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【尿意ゲージ付】認識改変世界の排泄事情~私のオシッコ見てください~

常識。 それは人間が円滑に社会を運営するため、大多数に浸透させる生活様式や社会通念。 場面に応じた適切な挨拶や、服装などもまたその場に応じて適切なものを選ぶことも常識の範疇に入る。 この常識がもし、ある日突然「おかしなもの」になったとしたら、果たしてどうなるだろうか。 そのおかしな常識を全員がさも当たり前のように受け入れる光景は、果たしてどのように映るだろうか。 『あの、すみません……私のおしっこ、見てくれませんか?』 街ゆく若い女性が男性に、排泄を見て欲しいと声をかける。それは既存の常識からは明らかに逸脱した光景。 それが1人だけに限らず、街のどこを見てもそのような様子が見られる。多くの若い女性が、その辺りの男性に声をかけて排泄を見てもらうようにせがむ。 『ごめんなさい、ごめんなさいぃっ……!おねがいですから、私のおしっこみてください!朝からずっとできなくて、もう限界なんですぅぅ!!』 至る所で散見される、男性にすがりついて懇願する女性の姿。排泄を見て欲しいと街中で懇願する姿。 明らかにおかしなこの光景を、街の全員が当たり前のように受け入れている。 その理由はたったひとつ。この光景こそ、今のこの国における常識だからだ。 いつの頃からか、この国では若い女性の排泄には男が立ち会うことが常識となった。 10代から20代頃の若い女性が小用の際、個室の中に男性を招き入れて排泄姿を見せる。 そうでなければ小用をしてはならない。そう全ての国民が認識するようになった。 仮にもしその年齢の女性が男性を伴わずにトイレへ入ろうとしたなら、それより年上の女性がはしたないと警告をするように。 また当の若年女性もそれが当然であり、そうしないことは恥だと認識していた。 何を原因としてこのようになったのかは定かではない。しかしここ十数年ほどの間、若年女性と男性たちとの間でこうした行動が取られるようになったし、高齢者たちもまたそれが当たり前であると認識していた。 だが人々の認識はともかくとして、突然の出来事に社会の整備が追い付いていないのが実情である。 男性がいなければ小用を足すことができないということ。それはつまり女性しかいない状況下では誰もトイレに行くことができないということを意味する。 例えば男性比率が少ない保育士やアパレル系の職に就く人 例えば父親と離婚したり死別したりしている家族 そして、女子校。 これら女性しかいない状況下で、こうした常識を持ってしまった女性はいかにして過ごすのだろうか。 キーンコーンカーンコーン…… 『はい、朝のホームルームを始めますよ。皆さん席についてくださーい』 そして今まさに、ひとつの女子校で事件が巻き起ころうとしていた。 中年ほどの女性教師が教壇に立ち、生徒たちの出席をとる。ありふれた月曜日朝の光景。 出欠をとり、授業の確認をし、最後にその日の予定を伝える……いたって普通のホームルーム。 だがその最後の最後で、普通ではない発言が飛び出した。 『あ、それと先週から言っていた通り、今日はおトイレ監視員の皆さんが研修でいません。なのでおトイレに行きたい時はこの学校でただ一人の男の先生……3年B組の先生にお願いしてから行ってくださいね』 おトイレ監視員。それは学校におけるトイレ問題に際し、国が急遽設けた臨時教員である。 現在のこの国では女性がトイレに行く際には男性の監視が必要となる。そのため女子校であったり男女比率が著しくずれている場合、トイレに行きそびれる女子生徒の数が激増してしまう。 それは健康面から見ても良くない。そうした事情から新設されたのがおトイレ監視員である。 一言で言うなら、女子生徒のトイレを監視することだけを仕事として学校に常駐する男性教員ということになる。 しかしこれはその性質上、危険を伴うものでもある。ことにトイレという密室で、排泄行為を至近距離で見ることを仕事とする男性。