人縛霊
Added 2025-09-22 11:01:34 +0000 UTC次のが書き終わるのが週末くらいになりそうなので、お蔵入りにしてたやつにちょっと手を加えたのを載せてお茶を濁しときます。
続きも書く予定だったやつだから多少尻切れトンボな感じはあるかもです。
"地縛霊"というやつを知っているだろうか。
そう、ホラー特番とかによく出てくるアレだ。土地や建物なんかに未練やら怨みやらを持ったまま死んだ霊がそうなるとか、そんな感じのことを胡散臭い霊能者が言ってた記憶がある。
当時はただの子供騙しとしか思っていなかったが、今ならアレがフィクションではなかったのだと分かる。なんせ、実際に俺自身がそうなってしまったのだから。
『暇だぁーー……』
俺がこの銭湯の地縛霊になったのは一週間ほど前、珍しく大雪が降った日のことだった。
普段はシャワーだけで済ませていたのだが、あまりにも寒かったのと積もった雪を見てテンションが上がっていたこともあり、近所にある寂れた銭湯に足を運んだのだ。
久々に湯舟に浸かり、たまにはこうやってのんびりと風呂を楽しむのも悪くは無いかなんて思ったのが最後の記憶。ヒートショックという言葉自体は知っていたが、まさかそれが自分の身に起きるとは思ってもみなかった。
そして気付いた時、俺は半透明な幽霊の姿になっていて、俺の死体が隣の男湯から救急隊に運ばれていく音を壁越しに聞いていた。壁越しだったのは俺が地縛したのが女湯だったからだ。多分、湯に浸かりながらぼんやりと思っていた「一生に一度でいいから女湯に入りたい」なんていうしょうもない願望が未練にでもなったのだろう。
そういうわけで俺も生前の後悔なんてものは忘れることにして、せっかくだし夢にまで見た女湯を満喫してやろうと気持ちを切り替えたのだったが――
『おっ? ようやく客が……って、またババアか』
女湯が美女だらけなんてのはAVだけの話で、実際にやって来るのはほとんどが老人か年増の子連れくらいだった。
恐らく、この銭湯の立地なんかも関係してるのだろう。駅から遠い閑静な住宅街にあることに加え、去年くらいに真新しいスパ施設が駅前にできたこともあり、利用客がだいぶそっちに吸われているんだとか。
『どうしてこんなボロ銭湯で死んじまったかなぁ。駅前のとこならそれこそ天国だったろうに』
結局一度も足を踏み入れたことは無かったが、あそこの客層は間違いなくこことは大違いだろう。というのも駅を挟んだ反対側には女子大があり、そこの学生であろう若い女性らが入って行くところを頻繁に見かけていたのだ。
だからこんなとこから離れてさっさとそちらに行ってしまいたかったのだが、地縛霊になっているからなのか、どれだけ試そうともこの女湯から出ることはかなわなかった。
いっそのこと向こうが閉店でもしてくれればこっちにも女子大生が来てくれそうなんだが……日にせいぜい5、6人しか客が来ない現状を鑑みるに、先に潰れるのはこの銭湯の方だろう。
やがて常連全員がやって来て、最後の1人が出ていった頃には閉店の30分前に差し掛かろうとしていた。
銭湯が閉まれば当然人は来なくなり、俺は真っ暗な浴場の中でまた店が開くのを待つことしかできなくなってしまう。ホラー番組では地縛霊が生きた人間に霊障なんかを起こしたりしていたが、これだけ暇でストレスが溜まるならちょっとくらいそういうイタズラをしたくなる気持ちも分からないでもない。
『ん? なんだ、こんな時間にまだ客が……おおぉっ!?』
