嬌声が勝手に零れていく。

俺にとって初めての感覚、女にしか味わえない女のオナニーの快感。そしてこの身体はそれを知っているのか、戸惑う俺をよそに両手の指はクリクリと乳首を刺激し続け、絶えず与えられ続ける甘い快楽に思考が朧気になっていく。


「はっ♡んぅっ……♡♡ くっ……♡♡んっ、あぁっ……♡♡♡」


全身が火照って仕方がない。胸をイジってるだけなのに、そこだけじゃなくて頭の奥とお腹の下の方まで気持ちよくなって、それをもっと味わいたいとばかりに手指の動きも早くなってぴくぴくと全身が勝手に震えてしまう。

そして……どういうわけなのか俺は"知っている"のだ。これ以上の快感が存在していることを。体質なのか乳首への愛撫だけでは決してイけないから、昔からそこばかりイジっていたことを。

もはや鏡を見る余裕は失われていたが、見て確かめずともそれがどこにあるのかは自然と分かる。片手で乳首オナニーを続けながらも右手を股間に這わせ、ぐしょ濡れになっている布地を、その下で待ちわびているように強い疼きを伝えてくる突起をぐっと圧し潰した。


「あ゛っ♡♡あッ、あぁぁ゛っ♡♡♡ くっ……♡♡♡んっ、う゛ぅぅっっ♡♡♡」


いつものように、身体が覚えているようにぐっぐっとクリを刺激していくと、俺が知らない慣れ親しんだ快感が身体に、脳に流れ込んでくる。愛液でぬるついたショーツ越しに敏感な突起を捏ね、扱き、抓り上げられ。俺が知らないはずの動きでひたすら快楽責めにされる感覚はもはや俺がこのカラダに犯されているかのようで、絶えず注ぎ込まれ続ける快楽の波の前にただただ濁った呻きのようなよがり声を出すことしかできなかった。


「ふぐっ♡♡うっ、ぅぅうっ♡♡♡♡ だめぇっ♡♡♡また、こんなっ……う゛ぁっ♡♡♡♡っくぅ♡♡♡イくっ♡♡♡いくいくっ♡♡イっ~~~~……♡♡♡♡」


びくんっ、と背中が跳ね、一瞬目の前が真っ白になったかと思うと、アソコで弾けた快感の塊が背筋を通り抜けて頭の奥を痺れさせていく。電流のように強烈な快楽がそのまま余韻として残り、この気持ちよさをずっと味わっていたいと思う、思ってしまう。

ここまで思いきり絶頂することができたのはいつぶりだろうか。すごい気持ちよかったけど……でも、それだけに少しずつ後悔が湧いてきて、また我慢することができなかった自分のことがますます嫌になって…………?


「はーっ♡はーっ…………♡ な、なんだこれ……。どうしてこんなこと考えて……」


荒くなっていた息を整えながら、快感の余韻で未だじんじんと痺れる頭の中に浮かんだ自分自身の思考に疑問符が浮かぶ。――そして、まるでその答えを教えてくれるかのように、脳裏にはとある光景が映し出されていた。

今朝も同じように、ベッドに寝転びながら自慰に耽っていたこと。早く済むようにと、オナニーのしすぎが原因なのか恥ずかしく思うほどに大きくなってしまった胸をイジって、自己嫌悪に苛まれながらも必死にクリを扱き続けて――


「……そっか、今日は先輩と約束してたから朝の内に済ませて……って、まただ。 これ、もしかしてこの娘の――!?」


思い出したその光景を皮切りに、俺が知らないはずの……そして覚えがあるように感じられる記憶の数々が頭に浮かんでくる。

慕っている先輩がVRゲームを始めると聞いて、彼女との共通の話題欲しさに生まれて初めてゲーム機器を買ったこと。一緒にゲームをしてる最中に変になってしまわないよう、朝の内にひたすら性処理をして気持ちを落ち着けたこと。一日に三回はイっておかないと身体がずっと疼いてしまうほどに性欲が強くて、そんなどうしようもない自分のことがずっと、ずっと嫌いだったこと。