それは非常にセンシティブな存在である。 そのため過ちが起きてしまわないよう、半年に一度の研修を受けた人間しかこの仕事をすることはできず、何かが起きた際には厳重に取り締まられることとなる。 しかしその研修が、公的機関の開いている平日にしか行われないということが大きな問題を引き起こしていた。 他でもなく、生徒たちが登校している日に肝心の監視員が揃っていなくなるのだ。それによる被害は想像に難くない。 全校生徒1000人近くの排泄を見守ってくれている監視員がいなくなり、校内ただ一人の男性教諭だけになるということ。そして学校という性質上、避け得ない50分の拘束時間。 果たして10分しかない休憩時間と食事も込み一時間の昼休憩のみで、1000人いる女生徒の排泄を、教師として過ごしながら見ることができるのか。 (……って、できるわけないよなあ……) 物理的に考えても不可能な難題に挑むのは、教育課程を終えてまだ2~3年という若手男性教師。 その年齢と可もなく不可もないルックスから女子校においても卒なく溶け込んでいる彼の教員生活において、最大級の難問が突きつけられていた。 大事な生徒を預かる身として、いくら常識や道義の問題があろうとも生徒を健康なまま返してやりたいと思うのは自然なこと。そんな彼が、全校生徒が膀胱炎になりかねない状態を見過ごしておけるはずもない。 なので彼は今日に先駆けて、この状況を打開し得る策をあらかじめ打っていたのだが…… (切り札もまだ届いてないし、今日中に来ればいいが……) 全校生徒の排泄を受け止めうる何か。それがいかようなものであれ、相当に大規模な代物であることは間違いない。そのため配達には相応の時間を要していたのだ。 配送会社に頼み込み、なんとか間に合わせるように言ってはいるが実際に届くまで不安は尽きない。 「危ない」生徒については優先的に見てやるつもりではいるものの、しかし彼も一人の教員である。次の授業の準備などもある中、どれだけの生徒を見てやれるだろうか。 トイレという個室ではどうしても見てやれる数に限りがある。それをなんとかできる切り札の到着に期待を寄せるのは致し方ないことだった。 (アレさえあれば教室で大人数がしても、全員を見てやることができるからなあ) トイレでもない教室での排泄を可能とし、またその様子を彼が見守ることのできる道具。その到着までは、まだ遠い。 _____________ 【一限目】 [3年G組] 生徒数 32人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 11人 今朝7:00前後 18人 本日以前 3人 膀胱内容量内訳 500ml以下 29人 500ml以上700ml未満 2人 測定エラー 1人 「さ、授業を始めるぞー。みんな席につけー」 「あとみんなも知ってると思うが、今日は監視員の皆さんがいないから、危ない子がいたら早めに言うんだぞー」 男性教師が話をすると、途端に教室がしんと静まり返る。やはり年頃の少女たちにとって、自ずからトイレが我慢できないと発言するのは勇気が必要なのだろう。 確かに常識としてトイレをする時には男性の目が必要という認識になってはいる。しかしそれとは別にして、それを恥ずかしいと思う認識もまた存在しているのだ。 それは例えば健康診断の際に胸を晒すようなもので、そういうものだと認識があってもそれは恥ずかしさを帳消しにするものではない。 ましてその健康診断を男性医師しかできないというのであればなおさらだろう。 今の状態はそれと似ていて、自分の恥ずかしいところを若い男性教師に、それもトイレが我慢できない生徒だという宣言付きで見せびらかす行為。それはとても受け入れられたものではない。 (まあそりゃ言いづらいよなあ……今のうちに言っといたほうが楽なんだが、仕方ないな……) 結局トイレを言い出す生徒が現れることなく、一限目は終わりを迎えた。授業を終えた彼は道具を片付け、教室から出ようとする。 その時、視界の端にあるものが映った。それは教室の一番隅の席に座る女生徒の手。 授業の間ずっと机に突っ伏し、寝ていた生徒。