脱衣所に続く扉がガラガラと開き、そこから現れた人物に思わず声を上げていた。
『でっか……』
我ながら何とも間の抜けた感想だとは思うが、それ以外に言葉が浮かばなかったのだから仕方がない。
やって来たのは、まさに俺が来てほしいとひたすらに願い続けてきた若い女性の客だったのだ。
それだけでも有難いのだが、さらに注目すべきはそのエロい体つきだ。歩くだけでたぷんたぷんと揺れ動く爆乳にムチっとした太もも、肉付きが良くも形の良い安産型の尻。ウエストは肉が若干乗っているものの、それを補って余りあるほどのスケベボディだった。
『この娘……そういや前に何度か見かけたっけな。まさかここまでエロい身体をしてたとは……』
余程視力が悪いのだろうか、湯煙の漂う浴場でさえ眼鏡を掛けているその顔には見覚えがあった。買い物をする時なんかにジャージ姿のこの娘とすれ違ったりした記憶があるし、近所に住んでいるのかもしれない。
その時は芋臭いデブ女程度にしか思っていなかったが、恐らくこの胸のせいで着膨れでもしていたのだろう。全裸になったそのスタイルはまさに極上の一言で、間違いなく抱き心地が良いであろうことが伺える。
『どうして今日までやって来なかったんだ? ……ま、どうでもいいか。ようやく念願の巨乳美女の裸を拝めるんだし、じっくりと堪能させてもらわないとなぁ♡』
彼女はがらんとした浴場をキョロキョロと見渡した後、小さく息をついて洗い場の椅子に腰を下ろした。
そんな彼女に俺は堂々と近づいていき、目の前の鏡に半ばめり込みながらその正面姿を視姦していく。こうやって目が合っても全く気付かれないのだから、こういう時だけは幽霊になって良かったと心の底から思える。
『へえ、よくよく見れば顔も整ってるじゃん。こんなダサい眼鏡なんてやめて普段からもっと身綺麗にしてりゃ男はほっとかないだろうに。いっそ俺の女にしてやろうか? なーんて……はぁ』
軽口を叩きながら彼女の胸を鷲掴みにしようとした手がスカッと空を切り、分かってはいたはずなのにそれでもどうしようもなく落胆してしまう。
今の俺は実体の無い地縛霊。当然物体には触れられないし、声も届かない。だからこうして一方的に視姦する程度のことしかできないのだ。
『触れでもしたらもうちょい楽しめたんだろうが……ま、死んでる身だし贅沢は言えないか。せめてこのエロいカラダをしっかり目に焼き付けさせてもらうとするかな』
生殺しな気分を味わいながらも、彼女が体を洗っていく様子を特等席でじっくりと眺めていった。見てるだけで柔らかさすら感じられる艶めかしい肢体が泡にまみれていく様はそれだけで既にエロく、もし勃起できる肉体があれば間違いなくこの場でシコっていたことだろう。
と、それまでずっと眠たげな表情をしていた彼女は胸を洗おうとしたところでうんざりしたようにため息をこぼし、片乳だけを両手で掬い上げるとそのまま素手で擦り始めた。
「んっ……」
並みのメロンよりも大きな爆乳はやはり相応な重量を持っているようで、彼女は重たげにしながらもたぷたぷと胸を揺らしながら泡立てていく。
それだけでも充分にエロかったのだが、やがて少しずつ彼女の様子に変化が起き始めていった。口から零れる声が徐々に艶を帯び、ぐにゅぐにゅと形を変える乳房の先端がぷっくりと膨れ上がっていき、ぴったりと閉じていた内腿をもじもじと擦り合わせていく。巨乳ほど感度が高いなんて話は聞いたことあるが、洗ってるだけで普通こうなるもんなのか?
