『思わず守ってあげたくなるような小動物系美少女の清澤さん』の秘密を『僕』だけが知っている。
Added 2024-10-31 11:15:22 +0000 UTC9月分です。がっつりダークなやつが続いたので光のTSFを書いてバランスを取ろうとしたらびっくりするくらいスランプになってました。最終的にはなんとかいい感じにまとまったと思います。
『思わず守ってあげたくなるような小動物系美少女の清澤さん』の秘密を『僕』だけが知っている。
【明朝】『思わず守ってあげたくなるような小動物系美少女の清澤さん』の秘密を『僕』だけが知っている。
『清澤玲華(きよさわ れいか)』という名前を知らない人間は、恐らくこの学園に存在しないだろう。
そこらのアイドルが霞んで見える程に整った容姿と、それを鼻にかけず誰に対しても――僕みたいな陰キャ男子にすら分け隔てなく接してくれる人当たりの良い性格。頭も良いようで、成績は毎回当然のように学年トップ。更には実家が茶道の名門のお嬢様らしく、美しさすら感じるその立ち振る舞いや後輩にすら敬語で接する礼儀正しさを見せる彼女はまさに『大和撫子』という日本語を具現化したかのような欠点の無い完璧美少女だった。
そして……そんな清澤さんが抱えている誰にも言えない秘密を、唯一僕だけが知っているのだ。
「お願いします。どうか、どうかその事だけは誰にも言わないでください……!」
「へ、へへへ……それは清澤さん次第かなぁ。大人しく僕の言うこと聞いてくれれば"これ"は黙っててあげるけど、もしできなかったら……分かるよね?」
「っ……!」
見せつけたスマホには、少女があられもない姿で自慰に耽っている動画が映し出されている。マスクで口元が隠れているものの、その顔は目の前にいる彼女と瓜二つ。そして聞いているだけで勃起しそうになってくる甲高くも澄んだような喘ぎ声はたった今彼女が発した声とよく似ていて……そう、清澤さんの正体はSNSの裏垢でこうしたオナニー動画やエロ自撮りを自ら公開している『変態女のレイカちゃん』なのである。
清澤さんの裏垢を見つけたのは本当に偶然だった。その日のオカズを探してだらだらとネットサーフィンをしている時にたまたまこの動画を見かけ、散々抜いて賢者タイムになった後でその女性が清澤さんかもしれないと気付いた時は自分の目を疑ったものだ。
その後、公開されている写真や動画を全て確認する中で部屋の壁紙や窓の外の風景からうちの学生寮に住んでいることを特定し、間違いなく『レイカちゃん』が清澤さんなのだと確信した僕は今は使われていない旧校舎の倉庫に彼女を呼び出すと、まるで自白するかのように言い訳をしはじめた彼女を脅迫していた。
「たしか清澤さん、大学に指定校推薦が決まってたよね。こんなことをしてるなんて知られれば間違いなく取り消しだろうし……下手すれば退学も有り得るんじゃないかなぁ?」
「……私は何をすればいいのでしょうか」
「話が早くて助かるよ。それじゃあ早速だけど、スマホを出してもらえるかな」
「スマホを……? は、はい、構いませんけど……」
少し戸惑った様子を見せたものの、清澤さんは言われるがままにスマホを取り出してくれた。次いで僕があらかじめ開いていたアプリを操作すると、やがて彼女のスマホにも同じアプリがインストールされていく。
「なんですかこれ……『入れ替わりマッチングアプリ』?」
「ちゃんとインストールできたみたいだね。それで……今から君にはそのアプリを使って、僕と入れ替わってほしいんだ」
「…………えっ?」
キョトンとした表情を見せる清澤さんに、僕はそのアプリの機能について説明していく。
このアプリは名前の通り、自分と他人の身体を入れ替えることができるというとんでもない代物だった。
もちろん僕も初めてこのアプリを見せられた時は全く信じていなかったし、これを自慢気に見せてきた兄の頭がおかしくなってしまったのかと心配すらしたものだ。……実際にアプリを使って、兄と身体が入れ替わるなんて体験をするまでは。
とはいえ男同士で身体を交換するのは気色が悪いので、せっかくだし女子の身体を少しだけ借りて異性の快感を体験してみたいなんて思っていたのだが……その日から一年ほど経った今日に至るまで、僕は未だにアプリの機能を使えていない。
このアプリには同意した相手としか身体を交換することができないという制限があり、コミュ障で女子とろくに会話もできない僕にはそもそもその条件をクリアできる相手がいなかったのだ。
そんな中、偶然にも清澤さんの弱みを握ることができた。このチャンスを逃せば二度とこんな美少女相手にアプリを使う機会は訪れないと思った僕は、卑怯だとは思いながらもこうして清澤さんを脅迫しているのだ。
「えーっと、すみません。仰っている意味がよく分からなくて……。要はこのボタンを押すだけで良いんですよね?」
そうして彼女が指先を近づけている画面には「西田怜央と入れ替わる」と、僕の名前が書かれたボタンが表示されていた。アプリの説明によれば、無理やりではなく自分の意思で押さない限り効果が発揮されないらしい。もっとも、僕には無理やり押させる力も度胸も無いから本当にそうなのかは分からないけど。
「それで西田くんが満足するのなら押しますけど……あの、本当にこんな事だけで良いのですか?」
「え?」
「ですから、その……もっと正直になって、遠慮せずに私にしてほしいことを好きなように言ってくださっても構わないんですよ? 私の恥ずかしい弱みを握られてしまっている以上、あなたの命令に従う以外の選択肢はありませんから」
「い、いや、これでいいって言うか、むしろずっとこれがしたかったって言うか……」
「そうですか……分かりました。 はい、押しましたよ」
気のせいだろうか、清澤さんが一瞬何かに失望したような表情していた気が……まあ僕の見間違いだろう。それよりも今は――
(あとはこれを押すだけ、このボタンを押すだけで僕が清澤さんになれるんだ……!)