特段厳しく注意するタイプでない彼はそのまま授業を続けていたのだが、その彼女の手が少しだけ上がって見えたのだ。 とは言ってもそれは肘から上を起き上がらせた程度のもので、すぐに引っ込んでしまったのだが。 (……?いや、気のせいか) 恐らく寝ぼけていたのだと、そう結論づけて彼は教室を去っていった。 【2、3限目】 [1年D組] 生徒数 30人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 8人 今朝7:00前後 17人 本日以前 5人 膀胱内容量内訳 500ml以下 25人 500ml以上700ℓ未満 5人 「よし、授業を始めるぞー。席につけー」 「前もって言っておくが、危ない子がいたら早めに言うんだぞー」 2限目。彼が受け持つ数学の授業を担当すべく教室に入った彼は、またしても同じ注意を繰り返していた。 というのも高校の授業では、担任がすべての科目を受け持つわけではないからだ。 小、中学校と異なり、高校ではそれぞれの学年ごとそれぞれの科目ごとに担当教師がいて、対応する科目の授業を対応する教師が行う。 彼の担当は数学であり、おおよそ毎時間ごとに違うクラスで授業を行う。 なので同じ注意を別のクラスでもう一度繰り返さなければならないが、結果はやはり前と変わることはなく。 やはり恥ずかしさが先に立つのか、申し出る生徒はいなかった。それは続く3限目でも同様で。 (3限目も言いに来る子はいなかったか……大変なことにならなければいいが) 教師として、教室が水浸しになるようなことはできれば避けたい。そうなる前に危ない子の面倒を見ておきたい彼の思惑が外れた以上、後にできることはひとつ。 生徒たちがきちんと我慢できることに期待する。それしかないのだ。 [3年A組] 生徒数 33人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 13人 今朝7:00前後 16人 本日以前 4人 膀胱内容量内訳 500ml以下 7人 500ml以上700ml未満 20人 700ml以上1ℓ未満 6人 【4限目】 [2年F組] 生徒数 34人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 16人 今朝7:00前後 12人 本日以前 6人 膀胱内容量内訳 500ml以下 0人 500ml以上700ml未満 12人 700ml以上1ℓ未満 22人 4限。午前中最後の授業。 今回も同様の注意と共に授業を始めた彼だが、やはり申し出てくる者はなく授業が始まった。 高校生らしく多少のおしゃべりの声と、彼の講義の声が響く青春の時間。 若く瑞々しいそんなひとときの中で、事態は少しづつ動き始める。 教鞭をとる彼の視界の端々で、もぞもぞと身を捩る生徒たち。おしゃべりに興じる者も、まじめに授業を受けている者も、そのどちらともが少々落ち着かない。 他でもなく、恥ずかしさによって言わずにいたものがとうとう牙を剥いたのだ。 しかしそれでも、今は授業中である。生徒の側から申し出るのならともかく、教師の方から行くように言うことは難しい。 それもクラス全員がそうだとなれば、もはやその対処だけで授業が終わってしまうだろう。生徒の方で自分の体調を把握して、申し出てくれない限りは動きようがない。 だがやはり、今回も申し出てくる者が現れることなく授業は終わった。落ち着かない様子のまま教科書をしまう女生徒たちを、彼は心配そうな眼差しで見つめていた。 【昼休憩】 昼休憩。昼食も兼ねた1時間もの自由時間。 お昼を食べるだけなら長すぎるその時間。若き生徒たちはその時間を使って大いに語らい、遊ぶ時間なのだが…… しかし今、その様子に大きな変化が現れていた。 食事を取ってはいるものの、全員が水分を極端に避けているのだ。 その理由は言うまでもないが、しかしそれにしては大きな違和感があった。 というのも水分摂取を避けるほど追い込まれているはずの生徒たちが、一人も彼のところに来ていないからだ。 