知らないはずの家族や知り合いの顔と名前が当然のように頭に浮かび、俺が知りようもなかったはずの記憶と感情がまるで元から知っていたかのように思い出せる。記憶の中の『自分』は胸が大きく膨らんだ華奢な少女の姿で、その姿が霞む視界に映る自分の身体とダブっているように見えて――


「……あれ?私、今まで何して…………いや、違う。俺が鈴音の身体を乗っ取ったんだ……よな? 駄目だ、まだ頭の中がごちゃごちゃして……」


自分が誰なのか分からなくなりそうになりながらも、何とか自分が元は男だったことを思い出した……が、同時に今の自分の状態に戸惑っていた。

男として生きてきたという記憶も自覚もあるが、『北原鈴音』という名の少女として生きていたのだという感覚もあり、断片的ではあるものの鈴音としての記憶も頭に浮かんでくる。

理屈は分からないが、恐らく鈴音の脳に蓄積されている記憶が少しずつ読めるようになっているのだろう。そしてその原因は……


「もしかして、鈴音の身体でオナニーしてイったから、とか……? バカげてるけど、でもそれしか考えられないし……んっ、くぅっ……♡♡」


もはや濡れていない面積の方が少なそうなショーツに手を添え、割れ目を軽く撫でただけで発せられた甘い快感に堪らず喘いでしまう。

この身体になってからやっていたことなんてオナニーくらいしかないから、それがきっかけになった可能性は高いだろう。

元々この身体と人生を奪ってこの娘に成り替わるつもりだったし、記憶を読めるようになるのは好都合だ。けど……さっきの、鈴音の記憶をまるで自分の物のように感じてしまった感覚。他人であるはずの鈴音と俺自身との境界が取り払われて、自分が自分でなくなってしまうような感覚。あれが何度も続くのはなんとなくまずいように思える。


「他にも入れ替わってる奴は大勢いたみたいだし……んっ♡♡ しばらく様子見っ……♡♡しておくべき、なのかも……あぅっ♡♡ とりあえずは慎重に……あ、あれっ?」


いつの間にか、落ち着いていたはずの呼吸が再び荒くなっていることに気づく。蕩けるようなほどの快感によって喉が、全身が震えて、頭の中が気持ちいいことだけでいっぱいになっていく。

なんと、俺は無意識のうちにショーツの内側に手を突っ込んで濡れそぼった割れ目をぐちょぐちょと撫で回していたのだ。困惑している俺の意思を無視するように手指は鈴音の大事な部分を無遠慮に弄りつくし、男である俺の精神に向けて女性器を弄る快感を与え続けてくる。


「やばっ♡♡ これ、手ぇ止まんな……あぁっ♡♡♡ うぅ……も、もっとイきたい、シたいよお……♡♡ もっと、もっとぉ…………っ♡♡♡♡」


自慰に対する強烈な欲求で思考が埋め尽くされ、俺の戸惑いや懸念を塗りつぶすようにして頭の中がピンク色に染まっていく。俺がこの娘に欲情して身体を興奮させた時とは逆に、今度は俺の精神が鈴音の性欲によって染められ、興奮させられているのだ。

そして……快楽に弱い『私』のどうしようもない思考にあてられでもしたのだろうか、さっきまで抱いていたはずの懸念が段々とどうでもいいことのように思えてきた。熱でぼーっとしている視界の先には、顔を真っ赤にさせてエロい蕩け顔を晒した巨乳美少女が映っている。仮にこの身体の記憶に呑まれてこの娘そのものになってしまったとして、前のくたびれた中年男でしかなかった俺からこんな若くて可愛い娘そのものに生まれ変われるんだったら『俺』だった記憶が消えることなんてどうでもよくないか……?