ドクドクと心臓の鼓動が早くなっていく。いつの間にか汗でじっとりと湿っていた手を開き、緊張で震える指先を「清澤玲華と入れ替わる」と書かれたボタンに近づけていく。
そう、僕はあの清澤玲華と、目の前にいるこの女の子と入れ替わるんだ。彼女はどうやらこのアプリのことを全く信じていないみたいだけれど、僕は既にその非現実的な機能が本物であることを身をもって味わっている。
僕よりも頭一つ分ほど小さい小柄な身長に、これまでこっそり裏垢を覗いては何度もオカズにさせてもらった学園で一番の大きさを誇る巨乳。腰ほどまで伸びる艶やかな黒髪はまさに大和撫子といったような感じで、垂れ目がちでおっとりとした雰囲気を纏う顔立ちは本当に可愛らしくて……今から僕はそんな娘のカラダを借りて、その何もかもを自由にすることができるのだ。
「……あの、すみません。できれば早く済ませていただけないでしょうか? 外せない用事がこの後あるのですが……」
「あっ、ご、ごめん。それじゃあこっちも押すから――」
急かされるようにして画面に触れた瞬間、奇妙な脱力感と共に全身が浮遊する。目の前には驚いたように目を見開いている半透明の清澤さんがいて、その下にはスマホを持ったまま固まって動かない生気のない瞳をした清澤さんの身体がある。今の僕たちは身体から魂が抜け出ている状態なのだ。
目の前に現れた清澤さんの綺麗な裸体にどぎまぎとしつつも、アプリの力によって魂が勝手にふわふわと動かされていく。清澤さんの魂は僕の身体に、僕の魂は清澤さんの身体に。
やがて彼女の魂とすれ違うと、今度はぐんっと全身が引っ張られるほどの強い引力に襲われた。そのまま清澤さんの口に頭から吸い込まれて、全身がどろどろに溶けていくような感覚を覚え――
「ぅあっぶな!?……ととっ。 は、ははは……やった……!」
意識が戻った瞬間、落としそうになったスマホを何とかキャッチして、同時に胸のあたりで巨大な物体がぽよんと揺れるという初めての感覚に襲われた。そうして口から出た間抜けな声は女子のような甲高いそれへと変わっていて……声だけじゃない、自分の身体のあちこちから相当な違和感を感じる。
けど、僕はむしろその違和感に悦びすら覚えていた。だってそれはつまり、本来の自分と同じところがほとんど無いあの清澤さんになれたという証でもあるのだから。
「目の前に私が……。それにこの声、この身体。もしかして本当に……?」
視線を胸元から外して――もっとも、顔よりも大きそうなその膨らみは常に視界の隅に入ってくるのだが――目の前の"男子"を見る。そこには確かめるように自分の頬や腕をぺたぺたと触っている地味で平凡な男子生徒が、紛れもない『僕』の身体が立っていた。
やっぱり、他人と入れ替わるなんて非現実な現象が起きたことを頭の中で処理しきれていないのだろう。清澤さんは呆然としたまま僕の身体のあちこちを触っていて……あれ?今、少しだけ笑ったような……
(ま、まあ、僕の身体のことなんてどうでもいいか。今はそれよりも――)
倉庫の隅に置かれていた姿見に目を向ける。そこにはさっきまで他人だったはずの少女の姿が自分として映し出されていた。
(鏡に僕じゃなくて清澤さんが映ってる……本当に清澤さんになってるんだ……)
中身が僕だからなのか普段と違っておどおどとした少し陰気な印象を受けるけど、それでもこんなに可愛らしく見えるのだから清澤さんはすごい。
スマホをブレザーの中にしまい込み、彼女の全身をしっかり確認してみようと改めて姿見に向き合う。
小さく華奢ながらも胸元には大人の女性顔負けの膨らみが備わっている、清澤さんが裏垢で書いていたように"ロリ巨乳"という表現がぴったりのカラダ。身に付けているのがいつものスラックスではなくスカートだからなのか、下半身はまるで何も穿いていないかのようにスースーとして落ち着かない。そしてこの女子制服の下には間違いなく、何度もオカズにさせてもらったあのカラダが存在しているわけで――
「へえ、私ってこんなに小っちゃかったんですね」
「うわぁっ!!?」
「やだなあ、そんなに怯えなくてもいいじゃないですか。自分の身体なんですよ?」
不意に声を掛けられ、慌てて振り返ると僕が……いや、僕の身体になっている清澤さんがすぐ後ろに立っていた。
小柄な清澤さんの目線から見上げているからなのだろうか、見慣れた自分相手だというのに妙な威圧感を感じてしまい、ビクッと肩が震える。
「それにしても本当に驚きました。まさか他人の身体に、それも男性になってしまうだなんて……ふふっ。夢でも見ているみたいです」
清澤さんは鏡に映る僕の顔をまじまじと眺めながら、僕の低い声を使ってそんなことを言っていた。
正直言って、彼女のこの落ち着き様は完全に予想外だ。本来の計画では清澤さんは突然僕の身体になってパニックになっているはずで、そんな彼女を追い出した僕は誰もいなくなったこの倉庫でゆっくりと憧れの女体を探索するはずで……そうだ、とにかく清澤さんに出て行ってもらわないと。
「あっ、あの、悪いんだけどしばらく一人にしてもらえないかな」
「何故でしょうか?」
「いや、それは……べ、別に何でもいいだろ。僕が一人で何してようが……」
「……ああ、なるほど。そういうことですか」
「え?そういうことって……ひゃっ!?」
突然抱きかかえられ、そのまま足も抱えられてお姫様だっこのような体勢で持ち上げられてしまう。羞恥と混乱で頭がいっぱいになっている僕をよそに、彼女は倉庫を出ると旧校舎の廊下をつかつかと進んでいった。
「あははっ、西田くんって意外と力持ちなんですね。私そこそこ重たいのに、こんなに軽々と運べちゃうなんて」
「ま、待って!なに!?ど、どこに行くつもりなの!?」
「保健室です。あそこは前々からよく利用していまして、私が備品の買い替えや掃除なんかをしているので中々に居心地が良いんですよ。だからなのか他の生徒もたまに使っているみたいですけど……あ、着きましたよ」
「あぅっ!?」
ベッドにひょいと放り投げられ、その振動によって服の下で胸がぽよぽよと暴れまわる感覚に戸惑っている間にドアの鍵をかけられてしまう。
「さてと、どうしてあげましょうか……」
「ひっ!?」
僕の顔で微笑みながら近づいてくる清澤さんに恐怖を感じてしまい、小さく悲鳴を漏らしながらベッドの上で後ずさる。
