ご無沙汰しております、永椎です。ご支援ありがとうございます。
前回に続き「スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ」の思い出し裏話をしていきたいと思います。
構想時・打ち合わせ時・執筆時どんなことを考えながら描いていたのか…当時を振り返りながら書いていきます。
2巻のカバーイラストです。前回も書いた通り、カバーのコンセプトは「大学生っぽい日常風景に「ナニか」が映り込んでいる画」…なんですが
2巻の内容に合わせてコンビニ背景にしたのは本当に後悔しました。全部描くのは無理だったので、深夜のコンビニに商品棚撮りに行って素材を作って貼り付けたりしてます。
めちゃくちゃ苦労したんですけど、実際のカバーはかなりトリミングされてるんですよね…仕方ないけど。怪異要素の血まみれ買い物おじさんもロゴで隠れてしまった。
カバーだけじゃなく、この巻はコンビニ背景という地獄にアシさんたちを付き合わせてしまって申し訳なかったです。
前巻の隣人トラブルによる引っ越しを経て、千嵐がバイトをするという話です。
大学生といえばバイトだな、と。
バイトシリーズは本当はいっぱいやるつもりで、色々候補を挙げていたんですが、一番バイトイメージの強いコンビニバイトを真っ先にやることにしました。
アシさんからキレられてもおかしくないコンビニ背景。
引きだったり、おおまかには自分が3Dで配置するんですが、ディティールについてはアシさんに頼らざるを得ないので…心を痛めながらお願いしました。
普通のコンビニっぽいんだけど、明らかに異様…ってどんな感じかな~と悩んだんですが、クソ長コンビニに決定しました。
色々経験した結果、幽霊の足くらいじゃビビらなくなり、やや舐めてる千嵐が描いてて我ながら面白かったです。
ネネちゃんと山本の初登場回です。
ネネちゃんは友達に、山本はひどい目に遭わせることは決定してたんですが、この時点では細かいキャラ設定などはほぼ決まってませんでした。
祭壇DIYや、お供え物にコーラとファミチキとか、微妙に侮ってる感のある自力お祓いが気に入ってます。
文献漁ってある程度の事実にはたどり着くけど、真実には届かない…っていうのホラーで結構見る気がしますが好きです
この見開きめっちゃ気に入ってます。「ぬ~べ~」の「赤いちゃんちゃんこ」や「海難法師」あたりで散々怖がらせられた見開きドンをやりたかったのです。
スマホで1pずつめくったとき顔のドアップが来る嫌がらせ仕様です。
顔面に打たれた釘と、縛り付けられた樒など、デザインもお気に入り
これもお気に入りシーン。
どんな怖い目に遭わせますか?と担当と打ち合わせしたんですが、切る・刺す・爪を剥がす…などの後遺症や傷跡が残るダメージは、いくら千嵐がバカとはいえさすがに懲りるだろ、と話し
ダメージの残らない怖い目に遭わせなきゃならなかったんですが、その答えがコレです。
このシーンの原体験がどこにあるかは定かではないんですが…おそらく映画「グリーン・インフェルノ」にインスパイアされてる気がします。
理解し合えない原住民の文化にめちゃくちゃやられてるイメージです。
これもお気に入りシーン。
映画「ホステル」で、主人公が狂人たちの巣から脱出できるところだったのに、見かけてしまった女性を助けるために葛藤した上で助けに戻るシーンが好きだからです。
「ホステル」の主人公も千嵐も、人間的にはよろしくない部類に入ると思うんですが、そういう人物が土壇場で、善性に突き動かされるところに人間の尊さを感じるのです。
逡巡する2コマの表情が上手に描けて満足。
千嵐も山本もそれが何なのかずっと気になってんの好き。
コンビニバイト編完結です。初のロングシリーズでしたが楽しく描けました。
打ち合わせも特に難航しなかったと思う。
ひどい目にはあったけど、ネネちゃんっていう大学で初めての友達もできた…と
最後にちょっと救いもあって良かったと思います。
裏設定にはなりますが、コンビニシリーズで出てきたこの怪異は幽霊ではなく、実際に生きている人間です。
異形の姿を持って生まれ、ひどい迫害に遭っていましたが、禍福を自在に操る力を持っており崇め奉られるようになりました。
畏れられ、地上にあった神殿は地下に隠されて、現代までひっそりと生贄を与えられて生きながらえています。
思念体を飛ばすことで地上の様子を見ています。
過去幾度となく祓われようとしましたが、成し得た人間はいません。
ここから定期テスト編です。
永椎の学生時代の思い出なんですが、どれだけ勉強したかより、どれだけ質の良い過去問を集められるかを競っていた時期がありました。
このあたりの下りはそれを思いながら描いてたんですが、この思い出ってあるあるじゃないのか…?