『はぁっ、はぁっ……クソッ! こんなん見せられるだけ見せられてシコることすらできないとか拷問でしかねえよ……!』
地縛霊になったからこそ見れた光景とはいえ、オナニーじみた行為をしてるエロい美女が目と鼻の先にいるのに手を出せないのは生殺しにも程がある。反射的に右手が股間に伸びるがただすり抜けるだけで、行き場の無い性欲が更に俺を苛立たせていく。
もしかしたら美女の裸を拝めたら未練が消えて成仏できるかもなんて思っていたが、むしろ逆効果だった。犯したい。この娘を触ることができる実体のある肉体を手に入れて、このエロボディを欲望のままにむしゃぶり尽くしたい。そんな欲望だけがとめどなく湧き上がっては頭の中を埋め尽くしていく。
そうして悶々とさせられながらも彼女が体を洗う姿を凝視していると、やがて洗い終わったのかタオル片手に立ち上がった。
閉店までの残り数十分、せめてその間にこの魅惑的なカラダを少しでも目に焼き付けたかったのだが――
『……はあ!? もう終わりか!? 烏の行水にも程があるだろ!』
入ってからまだ五分すら経っていないというのに、彼女はなんと浴槽ではなく脱衣所の方へと向かっていったのだ。
いくら何でも早すぎる。もしかして俺がいるのが分かっててわざとやってるんじゃないか……なんて一瞬思ったものの、追いかけて目の前に立ちふさがった俺を気にもせずごしごしと全身の水気を呑気に拭いているし、恐らくは普段からこうなんだろう。
『ふざけんな、待て、待ってくれよ! せめてもう少しだけ……あ、あぁぁぁ……』
俺の必死な制止は全く以て意味を成さず、彼女は俺の全身をすり抜けると脱衣所に戻っていった。それについて行こうとするものの見えない壁のようなものに阻まれ、その間に無情にも扉を閉められてしまう。
『クソッ、嫌がらせのつもりかよあの女……!』
段々とむかっ腹が立ってきた、あんだけ煽っておきながら一番良いところでさっさと帰りやがって。
発散できず堪り続けた性欲に混じるようにして、何かどす黒い欲望が自分の中にふつふつと湧き上がってくるのを感じていた。
もう一度見たい……いや、触れたい。欲しい。また生きたカラダを手に入れて、あのエロい美女を俺のモノにしてやりたい――
「……んあ?」
視界がぐるんと暗転したかと思った瞬間、いつの間にか目の前の景色が一変していた。
そう、俺は脱衣所に立っていたのだ。何度も脱出しようと試みても出れず、ずっと縛られ続けていた女湯の外に。
「もしかしてあの娘の裸が見たいって強く願ったから……!? いや、喜ぶのは後だ。今はとにかくあの娘を探さねえ……と……?」
彼女は探すまでもなくあっさりと見つかったのだが、同時に俺は驚きあまり固まってしまう。
彼女が居たのは『鏡の中』だったのだ。濡れたタオルを片手に呆然と立ち尽くしては、俺の方をじっと見つめている。
「まさか……」
そこで俺は、女湯の外に出てから感じていた違和感に少しずつ気付き始めていた。
重い。地縛霊になってからは久しく感じていなかった重力が全身に――特に胸とそれを支える肩回りにずしりと圧し掛かっていて、バランスを崩してふらついた身体を支えるために前に出した右足は濡れた床の感触を俺に伝えてくる。同時に、胸元にぶら下がっている重りがだぷんっと揺れ動くのを感じて……思わずそれを両手で持ち上げると、鏡の向こうにいる彼女もたわわな爆乳を持ち上げてみせた。
「重っ…………くくっ、はははははっ! マジかよ!? 何がどうなってんだ!?」
思わず叫んだ声もどこかあどけなさを感じる甲高いものへと変わっていて、その時点で俺は自分の身に何が起こったのかを確信していた。
そう、俺はあの巨乳美女になっているのだ。それも単に姿形が変わったのではなく、幽霊ではない生身の肉体を自由自在に動かせている。
「確かに生きたカラダが欲しいとは思ってたが……まさかあの娘になっちまうとはなぁ」