何が起きてるのか全く頭が追い付かない。ここに連れて来られたのも、僕と入れ替わったことを清澤さんが当然のように受け入れていて、それどころか愉し気に笑っていることも。
「なっ、なんで……ど、どういうつもりなんだよ!」
「先程の倉庫は埃だらけでしたから、制服をあまり汚したくなかったんです。それに、硬い床の上でするよりもこちらの方が良いでしょう?」
「す、するって、何を……」
「ふふっ、今更恥ずかしがらなくていいんですよ? 私の身体でするつもりだったんですよね、オナニー♡」
「えっ!?あっ、い、いや……それは…………ひゃぅっ!?♡」
図星を突かれて口ごもっていた僕の口から、今まで出したこともないようなエロい声が出る。なんと、清澤さんが僕の胸を服の上から鷲掴みにしてきたのだ。……いや、鷲掴みというのは語弊があるかもしれない。ごつごつとした僕の手で触られているはずなのにその手つきは妙に柔らかで、揉まれる度にぴりぴりと伝わってくる淡い快感のせいで勝手に声が漏れ出てしまう。
「き、きよさわさん……あぅっ♡い、いきなり、何を……っ♡」
「女の子の自慰のやり方なんて何も分からないでしょう?なので手伝ってあげようかと思いまして」
「そ、そんなこと頼んでなんか……ひあぁっ!?♡♡」
「遠慮しなくてもいいんですよ。せっかくですから私の……女の子のカラダの良いところを、余すことなく教えてあげますね♡」
胸の先端を爪先でピンと弾かれ、痛みにも似た刺激的な快楽に甲高い声を上げてしまう。
どうして清澤さんがこうも乗り気なのか、意味が分からない。自分の身体が他人に使われていて、しかもオナニーまでされてしまうのって普通は嫌なんじゃないのか。
というか、服の上からなのに敏感な胸を直接触られているようなこの感じ。もしかして……
「こ、これ、もしかしてノーブラ……」
「あら、今更気付いたんですか?上も下も、生理の時や体育がある日以外は下着なんてつけていませんよ」
「ひゃんっ!?」
すりっとお尻を撫でられ、くすぐったさで思わず女の子のような悲鳴を上げてしまう。そして触られている肌と指との間に何も無いことが分かってしまい、彼女が口にした信じがたいことが本当なのだと思い知らされる。
「意外と気付かれないものなんですよね、普段からそんなにも恥ずかしくて卑猥な格好をしているというのに。教師からも友人からも、学園中の誰からも……」
「あっ、あの…………へっ!?あっ、ちょ、ちょっと何して……!?」
神妙な顔つきのまま手を止めてしまった清澤さんに声を掛けようとした矢先、彼女はぎしっとベッドを軋ませながら後ろに回り込んできた。
「ええ、向き合ったままだと少々やり辛かったので。後ろから失礼しますね」
「だ、だから、何もやらなくていいって……あぁぁっ!?♡」
「私のカラダはそうは言ってないみたいですよ? こんなに乳首を硬くさせてしまって……うふふっ、すっかり興奮しているじゃないですか♡」
「あっ♡やっ♡ま、まってぇ♡ い、いじるのっ♡やめてっ……あぅぅっ♡」
後ろから伸びてきた手によって両胸をそっと持ち上げられ、ブラウスをぷっくりと押し上げている突起を執拗に責め立てられる。
指でつままれ。こねられ。押しつぶされ。優しく撫で回されたかと思えば、今度は爪先でカリカリと引っかかれて。その度に今まで経験したことがないような快感で脳を刺激され、その度にエロい喘ぎ声が勝手に出てしまう。
目の前にあるのは僕の手のはずなのに、やめてほしいという僕の考えを無視して乳首をひたすらに刺激し続けてくる。なんとかその手を引き剥がそうとしてみるものの、清澤さんの手が小さい上に気持ち良さで力が入らなくて、掴んで止めることすらままならなかった。
「どうです?私の乳首、自分のと比べてどちらが気持ちいいですか?」
「し、知らにゃっ……あぁっ♡だって♡い、いままでこんな……っ♡や、やったことなんか……あぁぁあっ!?♡♡」
「そうなんですか?男性でも感じるものだと聞いたことがあったんですけど……あら?」
一瞬目の前で火花が散ったような気がして、次の瞬間には一際強い快感に襲われていた。それに反応してるのか身体が勝手にぴくんっと跳ねて、その間にも乳首を刺激される度にぴくっぴくっと全身が痙攣してしまう。
すると、いくら言っても聞いてくれなかった清澤さんはようやく手の動きを止めてくれた。安心したからか全身の力がふにゃふにゃと抜けていき、後ろにいた清澤さんにもたれかかりながら荒くなった呼吸を整えていく。
「はーっ♡はーっ♡」
「うそ……もしかしてもうイっちゃったんですか?」
そう言われて初めて、僕は先ほどの強い快感の正体に気づいた。清澤さんに胸を弄られ、清澤さんの身体で絶頂に達していたのだ。
男のとは全然違うからよく分からなかったけど、この身体の持ち主である彼女が言うのであればそうなんだろう。すごく気持ち良くて……でも、射精した後みたいにすっきりした感じはしない。むしろさっきより全身が火照ってる気がするし、お腹の奥がなんだかむずむずするような……
「はあ……♡はあ……♡だ、だってぇ……♡き、清澤さんが……あんなにいじる、からぁ……♡」
「私はただ、いつもしているようにやっていただけですよ? なのにこんなに早く……というか、乳首だけでイったことなんて私でも無かったのになぁ。西田くん、女の子の才能でもあるんじゃないですか?」
「ち、違っ……き、清澤さんのカラダがきもちよすぎるせいで……はうぅっ!?♡」
突然今まで感じたことが無い感覚に襲われ、また清澤さんの声でAVみたいな声を出してしまう。
胸から離れてくれた僕の手はいつの間にかスカートの中に突っ込まれ、その中で何やらごそごそと動いていた。
「ふふっ、もうぐっちょぐちょじゃないですか。とっくに準備万端のようですし、そろそろ始めましょうか」
「は、はじめるって、何を……ふあぁぁあっ!?♡♡」
「決まってるじゃないですか。女の子にしかできない、おまんこを使ったオナニーですよ♡ 乳首だけでああなってしまったんですから、きっとすごいことになってしまうんじゃ……って、あははっ!もうなっちゃってますね♡」
「はぁっ♡♡あっ、やっ♡やぁあっ♡♡あっ♡♡あぅぅぅっ♡♡」