文字に人格を感じて、名前を確認しようとしたら塗りつぶされた上でズタズタにされてる…っていうこのシーン気に入ってます。
人の数だけ嫌な想像ができそうで
ノートと乗り切った様々なトラブル、追いビンタなど、気持ちよくふざけられて楽しい回でした。
様々なトラブルはゴールデンカムイのパロ
ネネちゃんの追いビンタと千嵐の反応の元ネタは「シャバダバの空に」というバラエティ番組で行われていた、千鳥大吾さんとトータルテンボス藤田さんの何度か繰り返されるやり取りのパロディです。
11話のノートの中の文章とかもなんですが、インセルっぽい気持ち悪い文章とか、洗脳しようとしてくる奴っぽい指示とか考えるの
めっちゃ楽しかったです。不思議とスラスラ書けた。
千嵐の服、かわいいと言ってもらえること多くて嬉しいです。
色々調べたり自分でデザインしたりなどしてるんですが
この回は飛んで走って逃げ回らせることが確定していたので、短いスカートとかスタイルを強調する服装にしてます。なぜなら描いていて楽しいからです。
ノート君との決着のシーンは、楳図かずお先生の「ねがい」に影響を受けてます。
大人になるための自立のシーンであり、子供のわがままで一つの魂を消し去る残酷なシーンでもあります。
スケキャンは大人と子供の狭間にいる「大学生」のお話なので、なかなか象徴的で良い場面だったのではと個人的には思ってます。
でも確か、最後まで担当さんは「セリフがしっくりこない」って言ってた気がする
喉に刺さった小骨のようにその言葉が残っている…
でも今見返しても他の言葉浮かばないし、これで良かったんだと思いたい。
以上、2巻の思い出し裏話でした!
うーん思い出しても描いてて楽しかったなと思う。
このあたりはまだ単行本発売前で、売上とかアンケとか…そういう話はされてなかったと思うのでね。
1巻が発売されて裁きが下されると、楽しいだけでは描けなくなるんですよ。
1巻ってほんとうに大事なんですよ…全てと言っても過言ではないです。
……最後の最後で暗くなっちゃったな…………
次回も「星つぶ」か「スケキャン」の思い出し裏話やりたいと思います。
あと、あまりにも絵を描かなすぎなので、近々練習も兼ねてskeb再開しようかなと思ってます。お金はかかってしまいますが…ご興味ある方は依頼してみてください。
また告知します。
3巻の思い出し裏話もお楽しみに!
以下、キャラクター解説です。
・プロフィール
蘇芳 ネネ
10月2日生まれ 天秤座
身長148cm 体重42kg
血液型AB型
キャラのコンセプトは親友・悪友です。
連載しながら手癖でデザインしたら永椎の大好きな「それでも町は廻っている」の紺先輩になりました。でもこの見た目以外考えられなかったんだもん………。
ちっさくてテキパキ動く世話焼きで、口は悪いけど誰よりもしっかりしてていい子…という……幸せになってくれ…
上記の通り、連載しながら考えたキャラなので、細部は描きながら決まっていった感じです。場当たり的ではあるけど、キャラが生き生きするのって往々にしてこういう時だったりする。
最終盤で実は既に死んでいて、怪異によって生き返らされた人物ということが明かされますが、これも連載中に思いついた設定です。
その結果ちょっとこのキャラ解説はややこしいかもしれませんが順を追って説明します。
・幼少期
1967年、地方の小さな印刷会社の一人娘として生まれます。
作中の時間で千嵐の大学入学が2022年なので、55年前のことになりますね。
たくさんの大人と関わり、のびのびと、優しく見守られ育ちます。
・思春期
田舎特有の閉塞感や、親が自分の人生をデザインしていることに嫌悪感を覚え反抗期を迎えます。両親は一人娘をずっと手元に置いておきたかったようです。
印刷会社は安定した経営を続けていましたが、跡取りをどうするかが常に父親の悩みのタネだったようです。
ちなみに中学高校ともに陸上部でしたが、バイトも掛け持ちしていたので、そこまで真面目に部活には出ていません。
・大学
作中でネネが語っているのと同じく、勝手に大学受験して一人上京してしまいます。
一時期勘当同然の状態になりますが、一人で学費を稼ぎ卒業までしたネネを見て両親はネネの考えを尊重するようになります。
卒業後、印刷関係の会社に就職し、勉強を続けていましたが
その間に実家の印刷会社の経営が悪化、倒産となってしましました。25歳の時です。
・母親
目標が失くなって、途方にくれていましたが
出逢いに恵まれ結婚、28歳の時に息子を出産しています。
結婚を期に退職し、子育てと家庭を守ることに精を出します。
人生で最も幸福な期間でした
・病没
2009年、癌による多臓器不全により死去。享年42歳。
・補充
2022年、鷹陽学園大学の謎の怪異によって、死んだ誰かの代わりに「補充」され18歳の姿で復活。同時に周囲の認識が改変されました。
ネネの両親は存命でしたが、千嵐が改変を認識したことにより倒産した会社が復活、両親も強制的に若返らされました。
ネネの息子は結婚し、子供もいますが、もし「補充」されたネネと遭遇した場合
改変によって存在を抹消されます。
上記の通り「補充」の仕方はかなり杜撰で場当たり的なので
歪みが臨界に達したときどうなるのかは、不明です。
マユゲナシ
2025-10-22 01:06:18 +0000 UTC