「はーっ♡はーっ♡♡ ……ダメだ、考えがまとまらない…………なら、別にいいよな……?♡ どうせもう我慢し続けられるはずがないんだし、それならいっそ鈴音の身体でもっと、もっと気持ちいいことを…………ほお゛っっ!!?♡♡♡♡」


どちゅっ♡、という水音と共につんざくような刺激が神経を通り抜け、その全てが余すことなく快楽に変換されて頭の中を幸せで満たしていく。クリイキした時とは異なる異物感の伴った異質な感覚に驚き、快感交じりのその感覚によって恥ずかしくて汚い、淫らで興奮を煽られるような喘ぎ声が漏れてしまう。

女としてのオナニーなんてしたことなかったはずなのに右手は勝手に抽挿を繰り返し、ナカにある一番気持ちのいい場所を刺激していき、その度に途轍もない快感で脳が刺激されていく。

同時に、ぼんやりとした頭の中ではフラッシュバックのような情景が再生されていた。今までも何度もこうして自慰に耽り、衝動に流されるまま致しては自己嫌悪していたこと。この強い性欲に慣れるまでは本当につらくて、授業中に我慢できずシていたことがクラスメイトにバレたあの時なんかはそれこそ死んでしまいたくなったくらいで――


「多分これって私の、鈴音の記憶だよな……? ……くくっ、はははっ♡JCだった時からこんなスケベな身体してたのかよ♡ えっろぉ……♡♡」


快感と共に流れ込んできたのは『私』としての自慰の記憶の数々だった。それらはどれも鈴音にとっては辛い思い出のようだったが、美少女が淫らに喘いでオナっている姿なんて俺にとっては極上の興奮材料でしかない。しかもその時の快感まで丸ごと追体験できるというのだから、抗う理由なんてあるわけがなかった。


「あっ♡♡すごっ♡♡♡ イぃっ♡♡♡のーみそばちばちしてっ♡♡♡ おかしく、なりゅぅぅっ♡♡♡♡」


記憶以上に感じられるその快楽がもっと欲しくなって、2本に増やした指でざらっとしてる気持ちのいいところをぐちゅぐちゅと刺激し続ける。空いていた手が自然とクリへ伸びていき、何度も繰り返していた自慰によってすっかりと開発されてしまった性感帯を同時に刺激し、快楽で緩みきった脳みそが気持ちよくなることしか考えられなくなっていく。


「っ……はぁぁあっ♡♡♡ くるっ♡♡イくイくイく♡♡♡♡すごいのキちゃうぅっっ♡♡♡♡ わたしっ、もう……お゛ぉっっ♡♡♡♡っく♡♡♡♡んっ、ふぅぅぅぅっ…………♡♡♡♡♡」


視界がちかちかと明滅し、あまりの気持ち良さに腰が跳ね上がって背が反り返る。ぷしぃっ♡と股間から噴き出た潮がショーツをびしょびしょに濡らし、収まりきらなかったそれが汗と愛液に混ざってフローリングを汚していく。

絶頂による快感は未だ体中に滞留していて、その余韻と未だ収まらない疼きに苛まれながらも俺は『自分』が明らかに変わっていることを感じていた。自慰によって記憶が読めるようになるというバカげた仮説は、恐らく正しかったのだろう。鈴音の脳内に蓄積されていた記憶を当然のように、自身の物であるかのように自然と思い出せて……それだけに、たった今体験した自慰行為に戸惑いを覚えていた。


「ふー……ふー……♡♡潮吹きなんて今までしたことなかったのに、どうしてこんな……♡♡」


記憶にあるどのオナニーと比較しても、先程の行為が一番気持ち良かったと強く感じる。普段はなるべく我慢してる喘ぎ声も気持ちよすぎて全然抑えられなくて、潮吹きまでしながらイってしまうなんてそれこそ初めての経験だった。