もはや何をされてるのかも全く分からず、僕はただ与えられ続ける洪水のような快楽に溺れさせられていた。
本来チンコがあるはずの場所を触られてるのにそれが触られているという感覚は無く、股の付け根の辺りを――清澤さんのマンコを、僕の物だった指で撫で回されている。ぬちっ、ぬちゅっという水音が微かに聞こえてきて、その度に胸を弄られた時とは別物の快感に襲われて声が出てしまう。
どんどん手の動きが早くなっていて、気持ち良さの間隔もどんどん狭くなっていって、もはや余裕なんて無くなって――そうして一際敏感な何かをぎゅっっと押しつぶされた瞬間、僕は「きゃうんっ!?♡♡♡」なんて子犬みたいな悲鳴を上げながら絶頂に達していた。
「はぁっ……はひぃっ……!?♡♡ な、なに……!?い、今のって……あぁぁぁっ!?♡♡」
「クリトリスです。男性のペニスに相当する器官らしいので、どちらの方が気持ち良いのか聞いてみたかったのですが……ふふっ、聞くまでもないみたいですね♡」
「あっ♡あぁぁぁっ!?♡♡ま、まって♡♡イってる、もうイってるからぁっ♡♡♡」
まだ絶頂の波が引いていないというのに、清澤さんは手を動かすのを全くやめてくれない。それどころかその手つきはさらに激しくなって、敏感すぎるその突起に容赦なく快楽を叩き込んでくる。
女の子の快感を知りたいと思ってはいたけれど、それがここまで敏感で暴力的なものだなんて思ってもみなかった。まるで拷問のような連続絶頂に脳が焼き切れてしまいそうになり、ただびくびくと身体を震わせることと喘ぐことしかできない。
「はぁっ♡♡はっ、はひっ♡♡いっ……あ、あぁぁ♡♡あぁっ♡♡」
「ふふっ……あははははははっ!♡気持ちいいですか?気持ちいですよね♡私の顔をそんなにもぐちゃぐちゃにさせてしまって……くふふっ♡ ほら、あそこにある鏡、見えますか?アレが今のあなたなんですよ♡」
「ふぇ……?♡♡」
スカートからようやく手が引き抜かれ、滴る程に愛液がまとわりついた指が差す方へ促されるように視線を向ける。
そこにあったのは、今まで見たことが無いほどに乱れきった清澤さんの顔だった。普段学校で見ていた清楚で完璧な清澤さんとも、裏垢で見た蠱惑的な笑顔を浮かべる『レイカちゃん』とも違う、快感に溺れきった雌の顔。だらしなく開いた口の端からは涎がこぼれ、目はとろんと蕩けきっていて……そんな彼女の姿を目にしてしまった瞬間にお腹の奥がきゅんっと疼き、あの"雌"が紛れもなく自分自身なのだと思い知らされる。
「私にこんなカオができたなんて……私も知りませんでした。ふふっ、それを教えてくれた西田くんにはご褒美をあげないといけませんね♡」
「い、いい!そんなのいらないから!だ、だからもう離して……ひゃうぅっ!?♡♡」
にゅるり、と。お尻の穴に何かが入り込んできたような異物感と快感に襲われ、思わず身悶えしてしまう。
……いや、分かってる。これはお尻の穴なんかじゃない。このごつごつとした指が入ってきているのは、きっと――
「あはっ、挿入れただけでもう甘イキしてしまったんですね♡男の子なのにおまんこでこんなに感じてしまうだなんて、女の子のカラダでいる方が向いているんじゃないですか?」
そう、今僕は女性にしか存在しないはずの穴に指を入れられているのだ。入り口を撫で回された時と違って体内に何かが入ってくる感覚はすごい怖くて、でもそれ以上に気持ちがよくて、頭がどうにかなってしまいそうだ。
すると、ただ侵入してきただけだった指が何かを探るような動きを見せはじめて――
「ひぁあぁぁあっ!?♡♡♡」
ぐっっっと、突然その内側を強く圧迫されたかと思った瞬間、これまでとは別種の凄まじい快感が背筋を駆け上がっていった。
「またイっちゃいましたね♡裏垢にアップした動画でも言ってたと思いますけど、ここが私のカラダの中でも特に感じるところなんです。いつもこうやってぎゅってしたり」
「あうぅっ!?♡♡」
「とんとんってしたり」
「や、やめっ……♡」
「ぞりぞりってしたり」
「ひぐぅぅっ!?♡♡♡」
「……ね♡こんな感じで、おまんこでオナニーしてるんですよ♡とは言っても、今の西田くんみたいになっちゃうことは一度もなかったんですけどね?あははっ♡」
彼女が口にした「今の西田くんみたい」がどんな状態なのか確認するために鏡を見る余裕すら、もはや僕には無くなっていた。
涙で視界がぼやけて、ろくに呼吸も出来ず、ただ喘ぎ声をあげることしかできない。イったと思った次の瞬間にはまた別の快感でそれが上塗りされて、もはや何回イったのかも分からないほどの絶頂を繰り返し味わわされている。
「やめて」の一言すら言えないせいで清澤さんは一向にこの行為をやめてくれなくて……いや、たとえ口にできたとして、彼女は絶対にやめてくれないだろう。そう思えるくらいに、今の清澤さんの興奮具合は異様だった。
「や、あぅっ♡♡あっ♡♡あ、あぁぁあっ♡♡」
「良いですよ西田くん、素晴らしいです♡ ほら、もっと見せてください♡イキ狂った私を、ぐちゃぐちゃに乱れた私を、もっと♡ほら、ほら、ほらあっ!♡♡」
「~~~~~~っっ!!?♡♡♡♡♡」
膣の中をほじくられたままクリトリスを刺激された瞬間、まるで感電したみたいにびくんっ!と全身が跳ねて。頭の中が真っ白になるような快感を味わいながら、僕はゆっくりと意識を手放した。
***
「ひゃんっ!?」
ひやりとした感触が頬に伝わり、その冷たさに思わず飛び起きる。すると胸元で大きな肌色の塊がぶるんっと揺れて……そうだ、僕は今清澤さんと入れ替わってるんだった。
……あれ?ていうか僕、なんでいつの間にか裸に……
「おはようございます、西田くん。ご気分はいかがですか?」
「ひっ!?」
声のする方を向くと、そこにはスポーツドリンクのボトルを握っている僕が……いや、僕の身体になっている清澤さんがいた。
見慣れた自分の身体のはずなのに、さっきのことがあったせいでやはり恐怖を覚えてしまう。思わずベッドの壁際まで後ずさると、彼女は軽く苦笑いをしながら口を開いた。
「……先ほどは大変申し訳ありませんでした。いきなりあそこまでするつもりは無かったのですが、あまりにも私に都合の良いことばかり起きたせいでつい我を失ってしまい……」
「えっ?あっ……う、うん……」