むろん校内全員を捌くことはできないだろうが、それでも特別に「危ない」生徒の問題を先駆けて解決することはできたはずだ。 それなのに誰一人として言ってこないことに大きな違和感を抱いていた。 だが、だからといって教師である彼の方から誰かを指名するような真似もしたくはない。確実にいらぬ誤解や騒ぎを招きかねない以上、やはり向こうから行ってくるのを待つしかないのだ。 その裏側に、生徒たちが相談しに来ないことの裏に、思春期ならではの複雑な事情があったとしても。 【5、6限目】 [3年B組] 生徒数 32人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 11人 今朝7:00前後 14人 本日以前 7人 膀胱内容量内訳 500ml以下 0人 500ml以上700ml未満 3人 700ml以上1ℓ未満 18人 1ℓ以上 11人 午後の授業の始まりは、生徒たちの元気ない挨拶から始まった。 いつもなら多少面倒がりながらもきちんと返事をしてくれているのが、今はまばらに震える声で答えるだけ。 その生徒たちの様子はというと、ほぼ全員がせわしなくふとももをすり合わせている。見るからにあからさまな我慢の様子。 それでも誰一人申し出る者はなく、授業は始まった。 これまではそれなりにあったおしゃべりも今はまったくなく、全員が静かに授業を受けている。 しかしそれはまじめに授業を聞いているからなどでないのは明らかだ。手のひらでふとももをさすり、時折ぎゅっと締め付けて噴きこぼれそうなものを耐える。喋っている余裕など誰にもないからだ。 そんな中にあって、誰一人尿意を訴える者はなかった。怪訝に思いながらも彼は授業を続けるが、彼は知らない。 その背景にある、この時代の思春期特有の現象を。 教室にいるほぼ全員がうつむき、机に突っ伏すこの状況。全員が全員ともつらい尿意を耐え忍ぶこの状況。 それは生徒たちにある種の異質な連帯感を生んでいた。 喩えるならそれは部活の過酷なしごきを全員で耐えているかのような、つらい出来事に立ち向かうことで生まれる一種の結束。 それは全員に連帯感を生むのと同時、全員を束縛するものでもあった。 部活のしごきに耐えられず辞めてしまった生徒を、いくじがないと罵倒するように。 このつらい尿意から、自分だけ抜け駆けするような者を許さない。そうした風潮が生まれていたのだ。 ややもすればそこからいじめにも派生しかねないこの状況で、誰が尿意を言い出すことができるだろうか。 裏切り者と罵られ、大事な友達をも失いかねないリスクを誰が取れるだろうか。 特に今の時代、SNSを使えば簡単に気に入らない一人を排斥することができてしまう。グループに一人だけ入ることができない疎外感はいかほどのものだろうか。思春期少女にとって、存在を否定されるに等しいものであることは想像に難くない。 それがゆえ、5限の間も誰一人として尿意を申し出る者はなく授業は終わった。 終わる頃にはみんながみんな、ぎゅうと前を押さえるようになっていても。それでも。 そして迎えた6限目。この頃にはもう、皆必死だった。 先生の挨拶に応える声は一つもなく、全員が全員とも机に伏して尿意を耐える。 学校として教師としては注意するべきなのだろうが、しかし注意をしたとして現状が改善することはあり得ない。 その原因が生徒の不真面目にあるのではなく、避け得ない事情によって高まった生理反応にあるのだから。 朝の8時から始まった学校。当然ながらそれより前に家を出なくてはならず、用を足すとしたらそのタイミングしかない。 家の距離による個人差はあれど、多くの生徒が最後にできたのは6時ごろから7時前半ごろだろう。 そしてそれからどれだけの時間が経過しただろう。一限ごと50分と10分の休憩が1セットを6回。すなわち6時間と、一時間の昼休憩を合わせた7時間が経過している。 それと登校時間を合わせるなら、個人差はあれどおおよそ8時間もの間誰もトイレに行けていないのだ。 通常は3~4時間に一回の排泄行為を、その倍の時間許されていない。