「そっか。『私』が、あの子が居ないからこんなに気持ちいいんだ……♡♡」


ポツリと零れたその言葉は無意識のものだったが、それを聞くのと同時に腑に落ちるような感じもした。

記憶の中に在る今までしてきた自慰の快感はどれも男の身体のそれとは比べ物にならないものだったが、同時にその快感にストッパーのようなものが掛かっていたのだ。

「いけないこと」「はしたなくて不潔な行為」「性欲でおかしくなってしまわないよう、仕方なくやっていること」……そう思いながら嫌々自慰をしていた元の鈴音は、恐らくこのカラダの快感を受け入れることができなかったのだろう。


「……それなら、俺が貰っちゃった方がいいよね? こんな可愛くてエロくて気持ちいいカラダを持て余してるんなら、このままずっと俺のボディに……♡」


可愛い、エロいと、鏡に映る鈴音に向けて肯定の言葉を呟く度に、頭の芯が幸福感で満たされていくのが分かる。かつての『私』が嫌っていた、いっそ他人に生まれ変わりたいとすら思っていた淫乱な身体は今や世界一魅力的に想えて、そう感じれば感じるほどに『俺』が自分の中に馴染み、受け入れられていくのが分かる。新しく宿った俺の精神を鈴音の肉体が気に入り、かつての主人を捨てて完全に『自分』にしようとしているのだ。


「ははっ、そうだよな♡ せっかくこんなドスケベな身体に生まれたんだから、とことん愉しんでやらないと損だもんなぁ♡」


誰にともなく……いや、自分自身に向けてそう呟きつつ、ふらつく足取りのままクローゼットへと向かっていく。開けた先、いくつかの服や荷物で隠した奥の奥にある段ボールの中。そこから取り出した玩具は幸いなことにまだ電池が生きていたようで、スイッチを押した瞬間手に伝わってきた震えで以前使った時のことを思い出してしまいゴクリと喉が鳴る。


「相変わらずえっぐい形してる……捨てないでおいてよかったな」


それは大学に入ってから間もない頃、初めての一人暮らしで浮かれていた私が気の迷いで買ってしまったバイブだった。

自慰の快感を追求するための機能を持った玩具というだけあって続けざまに何度もイってしまうくらい気持ちよかったが、後になってそんなものを使ってオナニーをしてしまった自分の卑しさが嫌になり、「二度と使うものか」と収納の奥底に封印したことを覚えている。


「うあっ♡♡ 思い出しただけでゾクゾクしてきた……っ♡♡」


べとべとになったショーツを脱ぎ捨て、早く挿入れてしまいたいという衝動を堪えながらバイブを秘裂に押し付けて愛液で全体を濡らしていく。

これをさっさと捨てなかった理由も、俺は当然のように覚えている。クリと膣内を同時に責め立てる機能を持ったこのバイブを使ってのオナニーはそれまでで一番気持ち良くて、それを思うとどうしても捨てることができなかったのだ。

それでも、もう一度使ってしまえば間違いなくハマってしまうという確信があった鈴音はそれ以来使っていなかったようだが……そいつの意識は今この場に存在しない。


「ふふっ……えへへへっ♡♡ そうだよね、もうあの子はいないんだから……♡ 我慢する必要なんてない、しなくていいんだ……♡♡ん゛……ぅっ♡♡♡♡」


ぬぷぷっ♡と淫靡な音を立てて、鈴音の細い指とはまるで違う太さのバイブが膣内に呑み込まれていく。微かな振動で入口とナカが同時に刺激される感覚は指でのオナニーでは到底味わえないもので、敏感すぎる鈴音のカラダはそれだけで軽くイってしまっていた。


「んぅぅぅ゛っ♡♡♡♡ やっぱりこれ、すごい……♡♡ もっと気持ちいいところに、あ゛っ♡♡♡おくっ♡♡おくのほうまで、あっ♡♡あぅぅぅっ♡♡♡♡」


快楽に急かされるように、指では届かない最奥までバイブを押し込み、ポルチオへの刺激による強烈な快感で頭の中が真っ白になってしまう。奥まで咥え込んだことで手元の吸引部にクリが吸い付かれ、敏感な女性器の全てを余すことなく責め立てられていく。