そう言いながらペットボトルを渡してくる彼女は、いつもの清澤さんだった。いや、もちろん僕の身体になってるから外見は全然違うんだけど、物腰というか雰囲気というか、そういったものがいつもの彼女と同じように感じられるのだ。
……けど、謝ったということはつまり気絶するまで何度もイかされたのは夢じゃなかったというわけで、それなのにこうしていつも通りに接されていることが逆に恐ろしい。
イった余韻がまた残っているのか、力が上手く入らないせいでペットボトルのキャップが回らなくて。それを見かねた清澤さんが優しく微笑みながら飲み口開けてくれて。カラカラになっていた喉を潤して一息つくと、僕はずっと気になっていた疑問を口にした。
「あっ、あの……ひ、ひとつ聞いてもいいかな」
「何でしょうか?」
「その……ぼ、僕ってさ、一応清澤さんのことを脅して入れ替わってもらったんだよね?」
「ええ、そうですね。まさか西田くんがあんな行動力を持っていたなんて……うふふっ、やはり人は見かけによらないものですよね」
やっぱり、僕がさっきまで体験した出来事は全部夢ではないらしい。
僕は清澤さんの裏垢をネタに彼女を脅迫して、無理やり身体を交換したはずなんだ。なのに――
「……そ、それなのに、なんでそんなに嬉しそうにしてるの?そ、それにほら、さっき僕にしたことも、その……」
「どうして、ですか。そうですね……質問を返すことになってしまいますが、西田くんは私のことをどのような人間だと思っていますか?」
「えっ?どのようなって…………す、すごい人だなって思ってるけど……。同い年なのに大人って感じがするし、勉強ができて頭も良いし、それに……す、すごくかっ、かわいいな、って…………」
一体、僕は何を言わされているんだろうか。言ってる途中でカァッと顔が熱くなり、しどろもどろになってしまう。
「ふふっ、お褒め頂きありがとうございます。……でもまあ、そう思われているだろうとは思ってました。そういう『清澤玲華』を、私はずっと演じて続けてきましたから」
「え、演じてたって……えっ?あ、あの、清澤さん……?」
持っていたペットボトルを不意に奪われ、清澤さんはキャップが開いたままのそれを床に投げ捨ててしまう。狼狽える僕なんてお構いなしに、彼女はベッドに乗り上げるとじりじりと近寄ってきた。
「ご存じかもしれませんが、私の実家は少しだけ良いお家柄なんです。ですので、私も幼い頃からそれに相応しい人間になるようにと言いつけられて育てられてきました。嫌ではありませんでしたよ?清澤家の長女としての振る舞いも、勉強も、お稽古も。ひたすらに何かを学んで身に付けることは私の性分に合っていましたから。でも……」
「ひぁっ!?♡あぁっ……♡♡い、いきなり、何を……あぅぅっ♡♡」
伸びてきた手によって胸をまさぐられ、思わず甘い声を漏らしてしまう。そのせいでさっきの行為を思い出してしまったからなのか、胸をイジられているだけなのに膣の方まで気持ち良い感じがしてきて、その中からじゅんわりと何かが滲み出てくる。
「ほら、ね? "それ"が本当の私なんです。えっちなことが好きで好きで仕方が無くて、暇さえあれば隠れてオナニーばかりしていたせいで全身が性感帯になってしまったはしたない変態女が、本当の清澤玲華なんですよ」
「わかっ、分かったから♡い、いじるの、やめてぇっ♡♡これっ、またイっ……~~~~~っ♡♡♡♡」
気持ち良すぎて、身体に力が入らなくて。必死に絶頂を耐えようと歯を食いしばったものの、乳首をぎゅうっと摘ままれた瞬間にあっけなくイってしまった。
快感でびくびくと震える僕を見た清澤さんは何故か柔らかな微笑みを浮かべると、胸を愛撫していた手で今度は頭を撫でてくる。
「ふふっ、またイっちゃいました?西田くんは本当に可愛らしいですね♡ ……私もそんな風に素直になれる人間だったら良かったのですが、できなかったんです。そうしてこれからも一生、友人にも家族にも……夫になる人にでさえ本当の自分を隠さなくてはならないのかとふと思った瞬間、なんだか虚しくなってしまいまして」
「はあ、はぁ……♡ あ、あの、清澤さん……?何の話をして…………ひっ!?♡」
清澤さんはカチャカチャとベルトを外すと、そのまま下着ごとズボンを下ろしてしまった。
そうして飛び出てきた僕のチンコは今まで見たことがないくらいに硬く大きくいきり勃っていて……恐怖で思わず悲鳴をあげるのと同時に、何故かお腹の奥の方がきゅんと疼いてくる。
「だから、いっそ誰かの手でめちゃくちゃにしてもらおうと思ったんです。学園の人なら分かってしまうような裏垢を作って、いやらしい動画をたくさん上げて、その女が清澤玲華だという噂もばら撒いて。……もっとも、噂はすぐに消えてしまいましたけどね。『"あの"清澤さんがそんなことをしているはずがない』なんて、知ったような口を利く人達のせいで。けど……」
「ひぁぁっ!?♡♡」
「あなただけは違った。あなたは……西田くんだけは私の汚点を信じてくれて、それどころかこんな素晴らしい贈り物まで与えてくれた。まさか私自身の手で私をめちゃくちゃにできるだなんて……ふふっ♡本当に夢みたいです……♡」
「まっ♡♡♡やめっ……んあぁぁっ♡♡♡はげしっ♡♡♡あぁぁぁあっ♡♡♡♡」
指で膣内をぐちゃぐちゃと乱暴に掻き回され、敏感になっていた僕はすぐにイかされてしまう。
その反応を楽しむかのように彼女はさらに指の動きを速めていって……何度も、何度も何度も何度もイかされて、汗と涙で視界が霞んできた頃にようやく指を引き抜いてくれた。
霞む視界の先には濡れた指をぺろりと舐めながら恍惚の表情を浮かべている『僕』がいて……ずいっと突き出されたそそり勃つ肉棒によって、その顔が見えなくなる。
「はぁ……はぁ…………♡」
「もう充分すぎるほどに濡れているようですし、そろそろ挿入れますね。ああ、私の初めてを自分で奪えるだなんて……ゾクゾクしちゃいます♡」
「ご、ごめんなさい……許してぇ……♡ぼ、僕が全部……はぁっ♡悪かったから……」
「許すって、一体何を?」
「その……う、裏垢のこと……ぜ、絶対誰にも言わないって約束するし、清澤さんの身体も今すぐ返すから……だから……きゃんっ!?♡」
そう懇願する僕の言葉を聞き終える前に、閉じようとしていた両脚をぐいっと押し広げられる。