それがもたらす尿意はいかほどのものだろうか。 しかも朝の用足しにしろ、100パーセント可能というわけではない。父親の出勤が早かったりすれば、最悪の場合それさえできていないことも考えられる。 少女たちの膀胱には今、限界を超えた尿意が詰まっているのだ。 それが少女たちから平静さを奪い、授業のさなかでありながら我慢に全神経を集中しなくてはならない事態を生んでいた。 (……がんばれ、みんな……!あと少しだから……!) その様子を見守る教師は、もはや何も言葉を発することができなかった。誰一人の集中も削ぎたくなかったのだ。 授業をする声すらない静寂の教室で、ただ時計の音と衣擦れだけが小さな音を発し続けていた。 かち、こち、もぞもぞ、ぎゅうぅ それぞれは小さな音ながら、いくつもの衣擦れが響く様子はさながら尿意我慢の合奏曲。耳を澄ますまでもなく聞こえてくる少女たち決死のリサイタルは、授業終了の鐘が鳴るまで続くのだった。 [1年C組] 生徒数 35人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 18人 今朝7:00前後 9人 本日以前 8人 膀胱内容量内訳 500ml以下 0人 500ml以上700ml未満 0人 700ml以上1ℓ未満 1人 1ℓ以上 34人 【幕間】 (さて、実際どうする……?) 授業の終わり際10分前。生徒たちの尿意問題解決に向けて思考を総動員している彼は、授業そっちのけでそちらのことばかりを勘案していた。 このような事態のため、これを未然に防ぐための切り札も未だ届かず、正直に言えばお手上げの状態としか言いようがなかった。 彼はこうした時のため、教室内で彼の目が届く範囲で複数人に用を足させることができる。そんな代物を大量注文していたのだが、6限が終わろうというこの時間になってもまだそれは届いていないのだ。 これが無かった場合、彼はひとりひとりの生徒を個室内で1000人も見守らなければならない。一人が1分ほどで用を足し終えると仮定しても、ほとんど一日かかってしまう計算だ。とても無理である。 なので彼は考えていた。切り札が届かないのなら、それに代わる何らかの手段を考えなければならないのだから。 そうしなければ学校中が黄色い水溜まりで埋め尽くされる。それほどの緊急事態であることを肝に銘じて。 (……………………何とかできるとしたらひとつだけ、か……校長先生に相談してみないとな) そして彼はその状況を打開し得るたったひとつの策をひねり出した。 だがそれは、お世辞にも特効薬と呼べる代物ではなく、その実行には学校における最高権力者の許可が必要となる。 それでも他に方法はなく、授業が終わるなり彼は校長室に向かっていった。 【放課後】 『と、といれ、トイレえぇ……!』 『も、もうこれにするしか……!でも、ぜったい足んないぃ……!』 そして迎えた放課後。校内のそこかしこで聞こえてくるパニックの声。 校内全生徒が机の下できつく前を押さえつけ、噴きこぼれそうな尿意を耐える。あまりにも痛ましい光景。 そんな折、教室に設けられた放送スピーカーから声が聞こえてきた。それは他でもなく、あの男性教師の声だった。 『……連絡します。全校生徒はただちに校庭に集まりなさい。繰り返します。全校生徒はただちに……』 一体どういうことか。疑問符を浮かべながらも生徒たちは校庭へと向かっていった。 前かがみで股間を抑えながら、のろのろとした歩みで。 そして放送から20分ほどかけて全生徒が校庭に集まったところで、例の男性教師が拡声器を使って生徒たちに語り掛ける。その内容は、誰もが目を剥くようなものだった。 「あーーーー……全員集まったかな?それでは全員、ここでオシッコをしなさい」 『『『『『はあ!!!!!?!???!』』』』 当然に降り注ぐ非難轟々。年頃の少女たちにとって、個室でもないこんな場所で、他の子たちと一緒にしろというのは無茶を通り越している。 しかしこのような発言をするのにも当然理由がある。 