「あっ♡♡あ゛ぁっ♡♡♡あぅっ♡♡♡イくっ♡♡イぐぅぅっ♡♡♡♡ っ……うぅぅっ♡♡♡ こんな、はしたないこと……シて、いいんだ……♡♡ あはっ♡もっと、もっとぉっ♡♡♡♡」


イってもイってもすぐに次の絶頂を与えられ、腰が勝手にガクガクと震え、全身が蕩けてしまいそうな快楽の嵐に頭がおかしくなってしまいそうになる。それでも……もう以前のように我慢しなくてもいいのだからと自分に言い聞かせ、バイブの振動の強さを引き上げた。


「お゛ぉぉっ♡♡♡ 女の子の……私のカラダってこんなに気持ちよくなれたんだ……♡♡ あはっ♡♡おっぱいきもちいいっ♡♡♡♡」


ぶるぶると震えるバイブを片手で抑えたまま、空いた手で柔らかい乳房を思うがままに揉みしだいていく。先端はまるでずっと触って欲しかったと言っているかのようにビンビンになっていて、くりゅっと捏ね回しただけでも今まで胸をイジっていた時とは比較にならないほどの快感が全身を走り抜け、膣がきゅっと締まると同時にバイブをより強く咥え込んでしまいその快楽に悶えてしまう。


「イぅっ♡♡♡またいくっ♡♡♡♡ くふふっ、えっろぉ……♡♡♡ こんなに可愛くて素敵な女の子が私で、これからは俺なんだ……♡♡♡」


鏡には顔を真っ赤にさせながら淫らに喘いでいる美少女が映っていて、そんな自分の姿を見ているだけでお腹の奥がきゅんきゅんと疼いて更に興奮し、快感が増幅していく。鈴音という最上のオカズに興奮しながらの女の子オナニーはただの作業でしかなかった今までの自慰とは比べ物にならないほどに気持ちよく、それを齎してくれた他人の、男の人の魂である『俺』のことを心の底から気に入ってしまう。


「ぅぁっ!?♡♡♡♡また感度が上がって……あっ♡♡あぁぁっ!?♡♡♡♡ くるっ♡♡♡すごいのキちゃうっ……♡♡♡」


続けざまにイかされまくっている中、今まで感じたことが無いほどに強い絶頂の予感を本能が感じ取る。途轍もない快感の塊が昇ってきて、今にも破裂しそうになっているのが分かる。

その予感に一瞬だけ躊躇ってしまうも、それ以上に強烈な欲望と期待感の方が勝って、俺は迷うことなくバイブの振動を上限いっぱいまで引き上げた。


「お゛っ♡♡♡♡あ゛ひっ♡♡イクイクイクイグっ♡♡♡♡♡♡ おぉ゛っっっっ!!?♡♡♡♡♡♡ かひゅっ……ぅぅぅ……♡♡♡♡♡」


これまでの比ではない、快楽神経を根こそぎ焼き焦がすかのような絶頂。脳天から足先までビリビリと電流のようなものが走っていき、獣のような喘ぎ声と共に上体が思い切り反り返る。あまりに激しく深い絶頂感のせいで呼吸の仕方すらも忘れて、なんとか少しずつ酸素を吸い込みながら全身をひくつかせる。イった衝撃からかバイブは抜け落ちているがその余韻は膣内にまだ残っていて、力が抜けたせいか尿道からは温かい液体がちょろちょろと漏れてしまっているようだった。


「はー……♡はー……♡ ……気持ち、よかったぁ……っ♡♡♡」


息を整えながら天井を仰いでいる最中、心からの言葉が口をついて出る。自慰をした後にいつも感じていた自己嫌悪は微塵も無く、ここまでエロくて気持ちのいいカラダに生まれ育ってくれた鈴音への感謝の念すら湧いてくる。