そしてそのまま、膣の入り口にぴとりと亀頭が当てられた。
「えっ、あっ……♡」
「やだなあ。さっきの話、聞いてなかったんですか? 許すも何も、私はむしろ感謝しているんですよ。本当の私を見つけてくれて。身体を入れ替えてくれて。……私の身体でこんなにも可愛らしく、私以上にいやらしくぐちゃぐちゃに乱れてくれて♡そのせいでずっと興奮しっぱなしで、西田くんのおちんちんが限界なんです♡だから、もう……っ!♡」
「~~~~~~~っっ!!?♡♡♡♡」
さっき入れられた指の何倍も太い棒がずぶずぶと入り込んできて、ごちゅんっ♡とお腹の奥の方を小突かれた瞬間、僕は今までで一番の絶頂を味わっていた。まだ挿入れられただけなのに、意味が分からない。目の前がチカチカと明滅していて、チンコの先端が接触しているであろうお腹のところが尋常じゃないくらいにきゅんきゅんと疼いている。
「あはっ♡驚きました?そこが、私が一番気持ち良くなれるところなんです。ずっとディルドやバイブを使っていたので不安だったのですが、ちゃんと本物のおちんちんでも感じられているみたいで安心しました♡」
清澤さんはそんな風に笑いながら、奥の方まで差し込んでいた肉棒をずるずると引き抜いていった。「ああ、よかった。これでやっと終わってくれる」なんて安心するのと同時に、何故か少しだけ寂しさも覚えて――
「ひあぁっ!?♡♡あっ♡あぁぁあっ♡♡♡あぁあっ♡♡」
綯い交ぜになっていた感情を塗り潰してしまうように、またお腹の奥を突かれて二度目の絶頂を叩き込まれる。三度目、四度目と、ぱちゅっ、ぱちゅんと肉がぶつかり合うような音と共に何度も何度もイかされてしまい、その度に掠れたような甲高い嬌声が僕の口から勝手に発せられていく。
「んっ……♡もしかして、ピストンする度にイっちゃってます?締め付けがすごくなって、刺激が……んぅっ♡」
「やっ♡♡あっ、あぁぁっ♡♡♡うあぁぁっ♡♡♡」
「ふふっ、もう言葉すら喋れないくらい感じちゃってるんですね♡本っ当に素敵……♡ だいぶ慣れてきたのでもっと激しくヤっちゃいますけど、いいですよね♡」
「待っ、やめっ……!?♡♡ひゃぁああっ!?♡♡♡♡」
抽挿のペースが更に速くなり、パンパンと肉がぶつかり合う音とぐちゅぐちゅっ♡という粘ついた水音が部屋の中に響き渡る。完璧な清澤さんは男としてのセックスの才能もあったのだろうか、奥を突かれる毎にその快感はどんどん強くなっていって、脳みそが蕩けてどうにかなってしまいそうだった。
「あっ♡♡はあぁんっ♡♡♡んあっ♡♡♡あぅぅぅっ♡♡♡」
「本当に可愛らしく喘ぎますね、西田くんは♡ まるで私じゃないみたい……♡♡ぐちゃぐちゃになったあなたのカオを見ているだけで私もイってしまいそうに……というか、何か出てきそうかも。もしかしてこれが男性の絶頂なんでしょうか?」
「へ…………!?」
清澤さんは突然ピタリと動きを止めるとそんなことを言ってのけた。
彼女が僕の身体でイくってことは、つまり射精してしまうというわけで。そして僕の身体のチンコは今まさに清澤さんの膣内に挿入っていて。このまま射精すのは絶対にまずいと彼女も分かっているはず、そのはずなのに――
「あっ♡♡あぁああっ!?♡♡♡なんでこれっ、抜いてくれないの……ひあぁぁあっ!?♡♡♡♡」
「……すみません。私もそのつもりではあったのですが……なんかもう、いいかなって思えてしまって」
「い、いいかなって……はぅぅっ!?♡♡♡♡」
抜きかけていた肉棒が再び一気に奥まで挿し込まれ、僕の口から悲鳴のような嬌声が漏れる。そしてそのまま、清澤さんは僕の腰を掴んでピストンを再開させて、与えられる快楽の波にびくびくと身体を震わせてしまう。
「元々ここまでする気は無かったんですけどね、でも西田くんが相手ならいいかなって。それに……これは男性としての本能なんでしょうか?正直に言ってもうこの昂ぶりを抑えきれる気がしなくて、早くあなたのナカに思いっきりぶちまけたくて仕方が無いんです……♡」
「や、やめっ……あぅぅっ♡♡らめっ♡だめだってばぁ♡♡」
「大丈夫ですよ、何かあってもちゃんと責任は取ってあげますから。だから安心して、受け入れて……ね♡二人で一緒に、気持ち良くイっちゃいましょうか♡」
「~~~~~っ!?♡♡♡♡」
何度も何度もイかされ続けたせいで、僕の頭は本当におかしくなってしまったのかもしれない。
だって清澤さんは自分の身体に中出しをしようとしていて、でもその身体になっているのは僕で……つまり、もし"何か"があれば妊娠してしまうのは僕ということで。
なのに、それなのにどうして、こんなにも嬉しくなって……♡♡
「っ……! 急にすごい締め付けが……くぅぅぅっ、射精る……っ!♡♡♡♡」
「ひぅっ!!?♡♡♡♡♡♡ っく、うぅっ…………♡♡♡♡」
子宮口に押し付けられた肉棒がびくんと震え、そこから熱いモノがお腹の奥に大量に流れ込んでくる。
今までで一番深い、ずっと深い絶頂の中、とっくに限界を迎えていた僕はそのまま意識を失ってしまった。
***
「それじゃあ、アプリを使って元に戻りましょうか」
「…………へ?」
僕が目を覚ますと、清澤さんは開口一番にそんなことを言ってきた。
寝ている……というか気絶している間に制服を着せられていたようで、それどころかベッドの上もまるで何事も無かったかのように綺麗になっている。
「どうしました?何か問題でも?」
「えっ?あっ、いや……その、なんとなくこのままでいるつもりなのかと思ってたから。あ、あんなことされちゃった訳だし……」
「そんな訳ないじゃないですか。責任は取ると、そう言ったでしょう? 元に戻ってから適切な処置をするつもりですので、西田くんが負う責任については気にしないでください。もっとも、生理周期的にも心配はないでしょうけど」
「そ、そっか、そういう意味の責任だよね。あ、あはは……」
ものすごい勘違いをしてしまっていたことに気づいて、顔が一気に熱くなる。
確かに、普通に考えればそりゃそうだろう。そもそも、清澤さんが今の身体を捨ててまで僕なんかになりたがる訳がないんだから。それなのに、快感で頭がどうにかなっていたとはいえあんなことを考えてしまっていたなんて……色んな意味で自分が恥ずかしい。