というのも相手が1000人もいる中で全員の放尿を個室で面倒みるのは当然不可能であり、そのための最終兵器……どこでも用を足すことのできる代物も届かなかった。この場にいる男性が一人である以上、見晴らしのいい校庭で全生徒をひとまとめにする以外方法はないのだ。 そうしたことをきちんと説明すると非難の声は徐々に聞こえなくなっていき……そして少女たちが次々に下着を脱いでしゃがみ始めた。 いやに聞き分けが良いのも仕方なく、なにしろ彼女たちは全員が我慢の限界なのだ。全員が全員とも早くしたくて仕方がないのだ。 そんな時に、たとえ恥ずかしいものであっても方法が提示されたのなら。免罪符が与えられたのなら、それに縋らないはずもなく。 全校生徒1000人の噴射孔が、青空の下露になる。 午後3:30、少女たちが最後に済ませてから最短およそ9時間…… 1000本の放物線が、砂の敷き詰められた校庭にぶちまけられる。 [全校生徒] 生徒数 1042人 最終トイレ時間内訳 今朝6:00以前 523人 今朝7:00前後 442人 本日以前 77人 膀胱内容量内訳 500ml以下 0人 500ml以上700ml未満 0人 700ml以上1ℓ未満 0人 1ℓ以上1.5ℓ未満 551人 1.5ℓ以上2ℓ未満 490人 測定エラー 1人 ぶっしゅうううううううううううーーーー!!!!! びゅしししししいいいいいいーーーーー!!!! 広い広い校庭に響き渡る、千者千様の排泄音。それはひとつひとつが際立った存在感を放ちつつ、他の音と混ざり合っていく。 甲高く響き渡る排泄音のフルオーケストラ。吹奏楽部の演奏にも匹敵する壮大な一大コンサートが校庭で繰り広げられる。 そしてそれを彩る、1000本もの黄金の放物線。ばちゃばちゃと地面に当たって跳ね返る飛沫がきらきらと光を反射し、少女たちの解放を彩っていく。 全員が全員とも、つらい我慢を乗り越えた果ての大解放。それは一人一人がリットル級のものであり、2メートルは遠くに水溜まりを形成するほどの勢いで迸る。 だがそんな中で、ひときわ遠くにそれを飛ばす生徒がいた。 どれだけ我慢していたのだろうか。足腰が立たず、しりもちをついた体勢で爆尿を迸らせる地味な印象の彼女は、人の身長をも軽々飛び越すほどの特大放物線を描いていた。 時折びくん、びくんと身体を跳ねさせながらオシッコを噴射する彼女。そのあまりに心地よさそうな有様は、他の少女たちにも伝播していき…… 『『『『『っっっっはあああぁぁぁ~~~~~………………』』』』』 排泄音と同様、1000の少女たちがシンクロして奏でるため息のハーモニー。 未だ鳴りやまぬ排泄音と合わさった少女たちのオシッコ演奏会は、少女たちの膀胱が空になるまで続くのだった。 ______________ 「じゃ、気をつけて帰るんだぞー」 それからしばらくして、生徒たちの大解放を見届けた後は下校の時間。さすがに今日は部活も休みとなった。 その理由は明白であり、校庭が使えなくなったためだ。 「……さて、これどうしようなあ……」 校庭に戻り、ため息をつく男性教師。その目の前にある物は、校庭の真ん中に形成された薄黄色の巨大な水溜まりだった。 少女たち全員のお腹に溜められた一人あたり1リットル超えのオシッコ。それが1000人分で、単純に1トンもの超大量のオシッコが校庭にぶちまけられたのだ。 その水溜まりの大きさたるや、下手をすればトラックまでも侵食しかねない勢いである。 もはや砂による給水能力も用をなさないほどの莫大な水量のそれをなんとかしなくてはならない。 「…………しかたないよなあ」 やや申し訳ない気持ちを抱きながら、未だほかほかと熱を放つそれにバケツを突っ込む。思春期少女の排泄物を処理することにやや複雑さを覚えながらも、地道に作業を続けるしかない。 バケツでオシッコを掬い取り、排水口に流していく。それをするしか、校庭を使えるようにする術はないのだ。 翌日。部活の朝練に来た生徒たちは練習の最中、ほんの少しだけ漂うアンモニアの臭いを感じたという。


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