改めて脱衣所の鏡をまじまじと見つめると、さっき視姦していた彼女が興味深そうにこちらを見返している姿が映る。
先程と違うのは、俺が彼女に触れられるということだ。頬を軽く摘まんでみれば彼女も同じように頬を摘まんで、同時にふにっとした柔らかく心地よい感触が指先から伝わってきて……やばい、ただ顔を触ってるだけだというのにその感覚すら久々すぎて、既に抑えきれないほどの嬉しさが込み上げてくる。そんな俺の感情を表すかのように鏡の中の彼女もぼんやりとしていた先程までとは違いニマニマと嬉しそうに口元を緩ませていて……俺、本当にこの娘になってるんだな。
「にしても、どうしてこんなことに…………ん?」
こうなることができた原因について考えを巡らせていたところ、ふと、まさに今の状況にぴったりと当てはまるような言葉が頭に浮かぶ。
それは、以前プレイした乙女ゲーに出てきた"憑依"という現象だった。幽霊なんかが生きた人間の身体に入って乗っ取るような能力をゲームなんかではそう呼ぶらしく、あのゲームではラスボスに憑依される攻略対象を必ず倒すことになっちゃうから周回の度に過呼吸気味になるくらい号泣しちゃって――って、
「何だこれ……こんな気色悪いゲームなんざやった覚え無いぞ?」
ゲームなんてせいぜいスマホのパズルゲームくらいしか経験がないというのに、何故か自分が知らないはずの内容や知識が自然と頭に浮かんでくる。
「……もしかしてこれ、この娘の記憶なのか?」
なんとなく思い浮かんだ仮説でしかなかったそれは、すぐにこの娘の脳内で確信へと変わっていった。試しにこの娘について"思い出そうと"したところ、知らないはずの彼女の個人情報がまるで自分のことのようにすらすらと浮かび上がってくるのだ。
名前は相沢里奈(あいざわ りな)。歳は先月ハタチになったばかりで、どうやら駅の向こうの女子大に通っているらしい。気になってた胸のサイズは……Iカップ!?マジか!?それを測ったのも半年程前のことだし、ブラが最近きつくなってきたことから今は更にデカくなっているであろうことが伺える。
「なるほどね、身体どころか頭ん中に入ってる記憶まで思うがままってわけだ。……ひひっ、こいつは面白いことになっちまったなぁ♪」
一時は戸惑っていたものの、よくよく考えれば願っても無い話だ。死んで成仏するのを待つだけだった地縛霊から一転して、再び自由に動かせる生きた身体を手に入れることができたのだから。
これから『自分』として使っていくのが女の身体ってのは少し気になるところだが……見方を変えればこの巨乳美女をいつでも好きに視姦できるようになったわけだし、これはこれでありなのかもしれない。
「悪いな里奈ちゃん、このドスケベボディで散々俺を誘惑した罰としてこのカラダは貰ってくぜ? ……やっぱり返事ないな。本人の意識はどこに行っちまったのか……ま、どうでもいいか」
彼女の精神は眠っているだけか、消えたか、もしかすると俺の代わりに地縛霊にでもなっているのかもしれないが、いずれにせよ姿が見えず声も聞こえないのなら存在しないのと同じだ。
そんなことよりも、今は早くこのカラダを弄繰り回したくて仕方がない。ただ見せつけられるだけで触れもしなかった、今や正真正銘自分の物となり、自分の意思でいくらでも好きにできるようになった巨乳美女の身体を。
「よし、そうと決まればさっさとこいつの家に帰るとするかな」
本音を言えばこの場でおっ始めたいくらいだったのだが、いくら客の少ないボロ銭湯とはいえ万が一ということもあるだろう。元は他人だが、今は俺の新しい人生の器となる大事な女だ。痴女扱いされて警察でも呼ばれたらそれこそ洒落にならない。
そうして俺は彼女の記憶を引き出してロッカーの場所を特定し、そこに放り込んであったダサいジャージと厚手のダウンコートを身に纏うと赤色の暖簾をくぐる。
