オレ、ギン・サカノは転生者だ。 どういう原理や理由なのかは分かっていないけど。オレは『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』という人気ノベルの世界に転生し、今も平和に生きている。 ただ、オレの人生計画は数週間ほど前に破綻してしまった。 何の因果による陰謀なのか、オレは主人公の代わりにこの世界のメインヒロインたるアイズ・ヴァレンシュタインちゃんと出会った。 「あの?」 「……」 ───とは言えだ。 彼女と出会ったところで原作は滞ることなく進むはずだし。オレは主神様のためにお金を稼ぎ、このまま平和に原作終了まで生き残る! 「あの、聞こえてますか?」 「ん?あ、悪い。聞いてなかった」 ズイッと顔がぶつかるんじゃないかと思うぐらい接近してきたアイズちゃんにビビりつつ、オレは素直に無視していたことを謝罪する。 アイズちゃんは大手のファミリアに所属する美少女だ。下手に刺激したらウチのファミリアは壊滅してしまう危険性を持っている。 「名前を教えて下さい」 「ギン、ギン・サカノ。一応、レベル3の冒険者です。(っていうか。アイズちゃんはなんでオレなんかの名前を聞こうとするんだ?)」 「ギン…♡」 どろりとした悪感情を宿すアイズちゃんの瞳にゾワゾワしながら一礼して逃げようとするがオレは捕まり、ズルズルと裏路地に連れ込まれる。 それから、いきなり抱きつかれた挙げ句、胸元でエグい呼吸を繰り返すアイズちゃんの興奮した顔にムラムラと性欲が漲るが何とか堪える。 「なんでかな。貴方の近くにいるとすごく気持ち良くなれる♡」 「マジで?」 これは、どういう? ああ、いや、オレの持ってるスキルの影響なのか?と背中に刻まれた用途も意味も面倒臭いスキルの事を思い出して、イヤな気持ちになる。 『悦楽開花(ウォルプタス)』 ・逸物強化 ・性欲の続く限り効果継続 ・魅力の効果上昇 ・■■■■■■■■ ───と。 かなり面倒臭いスキルだ。 ちなみに最後の一文はエロス様いわく「ギンを取り合いになっちゃうから、まだ内緒にしておしましょうね」とのことなのでオレも知らない。 まあ、オレの主神エロス様の影響だって一目瞭然なんだが、あの女神様はセックスと恋愛に関して並々ならぬ情熱を持っているし。もはや仕方のないことだ。 「もっと、ギンの事が知りたい♡」 美少女のお誘いは断れないのが男だ。 ◆ オレはダイダロス通りの一角に建つ家にアイズちゃんを招き、どうやってアイズちゃんに掛かってしまった魅力状態を解除しようかと考える。 だが、彼女はオレの悩みなんて知らないとばかりに自由に部屋を観察し、やがてオレの腰掛けるベッドに寝転んだかと思ったら枕を抱き締めて吸引し始めた。 「ギンの匂い、すきっ♡」 「ああ、そうなのね」 彼女の行動に恥ずかしさを覚えながらベッドの上で身悶えるアイズちゃんのプリプリした小ぶりだが、形も大きさも完璧なヒップに生唾を飲む。