「あ、あの……改めて言うけど、本当にごめんね。弱みに付け込んで最低なことしちゃって……」
「またその話ですか? だから謝る必要は無いと……いえ、そうですね。そこまで申し訳なく思っているというのなら、一つだけお願いを聞いていただけますか?」
「も、もちろん!何でも言ってよ!」
「ありがとうございます。では……これからもたまにで良いので、また入れ替わって今日みたいなことをさせてください。そうしたら許してあげてもいいですよ?」
「えっ!?」
初めて見るような悪戯っぽい笑みを浮かべながら、彼女は思いもよらないことを言ってきた。
また清澤さんの身体になれるのは願ってもないことだけど、今日みたいに気絶させられるまで何度もイかされるのは正直キツくて……顔を赤くしながら狼狽える僕に「返事はいつでもいいので」と告げると、彼女は何事も無かったかのようにスマホを操作し始める。
「……あら?」
「ど、どうかしたの?」
「ええと、どういうわけなのかアプリが勝手に削除されてしまったようでして……また先ほどのようにこちらへインストールしていただけますでしょうか」
「削除……?う、うん、分かった。ええっと……」
不思議に思いつつも、僕も自分のスマホを手に取った。一向に認識されない顔認証に焦ったものの、認識されるはずがないことに気づいて顔を赤くしながらもパスコードを入れていく。
そうして開いた画面にはさっき使ったはずのアプリではなく、『おめでとうございます、理想のパートナーとのマッチングが完了しました!』なんてメッセージだけが表示されていた。
「へ?何これ…………あっ」
突然そのメッセージが消え、ホーム画面に戻されてしまう。SNSやソシャゲのアイコンが立ち並ぶ、見慣れたスマホの画面。その中の一ヶ所にアプリ一個分のスペースがぽつんと空いていて……そこにあったのが何なのかを思い出した瞬間、ぶわっと冷や汗が滲み出てきた。
「はぁ!? う、嘘だろ……無い!? これ、もしかして消えっ……」
「あら、そちらも消えてしまったんですか?」
背後から聞こえてきた声に、僕は思わず身体を硬直させる。
僕が持ってきたアプリで清澤さんと入れ替わって、そのアプリが消えてしまっていた。
つまりお互いが元の身体に戻るための手段が無くなってしまったということで、洒落にならなさすぎる大失態だ。謝って許されることじゃないけど、とにかくまず全力で謝ろうとして恐る恐る振り向くと――
「どうやら元に戻れなくなってしまったようですね。どうしましょうか?」
なんて平然と口にした彼女は、何故か僕の顔で嬉しそうに微笑んでいた。
***
とある日の放課後、僕は担任教師に進路指導室まで呼び出されていた。
彼の要件は、進路指導という名目で志望校のランクを下げさせることにあった。正直言って教師にあるまじき行為だとは思うけれど、赤点スレスレだった生徒が私立とはいえトップクラスの大学を目指すと突然言い出したのだから、その気持ちは分からないでもない。
それでも説得されていたのはほんの数分で、先週返ってきた模試の結果を見せた途端に手のひらを返してくれた。
「しっかし驚いたな……。お前、いつの間にこんな成績上げてたんだ?」
「あはは、先生のご指導の賜物ですよ。それで、そろそろ席を外してもいいでしょうか?友人と約束をしてまして」
「ああ、もう行っていいぞ。気をつけて帰れよ」
「失礼します」
軽く礼をしてから進路指導室を出て、教室までの廊下を歩いていく。
受験本番が近づいてきていることもあってか、放課後であるというのに教室で自習している生徒の集団をちらほらと見かけるようになった。三年が引退したせいか、グラウンドから響く運動部のかけ声も以前より小さいように感じる。
そうして辿り着いた教室には、数人の女子生徒に混じって談笑をしている友人の姿があった。楽しそうに笑う彼女は今やすっかりと女子集団に馴染んでいて、思わず感慨に耽りながらその後ろ姿を眺めてしまう。
……と、一人の女子生徒がその視線に気づいたようで、にやにやと笑いながらこちらを指差してきた。
「ほら玲華、カレシが迎えに来たよ」
「あぇっ!?」
突然の言葉に友人、清澤玲華は素っ頓狂な声を上げてこちらを振り向いた。ひらひらと手を振りつつ近づいていくと、彼女は少し頬を朱く染めながらも会釈を返してくる。
「ごめんね、盛り上がってるとこに水差しちゃって」
「いやいや、ウチらこそ彼女さん独占しちゃってごめんね~」
「だっ、だからそういうんじゃ無いってば!もう……」
揶揄われて顔を赤くさせつつも、清澤玲華はせわしなく帰り支度を進めていく。そんな彼女に苦笑しながら、教室に残っていた生徒達に別れの挨拶を交わして僕達は教室を出た。
お互いに黙ったまま、外靴に履き替えて裏門の外へ歩いていく。やがて旧校舎の側までやって来ると、ようやく僕は口を開いた。
「僕って、清澤さんの彼氏じゃなかったんだ?」
「へっ!?」
「まさかあんな必死に否定されるとは思わなくてさ。いやあ、傷ついちゃうなぁ」
「あっ、そ、そういう意味じゃなくて!ぼ、僕なんかが清澤さんの彼女だなんて、釣り合うわけがないっていうか……!」
「ふふっ。そこは"彼氏"、ではないんですね?」
「えっ、あ……か、からかわないでよ……!」
耳まで赤くして慌てふためく彼の姿に、思わず吹き出してしまう。
そうこうしている内に保健室へと辿り着いていたようで、私達はいつものようにその中に入っていった。
***
西田くんと入れ替わったあの日から今日で丁度一ヶ月になるが、私達は未だに元の身体に戻れていない。
彼は知らずに使っていたのだが、そもそもあの『入れ替わりマッチングアプリ』は元に戻れなくなること自体が機能として組み込まれていたのだ。
西田くんにあのアプリを渡した人間、彼のお兄さんに話を聞いたところ、あのアプリは『マッチング』と書かれている通り『入れ替わり』の機能を使って他人との相互理解を深めることで理想のパートナーとなる相手を探すことが本来の用途らしい。
その目的が達成された時点でアプリが自動的に削除されることは利用規約にしっかり記載されていたと、彼のお兄さん……もとい、元は30代の女性だったというその人は教えてくれた。