やはりというべきか、里奈に憑依した時点で俺を地縛していたあの女湯から解放されていたようだった。上を見上げると薄汚れた天井ではなく澄んだ夜空が広がっていて、以前は当たり前だったその光景に若干の感動すら覚えてしまう。
「うわっ!? ははっ、足元見えなくて歩きづれ~! 胸なんてデカけりゃデカいほど良いと思ってたけど、いざ自分の身体にぶら下がってると大変なもんなんだなぁ」
一歩進む度にたゆんたゆんと大きく揺れる胸。それに視界が遮られるせいか足元にあった段差に気付かず躓いてしまい、こけそうになって足を踏ん張れば胸元の爆乳が更に激しく揺れ、顎に触れた柔らかな感触に思わず笑ってしまう。
こういう多少の不便さはあるんだろうが、男としてはメリットの方が遥かに大きく感じられる。このエロいデカ乳が見放題触り放題なのはもちろんのこと、この娘も洗ってるだけであんなに気持ちよさそうにしてたし……
「ぁんっ♡ ……っと、いかんいかん。せめて帰るまでの間は我慢しないとな」
ぐにゅっと軽く鷲掴みにしただけでこそばゆいような奇妙な快感が走り、堪らず女みたいな喘ぎ声を出してしまう。そして当然、俺が発したその声は女"みたい"ではなく女そのもののエロ可愛い声になっているわけで……早くこの娘の身体を存分に味わい尽くしたいという気持ちを強めながら、俺は少しずつ動かし慣れてきた足を速めて家路を急ぐのだった。
***
「改めて見て思ったけど、やっぱり華の女子大生が住んでるとは到底思えない部屋だよな……」
自宅の場所を探る際に彼女の記憶を読んで事前に分かってはいたものの、それでも実際に目にするとなんとも言えない感情が込み上げてくる。
薄々勘付いてはいたが、里奈は超が付くほどのオタク女だったのだ。
幼い頃からそういった類の物にハマっていたらしく、大学入学を機に一人暮らしを始めてからは更に拍車が掛かり……そんな彼女の部屋にはワンルームを埋め尽くさんばかりのオタグッズが所狭しと飾られている。
一方でファッションや美容、そして(里奈曰く"二次元以外の")恋愛といったものには全く興味が無いようで、女を捨てたみたいなこの糞ダサい格好のまま平気で外を出歩けるのもそれ故なのだろう。
趣味も性格もまるで合わない女だったことが分かって落胆しかけたが、それならこれから俺好みの女に変えてやればいいだけの話だ。なんてったって――
「今は俺がこの女なんだからなぁ♡ あっ……んふぅ♡」
服の上から胸を揉みしだくとくすぐったさにも似た淡い快感が駆け巡り、俺が使っている里奈の唇から彼女の艶めいた嬌声が漏れ出る。片手でその柔らかさと揉まれる心地よさを堪能しながら服を脱ぎ落していくと、下着に包まれた巨大な双丘が視界に入ってくる。
本人以外なら見ることができない視点から女の胸を見下ろしているという光景を前に言い知れぬ高揚感を覚えながら、興奮のままにブラのホックをぱちっと外す。そうして肩にずっしりとした重みを伝えながら露わになった彼女の生乳はやはり何度目にしても魅力的で、先端の突起は俺の興奮を反映するかのように硬く膨らんでいた。
「こんな気持ちいいデカ乳しておいてこれでオナってなかったとか、馬鹿じゃねえのか? 揉んでるだけでこんな……んっ♡ ここまで感じるってのに……♡」
どうやら里奈は昔から大きすぎて邪魔でしかなく、それでいながら軽く擦れるだけで感じてしまうこの胸を嫌っており、そのせいなのか自慰をする際も胸への愛撫だけは意識的に避けているようだった。
けど……そんな元持ち主のコンプレックスなんて俺の知ったことではない。もうこれは俺の胸で俺の身体なんだ、と。この魅惑の爆乳が嫌いだという不快な記憶を押し付けてきた生意気なカラダを調教してやるように、残滓のようにこべりついている微かな嫌悪感を無視して乳房への愛撫を続けていく。
「んっ……ふひひっ♡ そうそう、せっかくこんなエロ乳が自分の物だってんだから、ちゃんと好きになってやらなきゃかわいそうだっての♡」
