人間は取り換えのきくぶっ壊して遊ぶ使い捨てのおもちゃ。
人間界ネイティブ世代のアルオメちゃんはそう認識して育った。
SNSのいいねの一個。
投稿が期待するほどのいいね数にならなければ手足をちぎって遊んだ。
それを公開すればまたいいねがつく。
ファナティックという彼女の信者たちはむしろその権利を獲得しようと生贄の抽選権に殺到した。
そういうおもちゃたち。
だが今そんな下位存在の人間に今自分は組み敷かれている。
蜘蛛のようなアームを背中からはやしたシスターが自分を襲撃し、今手足を拘束してアルオメちゃんの背中から生える翼や眼球。悪魔の力の源・デーモンコアを抜き取ろうと。
まさにアルオメちゃんを損壊しようとしていのだ。
「クソ!!人間如きが…!!」
そう思っても身体に力が入らない
「きれいな翼ですわね…。きっと高値で売れますわ!!」
こいつらは悪魔の生体パーツで自身を強化するマジカネティクス強化人間だ…。
自分の身体の一部が汚らわしいサルどもに接ぎ木されるなんて…。殺される以上の冒涜だ…!!
それにしても悪魔と天使の自分が手も足も出ないなんて…。そりゃ今まで戦たことなんてなかったけど…強化人間…ここまで強いのか…ッ!!
一方、負傷した先輩ケモ。
後輩ケモの腕に抱かれ、そのしなやかな腹部に刻まれた傷口からは鮮血が今なお流れ出ている。
「クソ…!!先輩のドエッチな腹筋を傷物にしてくれやがって!!このえっちすぎるタテスジに跡が残ったらどうする!!いや…でも私をかばってついた傷口…。ヤッバ!!!最高!!!エッチすぎる尊すぎる!!!!なめたい…。レロレロレロ…。
……ってそんなこと考えてる場合じゃない!!」
我に返って銃と剣を握りしめ弾丸を乱射しながら蜘蛛シスターに突撃する。
「ウォオオおおおお!!!先輩の仇ーーーーーーーーッ!!!!」
白銀の長尾が紫電のごとく疾走する!!スピードだけでいえば先輩ケモに引けを取らない。弾丸を追い越す勢いでさらに近接の間合い!!渾身の抜刀!!!
しかし!!
ズドドド!!
8本のアームが一瞬で魔力弾を叩き落とし後輩ケモの四肢に深いダメージを与えていた。
「ぐ!!ぎゃああああ!!!」
とびかかった姿勢のまま受け身も取れず地面に達たきつけられる後輩ケモ。
シスターのとがったアームの先端がパキリと割れ三つ又の指のようになったかと思うと後輩ケモの首をそのまま空中でつかみ持ち上げる。
「ウグググ…。」
あくまでねじ切らないようにそっとといった感じで…。ちょっと力を入れたらまさに後輩ケモはそうなってしまうだろう。
「や…やめろ…」
先輩ケモがもうろうとする意識の中懇願するも
「ケモのパーツって安いのよね~。いらなぁい」
そういって無慈悲に腹部を貫き先輩ケモのもとへ放り投げた。
「そんな!!嘘だ!」
腹部に貫かれた傷口から大量の血が流れだし、微かな息が今にも途絶えそうなほどごぼごぼと口から血を流す後輩ケモ。
「ウガァアアアア…。」
「⁉」
周りには会場を襲撃した強化人間たちも集まってきている。
もうおしまいか…。
そう諦めて後輩ケモを守るように抱きしめた瞬間!!
ドガアアアアアアアアンン!!!!!!!!!
突然轟音とともに漆黒の天使の翼と青白く輝く悪魔の羽が炎と黒煙を切り裂いて舞い降りた!!
「アル…オメ…⁉いや…あれは…まさかッ!!!
この映画のもとになったあの虐殺の少女!!
生きて…いたのか!!!?」
敵…?味方…??
そう考える間もなく
「キェエエエエエエエ!!!!」
シスターが8本のアームで攻撃をする!!
しかし!!
一瞬の閃光の後、白銀の長剣が翻りアームはばらばらに砕け散った!!
更にシスターの頭部も!!!!!!!!!!
ドブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
シスターの首から鮮血が噴出する。
「すごい!!私のこと助けに来てくれたんだ!!こんな役に立たないケモどもの契約切って、私の警護担当になら…」
そういってアルオメが駆け寄ると…。
「バンバン!!!」
頭部に魔力弾をダブルタップで打ち込む謎の少女!!
通常悪魔の頭骨は一撃で貫通できないが眼球を正確にとらえたそれは頭蓋の中でさく裂しアルオメの頭を吹っ飛ばした。
ドブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
アルオメの首から鮮血が噴出する。
デュラハン化したアルオメは首をはねられた鶏のようにパタパタと二、三歩歩いてぱたりと倒れた。
「本人よりかわいい顔してんじゃねぇよニセモノが」
そういうと謎の少女は踵を返し
「BLAM!!BLAM!!BLAM!!」
大口径のハンドガンで魔法弾乱射!!そして白銀の長剣で強化人間たちを一瞬にして一閃!!!スレイした。
「つ…強い…!!い…いったい…。あんた何者なんだ…」
無差別処刑会場と化したシネマホールで先輩ケモは微かに息をする後輩ケモを抱きながら謎の少女に訪ねた。
「そうだな…。あらゆるものをスレイする…。天使か悪魔ちゃんだ」
そういうと彼女は漆黒の翼と透きとおる悪魔の羽を広げどこかに飛び立った。
彼女は何者なのか…。彼女の目的は…。そして敵なのか味方なのか…。
まあ…今回の警護は依頼人死亡で大失敗だ。しばらく思いっきり休もう…。
意識が遠のく中で先輩ケモはそんなことを考えていた。