一応、元に戻りたがっている西田くんのためにアプリを再インストールしようと他の所有者を探してはいるのだが、あまり期待はしていない。
ネットで調べたところ、あのアプリが出回り始めたのはおよそ一年程前だったのだが、それ以降出回り始めた使用者のものと思われる類の書き込みは半年前には完全に消えてしまっていたのだ。
恐らくその時点で使用者のほぼ全員が『理想のパートナー』とやらを見つけていて、西田くんが最後の所持者となっていたのだろう。それまでずっと使えずに持ち続けていたのは何ともまあ彼らしいというか。
何はともあれ、入れ替わったままの身体で過ごさざるを得なくなった私達はお互いのフリをして学園生活を送っていた。
私の方は特に問題が無かった。そもそもの話、私は『周囲が期待する通りの清澤玲華』を物心ついた頃からずっと演じ続けてきたのだ。今さら同い年の男性としての演技を身に付けることなど造作もない。
そしてこれは意外だったことなのだが、彼の方も人間関係についてはこれと言った問題が起きていなかった。
正直言って、彼は『清澤玲華』を全くと言っていいほどできていない。身嗜み、言葉遣い、仕草、挙げていればキリが無いほどに。
にもかかわらず、彼は清澤玲華として周囲から受け入れられていた。今考えればそれも当然だと思う。どれだけ人の性格や振る舞いが変わったとして、実際にその中身が変わったなんて思考には至るはずもないのだから。現に西田くんもかなり前からお兄さんの中身が変わっていることに気付いていなかったのだから、人間とは得てしてそういうものなのだろう。
とはいえ、人間関係以外の問題は依然として存在している。
男性だった彼が初めて経験する女性としての当たり前や、急に下がった学力。今は寮生活だから避けられているもののいずれ向き合わなければならない実家のことなど、それはもう山のように。
こうして放課後に彼と二人きりで過ごしているのも、その問題に対処するためだった。
「――では次に、本学に入学してからやりたいことなどがあれば教えて下さい」
「は、はい。えっと…………あ、あれ?ど、ど忘れしちゃったかも……ひゃうぅっ!?♡」
「そうですか。本番で同じミスをしないよう、後で繰り返し見直してくださいね」
「ひゃ、ひゃいっ……♡♡」
遠隔ローターの振動レベルを引き上げつつ、手元に置いた面接用の対策用紙にメモを取る。
彼が抱えている目下の問題は、来週に実施される大学の入学面接だ。指定校推薦かつ私が書いた小論文を提出してあるので多少のミスを重ねても落ちることは無いと思うが、彼の方から頼まれてこうして練習に付き合っている。
「あ、あの……ちょっといいかな」
「どうしました?」
「や、やっぱりローターは無くてもいいと思うんだけど……。その、集中しづらくなるというか……」
「いいえ、必要です。失敗に対して即時的な罰があった方が学習効率が高まりますから」
「そ、そうかもだけど、でも……」
もちろん今言ったことはただの詭弁で、これは私の趣味でしかなかった。恥辱と快感に打ち震える『私』の姿はやはりいつ見ても堪らない。
一応こちらも時間を割いて彼に付き合っているというていなのだから、これくらいの褒美くらいはあってもいいだろう。
「もし今使っている玩具が嫌でしたら、電流を流す装置なんかも用意していますけど。そちらと取り替えますか?」
「っ……い、今のままでお願いします……」
ローターを使い続ける言質を取ったことに満足しつつ、その後も面接の練習を続けていく。
それから四回ほど愉しんだ頃、事前にセットしていたアラームの音が鳴った。
「ひとまず休憩にしましょうか。こちらで反省点をまとめておくので、その後でもう一度……」
「ぁ、あのっ!」
対策用紙を整理していたところで、後ろからぎゅっと服の裾を掴まれる。振り返ると顔を真っ赤に染めた西田くんが何かを言いたげに、潤んだ瞳でこちらを見つめていた。
「……どうかしましたか?」
「いや、えっと……さっきから何回もされてたせいで、その……う、疼いちゃって……♡だから……♡」
そう言いながら膝をもじもじと擦り合わせる西田くんを見た瞬間、自分の中で理性の糸がぷつりと切れる音がした。自分から強請っておきながら「きゃっ」なんて悲鳴をあげる彼を持ち上げ、そのままベッドの上に押し倒す。
「全く……。そんな誘い方、どこで覚えてきたんですか」
「だ、だって……清澤さんがあんなにイジめてくるから……♡」
そうは言いながらも、西田くんは誘うように自らの脚を広げて秘所を露わにし、期待に満ちた眼差しでこちらを真っ直ぐに見つめてくる。
見慣れていたはずの自分の裸。見慣れていたはずの自分の顔。それを前にしてこれほどまでに興奮してしまうのは、やはり私も徐々に男性らしい精神になりつつあるということなのだろうか。……それとも、この人が相手だからなのだろうか。
「……本当に、入れ替わった相手があなたで良かったです」
「へ?き、清澤さ……んむぅっ♡♡」
何か言いかけた彼の唇を奪って舌をねじ込むと、すぐに向こうからも積極的に舌を絡ませてくる。
自分に自信が無いのにどこかだらしなくて、臆病で気が小さいのかと思えばたまに大胆なことをしたりして。そして何より、偽りのない私をちゃんと見てくれる、愚かで愛しい私の片割れ。
他人に対して初めて抱いたその感情が強くなっていくのを感じながら、私はその想いをぶつけるようにして行為に耽っていくのだった。
Comments
ありがとうございます! これが本当にハッピーエンドなのかもう自分では判断がつかなくなってたので、そう受け取ってもらえたようで安心しました😌
メス牡蠣
2024-11-03 08:42:29 +0000 UTC清澤さんは隠していた自分をさらけ出せる運命の相手を見つけて、西田くんは可愛くてエッチな女の子になって女の子としてめちゃくちゃ愛されて。2人ともすごい幸せになれて良かったなぁ……と読後感のすごい良いお話でした。西田くんもそのまま体を奪い取る気じゃなかったし、清澤さんも一応体を返してくれる気でいたのが2人の善性を象徴していて良かったですね。最後に(元)清澤さん視点になるエピローグも良い味が出てて非常に好きです。素晴らしい作品でした!ご馳走様です!
飛龍
2024-10-31 12:29:28 +0000 UTC