そんなことを繰り返している内に、俺は少しずつ『里奈』が持っていたその感情が変化していくのを感じ取っていた。まるで俺の嗜好や性癖に順応していくかのように、彼女にとってコンプレックスでしかなかった「邪魔な脂肪の塊」に対し、俺の精神ではなくこのカラダ自体が興奮して鼓動を早めていくのが分かる。
「ははっ、おもしれえな。これならコンプレックスだけじゃなくて頭ん中にこべりついてるオタク臭い趣味なんかも全部消しちまえそう……ふあぁぁっ!?♡♡」
他人の身体を奪っただけでなくその生き方すら変えてしまうことに背徳的な興奮を覚えていたその時、今まで感じたことが無いような感覚に堪らず一際大きな嬌声を上げてしまう。
「あ……ぅぁ……?♡ 何だ今の……乳首を攻めただけなのに腹の奥の方まで触られたみたいな……ひゃうぅっ!?♡♡」
確かめるように再び乳首をぎゅっと抓り上げた瞬間、刺激したその箇所と同時に、まるで神経が繋がっているかのように下腹がずくっとした快感によって跳ね上がるような感覚がする。
男だった俺が初めて感じる種類の快感ではあったが、それが何なのかは里奈の脳にはっきりと刻み込まれていた。女にしかない器官――彼女の子宮が俺の愛撫によって快感を生み出し、本来他人の男でしかなかった俺の魂に伝えているのだ。
「はぁ……はぁ……っ♡」
それをきっかけに完全にスイッチが入ってしまった俺は、全身を満たす耐え難い熱と疼きに促されるままに残りの衣服を脱ぎ散らかし、全裸姿になってベッドに寝転んでいた。
元々は銭湯でお預けにされたこの女体をもっとじっくりと堪能して憂さ晴らしをするつもりだったが、もうこれ以上焦らすことなんてできそうにない。頭の中がオナニーのことだけでいっぱいになり、そんな俺の欲求に呼応するかのように"いつもの"自慰を再現しようと身体がほぼ無意識に動き始める。
「んっ……そうそう、いつもこうやってベッドに寝っ転がって、推しの抱き枕にぎゅうって抱きつきながら……? 気色悪いな、こんなモンで興奮してオナってる女なんてこいつ以外にいないだろ」
身体に染みついた習慣によって抱きしめてしまった等身大の抱き枕を床に投げ捨て……ようとした途端に、一際強い抵抗を感じて思わず手を止めてしまう。
どうやら里奈にとってこの抱き枕にプリントされた男の絵が命の次に大事らしく、それをぞんざいに扱うことがどうしてもできないようだったが――
「ひあぁあっ!!?♡♡」
邪魔な思考ごと圧し潰すように、里奈の弱点である乳首を彼女自身の手で力任せに刺激したことで力が抜け、離すまいとしていた大事な粗大ゴミが床に落ちる。電撃のような快感によってトびかけた思考の隙を突き、彼女が興奮材料としていた対象を別の物へ――思わず奪い盗ってしまったほどに焦がれていたこの女体へと塗り替えてしまう。
「……くひっ♡ そうだ、こんなんもう要らねえよなぁ♡ もっと良いオカズが、最っっ高のドスケベボディが目の前にあるんだから……あぁぁっ♡」
そうして心と身体の性嗜好が完璧に一致したからなのか、湧き上がる興奮の質に変化が起き始めていた。
射精して性衝動を発散したいという欲求とはまるで違う、「欲しい」という欲求。自身のナカに何かを挿入れて満たして欲しいという、男だった時には感じ得なかった本能的な願望。
けれど今このカラダが求めているのは男の汚い肉棒などではなく女の柔らかな肢体で――この娘を女として興奮しながらも女体に劣情を抱くレズ女に変えてしまったという背徳感で更に情欲を煽られ、それに釣られるかのように腹の奥がキュンとした疼きを伝えてくる。
「へへっ、チンコが無いのはどうかと思ったけどこれはこれで中々……というか、むしろこっちの方がイイな……♡」
疼くその臓器が収まっているであろう場所を撫で回してやると、それだけで甘イキしてしまえそうなほどの多幸感が滲んでは脳を蕩けさせていく。男女で感じ方が違うらしいとはなんとなく知っていたが、まさかそれがここまで差があるものだとは思いもしなかった。