俺にとっても鈴音にとっても初めての満ち足りた気持ちを噛みしめながら、未だ全身に残っている絶頂の余韻に浸り続けるのだった。




***




「おお、想像以上に騒ぎになってるみたいだな……。 プレイヤーも増えてたみたいだしその分巻き込まれた奴も多いからか」


愛液やら尿やらで酷い有様になっていた床を掃除し、ついでにシャワーを浴びて着替え直した俺はMWOで起きた現象について情報収集をしていた。原因は分かっておらず、問い合わせが多すぎたのか運営している会社のサイトは繋がらなくなっている。それだけにSNSでは相当な騒ぎになっていて、巻き込まれた人間のパニくった様子の呟きやら運営会社の本当か嘘か分からない黒い噂やらが飛び交い、まともな情報は得られそうになかった。中には女と入れ替わったことが余程嬉しいのか、自慢気な呟きと共に際どいエロ自撮りを投稿してる奴なんかもいて……


「ん?これ、葵先輩だよな……? そっか、そういえば先輩も誰かと入れ替わってたんだっけ」


その女性は同じサークルの先輩で、鈴音をMWOに誘った張本人でもある葵先輩だった。

綺麗でいつも堂々としてかっこよくて、人付き合いが苦手だった私のことを妹のように可愛がってくれていた憧れの先輩……そんな女性が今はだらしのないニヤケ面と共にあられもない姿を晒してしまっていて、他人と身体が入れ替わってしまうという理不尽さを改めて痛感する。


「にしても、本当にスタイルいいよなぁ……。 俺ほどじゃないにしろ結構な巨乳だし、んっ♡中身が男ならレズセとかさせてくれるかも……っ♡」


憧れの先輩の痴態を眺めて興奮しながら、写真の中の先輩がしているのと同じように自分の胸を揉みしだいていく。女同士でヤるのは興味がそそられるし、入れ替わった者同士での情報交換なんかもしておきたい。


「またムラムラしてきた……♡ほんと淫乱なカラダで困っちまうよなぁ、くひひっ♡♡ どうせゲームする以外に予定も入れてなかったし、いっそ一日中家でシコっちゃうのも……ん?」


今もなお投稿され続けている彼女の自撮りをオカズに致してしまおうと思った矢先、見知ったアカウントからのビデオ通話の着信が表示される。それは元々『俺』でもあり『私』でもあった人間、鈴音だった精神が宿っているであろう中年男からのものだった。


「なんだ、こいつか。 ログアウトしたらおっさんの身体になってて、今頃パニクったりしてんのかもなぁ、ははっ」


通話を拒否しつつ、まるで他人事のような感想が口をついて出る。……実際、もう俺にとってこいつは『他人』になってしまったのだろう。もうあのおっさんの身体と人生はあいつの物で、鈴音は俺なんだから。むしろ、一発射精しただけで賢者タイムが訪れる身体になれたんだから、何度イっても足りない鈴音のカラダを嫌がっていたあいつにとってもよかったんじゃないかとすら思える。


「ま、安心しろよ。 これからは俺がこのカラダを大事に使ってやるからさ。前の私よりもたくさんイってイってイきまくって、この淫らでエロいカラダで思う存分……はぁっ♡♡想像しただけでお腹ムズムズするっ……♡♡♡」


二度と会わないであろうその相手を一思いにブロックしてスマホを放り投げ、抑えきれない興奮に促されるままベッドにぽすんと倒れ込む。そう、これからの俺には輝かしい未来が待ち受けているのだ。冴えない中年男だった時とも、強い性欲に悩んで塞ぎ込んでいた時とも違う。生まれ変わった新しい身体と心で女としての快感を愉しむ、そんな淫らで素敵な新しい人生が。

そんな未来への期待と興奮でカラダを疼かせながら、俺は鈴音としての快楽を貪り続けるのだった。


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