黒住探偵事務所──。 とある日の平日。ちょうど午後0時を過ぎた昼間に事務所へとやって来たのは中年の少し恰幅の良い、如何にも成金という風貌の男性だ。 「ここに凄腕の探偵がいると聞いたのだが…」 「凄腕?」 そう申し訳なさそうに呟きながら事務所に入ってきた男の言葉に綾音は一瞬だけ違和感を感じたものの。すぐに意識を目の前の依頼人に向ける。 数分ほど世間話や自己紹介を軽く交わして、綾音は依頼人の緊張を解しながらギラギラとした目付きで男の身に付けた高価な装飾品や腕時計を見つめている。 「んんっ。それでご依頼は」 「……実は、脅迫を受けていまして」 ───脅迫。 その言葉に綾音は成金特有の無理やり金銭を搾り取った恨みを買ったものだろうと勝手に解釈し、どうやって依頼金を値上げするかを考える。 「これがその脅迫メールです」 「脅迫メール?」 綾音は手紙じゃないのかと疑問を抱きつつ、ズイッと男の差し出すスマホを受け取り、なんの警戒もなくスマホの画面を見た次の瞬間、彼女の動きはピタリと止まった、 ぼーっとスマホの画面を見つめる綾音。五分ほど経過した頃。ゆっくりと立ち上がった男は無造作に綾音の真横に腰掛け、彼女の豊満な乳房を揉みしだく。 普段の彼女であれば即座に得意の蹴りを見舞っているはずなのだが、綾音は無防備に突き出た爆乳をオッサンにされるがまま乱暴に揉まれている。 「ふひっ♡この時をずっと待ってたんだ。綾音ぇ…お前は一回蹴っ飛ばした程度のオレを覚えていないだろうが。オレはずうっとお前を覚えてたぞぉ~ッ♡」 ニチャアァッと恐ろしい笑みを浮かべた男はスマホを受け取るなり、手慣れた手付きで素早くスマホを操作し、綾音の全体図の乗った画面に移動する。 「おほっ♡これほんとすげえわ、綾音の全部丸分かり♡」 そう言うと男はスマホを何度かタップし、いそいそと彼女の目の前の席に移動して、彼女に暗示を掛けたまま彼女の意識を呼び起こす。 「………んっ、あ?……」 「ふひひっ。どうも依頼を受けてくださり、ありがとうございます」 ぼんやりと思考の定まっていない綾音にオッサンは勝手に依頼を受けたことにし、軽く頭を下げる。 「…えっ、えぇ、依頼は完璧にこなしましょう」 「では、この手順通りに」 ズイッと差し出された紙袋。 その中に入っているのは、子供用のコスプレ衣装、それから表紙に『台本』と書かれた一冊のA4ノートだ。 ◆ 10分後───。 黒住探偵事務所のオフィスで、パッツンパッツンになった子供用のコスプレ──魔法少女の衣装を身に付けた黒住綾音はオッサンの前に佇んでいる。 子供用のコスプレゆえに大きさも合っていない極薄のレオタードの食い込んだ股間からはみ出たマン毛、生地が足りなくて飛び出た巨乳、ムッチリと存在を主張しまくるデカケツ。 その上にフリフリの寸足らずのスカートを履き、セーラー服っぽい上着はもはやオッパイに乗っかっている状態であり、とんでもない痴女にしか見えない。 「ま、マジカル☆アヤネ、参上!」 黒髪のストレートヘアをツインテールに結い上げ、自分のパンツを頭に被った黒住綾音──自称・魔法少女マジカル☆アヤネは顔を真っ赤にしながらオッサンの目の前を軽やかな動きで舞うのであった。