更に里奈の記憶によるとこれはまだ序の口で、これ以上の快感が待ち受けているというのだから――
「っ……♡ 思い出しただけで余計ムラムラしてきたし、もうヤっちまうか。こっちの方もとっくに準備万端だったみたいだしなぁ♡」
下腹部を撫でていた手をその下へと滑らせて柔らかな薄い陰毛を掻き分けていくと、指先にぬるりとした粘液の感触が伝わってくる。デカすぎる乳房に遮られて直接は見えないものの、里奈の、今の俺の身体の女性器がどういう状態にあるのかは見るまでもなく明らかだった。そのまま"いつも"のように、彼女の記憶にある通りに指2本を秘裂の奥へと潜り込ませていく。
「浅いとこを圧迫する感じで……おぉぉおっ!?♡♡ ひっ……♡ これっ、すっごぉ……っ♡♡」
身体に染みついたやり方で膣を刺激していくと身に覚えのある未知の快感が襲い掛かり、出そうと思っていないのに勝手に嬌声が漏れ出てしまう。自慰を覚えてからの数年で磨き上げられたその手つきはこのカラダ専用に調整されていったもので、自らの弱点を知り尽くした攻めによってあっという間に軽い絶頂へと押し上げられてしまう。
「やっ……んあぁぁあっ♡♡♡ はぁっ、はぁっ♡ 手ぇ止まんな……はひぃっ♡♡」
女性器を弄る手の動きは一度イった程度で止まることは無く、むしろ一度目以上の快楽を求めてさらに激しいものへと変わっていった。
ぐちょぐちょと水音を立てながら性器を責め立てて、甲高い声で猥らに喘いで……彼女にとって当たり前だったその全てが俺の精神を昂らせ、支配下に置かれている彼女のカラダはそれに影響されて更に熱と疼きを強めていく。男ではなく女に、それも自分自身に欲情しながらの自慰などは以前の彼女にはあり得なかったもので、男である俺の魂に相応しく生まれ変わろうとしている里奈のカラダに愛おしさすら感じられてくる。
「ひひっ、俺のためにこんなエロ女に育ってくれてありがとなぁ、里奈♡ そうだ、ご褒美にこんなのは……あひぃっ!?♡♡♡♡」
膣内を刺激しながら乳首をぎゅっっと抓り上げた瞬間、まるで電流でも流れたかのような衝撃が全身を走り抜けていき、びくんっ!と全身が跳ねてしまう。
これだけの性感帯を自慰に使わないのは勿体ないと思って試したことだったが、想像を遥かに超えていた。2つの快感を足すどころか乗算でもしたのかと思えるほどの快感はあまりに刺激的で、このカラダの記憶にも無い初めての感覚に一瞬呼吸すら止まってしまう。
「あ、あぁぁっ♡♡♡♡ はぁんっ♡♡♡♡ あっ♡♡ やばっ……うあぁぁっ♡♡♡♡」
もはや言葉を発することすらままならなくなり、俺はただひたすらに自らを犯し、快感に身悶えしながらこのカラダへの執着が強くなっていくのを感じていた。こんなものを知ってしまった以上、もう戻れない。返したくない。こんな極上の女体を持て余していた以前の持ち主に返すくらいなら、このカラダもずっと俺に使われていく方が幸せだろう。
「っ、ぁぁぁ……っ!?♡♡♡♡ クるっ♡♡♡♡ 何かすごいのキてっ……♡♡ ひゃうぅぅぅっ!!?♡♡♡♡ くっ…………うぅぅ……♡♡♡♡」
昇りつめた快感の塊が弾けたと思った瞬間、俺は股間から液体をまき散らしながら絶頂を迎えていた。これまで数えきれないほど自慰をしてきた里奈の記憶にも潮を吹いたなんて経験は一度も無く、カラダにとっても初めての本気イキをしたせいなのか全身からふにゃふにゃと力が抜けていくのを感じる。
「はぁ……はひっ……♡♡ や、やべえこれ……体力持ってかれるし……眠気……も……」
元々里奈が睡魔に襲われていたことも重なってか、きつけ代わりに半ば無理矢理な愛撫を繰り返しても瞼が落ちていき――そうして、俺の第二の人生の記念すべき初日は全裸のままで寝落ちというなんとも間抜けな姿で終わったのだった。